Uターン・Iターンに期待!学生の5割が「就業後いつかは地方に移住したい」

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調査概要

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  • 調査主体:ディップ株式会社
  • 調査手法:インターネット調査(バイトル会員)
  • 調査実施時期:2020年10月26日(月)~2020年10月30日(金)
  • 対象者条件:47都道府県在住の男女(本レポート利用:15~29歳の学生のみ)
  • 有効回収数:9,794サンプル(本レポート利用:2,678サンプル)
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学生の移住意向の調査概要のグラフ

本レポートについて

新たな働き方の1つとして、場所にとらわれず働くことができる「テレワーク」が広く認知されるようになりました。場所を問わず仕事ができるようになったことで、地方移住をの容認する企業も現れており、この働き方は今後さらに広まるでしょう。

学生を除く就業者の「テレワークの導入実態」と「テレワーク導入による地方移住の意向」を明らかにした、テレワーク導入により地方移住を希望5割超!生産性が向上した3割強に続き、本レポートでは学生の「就業後の地方移住」について探っていきます。

就業後の地方移住の希望とタイミング

卒業後の就業先が関東圏や人口が多い地方都市の場合、どの程度の学生が地方移住を希望しているのでしょうか。

約半数が地方移住を希望

学生の地方移住の希望のグラフ

約半数もの学生が、卒業後の就業先が関東圏や人口が多い地方都市の場合、地方移住を希望すると回答しています。
地方創生として、東京はじめ人口が多いエリアから地方へ移住する施策が進められていますが、学生の時点でこれだけの地方移住希望者がいます。テレワークの導入や移住者支援などの制度がさらに整備されていくと、施策の促進や希望者の増加につながるでしょう。

では、地方移住の希望は、自身の居住地や出身地、実家所在地によっても異なるのでしょうか。次項からはその傾向を見ていきます。

地方移住の希望には出身地が影響

学生の地方移住の希望のグラフ-居住地別

学生の地方移住の希望のグラフ-出身地別
学生の地方移住の希望のグラフ-実家の所在地別

居住地、出身地、実家所在地が「南関東」の学生は、他エリアよりも地方移住の希望は低い結果ですが、それでも4割を超えています。
逆に、他のエリアよりも地方移住の希望が高かったのは、「中国・四国」、次いで「北陸・甲信越」です。

一方、居住地、出身地、実家所在地それぞれにおける大きな傾向は表れませんでしたが、「北関東」のみやや傾向が見られました。居住地が「北関東」の学生よりも、出身地、実家所在地が「北関東」の学生の方が地方移住の希望はやや低いことから、関東圏などに留まる可能性が現時点では高そうです。

学生の地方移住の希望のグラフ-居住地と出身地別

居住地と出身地を掛け合わせて見てみると、より傾向が見てとれます。
「南関東以外」のエリアに在住している「南関東以外」のエリア出身の学生は、最も地方移住の希望が高く、52.2%と半数を超えています。
次いで、「南関東」に在住している「南関東以外」のエリア出身の学生で47.9%。このうち、実家が「南関東以外」の学生は49.6%、実家が「南関東」の学生は45.0%。出身は「南関東以外」だったものの、現時点で実家が「南関東」にある場合は、やや地方移住の希望が低くなっています。

一方で最も低い水準だったのは、「南関東」に在住し、出身も「南関東」の学生です。しかし、それでも4割弱という結果となりました。

ここでは、卒業後の就業希望を見てみましょう。学生はどのような環境で就業したいと思っているのでしょうか。

卒業後、最初は「都心で働きたい」という希望が高く

卒業後の就業希望のグラフ

10~0の11段階で評価すると、「都心で働きたい」は45.4%が10~8(とてもあてはまる)、7~6(ややあてはまる)まで含めると64.5%という結果となりました。多くの学生が卒業後、最初は「都心で働きたい」と考えています。同基準で、「大きなマーケットで働きたい」は、28.2%が10~8(とてもあてはまる)、7~6(ややあてはまる)まで含めると45.1%、「自然が豊かな場所で働きたい」は19.8%が10~8(とてもあてはまる)、7~6(ややあてはまる)を含めると37.1%という結果です。

