【派遣先企業編】同一労働同一賃金の導入により、7割が派遣社員の受け入れに影響すると回答

調査概要

●調査主体:ディップ株式会社
●調査手法:インターネット調査(GMOリサーチモニター利用)
●調査実施時期:2019年9月5日(木)~2019年9月11日(水)
●対象者条件:47都道府県内で派遣社員を受け入れている企業
●有効回収数:1,003社


同一労働同一賃金導入後の企業の派遣社員受け入れ調査についてのグラフ

調査背景

働き方改革の1つとして、同一労働同一賃金を含む改正法が2020年4月1日から施行されます。
それに伴い、派遣労働者の同一労働同一賃金の実現に向けた改正労働者派遣法も施行され、「派遣会社」だけでなく、「派遣社員」「派遣先企業」への影響が想定されます。
「派遣社員」「派遣先企業」は想定される影響に対し、どのように考えているのかを明らかにすることで、派遣社員の待遇改善やより良い採用のヒントを探ります。

本レポートについて

改正法施行による「同一労働同一賃金」の影響について、派遣先企業の考えを探りました。

【index】
〇派遣社員の受け入れへの影響予想
 派遣社員の受け入れへの影響予想
 PickUp:派遣社員の受け入れのコスト予想
〇派遣社員数の増減予定
 派遣社員数の増減予定
 派遣社員数の増減の理由(フリーコメント)
〇改正法施行後の期待と懸念
 改正法施行後の期待と懸念
 PickUp:派遣社員の懸念
〇派遣会社からの条件提示の希望時期
 派遣会社からの条件提示の希望時期
〇さいごに

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派遣社員の受け入れへの影響予想

まずは、2020年4月以降、「同一労働同一賃金」がどの程度派遣社員の受け入れに影響すると感じているかをうかがいました。

Q. 「同一労働同一賃金」は、今後の派遣社員の受け入れに影響しますか。複数の職種で受け入れている場合は、それぞれの職種についてもお答えください。 (単数回答、職種別は複数回答) n=1,003

 


同一労働同一賃金導入後の派遣社員受け入れ影響のグラフ

7割以上の企業が「とても影響する」「やや影響する」と回答しています。また、職種別に見ると「工場・軽作業・物流・土木系」において「影響する」の回答が8割弱となり、他職種よりも若干高い傾向です。

【Pick Up】

派遣社員の受け入れのコスト予想

Q.「同一労働同一賃金」が導入された後、現在受け入れている派遣社員を継続して受け入れた場合、コストはどのようになると思いますか。(単数回答) n=1,003
 


同一労働同一賃金導入後の派遣社員受け入れコスト予想のグラフ

6割以上の企業が「大幅に上がる見込み」「やや上がる見込み」と回答。前出の「派遣社員の受け入れへの影響予想」で「とても影響する」と回答した企業については、「上がる見込み」の回答が8割を超えました。

派遣社員数の増減予定

次に、「同一労働同一賃金」の導入を踏まえた今後の派遣社員受け入れ予定を見ていきます。

Q.今後の派遣社員受け入れ予定についておうかがいします。 複数の職種で受け入れている場合は、それぞれの職種についても教えてください。(単数回答、職種別は複数回答) n=1,003

 


同一労働同一賃金導入後の派遣社員受け入れ増減のグラフ

「同等程度」という回答が最多で約4割を占め、「大幅に増やしていく」「やや増やしていく」が3割超、「大幅に減らしていく」「やや減らしていく」は2割弱に留まりました。
職種別に見ると、「増やしていく」という回答が「事務・オフィス系」は約22%である一方、「IT・エンジニア系/WEB・クリエイター系」は約46%と倍以上になるなど、多少の傾向が出ました。

【Pick Up】

派遣社員数の増減の理由(フリーコメント)

Q.受け入れている職種について、増やす、または減らす、もしくは同等程度にする理由を教えてください。複数の職種で受け入れている場合は、それぞれの職種についても教えてください。 n=1,003


同一労働同一賃金導入後の派遣社員受け入れ増減の理由

コストを気にする見解が多く見られますが、人材不足も相まって「増やしていく」「減らしていく」どちらの方向性にするか苦慮している様子がうかがえます。
現時点で「わからない」と回答する企業だけでなく、「同等程度」と回答する企業のなかにも「一旦は現状維持」とするところがあるなど、動向を見守る企業が少なくないようです。

