警備業で今後も働きたい4割!理由は希望に合った日程、体力的な負担や給与に不満

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調査概要

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  • 調査主体:ディップ株式会社
  • 調査手法:インターネット調査(インテージモニター利用)
  • 調査実施時期:2019年12月19日(木)~2019年12月24日(火)
  • 対象者条件:47都道府県在住の警備業就業者
  • 有効回収数:1,565サンプル
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警備員の就業実態調査の調査概要のグラフ(性別・年代) 警備員の就業実態調査の調査概要のグラフ(かけもちの割合)

調査背景

リーマンショック以降、上がり続けた有効求人倍率は、2019年12月1.68倍※1となり、2009年12月0.47倍※1(同)と比較すると1.21ポイントも高くなっています。
このことからも企業の人材採用が非常に難しくなっていることがわかります。
なかでも、警備員が該当する保安の職種については8.32倍※1(同)と、全職種中、最も高い水準で、深刻な人手不足が続いています。
警備員の所定内給与額は平均237,200円※2であり、全職種の平均306,200円※2(同)と比較して非常に低く、労働者が集まらない要因の1つとなっています。

また、2020年東京オリンピックでは民間の警備員1万4,000人の動員が決定しており、今以上の採用難が予想されます。
この最も採用が難しい職種の就業実態を明らかにし、現在警備業で働いている正社員(警備員1号・2号)や有期雇用社員(警備員1号・2号)の方々、4属性それぞれの「働く理由」や「警備会社に対して満足している点・不満な点」などから、給与以外の面でいかに警備員として就業したいと思ってもらえるようになるか、就業後に定着してもらえるようになるか、そのヒントを探ります。

参考元
※1 厚生労働省 一般職業紹介状況(職業安定業務統計)有効求人数(新規学卒者を除きパートタイムを含む)
※2 厚生労働省 平成30年賃金構造基本統計調査

【サマリ】

警備業で働いている人の実態

継続意向とその理由

就業意向を高めるための改善点

警備会社への満足な点・不満足な点

筆者のコメント

さいごに

警備業で働いている人の実態

警備業で働く理由

まずは、現在、警備業で働いている人の「働く理由」を見ていきます。 Q. 警備業で働いている理由としてあてはまるものをすべて選択してください。 n=1,565

警備業で働く理由のグラフ

正社員(1号・2号)、有期雇用社員(1号・2号)の4属性において、大きな差はなく、1位「経験がなくてもできるから」(20.1%)、2位「勤務日数が希望と合っているから」(17.4%)に続き、「仕事内容が簡単だから」「人との関わりが適度だから」「勤務時間が希望と合っているから」と、仕事の難易度と適度な勤務日程が可能な点を評価していることがうかがえます。

続いて、これからの継続意向とその理由を見ていきます。

警備業で働く人のひとつ前の職業・職種

Q. 現在のお仕事で就業する「1つ前」のお仕事の業種・職種を教えてください。 n=1,565
警備員がひとつ前に働いていた職種のグラフ

警備業以外からの転職が約9割と、ほとんどが別業種・職種から就業していることが明らかになりました。
この別業務からの就業が多いことも、前出で「働く理由」として挙げられた仕事の難易度に関係しているかもしれません。
また、わずかな差ではありますが、正社員、有期雇用社員を比較すると、有期雇用社員の方がより警備業以外からの転職比率が高くなっています。

前職の職種別に見てみると、4属性で大きな違いは見られませんでしたが、「工場・製造」からの転職は、2号の方がやや高く、また、「営業」からの転職は、正社員の方がやや高い傾向となっています。

継続意向とその理由

継続意向

Q. 今後も継続して警備業で働きたいですか。n=1,565
警備員が継続して働きたい割合のグラフ

どの属性でも「とても働きたい」「やや働きたい」と約4割が継続意向を示しました。
一方で、4割以上が「どちらとも言えない」、2割弱が「やや働きたくない」「まったく働きたくない」と回答しています。

正社員(1号・2号)、有期雇用社員(1号・2号)それぞれで大きな違いは見られませんでしたが、やや2号有期雇用社員の継続意向が低いようです。
次項では、継続意向を示した方の「継続したい理由」、継続意向を示さなかった方の「継続したくない理由」を探っていきます。

「短期就業予定者」の実際の就業期間

 

