2021.02.15

【税理士監修】無職でも確定申告が必要なケースと不要なケースの違いとは?

無職でも確定申告が必要なケースと
不要なケースの違いとは?
無職でも確定申告が必要なケースと不要なケースの違いとは?

バイチュー 確定申告は、自営業者やフリーランスといった個人で事業を行う方にとって必要な手続きといったイメージですが、無職の場合でも必要になることがあります。また、無職だからと確定申告をしなかった場合、損をしてしまう可能性もあるのです。
ここでは、無職の場合でも確定申告が必要なケースとしたほうがいいケースのほか、確定申告の方法について解説します。

確定申告とは?

確定申告は、1年間に労働などで得た所得を確定し、所得税や復興特別所得税の納税額を申告する手続きです。申告する年の1月1日から12月31日までの所得や納税額を確定申告書に記入し、翌年の2月16日から3月15日までのあいだに、居住地を管轄する税務署に提出します。

※2021年の確定申告期間について、全国一律で令和3年4月15日(木)まで延長となりました。
参考:国税庁 申告所得税、贈与税及び個人事業者の消費税の申告・納付期限を令和3年4月15日(木)まで延長します

確定申告が必要な条件

確定申告は、所得と所得税額を申告する重要な手続きですが、会社員の場合は、会社が毎月の給料から所得税の概算額を天引きして、所得が確定する年末に年末調整を行ってくれるため、自身で確定申告をする必要はありません。確定申告を行う必要があるのは、下記のようなケースです。

会社員の場合

会社員として給料を得ている場合でも、副業や投資などで給与以外の所得が1年間で20万円以上ある場合や、2ヵ所以上の企業から給与を受け取っている場合、また年収が2000万円を超える場合などは、個人で確定申告を行わなければいけません。

自営業の場合

自営業の場合は、各自で確定申告を行う必要があります。なお、事業主であっても年間所得から基礎控除である48万円を差し引いた課税所得がゼロ、またはマイナスであれば確定申告は不要です。ただし、青色申告者の事業所得等がマイナスの場合、申告することで、損失を繰り越すことができます。

無職の場合

無職で1年間まったく収入がなかった場合は、確定申告を行う必要はありません。ただし、現在は無職でも1年以内に働いていた期間があるなど、一定の条件に該当する場合は確定申告が必要です。また、無職でも確定申告を行うことで、得をするケースもあります。

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無職でも確定申告が必要なケース

では、無職でも確定申告が必要なケースとは、どのような状況なのでしょうか。具体的には、下記のような場合になります。

年度の途中で退職して無職になった場合

1年間のうちで給与を受け取っていた期間があった場合、退職後は所属していた会社で年末調整を行えないため、自身で確定申告を行う必要があります。
なお、給与から天引きされる暫定の税額は、1年間のみなし給与をもとに算出されているため、確定申告を行うことで納めすぎた税金が還付される可能性があるのです。

年金を受給している場合

年金も所得税の対象となるため、無職でも年金を受け取っている場合は確定申告が必要になります。
ただし、年金額が年間で400万円以下の場合で、公的年金などにかかる雑所得以外の所得金額が年間20万円以下だった場合は、確定申告をする必要はありません。なお、個人年金の場合は確定申告が必要になるケースもあるため、事前に確認しておくと安心です。

無職で給与所得はないが、ほかに所得がある場合

確定申告の対象となる1年間にずっと無職で一度も給与所得を得ていなくても、家賃収入などの所得がある場合は、確定申告を行う必要があります。申告を怠ると、無申告加算税や延滞税が課せられます。

無職でも確定申告をしたほうがいいケース

無職の場合、確定申告を行う義務があるわけではないものの、しておいたほうがいいこともあります。具体的には、下記のようなケースが挙げられます。

1年間無職で収入がなかった場合

申告する所得がない場合は、本来確定申告を行う必要はありません。しかし、確定申告で1年間無収入だったことを申告すれば、前年の所得によって計算される住民税や国民健康保険料が安くなる可能性があります。

年間にかかった医療費が10万円を超えた場合

通院のための交通費も含め、1年間にかかった医療費が10万円を超えた場合、保険金などで補填された金額を差し引いて、10万円を超えた金額が医療費控除の対象となります。ただし、年末に無職でも途中まで収入があり、源泉徴収されていたような人に限ります。

また、指定の市販薬の購入代金が年間で1万2000円を超え、健康診断や予防接種を受けているなどの条件を満たしている場合は、「セルフメディケーション税制」で控除を受けられることがあります。
参考:厚生労働所 セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)について

いずれも、生計を同じにする家族がいる場合は全員分を合算できますが、購入時のレシートや領収書が必要になるため、紛失しないようまとめて保管しておきましょう。
なお、医療費控除は年末調整で考慮されないため、会社員や年末調整後に退職した無職の方でも、確定申告を行うことで、支払った医療費の額に応じて税金が還付される可能性があります。

