正社員で働きたい人が6割!正社員で働けていない理由は? ~9,365人意識調査~

調査概要

調査手法      :インターネット調査(外部調査機関)
調査対象      : 47都道府県在住者かつ現在アルバイト・パート、契約社員、派遣社員で働いている15~59歳の男女(学生除く)
調査実施時期  :2019年3月7日(木)~2019年3月11日(月)
有効回収数   :9,365サンプル(詳細は「正社員を希望する」と回答した3,000サンプルに調査)

調査背景

現在、日本の労働力人口のうち有期労働者は2,120万人※。そのうち255万人*が不本意労働だといわれています。255万人が正社員として働ける仕事がないと答えている一方、企業からは人手不足により採用したくても正社員が採用できないという声を多く聞きます。
正社員雇用を望む人・正社員雇用を望む企業がそれぞれ存在しているのに、不本意な雇用形態の人は不本意のまま、人手不足の企業は人手不足のままなのは、なぜなのでしょうか。本記事では、正社員を望む人の実態や希望から双方がマッチングするためのポイントを探ります。

※参考元:厚生労働省 労働力調査(詳細集計)平成30年(2018年)平均(速報)

index

・正社員で働きたい人の割合
・正社員として働きたい理由と働けていない理由
・経歴についての具体的不安と対応策
・自分にできる仕事かという不安への対応策
・職場についての不安への対応策

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正社員で働きたい人の割合

まずは正社員で働きたい人の割合について見ていきましょう。
 正社員雇用の希望有無と不本意の雇用形態で働いている人の割合


現在、有期労働契約で就業している9,365人に「正社員で働くことができるのであれば、働くことを希望しますか」と聞いたところ「希望する」と回答した人は6割以上にのぼりました。

また、「希望する」と回答した6,000人のうち3,000人への調査から、一般的な「不本意労働者」(=正社員になりたいが正社員として働ける仕事がなかった雇用者)にはあてはまらないものの、理想としては正社員で働きたいと思っている「隠れ不本意労働者」が約7割もいることが明らかになりました。正社員雇用を望む人は、顕在化している不本意層の数よりはるかに多そうです。

正社員として働きたい理由と働けていない理由

ここからは、「正社員で働くことを希望する」と回答した3,000人(不本意労働者・隠れ不本意労働者の両方を含む)を対象にレポートしていきます。

正社員として働きたい理由

正社員として働きたい理由のグラフ


正社員として働きたい理由は、1位「雇用の安定」2位「給与アップ」3位「福利厚生の充実」という結果になりました。
雇用の安定を望む理由としては「将来への不安」「先が見えない」、給与アップの理由としては「休日の多い月は収入が減る」「年齢を重ねたことによる周囲との収入格差」、福利厚生を望む理由としては「正社員と比較したときの不公平感」「結婚・出産により意識の変化」など、将来への漠然とした不安、有期労働者の収入安定のなさや正社員と比較した不公平感への不満の声も多くみられます。

また、属性別にみると若年主婦は正社員になることで「キャリアアップしたい」「能力を活かしたい」と考える人が多くみられる一方、中高年主婦は「育児等が終わり、時間を活用してお金を稼ぎたい」と考える割合が高いなど、傾向の違いが見られました。

Pick Up 福利厚生のなかで重視すること

ここでは、正社員として働きたい理由の3位に上がった「福利厚生の充実」に関して、実際に仕事を探す際にどのような項目が重視されているかを見ていきます。

福利厚生の中で重視することのグラフ


1位の「ボーナス・賞与」に続いて、「有給休暇がきちんと取得できる」「残業手当がきちんと出る」ことを重視すると回答した人の割合が多くなりました。
休暇や手当の有無だけでなく、それらが実際に取得できるかという実態まで注目している様子が読み取れます。

正社員として働けていない理由

正社員として働けていない理由

ここまで、正社員として働きたい理由を見てきました。本調査の回答者は正社員雇用を希望していながら、実際にはまだ正社員として働くことができていません。それはなぜなのでしょうか。

正社員として働けていない理由のグラフと、正社員への転職活動の有無


正社員として働けていない理由の1位は「年齢が壁になり、採用されなさそう」でした。特に中高年層はフリーター・主婦(主夫)共に回答率が高く、年齢による採用難度の高さを感じている人が多いことがうかがえます。

また、全体として回答が分散するなかで気になる傾向は「学歴・職歴など経歴に自信がない」(19.7%)、「自分でもできる仕事があるか自信がない」(17.0%)、「職場になじめるか心配」(16.2%)など、不安から自信が持てずにいる人が多いということです。転職活動をしたことがないと回答した人が6割を超えていることからも、自信のなさから実際に仕事探し行動を起こせていない人が一定数いることがわかります。

これらの不安を取り除いて、正社員になりたい人が転職活動をし、正社員の仕事に応募してくれるようにするためには、どのような対応が必要なのでしょうか。
次頁から、不安に思っていることの上位3つ「経歴」「仕事内容」「職場」について、不安に思う内容の具体的な深掘りと、不安を払拭するための方法を詳しく見ていきます。

経歴についての具体的不安と対応策

まずは、経歴について具体的にどのような不安があるのか、どうすれば不安は解消できるのかを見ていきます。
 

経歴についての具体的不安点

経歴についての具体的不安点

 


経歴について特に不安に思う点として、有期労働契約の期間が長いことや、資格やスキル・正社員経験がないことへの不安がそれぞれ5割程度を占めました。
そこで、正社員の仕事を探す際にどのような情報がわかれば、これらの不安が取り除かれ、応募検討意向が上がるのかを調査しました。
 

