少子高齢化の今、55~64歳は約6割が‟定年後も働きたい” そのうち半数以上が同業種・職種を希望

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調査概要

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  • 調査主体:ディップ株式会社
  • 調査手法:インターネット調査(楽天インサイト利用)
  • 調査実施時期:2020年8月21日(金)~2020年8月24日(月)
  • 対象者条件:47都道府県内の55~79歳の男女(定年退職前就業者:47都道府県内の55~64歳の正社員の男女)
  • 有効回収数:8,000サンプル(定年退職前就業者:1,391サンプル)
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55歳から64歳の定年後の就業希望調査の調査概要のグラフ

本レポートについて

近年、少子高齢化が進み、65歳以上の比率は10年ごとに5ポイント以上の上昇を続けています。そして、2025年には同比率は30%に達する見込みです。
2019年の日本人の平均寿命は、男性が81.41歳、女性が87.45歳となり、共に過去最高を更新、健康年齢も延び続けている状況です。
既に、65歳以上の就業者数は増えてきていますが、少子高齢化の進展、平均寿命と健康寿命が延びてきていることにより、今後も増えることが想定されます。
また、2021年には高年齢者雇用安定法の一部改正があり、70歳までの就業機会の確保が努力義務となります。
このような状況下で、働く意欲がある高年齢者が活躍できる環境や職場づくりが必要となってきます。

本レポートでは、定年前(55~64歳)と定年後(60~79歳)に分けて調査・分析していきます。
まずは、定年前(55~64歳)の人の定年後の就業意向を明らかにしていきます。

【サマリ】

【参考】日本国内の就業に関わる実態

定年後の就業意向とその理由

定年後の就業希望

働き方の希望

さいごに

【参考】日本国内の就業に関わる実態

年代別の人口推移

年代別の人口推移のグラフ

平均寿命と健康寿命

平均寿命と健康寿命のグラフ

シニアの就業状況

シニアの就業状況のグラフ

定年後の就業意向とその理由

まずは、定年後の就業意向とその理由を見ていきましょう。

定年後の就業意向

55歳から64歳の定年後の就業希望のグラフ

働きたいという回答が57.8%と、定年目前の社員の就業意向は低くありません。
特に60~64歳は63.6%と55~59歳よりも7.5ポイント高く、年齢が高い方が就業意向が高い傾向が見られます。

定年退職した人との就業意向の比較

既に定年退職した人の当時の意向と比較してみました。

55歳から64歳の定年後の就業希望と定年退職した人の当時の就業希望の企画のグラフ

既に定年退職した60~79歳の人が、定年退職するとき定年後も働きたいと思っていたと回答したのは51.7%。
前出で明らかになった現在定年目前の人の定年後も働きたいと思っている割合の57.8%と比較すると、6.1ポイント低い結果となりました。

では、なぜ定年後も就業したいと思っているのでしょうか。

就業意向の理由

55歳から64歳が定年後に働きたい理由のグラフ 55歳から64歳が定年後に働きたくない理由のグラフ

就業したい理由1位は、55~59歳、60~64歳いずれも「生計の維持」が圧倒的に高い回答となりました。
60~64歳の人は、「仕事をすることは当たり前」「働くことが好き」という仕事にまつわる理由がやや高い、自己成長に関わる理由はやや低いなど、一定の傾向はありますが、全体的にお金に関わる理由が上位に挙げられています。
一方、就業したくない理由は、1位「時間に縛られず自由に生活したい」、次いで「趣味などやりたいことがあり、それに時間をかけたい」と、時間の制約による理由が上位となりましたが、「やりたい仕事がない」「自分の能力でできる仕事がないと思う」という、仕事にまつわる理由や「新しいことを始めるのは大変」「仕事探しをするのが手間」という、わずらわしさを原因とする理由も10~25%の回答がありしました。
仕事内容や勤務条件によっては、定年後も働く意欲がある高年齢者の活躍につながるかもしれません。

属性別に見る就業意向

前出の「定年後の就業意向」を様々な属性ごとに見ていきます。

性別・年代別、居住地別に見る55歳から64歳が定年後に働きたい割合のグラフ 収入別、家族構成別に見る55歳から64歳が定年後に働きたい割合のグラフ

性別・年代別の就業意向では、先に述べた通り、年齢の高い方が就業意向が高い傾向にありますが、男女の差は見られませんでした。
居住地によるでの大きな違いはありませんが、中国・四国地方のみやや就業意向が低い結果が出ています。
一緒に暮らす人では、一人暮らしの人の就業意向が全体と比較し低い一方で、「どちらとも言えない」という回答もやや高くなっています。
今後、高齢者が働く職場・環境が整っていくことで、就業意欲にも影響が出てくるのではないでしょうか。

