【前編】複数店舗で働く「エリア採用」、導入企業の8割が継続意向、8割が効果を実感

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調査概要

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<アルバイト・パート採用企業>
 ●調査手法:インターネット調査(楽天インサイトモニター利用)
 ●調査対象:アルバイト・パートを採用している企業の採用担当者
  (人事担当者・エリアマネージャー・SV職・店長・拠点長・施設長・ホーム長・所長)
 ●調査実施時期:2019年12月27日(金)~2020年2月4日(火)
 ●有効回収数:1,976サンプル

<アルバイト・パート就業者>
 ●調査手法:インターネット調査(GMOリサーチモニター利用)
 ●調査対象:アルバイト・パートとして就業している、47都道府県に在住の16~69歳の男女
 ●調査実施時期:2019年12月26日(木)~2020年1月10日(金)
 ●有効回収数:3,832

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エリア採用調査の調査概要データ(アルバイト採用企業の役職・担当店舗数、アルバイト・パート就業者の性年代・居住地)

本レポートについて

複数の店舗を運営するなかで、店舗ごとにアルバイト・パートの採用数に偏りが生じることがあります。その課題を解決する手段の1つに、「エリア採用」という採用手法があります。
「エリア採用」とは、勤務地を一定のエリアに限定した上で、特定の店舗ではなく、複数店舗での就業を前提とした採用を行い、”企業が指定した店舗で就業する”という手法です。

※「エリア採用」の他に、「ラウンダースタッフ」「社内派遣」といった呼称もありますが、本レポートでは「エリア採用」と表記を統一しています。

本レポートでは、エリア採用を導入しているアルバイト・パート採用企業の導入実態を中心に
アルバイト・パート就業者の就業実態を交えながら
期待できる効果や、実際に導入する際に意識するとよいポイントを探ります。

「エリア採用」レポートについて
■【前編】アルバイト・パート採用企業編(本レポート)
「導入の効果」と「導入企業が考慮している待遇」の2つの視点から、エリア採用を導入する際のヒントを探ります。
■【後編】アルバイト・パート就業者編
求職者の継続意向や満足したこと・要望などを明らかにし、より効果的にエリア採用を活用していくためのポイントを探ります。

【サマリ】

エリア採用の継続意向

導入企業が感じる効果

導入の際のヒントになる、待遇・考慮・時給・勤務エリア範囲

終業後の転換

さいごに

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会員限定特典の詳細データ版では、記事未収録の情報や、記事で取り上げたデータをより詳しくご覧いただけます。
詳しくご覧になりたい方は、ぜひ下記の「詳細ダウンロードはこちらから」、または本レポートの一番最後にある「詳細ダウンロード」ボタンよりダウンロードし、ご活用ください。
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エリア採用の継続意向

まずは、エリア採用を導入している企業の継続意向を見ていきます。

Q.今後の採用において、「エリア採用」の導入を継続していきたいですか。
継続意向とその度合いについて教えてください。(単一回答) n=1,976
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ず100とはならない可能性があります。

エリア採用を導入している企業の継続意向のデータ


エリア採用を導入している企業の継続意向は、「とても積極的」47.7%と「やや積極的」35.9%を合わせて83.6%と、継続意向が高いことがわかりました。職種別に見ても大きな偏りはなく、8割以上が「継続に積極的である(とても積極的+やや積極的)」という結果になりました。
一方で、清掃・オフィス(事務・企画)・介護などの一部の職種に関しては、他職種と比べ、意向度が少し弱い結果となりました。
<職種別にご覧いただく場合はこちら> ※別ウインドウで立ち上がります。

続いては、様々な人材確保の方法があるなかで、理想とする人事確保の方法について探りました。

 

人材確保の理想の対応

Q.欠員による急な人材確保、繁忙期などで通常よりも多くの人材確保が必要な場合についてお伺いします。本来はどのような対応が理想か、あてはまるものをすべて選択してください。(複数回答)n=1,976

人材確保の理想の対応に関するデータ

理想とする対応については、1位「求人広告でアルバイト・パートを採用して対応する」18.6%、2位「エリア採用で対応する」17.9%という結果になりました。

※新型コロナウイルス感染症、拡大前のデータとなります。

次は、応募・採用段階で感じる、通常採用と比較した際の効果と、採用後に感じた効果について順に見ていきます。

導入企業が感じる効果

応募・採用段階で感じる効果

Q.「通常のアルバイト・パート採用」と「エリア採用」を比較した際の、エリア採用の効果を5段階で教えてください。(単一回答) n=1,976
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ず100とはならない可能性があります。