Q.現在の仕事を始めた際予定(計画)していた就業期間を教えてください。また、現在の仕事にはどれくらい就業しているか、その期間を教えてください。 n=485(予定〈計画〉していた就業期間が短期の方のみ)
※予定(計画)していた就業期間において「1年未満」「期間は決めていないが、短期間を予定」の回答者のみ
短期就業を予定したが長期就業している割合のグラフ ここでは、短期間のみ就業しようと思っていた方の実際の就業期間を明らかにしました。
警備業に就業する際に、短期間を予定していた方々のうち、3割弱が1年以上の長期就業をしていることがわかりました。
今後さらに就業が長期化する人が増える可能性は大いにあり、短期就業予定者の就業後の長期就業にも期待ができそうです。

継続して就業したい理由(メリット)

Q. 継続して就業したい理由としてあてはまるものをすべて選択してください。n=605
警備で働きたい理由のグラフ

継続して就業したくない理由(デメリット)

Q. 継続して就業したくない理由としてあてはまるものをすべて選択してください。n=960
警備で働きたくない理由のグラフ

継続して就業したい理由は、1位「勤務時間が希望と合っているから」「勤務日数が希望と合っているから」(共に22.0%)、3位「人との関わりが適度だから」(19.3%)に続き、「シフト対応が柔軟だから」と、働く日程に関わる項目が上位を占め、「仕事内容が簡単だから」「体力的な負担が小さいから」なども挙がっています。
これらの回答は、1号・2号共に有期雇用社員からの回答が高く、「働く理由」でも勤務日程に関わる項目は上位に挙げられていることから、警備業で働くにあたり重要な点と言えるでしょう。

一方、継続して就業したくない理由の1位「体力的な負担が大きいから」(26.5%)、2位「仕事内容の割に給与が低いから」(26.1%)は、3位以下を10ポイント上回る結果となりました。
「体力的な負担が大きいから」については、1号・2号共に有期雇用社員からの回答が高い結果となっています。
また上位ではないものの、「精神的な負担が大きいから」は正社員からの回答が高い傾向がありました。

次項からは、継続して就業したい理由・継続して就業したくない理由で上位に挙げられた項目において、どのような希望が多いのかを見ていきます。

就業意向を高めるための改善点

まずは、「働く理由」「継続して就業したい理由」いずれも上位に挙げられた日程に関する希望を見ていきます。

希望する勤務日数

Q.1週間あたりの勤務日数をお伺いします「本来、希望している就業日数」を選択してください。 ※週によって勤務日数が異なる場合は、平均した日数をお答えください。 n=1,565

希望する勤務日数のグラフ 現在と希望する勤務日数とその理由のグラフ 1週間あたりの勤務日数は、正社員(1号・2号)、有期雇用社員(1号・2号)いずれも「5日」の回答が最多でした。
「3日」「4日」の希望は、有期雇用社員の回答は高く、特に1号有期雇用社員については4割以上、「1日」「2日」を合わせた4日以内では約5割という結果でした。
また、「6日」の希望は、2号の正社員、有期雇用社員いずれも2割弱と他よりも高い水準となっており、現在の勤務日数よりも多く働きたい理由は「収入が足りないため(もっと収入がほしいため)」が45%以上で1位です。

希望する勤務時間

Q.1日あたりの勤務時間をお伺いします。「本来、希望している就業時間」を選択してください。※日によって勤務時間が異なる場合は平均した時間を、残業を含む時間でお答えください。  n=1,565 希望する勤務時間のグラフ 現在と希望の勤務時間とその理由のグラフ 1日あたりの勤務時間については、現実は「8時間以上」の勤務が最多(39.1%)ですが希望する就業時間「7時間~8時間未満」が最多(37.7%)と、実態よりも少し短い時間の希望が多くなりました。
こちらも勤務日数同様、有期雇用社員の7時間未満の希望が他属性と比べて高くなっています。

希望するシフト申請方法

Q.シフト申請について、希望するシフト申請方法を選択してください。  n=1,565

希望するシフト申請方法のグラフ

どの属性も1カ月未満の申請の希望が5割弱で、有期雇用社員はやや高く、特に2号有期雇用社員は柔軟なシフト申請を希望しています。

次項は、希望する給与を見ていきます。

「現在の給与」と現状の業務内容・スキルの場合「本来必要と感じる給与」

Q.以下の場合の時給・日給・月給について「現在の給与」「現状の〈業務内容・スキル〉の場合に本来必要と感じる給与」をそれぞれ教えてください。※手取りではなく、税金を引かれる前の額面でお答えください。n=1,248〈現在の給与を〈答えたくない・わからない〉と回答したn=317を除く) 警備員の給与と希望のギャップのグラフ