確定申告の手続き方法

確定申告をする際には、「e-Tax」「郵送」「所轄税務署への持ち込み」の3つの方法があります。

e-Taxの場合

e-Taxは、インターネットを通じて確定申告ができる国税庁のオンラインサービスです。
パソコンの場合、マイナンバーカードとICカードリーダライタが必要です(税務署でIDとパスワードを発行して利用する方法もあります)。

2020年1月からは、スマホ専用画面を利用できる方の範囲が拡大など、スマートフォンでのスムーズな手続きが可能になりました。

郵送の場合

住所地などの所轄税務署に郵便または信書便で、確定申告書をはじめとする必要書類一式を送付します。税務署の収受日付のある確定申告書の控えが必要な場合は、申告書のコピーと自分の宛名を記入し、切手を貼った状態の返信用封筒を同封しておきます。なお、提出日は、郵便局の通信日付印(いわゆる消印)が押された日とみなされます。

所轄税務署へ持ち込む場合

必要事項を記入した確定申告書を、税務署の窓口に直接提出する方法もあります。この場合、受領印を押した確定申告書の控えをその場でもらえます。また、時間外収受箱への投函で提出することも可能です。

確定申告に必要な書類

確定申告には、青色と白色の申告書類があります。青色申告は、開業届と事前に青色申告承認申請書を税務署に届け出ている事業主が行うもので、それ以外の場合は白色申告です。一般的な退職に伴う確定申告の場合は、白色申告となります。
なお、確定申告書の様式には、「確定申告書A」と「確定申告書B」の2種類があります。一般的に、給与所得者や年金受給者は確定申告書Aを、個人事業主は確定申告書Bを選択します。

確定申告書は税務署や市区町村役場などで入手できますが、国税庁のウェブサイトからダウンロードすることも可能です。
パソコンで作成する場合は、「国税庁 確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、必要項目を入力していくだけで自動計算され、簡単に行うことができます。

確定申告を行う際には、確定申告書のほかに、下記のものを用意しましょう。

・マイナンバーカード
確定申告にはマイナンバーカードがあると便利です。マイナンバーカードを取得していない方が、e-Taxで確定申告を行う場合には、事前に税務署でID(利用者識別番号)とパスワードを発行してもらわなければなりません。

・印章
印章は、スタンプ型の物は不可のため、認印を用意します。

・銀行口座の情報
還付金がある場合は、振込を希望する銀行口座の情報が必要です。通帳やキャッシュカードを準備しておきましょう。

・控除を証明する書類
社会保険料控除を受ける場合は、社会保険料(国民年金保険料)控除証明書などを、生命保険などの控除を受ける場合は、保険会社などが発行する控除証明書が必要です。また、ふるさと納税などの寄付を行った場合は、寄附金控除として所得金額から差し引くことができるため、寄付金受領証が必要になります。

・源泉徴収票
確定申告を行う年に給与所得があった場合は、源泉徴収票を用意しておきましょう。提出する必要はありませんが、手元に置いておくことで確定申告書作成時の入力がスムーズになります。

【関連記事】
源泉徴収はアルバイトにも関係がある?源泉徴収票の見方を解説


・申告書第三表(退職所得がある場合)
「退職所得の受給に関する申告書」が未提出で、退職時に退職金を受け取る場合、分離課税の確定申告をするための「申告書第三表」が必要です。

確定申告、こんなときはどの書類が必要?

無職の方が確定申告を行う場合、書類選びに迷うことがあるかもしれません。状況別に、必要となる書類をご紹介しましょう。
 

<退職後に退職金をもらった場合>

  • ・確定申告書B
  • ・申告書第三表
  • ・給与や退職所得の源泉徴収票
  • ・控除のための書類(社会保険料における控除証明書、生命保険や地震保険の証明書など)
 

<中途退職して無職のままの場合>

  • ・確定申告書AまたはB(株式譲渡所得などがある場合はB)
  • ・申告書第三表(株式譲渡所得などがある場合)
  • ・給与所得の源泉徴収票
  • ・控除のための書類(社会保険料における控除証明書、生命保険や地震保険の証明書など)

確定申告は初めてでも簡単にできる

無職でも確定申告を行うことで、翌年の住民税や健康保険料が安くなったり、会社員時代に納めすぎた税金が戻ってきたりする可能性があります。国税庁の確定申告書等作成コーナーや一般の作成ソフトを使えば、初めてでも簡単に確定申告書を作ることができます。
現在、無職の方でも、確定申告が必要かどうかを調べておき、必要な場合は自分に合った方法で手続きを行いましょう。

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記事監修
増田 浩美

増田 浩美

増田浩美税理士事務所所長

女性ならではのきめ細やかな視点を強みに、企業から個人まで幅広い税務のサポートを行う。
ホームページ:http://www.zeimukaikei.jp/

※2020年10月に記載した記事です。

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