定年後の就業希望

ここからは、定年後の就業意向がある人たちの希望を見ていきます。
まずは、現在と同じ職場への就業継続、異なる職場での就業、どちらを希望しているのでしょうか。

現在と同じ職場への希望

55歳から64歳が定年後に働く場合の現職場への希望のグラフ 企業規模に見る55歳から64歳が定年後に働く場合の現職場への希望のグラフ

6割以上が定年後も現在の職場での就業を希望しており、60~64歳は現在の職場での就業を希望するのは7割弱と、55~59歳よりも7.4ポイント高い結果となりました。
前出の定年後に就業したくない理由として、「新しいことを始めるのは大変」「仕事探しをするのが手間」という、わずらわしさを原因とする理由が挙げられていましたが、こちらの結果も同様の理由によるのではないでしょうか。
また、就業意向別に現在と同じ職場への就業の希望を見ると、定年後に働きたくない人たちは、現在と異なる職場であれば就業の可能性がありそうです。

定年退職した人の就業先

既に定年退職した人の当時の意向と比較してみました。

定年退職した人の就業先の割合のグラフ

前出の‟定年後の就業意向”では、既に定年退職した人(60~79歳)方が定年前の人(55~64歳)よりも低い水準でしたが、定年退職前の職場への希望についても同様におよそ10ポイント低い結果となりました。
※定年前の人(55~64歳)の現在の職場への希望:63.7%

前出の就業意向別に見る、現在と同じ職場への希望では、就業意向が低い人ほど同じ職場を希望していませんでした。
これは既に定年退職した人の就業意向が低いことも関係しているのかもしれません。

現在と同じ業種・職種への希望

ここからは、現在と同じ業種・職種への希望を見ていきます。

業種別に見る55歳から64歳が定年後に働く場合の現業種への希望のグラフ 職種別に見る55歳から64歳が定年後に働く場合の現職種への希望のグラフ

現在と同じ業種を希望するのは約6割、同じ職種を希望するのは5割強と、半数以上は現在の業務と近い就業を継続したいと思っているようです。
しかし、「運輸業、郵便業」「サービス業」の業種、「営業」「製造・軽作業」「IT・エンジニア、Webデザイン・クリエイター」「建築・建設・土木関連」「物流、運輸、引越、ドライバー」の職種については、他業種・職種と比較し継続希望は低い結果となっています。

次項からは、どのような働き方を希望しているかを見ていきましょう。

働き方の希望

希望する雇用形態

55歳から64歳が定年後に働く場合の雇用形態への希望のグラフ

現在と同様に、正社員での希望が最も高く、各年代とも6~7割の人が最も希望する雇用形態として挙げました。
しかし、その他の雇用形態も1~3割が許容しています。

定年退職した人の雇用形態

定年退職後に働いている人の雇用形態のグラフ

60~64歳では半数以上が正社員として就業しているものの、65歳以上は正社員としての就業割合は大幅に低くなっています。

勤務シフトの希望

55歳から64歳が定年後に働く場合の勤務シフトの希望のグラフ

給与の希望

55歳から64歳が定年後に働く場合の給与の希望のグラフ

週5日以上×8時間以上の勤務を最も多くの人が希望しており、現在と同程度の就業意向がありそうです。
給与については、現在の給与別に見ると、現在と同程度を希望している割合が5割前後と最もボリュームゾーンではありますが、現在よりも低い給与額でよいとする割合も低くありません。

さいごに

本レポートでは、定年前(55~64歳)の定年後の就業意向が明らかになりました。
現在、定年制度を設けている企業は9割以上となっていますが、最も多い階級設定は「60歳」で8~9割です。
また、最高雇用年齢階級も65歳の企業が最も多いのが現状です。

これから高齢者の活躍が増えていくことが見込まれます。
再雇用、雇用延長、新たな採用を検討するヒントになさってください。

※厚生労働省 定年制等についてより


続いて、定年後(60~79歳)の就業実態を探っていきます。
こちらでは、定年後にどのような働き方をしているのか、本来の希望はどうだったのかなどを詳しくご覧いただけます。


執筆者:ディップ総合研究所 ディップレポート編集室 川上由加里

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