現在の給与を妥当と感じているのはわずか3割に留まっています。

警備員の所定内給与額は平均237,200円であり、全職種の平均306,200円と比較して非常に低いものです(賃金構造基本統計調査より)。
警備業の方々が、現状の「業務内容・スキル」ならばこれくらいの給与水準が必要だと考えられる額を明らかにしました。

「現状の〈業務内容・スキル〉の場合に本来必要と感じる給与」の時給、日給、月給・年俸別の詳細データは、
ダウンロード資料からご覧いただけます。
参考としてご覧ください。
詳細ダウンロードはこちらから(ダウンロード資料P.8) ▼

警備会社に対して満足している点・不満な点

最後に、「給与」「勤務日程」など変更しづらい項目以外にも、応募意向を高めるため、定着してもらうために改善すべき点を探っていきます。現在勤務している警備会社に対して満足している点・不満な点にはどのようなものがあるでしょうか。

警備会社に対して満足している点

Q.現在、就業している警備会社に対して満足していること、不満足だと感じることとしてあてはまるものを、それぞれすべて選択してください。(複数回答) n=1,565

警備会社に対して満足していることランキングのグラフ

警備会社に対して不満な点

警備会社に対して不満なことランキングのグラフ

1位には、満足な点「就業シフトを柔軟に対応してくれる」(29.6%)、不満足な点「給与条件・待遇を検討して改善・向上してくれない」(26.5%)と、継続して就業したい理由・継続して就業したくない理由と関連する項目が挙げられました。特に、有期雇用社員の満足な点「就業シフトを柔軟に対応してくれる」については、正社員と比較して非常に高い結果が出ました。

しかしその他にも、満足している点の2位・3位に「警備会社と就業先の関係性が良好である」「給与・手当の支払い対応が早い」が挙げられており、これらの点も就業者の仕事をするポイントになってきそうです。

【筆者のコメント】

警備での就業の不安

Q.今後、警備での就業にあたり不安な点はありますか。また、以下の項目での不安な度合についてお答えください。 n=1,565
警備員として働くことの不安割合のグラフ 警備員として働くことの不安内容のグラフ これから警備業で働くことに対し、「とても不安がある」「やや不安がある」は合わせて約4割、「どちらとも言えない」が約4割と、何かしらの不安を抱えていることが読み取れます。
特に、「収入面で老後への不安がある」(55.8%)、「漠然とした将来への不安がある」(54.0%)など、半数以上が「不安がある」と回答した項目がありました。

また、長期・期間限定での仕事共に、“次の仕事があるか”という点に対しても約4割が不安と回答しています。
有効求人倍率が全職種と比較してこれだけ高いにもかかわらず…。という印象です。
警備会社は、現場の豊富さやこれまでの実績などを伝えることで、こうした不安を少しでも解消することができるかもしれません。

「このままの生活で健康を維持できるかという不安がある」という項目については、保険への加入や健康診断の実施など福利厚生の充実、社員の健康管理などが重要となりそうです。

さいごに

警備員の特徴まとめのグラフ

今回の調査では警備業で働いている方々の働く理由や今後継続して就業したい理由、継続して就業したくない理由などが明らかになりました。
正社員(1号・2号)・有期雇用社員(1号・2号)によってそれぞれ異なる傾向はあるものの、
勤務日程や業務の難易度に関わる項目、給与の納得度、体力的負担などが大きく就業意向に影響しています。

対応できている項目については募集時に訴求することで就業したいと思ってもらい、また就業中の社員に対しても認知されていないことがあれば周知することで就業意欲が高まるかもしれません。
とりわけ他職種からの転職も多い業種ですので、丁寧に訴求・周知していくとよいでしょう。
加えて、変更しづらいことではあるものの、少しでも雇用・就業条件の見直しを図る、また社内での対応変更を行うことでも人材の定着は促せるでしょう。

執筆者:ディップ総合研究所 ディップレポート編集室 川上由加里

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