アルバイト・パートスタッフの離職事情 ~早期離職防止・長期定着に必要な対策とは~

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調査概要

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  • 調査手法:インターネット調査(外部調査機関)
  • 調査対象:47都道府県在住かつ3年以内にアルバイト・パートの仕事を経験した15~69歳の男女
  • 調査実施時期:2018年10月10日(水)~10月12日(金)
  • 有効回収数:3,121サンプル

【サマリ】

調査背景

サマリー

長期就業前提の仕事を離職したタイミング

就業開始後、離職を検討し始めるタイミング

離職理由と継続理由

 離職した理由・離職を考えた理由
 仕事を継続する理由
 PickUp:離職タイミング別の離職理由

人間関係に関する項目の長期就業影響度

制度・条件に関する項目の長期就業影響度

 PickUp:希望する「シフト」と「シフトの申請タイミング」

仕事内容に関する項目の長期就業影響度

研修・教育に関する項目の長期就業影響度

 PickUp:よく聞く「人事制度」や「福利厚生」、長期就業への影響度は?

まとめ

調査背景

人手不足が加速するなか、従業員の定着・長期就業は企業にとって重要なテーマとなっています。毎年数千人以上採用し、採用者の半分が1年未満で離職するといった企業の話も聞きますが、規模の大小問わず同様の課題を持つ企業は多いでしょう。
一方で、求職者への調査で聞こえてくる声は「仕事を変えるのは面倒だ」というものです。求人を探す、応募する、履歴書を作る、面接を受ける、就業開始後に仕事や環境に慣れる努力をする。これらはとてもエネルギーが必要なことだと。
それにもかかわらず、早期離職が発生しスタッフが定着しないのは、なぜなのでしょうか。アルバイト・パートスタッフの早期離職防止・長期定着のための処方箋を探ります。

サマリー

長期就業前提の仕事を離職した人のうち4割が1年未満、2割が半年未満に離職
・アルバイト・パートスタッフの4割以上が直近3年以内に離職を経験している
・属性別に見ると、学生層の早期離職割合は、主婦層、エルダー・シニア層の約3倍 

離職検討者は実際の離職者の約2倍
・実際に離職した人の約2倍が「辞めたい」と思ったことがある
・離職検討者のおよそ5割が、就業開始から半年未満で「辞めたい」と思っている

離職理由1位は「人間関係」
・一方、継続理由の1位は「制度・条件」
・「人間関係」「制度・条件」「仕事内容」「研修・教育」の4テーマが重要なポイント

~長期就業に有効な制度とは~
・長期就業に最も有効な制度は「自分が働きたい日・働きたい時間に自由に出勤」
・その他11個の制度/福利厚生について長期就業影響度を公開

長期就業前提の仕事を離職したタイミング

アルバイト・パートスタッフのうち4割以上が直近3年以内に離職を経験したと回答しました。
就業開始後、いつ離職してしまうのでしょうか。まずは、離職タイミングについて見ていきます。
 長期(6か月以上前提)のアルバイト・パートのお仕事の、開始から辞めるまでの就業期間のグラフ


アルバイト・パート全体では2割超が半年未満に離職。半年未満の離職割合は学生層が4割弱と最も高く、エルダー・シニア層は13.5%。 主婦層やエルダー・シニア層は他の属性に比べ、早期離職率が低くなっています。
とはいえ、半年~1年未満の離職割合も加えると全属性で10~30pt近く上昇し、全体でも離職率が4割を超えることから、長期就業化が実現しているとは言い難い状態です。
では、就業者はどのタイミングで離職を考え始めるのでしょうか。

就業開始後、離職を検討し始めるタイミング

就業開始後、最初に辞めたいと思ったタイミングのグラフ
前出の設問(長期のアルバイト・パートのお仕事の、開始から辞めるまでの就業期間を選択してください)にて示した離職経験者1,400サンプルに対し、「仕事を辞めたいと思ったことがある」と回答した離職検討者は2,527サンプルと、離職者の約2倍の人が離職の検討をしていることがわかります。
また離職検討者のうち、約5割が就業後半年未満に「辞めたいと思った」ことがあると回答しています。

主婦層、エルダー・シニア層に関しては、前出の離職タイミングと比較して、辞めたいと思っていても辞めなかった割合*1が高く、ここから、ネガティブな気持ちを抱えたまま就業継続し、転職のしづらさや転職の面倒さを理由に離職していない層が一定割合いることが想定されます。このような状況では、真の意味での長期就業、戦力化がなされているとは言えないかもしれません。
1「半年未満の離職率」を指数とした際の「半年未満の離職検討率」の伸長

離職理由と継続理由

ここからは、実際に「辞めた」就業者、また「辞めたいと思った」ことのある就業者の理由について分析します。

離職した理由・離職を考えた理由

「辞めた」「辞めたいと思った」理由のグラフ

離職理由を大別すると、「人間関係」「制度・条件」「仕事内容」「研修・教育」の4テーマが大半で、1位の理由「上司・同僚などの職場の人間関係」が大きな割合を占めています。

一方、下記の設問(今の仕事が続いている理由について、あてはまるものをすべて選択してください)で示されているように、仕事を長期継続している人(3年以上就業継続している人)が挙げる継続理由は「シフトや休みが希望通りになる・頻度が適当」が最も高く、「仕事内容」に関する項目も大きな割合を占めるなど、離職理由とは異なります。