エリア採用導入企業が応募・採用段階で感じる効果のデータ

通常の採用と比較し、応募・採用段階で企業が感じた効果は、1位「募集時に応募者が集まるのが早くなる」44.1%、2位「応募者が増える」「既存スタッフの負担が軽減する」ともに42.2%、3位「店舗間の人員調整の手間が減る」41.9%という結果になりました。
応募獲得までのスピード向上や応募数の増加、調整の手間や既存スタッフへの負荷の軽減を感じていることがわかりました。

続いて、採用後に感じる効果について見ていきます。

採用後に感じた効果

Q.「エリア採用」をして、応募・採用など直接的な効果以外で、よかったと感じる項目を教えてください。(複数回答) n=1,976

エリア採用企業が採用後に感じた効果のデータ

採用後に効果を感じたという回答は8割以上になりました。
効果を感じたことの1位は「柔軟な働き方が従業員に浸透する」36.4%という結果でした。
エリア採用スタッフは固定の店舗に出勤するわけではなく、流動的であるため、受け入れる側の従業員にも新しい働き方が浸透していきやすいのかもしれません。

2位は「定着率が上がる」36.0%となりました。
その他の効果としては、既存の従業員や他店舗とのコミュニケーションの円滑化や、知見やノウハウの共有といった、多店舗勤務態勢ならではの効果も感じているようです。

次に、実際に導入する際のヒントとなる、待遇・時給・勤務エリア範囲についてより具体的に見ていきます。

採用後に感じた効果

待遇・考慮について

Q.「エリア採用」をするうえで、取り入れている待遇や行っている考慮はありますか。(複数回答) n=1,976

エリア採用を導入する上で取り入れている待遇や行っている考慮のデータ

エリア採用を導入しているうえで「取り入れている待遇や考慮がある」と、86.5%が回答しました。
また、行っている内容として多い順に、1位「通常よりも時給を高くしている」30.1%、2位「通常にはないが、正社員・契約社員への雇用転換を受け入れている」29.6%、3位「出勤エリアにより交通費を追加し通勤手当を加算している(通常、スタッフにも交通費支給はある)」29.0%という結果になりました。

2番目に回答が多かった社員登用について職種別に見てみると、全体29.6%に比べ、IT・エンジニア(開発・設計・CAD)は36.1%と、+5ポイント以上の結果となりました。

※理美容・専門職52.9%、イベント(コンサート運営)36.4%も+5ポイント以上高い結果となっていますが、n=29以下のため参考値として考えてください。

<職種別にご覧いただく場合はこちら> ※別ウインドウで立ち上がります。

次に、行っている考慮として一番多かった時給について、通常採用とどれくらいの差があるのかを探っていきます。

時給について

Q.「エリア採用」の場合、通常のアルバイト・パート採用と募集・採用時点で時給に差をつけていますか。つけている場合はどの程度かを教えてください。(単一回答) n=1,976
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ず100とはならない可能性があります。

エリア採用を導入するにあたり、通常のアルバイト・パート採用と募集・採用時点で付けている時給の差のデータ

通常採用の時給と比べ、77.7%が時給を高くしていると回答しました。
また、通常のアルバイト・パート採用との時給の差は、51~200円アップがボリュームゾーンとなりました。

<職種別にご覧いただく場合はこちら> ※別ウインドウで立ち上がります。

次は勤務エリアの範囲について見ていきます。

勤務エリア範囲について

Q.「エリア採用」で就業者が担当する勤務エリアを決める時、どのような範囲で設定していますか。(複数回答) n=1,976
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ず100とはならない可能性があります。

エリア採で就業者が担当する勤務エリアのデータ

エリア範囲の設定においては、「市区町村ごと」が44.1%と最も多い結果になりました。
次いで、都道府県ごとが多く、やや広い範囲での就労を求職者に求めていることが明らかとなりました。

 

【求職者データ】エリア採用の場合に許容できる通勤時間

前問の、企業が決めているエリア採用の範囲の結果を踏まえ、ここではエリア採用で「とても働きたい」「やや働きたい」と回答した求職者の、許容できる通勤時間について見ていきます。