また、「同一労働同一賃金」の導入に直接的には関係はないものの、効率化の推進や、働き方改革なども、派遣社員の受け入れに影響している様子が見られます。

次項では、派遣先企業が今後派遣社員を受け入れていくうえで「期待すること」「懸念すること」 を探っていきます。

改正法施行後の期待と懸念

Q.「同一労働同一賃金」の導入にあたり今後派遣社員を受け入れていくうえで「期待すること」「懸念すること」として、あてはまるものをすべて選択してください。また、そのなかで最もあてはまるものを1つ選択してください。 n=1,003

改正法施行後の期待と懸念のグラフ


「期待すること」「懸念すること」共に、期待や懸念は特にないと3割以上の企業が回答しました。
7項目のうち6項目についてそれぞれ2割以上の企業が期待すると回答し、特に「より良い人材を派遣してもらえる」ことを期待する企業は約4割となりました。
一方で、「懸念すること」については3項目が2割以上の回答を集めましたが、「期待すること」と比較すると全体的に選択率が低くなっています。

【Pick Up】

派遣社員の懸念

Q.「同一労働同一賃金」の導入にあたり、「懸念すること」 として、あてはまるものをすべて選択してください。また、 そのなかで最もあてはまるものを1つ選択してください。制度について「全く知らない」「制度名だけは知っている」と回答された方は次の説明※を参考にご回答ください。 n=2,956 ※「同一労働同一賃金」とは、同じ企業で同じ業務行う正規雇用者と非正規雇用者との不合理な待遇差をなくす制度です。  


改正法施行後の派遣社員の懸念のグラフ

派遣社員にも、「同一労働同一賃金」の導入後の懸念について尋ねました。
前出のデータ、派遣社員受け入れ企業が期待することとして、4位「任せる業務内容の範囲が広がる」(27.3%)、5位「任せる責任の範囲が広がる」(25.3%)が挙げられましたが、一方、派遣社員のうち約3割が「業務内容の範囲が広がる、または責任が大きくなるのではないか」ということを懸念しています。
企業の期待する内容を、一部の派遣社員は懸念として挙げているのです。

派遣会社からの条件提示の希望時期

最後に、派遣社員を受け入れる企業がいつまでに条件提示を必要としているかを見ていきます

Q.4月からの派遣社員の契約について、派遣会社からの条件提示はいつごろまでに必要ですか。 (単数回答) n=1,003

派遣会社からの条件提示の希望時期の希望のグラフ

45%以上の企業が年内の条件提示を必要としており、全体の約4分の1の企業は11月までと早急な提示を希望しています。
企業規模による傾向はそれほど見みられず、どの企業においても対応のスピードは求められそうです。

さいごに

今回の調査では、「同一労働同一賃金」を含む改正法が2020年4月1日から施行された際、想定される影響に対し、派遣社員を受け入れている企業が、どのように考えているのかを明らかにしました。

「同一労働同一賃金」の導入に対し、7割以上が「影響がある」、コストについては6割以上が「上がる見込み」と回答しているものの、今後の受け入れ予定については、4割以上が「同等程度」、3割以上が「増やしていく」と回答し、これまで以上の採用を予定しているようです。
影響・コスト増に対する見解は様々であるものの、「派遣社員数の増減予定」については、人手不足を理由とする企業が少なくありませんでした。

「同一労働同一賃金」導入にあたり、派遣先企業が期待することとして、1位「より良い人材を派遣してもらえる」(37.5%)のほかにも、「任せる業務内容の範囲が広がる」(27.3%)、「任せる責任の範囲が広がる」(25.3%)などが挙げられました。しかし、現在、派遣社員のうち約3割が「業務内容の範囲が広がる、または責任が大きくなるのではないか」という懸念を挙げており、企業側の期待と少し乖離している項目もあるようです。

派遣会社は、派遣先企業の意向はもちろん、派遣社員の意向を踏まえた派遣先への働きかけが採用力強化のポイントになるでしょう。

次回は、「同一労働同一賃金」で想定される影響に対し、派遣社員がどのように考えているのかを明らかにしています。


執筆者:ディップ総合研究所 ディップレポート編集室 川上由加里
 

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