有野 |
でも意外な人に怒られたな。 |
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濱口 |
僕の実家が喫茶店なので、母親に「何でわざわざコーヒー持って帰ってくんねん!」って怒鳴られました(笑)。 |
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有野 |
僕も「売るほどあるのになぁ」って思ってましたけどね。 |
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濱口 |
コーヒーが飲みたかったというより、コーヒーを大量に持って帰ることで、このやるせない気持ちを処理していたんですよ(笑)。 |
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有野 |
僕のアルバイトは、大阪の梅田にあるステーキハウスが最初です。当時、僕と濱口君を含めて仲のいい5人でよくつるんでいたんですが、一緒にアルバイトを探そうっていうことになって梅田に行ったんです。でも5人一緒に雇ってくれる店なんて当然ないので、二手に分かれることにしました。それで僕は「タグソ」(っていうあだ名の子)と一緒に、そのステーキハウスの面接に受かりまして。 |
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濱口 |
僕らはどこにも雇ってもらえなかったので、2人に「働けてええなぁ」って言っていました。 |
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有野 |
ところが、アルバイト初日からタグソが来なかったんですよ。学校を出る時に「先に行っといて」と言って、そのまま来ず。仕方がないのでその日は1人で皿洗いをしてました。2日目も、学校を出る時に「先に行っといて」って言われたので、「これはもう来へんな」と思って、僕も行かずに辞めてしまいました。 |
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濱口 |
だってあいつ「行きたくない」って言ってたもん。 |
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有野 |
あいつから誘ってきたはずやのに! |
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濱口 |
タグソが「働きたくない」とボソッと言うので、僕が引っ張ったんです。「働くなよ。遊ぼうぜ」と誘うと、タグソもすぐに「おぉ、分かったわ、今日お前と遊ぶわ」って乗ってきて(笑)。「有野どうしよう…」と聞かれたので、「ほっといたらええねん。あいつも辞めてくるって」と言ってやったんです。案の定、次の日有野君は辞めてきました。 |
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有野 |
そんなことがあったんや。20年の歳月を経て初めて知る真実やわ。 |