Q.エリア採用の場合、通勤時間について自宅からどの程度であれば許容しますか。(単一回答) n=1,550
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ず100とはならない可能性があります。

求職者がエリア採用の場合に許容できる通勤時間のデータ

30分未満の通勤時間を希望する割合は67.2%となり、なかでも「15~30分未満」が33.4%と一番多い結果になりました。就業先の店舗への通勤時間は、最長でも45分未満にすれば、求職者に負担が少なく、働きやすくなるかもしれません。

担当のエリア範囲や就業先店舗は、市区町村や都道府県単位などの分け方だけではなく、電車での移動時間も考慮するといいかもしれません。

就業後の転換

1つの店舗での就業に切り替えなかった理由

Q.1つの店舗での就業に切り替えなかった理由を教えてください。(複数回答) n=3,182

求職者がエリア採用で就業後、1つの店舗での就業に切り替えなかった理由のデータ

エリア採用で働く求職者の8割強が固定の店舗での就業に切り替えず、エリア採用スタッフとして勤務を継続していることがわかりました。

1つの店舗での就業に切り替えなかった理由として一番多いのは、「提案されなかった」32.0%でした。続いて、「出勤日数・時間が自由に選べなくなりそうだから」18.0%、「多くの出勤日数・時間で働けなくなりそうだから」14.8%という結果になりました。
「時給が低くなりそうだから」という回答は8位で9.4%となっており、時給よりも勤務日数・時間の自由さや出勤回数の方がエリア採用で働く求職者としては優先度が高いと言えそうです。

1つの店舗での就業に切り替えた理由

Q.1つの店舗での就業に切り替えた理由としてあてはまるものを教えてください。(複数回答) n=650

求職者がエリア採用で就業後、1つの店舗での就業に切り替えなかった理由のデータ

「シフト決定が早く、予定がたてやすいから」と「出勤が楽な店舗だから」がともに29.1%で最も多く、次に「出勤日数・時間が自由に選べるから」28.2%、「働く環境を変えずにすむから」27.4%となりました。
また、前出のPick Upで取り上げた「許容できる通勤時間」が15~30分未満が一番多かったように、通勤に時間を要したり、アクセスが悪い店舗への出勤が厳しいと感じる場合も転換を希望するきっかけとなりそうです。

さいごに

<本調査から明らかになったこと>

エリア採用を導入している企業の83.6%が、今後の採用においても継続したいという意向を持っている結果となり、エリア採用は継続意向が高い採用手法であることがわかりました。

導入効果として、応募・採用段階では応募獲得までのスピードの向上や応募数の増加が見込め
採用後には、定着率の向上や従業員に柔軟な働き方(新しい働き方)が浸透するといったことも期待できるようです。

導入の際のヒントになる、待遇・考慮や時給、勤務エリア範囲について。
待遇・考慮では、通常よりも時給を高くしたり、社員登用制度や通勤手当を付けた対応が多い結果となりました。
時給では、通常採用との時給の差に注目したところ、51~200円アップがボリュームゾーンのようです。
勤務エリア(エリア範囲の設定)では、市区町村ごとが最も多い結果となりましたが、求職者がエリア採用で働く際に許容できる通勤時間は、67.2%の人が30分未満を希望する結果となりました。
電車での移動時間を考慮することにより、求職者の負担も軽減でき、働きやすくなりそうです。

また、エリア採用で働く求職者は、勤務日数の多さ、シフト・勤務時間の自由さを求めており、
8割強が固定の店舗に切り替えず、エリア採用スタッフとして働いていることがわかりました。

通常の採用よりも早く求職者を採用できる可能性がある点や、各店舗の人員配置をシフト単位で調整できる点が、慢性的に人員不足の店舗や、突発的な欠員発生という課題に対し、柔軟に対応する要点になりそうです。新しい人材を募集するだけでなく、人材を店舗間で循環させるという方法も、人材不足を改善する手だての1つになるかもしれません。

レポートの「後編」では、求職者の就業のきっかけや満足したこと・要望などを明らかにし、より効果的にエリア採用を活用していくためのポイントを探っていきます。

<後編記事>
【後編】自由な働き方が叶う「エリア採用」就業実態と職場への要望が明らかに!経験者と現役スタッフ3,800人調査

執筆者:ディップ総合研究所 ディップレポート編集室 太田瑠美子

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