 

応募検討意向が上がる、経歴についての情報

正社員への転職活動をする上で各情報について応募検討意欲が上がる割合のグラフ

 


経歴の必要有無を具体的に知ることはもちろん、学歴が低い・職歴がない人や前職が正社員以外の雇用形態から採用された人が実際にどのように活躍しているかを検討段階から知りたい、というニーズがうかがえます。
経歴や前職の雇用形態を問わず活躍している人がいる場合は、どのように活躍しているかを具体的に記載することで、安心して応募を検討してくれる人の増加が期待できます。

雇用前に職場の見学や体験ができる制度を取り入れ、職場とマッチするかを事前に確認もらうことは実際に雇用した後の定着にも良い影響があるかもしれません。

自分にできる仕事かという不安への対応策

正社員の仕事を探す際の仕事について知りたいことのグラフ

就職後まずはどんな仕事をするのか、自分の適性と合っているかという点から自分にできそうかを判断したいとの声が多く寄せられました。

また、若年フリーターは長く就業することを見据え、「数年後にやるであろう仕事内容を知っておきたい」というニーズが高く、中高年主婦(主夫)は「商品の取り扱いが難しくないか」を気にしているなど、属性によって傾向が異なるため、人材に沿った明示が必要です。

Pick Up 未経験の業界・職種の許容

転職先の業界、職種の許容度の表


正社員になれるのであれば、未経験の業界・職種でもいいと思っている割合が非常に高いことがわかります。
一方で、前出の経歴への不安に関する設問(「正社員の仕事を探す際、経歴について不安に思うことをすべて教えてください。」)の回答からもわかるように、正社員で働くことを希望する雇用者は、資格・スキルのなさを不安に思ってもいます。

正社員の獲得に悩んでいる企業は、未経験から育てることを視野に入れるとともに、未経験でも挑戦できる仕事内容かを求職者が判断できるように情報提示を工夫する必要がありそうです。

 

職場についての不安への対応策

正社員の仕事を探す際の職場について知りたいことのグラフ


「職場になじめるか」という有期労働者の不安に対して、職場について事前に知りたいことを聞いたところ「雰囲気や社風」が1位となりました。
特に中高年の主婦(主夫)はその傾向が高く、加えて「平均残業時間」「産休・育休等の休暇取得実績」「年齢別の割合」を知りたいという傾向が高いことも明らかになりました。このことからも、ライフステージの変化が大きい主婦(主夫)層の、自分の生活環境や働き方と合う会社かどうかを知りたいという意向が読み取れます。

企業は、残業時間や離職率などの数値化できる情報にプラスして、雰囲気や社風などの定性的な情報も記載することで、より求職者が就職後の自分の姿をイメージしやすくなり、職場への安心感を増すことができるかもしれません。

Pick Up 正社員登用制度の認知度と活用意向

本編では、「正社員になりたい人」が仕事探しをするうえでの不安と解決策について考えてきましたが、ここでは現在の職場で正社員になることについて、引き続き前出の設問(「正社員で働くことができるのであれば、働くことを希望しますか。」)で「希望する」と回答した人を対象に意向を見ていきます。自社の人材を正社員として登用する際の参考にしてください。

現在の職場の正社員登用制度の有無と、現在の職場で正社員登用を希望するかのグラフ


現在の職場の正社員登用制度の有無を聞いたところ、「ない」(36.6%)の回答が「ある」(37.2%)に迫り、正社員登用制度が取り入れられていない企業がまだ多いことがわかりました。加えて、「あるかどうかわからない」(26.6%)の回答も少なくないことから、制度があったとしても周知が徹底されていない実情もうかがえます。

また、現在の職場で正社員になれるとしたら希望するかを聞いたところ、6割近くが「希望しない」と回答しました。なぜ、このまま正社員になりたいと思わないのでしょうか。「現在の職場での正社員登用を希望しない」と回答した人に理由を尋ねたところ、下記のような結果となりました。


今の職場の正社員登用を希望しない理由のグラフ


有期雇用で働いている優秀な人材に現在の職場で活躍し続けてもらうためには、正社員登用制度をただ用意するのではなく、現在雇用している正社員の待遇や労働環境も改善し、自社で正社員になりたいと思ってもらえる状況を作ることが必要なのかもしれません。

未経験でも許容できる職種に関するデータは
こちら 

 

さいごに

本レポートを通して、有期契約労働者のおよそ6割が正社員で働きたいと思っていること、また実際に正社員として働けていないのは、経歴や職場環境への不安、自分にできる仕事なのか、という自信のなさがネックとなっていることが明らかになりました。
それらの不安を払拭し、応募に踏み出してもらうための対策として、「経歴を問わず活躍できるかを直接確認できる機会の創出」「属性に合った仕事内容の明示」「雰囲気や社風など定性的な職場情報の記載」など、有期労働者が自分の現状とマッチし、背伸びせずとも応募できる仕事かを判断できる情報・環境を用意することが大切そうだ、ということも見えてきました。

人手不足の現在、企業が正社員雇用を進めるうえで、経験者・即戦力の獲得のみならず、正社員で働きたい意欲を持つ未経験者の発掘・獲得も重要な一手だと考えられます。
そういった人材を採用し、定着してもらうためにも、気を付けるべきポイント、押さえておくべき視点を検討する資料として、ぜひご活用ください。



執筆者:ディップ総合研究所 ディップレポート編集室 廣吉夕奈

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