仕事を継続する理由

今の仕事が続いている理由のグラフ

離職理由と継続理由の比較から、「人間関係」を理由に離職する人が多い一方、長期継続に必要なポイントは必ずしも「人間関係」だけではないことがわかりました。
まずは「人間関係」などの衛生要因をケアすることで不満を払拭し、加えて「制度・条件」「仕事内容」「研修・教育」の改善を図り、満足度を高めていく、という2ステップが就業者の定着において重要になってきそうです。

離職タイミング別の離職理由

前出の離職理由(「辞めた」「辞めたいと思った」理由について、あてはまるものをすべて選択してください)を離職タイミング別にランキングにしてみましょう。

離職したタイミングの表

就業開始から離職するまでの期間によって離職理由の上位が少しずつ異なりますが、今回は就業後半年以内の離職者に注目します。就業開始から半年以内に離職した人の理由としては、「研修内容や教育環境が不十分だった」という回答が特徴的です。
就業後、仕事や環境に慣れるまでの段階で、十分な研修や教育が行われているか、既存体制を見直してみるのもよいかもしれません。

人間関係に関する項目の長期就業影響度

「人間関係」に関する項目の長期就業への影響度

人間関係については、「職場の同僚や上司との人間関係」「上司・先輩からの理不尽な指導や指摘がない」「上司の人柄、仕事ぶり」など上位に挙がってきた回答の多くに上司に関する内容が見られました。

「職場の人同士、感謝や意見をなどを伝え合う」が、「とても影響」「ある程度影響」合わせて6割を超えており、社内コミュニケーションの仕組み化、上司からの感謝や労いの声がけ、早期の名前の認知など、地道な取り組みも重要になりそうです。

制度・条件に関する項目の長期就業影響度

「制度・条件」に関する項目の長期就業への影響度

「シフトや休みがある程度希望通りになる」を筆頭に、「交通費」「ボーナス」などの影響度が高く出ています。また「仕事の習得度に応じて昇給する制度」「ランクUPする制度」「社員登用制度」などの影響度も比較的高く出ています。
これらの項目はアルバイト・パートスタッフのモチベーションUP、戦力化に寄与する可能性があり、導入を検討する価値も高そうです。

希望する「シフト」と「シフトの申請タイミング」

制度・条件に関しての長期就業影響度調査から、「シフトや休みがある程度希望通りになる」ことの影響度が高いとわかりました。それでは、就業者はシフトについてどのような希望を持っているのでしょうか。

希望する「シフト」と「シフトの申請タイミング」

シフトは自己申告制を希望する人が6割超と最も多く、シフトの申請タイミングとしては「2週間以内に1度を希望」が68.8%と、柔軟なシフト提出を求めています。
「自分でシフトや休みをコントロールできている」と感じることで就業者の満足度が高まると予想されます。ぜひ、自社のシフト制度の見直しにご活用ください。

また「交通費支給のタイミング」「社員登用への希望」「日払い・週払いの希望」など、就業者の希望や許容・実態についてもっと詳しく知りたい方はこれまでの求人募集が変わる!求職者が応募したくなる採用のヒント~アルバイト・パート3000人アンケート~も、ぜひご覧ください。

仕事内容に関する項目の長期就業影響度

仕事内容に関する項目の長期就業影響度

仕事内容については「給与と忙しさのバランス」「忙しさや難易度の適当さ」といった点が重要であることが読み取れます。フリー回答では「仕事量に対する給与面の評価が伴っているかどうか」の影響度が高いというコメントも見られました。
アルバイト・パートスタッフに必要以上に負荷をかけていないか、負荷に応じた報酬体系になっているか社内の体制を今一度振り返ってみてはいかがでしょうか。

また、「人がいなくて休めない」「シフトの人数が足りなくて忙しい」などのコメントも多く、既存のスタッフに負荷が集中し負荷を感じたスタッフが離職する、という負のスパイラルに陥っていないかなどのチェックも必要です。

研修・教育に関する項目の長期就業影響度

研修・教育に関する各項目の長期就業影響度のグラフ

アルバイト・パートスタッフは「シフト、勤怠、休暇、社内制度」「業務内容」「会社の理念や特徴、商品・サービス」などの説明を重視しています。
また、「経験が浅いうちは1人で業務を任されないこと」「教育担当の有無」といった項目も上位となっており、入社後は、制度や業務内容など細かな説明をするよう配慮し、慣れない業務はフォローするなど、ごく基本的なケアがとても重要になりそうです。

よく聞く「人事制度」や「福利厚生」、長期就業への影響度は?

アルバイト・パート向けの制度・福利厚生は、時折ニュースや新聞紙面上で取り上げられています。
今回はよく見聞きする制度について、就業継続にどの程度影響するのか、実際の求職者に対して調査をしました。自社の制度検討の材料としてご活用ください。

アルバイト・パート向けの様々な制度や福利厚生がどの程度長期就業につながるかのアンケート結果

まとめ

本レポートを通して、4割以上のアルバイト・パートスタッフが直近3年以内に離職を経験しており、離職者の約4割が就業後1年以内、2割が半年以内という早期に離職をしていること、そして就業者が長期就業への影響度が高いと考えているテーマとして人間関係、制度・条件、仕事内容、研修・教育の4つがあることが明らかになりました。

より良い人材を採用することが人手不足解決への一手となる一方で、採用した人材に活躍してもらう場を作ることも、企業の大きな課題だと考えます。就業者が離職を考える理由や、長期就業に影響を与えている要素を見直し、今後の人材定着にお役立てください。

執筆者:ディップ総合研究所 ディップレポート編集室 廣吉夕奈

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