【後編】アルバイトとして働くシニアの理想の働き方から見る、シニア募集・定着のポイント

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調査概要

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  • 調査手法 :インターネット調査(外部調査機関)
  • 調査対象 :47都道府県に在住し、現在アルバイト・パートで就業している60~74歳の男女
  • 調査実施時期:2019年4月12日(金)~2019年4月15日(月)
  • 有効回収数:481サンプル

調査背景

この10年で、労働力人口全体に占める65歳以上の割合が約4.3%※1増加するなど、シニアの労働力比率は年々高まっており、企業にとって、シニアの採用および定着・活躍は重要な課題となっています。

前編「シニア雇用のメリット」に続き、後編「シニアの理想の働き方」(本記事)では、シニア※2の雇用形態のなかで最も割合の高い「アルバイト・パートに従事しているシニア」を対象に、働く目的・働き方の理想・ケアしてほしいことなど、実態を探ります。
シニアの募集、また長く活躍してもらうためのヒントとしてお役立てください。

※1 参考元:総務省統計局「労働力調査(基本集計)平成30年度(2018年度)平均(速報)結果の概要」
※2 本レポートでは、60歳以上の男女をシニアと定義


正社員で働くシニアの実態について知りたい方はこちらをご覧ください。

【サマリ】

シニアの就業希望 / 就業理由

シニアの理想の働き方

シニアが望むケア

さいごに

シニアの就業希望 / 就業理由

シニアの就業希望(いつまで働きたいか)

まずは、シニアはいつまで働きたいと思っているのかについて見ていきましょう。

何歳まで働きたいかの表

シニアの就業希望を5歳単位で見たところ、どの年代でも年齢プラス5歳がボリュームゾーンとなりました。また、「働けるうちはいつまでも働きたい」と考えている層も一定数いることがわかります。

シニアの就業理由

前問(何歳まで働きたいか)で答えた年齢とその理由のグラフ

1位「家計・生計や貯金貯蓄」、2位「お小遣いや自由に使えるお金」など「お金のため」という回答が多いものの、「健康維持のため」「社会や人とのつながりが実感できるから」も上位にのぼり、「お金」「健康」「社会とのつながり」がシニアが積極的に就業する理由としてうかがえます。

「健康」や「社会とのつながり」など、他の年齢層には見られないであろう就業目的を就業時のメリットとしてアピールすることは、シニア人材を募集する際の基本として改めて押さえておくべきポイントとなりそうです。

次項では、シニアの理想の働き方について見ていきます。

シニアの理想の働き方

理想の働き方

「仕事の仕方」「同僚」「立場」「勤務形態」の4つについて、Aの働き方とBの働き方、どちらが理想に近いかを調査しました。 理想の働き方について(仕事の仕方、同僚、立場、勤務形態)

仕事の仕方については「これまでのスキル・能力を活かしたい」(72.4%※1)、同僚については「様々な世代の人たちと働きたい」(64.9%※2)と思っているシニアが多い結果となりました。
募集時にどんなスキルが活かせるのかを明記する、シニアが働きやすいように職場環境の参考にするなどの工夫が、シニア人材のマッチング・定着につながりそうです。

また、働くときの立場としては「指導者の立場」「プレイヤーの立場」を望む人がそれぞれいることも明らかになりました。仕事を任せる際は、どちらの意向を持っているかをヒアリングすることも重要かもしれません。

加えて、勤務形態の理想に関しては「働く日数を減らす・短時間勤務」の割合が高くなりました。
次項では、シニアの理想の勤務日数・時間と現実の勤務日数・時間を比較し、シニアの望む勤務形態を具体的に見ていきます。

※1「Aに近い」「ややAに近い」の合算、※2「Bに近い」「ややBに近い」の合算

理想の勤務日数と現実の勤務日数

理想の勤務日数と現実の勤務日数のグラフ

理想・現実ともに「週4~5日」と回答した人が最も多くなりました。
しかし、理想の勤務日数として「週4~5日」を回答した人は、現実に「週4~5日」働いている人より14.1%少なく、一方で、理想の勤務日数として「週2~3日」と回答した人は、現実に「週2~3日」働いている人より10%程度多くなっています。

「週2~3日」程度の勤務日数も選択できるような仕組みづくりをすることは、募集・定着のために有効と言えそうです。

理想の勤務時間と現実の勤務時間

理想の勤務時間と現実の勤務時間のグラフ

勤務時間は、理想・現実ともに「1日4~6時間程度」が最も多くなりました。

また、現実に7時間以上働いていると回答した人(「7時間程度」「8時間程度~それ以上」を選択した回答者)よりも、7時間以上の勤務が理想だという回答をした人(と同様)が少ないことから、今より働く時間を減らしたいと考えているシニアが一定数いることが想定できます。
自社の勤務時間の見直しにご活用ください。

シニアが望むケア

最後に、シニアは企業に対してどんな点をケアしてほしいと思っているのかを見ていきます。 就業にあたってケアしてほしいことのグラフ

1位「仕事内容は本人の体力や経験などを考慮して決めてほしい」(32.0%)を筆頭に、2位「体力・健康状態や持病を把握してほしい」(24.9%)と体力の低下に配慮した対応を希望する回答が上位となりました。

また、フリー回答では「(シニアは)忘れるものだということを理解してほしい」(66歳女性)という声も寄せられていました。シニアに長く心地よく働いてもらうためには、新しい仕事を教える際は繰り返し教える、一度に業務を依頼しすぎないなど、基本的なケアも必要そうです。

企業に聞いた、シニアに対してケアしていること

前問(Q.就業にあたって、ケアしてほしいと思うことを教えてください。)と同じ選択肢で、シニアを雇用している企業側に、シニアに対してケアをしている項目を聞きました。
シニア(60歳以上)の雇用において工夫していることのグラフ
企業がシニアに対してケアをしているところの1位は、「敬意をもって接している」(25.0%)となり、シニアの望むケア(前問:就業にあたって、ケアしてほしいと思うことを教えてください。)とはギャップのある結果となりました。

また、前問で1位・2位だった「仕事内容は本人の体力や経験などを考慮して決めてほしい」「体力・健康状態や持病を把握してほしい」に対して、それらを把握・考慮していると回答した企業は約15~20%あったものの、「連続勤務をなくしたり、勤務時間の短縮をしたりしている」「自宅から通える範囲の配属を考慮している」といった制度面でのケアができている企業は、まだ少ないことが明らかになりました。

さいごに

シニアの理想の働き方から、「どんなスキルが活かせるかを明確にすること」や「様々な世代の同僚とも働けるような環境の整備」「個人の希望に合わせた立場(指導者かプレイヤーか)の決定」や「短時間・少ない日数での勤務も選べる仕組みづくり」がシニアの募集、定着のカギになりそうなことが明らかになりました。

またシニアが望むケアから、企業はシニアの体力低下や健康不安に対する考慮に加え、「連続勤務をなくす」「自宅から通える範囲での配属」といった制度面での工夫もできそうだ、ということも見えてきました。

ぜひ、前編「シニア雇用のメリット」と合わせてシニア募集や長期活躍のための参考にしてください。


執筆者:ディップ総合研究所 ディップレポート編集室 廣吉夕奈

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