前出の結果では、半数近くが地方移住を希望していましたが、その半面、最初は「都心で働きたい」という希望もあることが明らかになりました。

次項では、卒業後の就業希望別に地方移住の希望を見てみましょう。

最初は「都心で働きたい」学生も、いつかは地方移住を希望3割強

卒業後の就業希望別に見る地方移住へのグラフ

「都心で働きたい」と思っている学生ほど地方移住を希望する割合は低く、10~8(とてもあてはまる)と回答した学生は37.1%、4~0(あてはまらない)と回答した学生は69.4%で30ポイント以上の差がありました。
「大きなマーケットで働きたい」という希望と地方移住に対する意向との関連はほとんど見られませんが、「大きなマーケットで働きたい」と思っている学生ほど地方移住を希望する割合はやや低く、10~8(とてもあてはまる)と回答した学生は44.6%、4~0(あてはまらない)と回答した学生は49.2%で、約5ポイントの差となっています。
「自然が豊かな場所で働きたい」という希望と地方移住への希望では、最も相関関係が見られました。10~8(とてもあてはまる)と回答した学生は72.8%、4~0(あてはまらない)と回答した学生は32.0%で、40ポイント以上の差が開きました。
 

簡単まとめ

  • 最初は「都心で働きたい」学生が多いものの、その意向が強い人でもいずれは地方移住を希望するという回答が4割弱
  • 「大きなマーケットで働きたい」と思っている学生は、地方移住への希望の傾向は見られはない
  • 「自然が豊かな場所で働きたい」と思っている学生、地方移住への希望も強く、相関あり

地方移住をするタイミングと移住先の希望

では、地方移住を希望する学生は就業後どれくらいのタイミングで移住したいと考えているのでしょうか。また、移住先の希望はどの程度決まっているのでしょうか。
ここからは、地方移住をしたい学生のより詳しい希望を見ていきましょう。

タイミングは、1年以内、2~5年以内、6~20年以内がそれぞれ2割

地方移住する希望タイミングのグラフ

地方移住をするタイミングとして、就業後「すぐにでも」(12.2%)を含む1年以内という短い期間で早々に地方移住を希望している学生が2割、2~5年以内、6~20年以内の希望もそれぞれ2割前後という結果です。
就業後1~5年以内ならその時の年齢は20代、就業後6~20年以内なら20代後半から40代前半の割合が多いことが想定されます。採用企業のなかでも全国に就業ポジションがある企業については、就業者の意向やその変化を把握していくことは、定着や満足度の向上につなげる重要な取り組みになるでしょう。
また、地方移住後も長期間就業することが見込まれる世代と言えます。

では、地方移住をしたい学生はどこへの移住を希望しているのでしょうか。移住先の希望を見てみましょう。

4割以上が移住先の希望がある

移住先の希望のグラフ

「明確に決まっている」(9.1%)と「明確には決まっていないが、ある程度のエリアは決まっている」(33.8%)を合わせると、4割以上が移住先の希望があると回答。一方で、3割弱が「全くこだわりはない」と回答しています。

次項から、移住先の希望がある人は、具体的にどのようなエリアを希望しているのかを見ていきます。

いずれのエリアも2割強~4割強の学生が移住先として許容

許容、希望する移住先のグラフ

いずれのエリアも2割強~4割強の学生が移住先として許容しています。地方創生の対象となるエリアも多数含まれており、前述の通り施策によっては移住の促進ならび人口の分散につながるのではないでしょうか。

ここでは、移住先として出身地をどの程度が希望しているのかを見てみましょう。

移住先に出身地を「許容する」7割強、「最も希望する」5割強

移住先に出身地を希望する割合のグラフ

移住先として出身地を許容しているのは7割強ですが、最も希望しているのは5割強と、移住先には出身地以外を希望する人も少なくありません。エリアごとに見ると、関東、関西、東海の出身者については2割前後、その他エリアの出身者については1割前後が、出身地を許容するもののそれ以外のエリアを最も希望していることになります。

ここからは、希望の移住先を選んだ理由を見ていきましょう。

移住先に選んだ理由の1位は「自然豊かな場所だから」

移住先を選んだ理由のグラフ

移住先に選んだ理由としてあてはまるものは、1位「自然豊かな場所だから」(58.3%)ですが、最もあてはまるものに絞ると、「生まれ育った場所だから」の割合が高くなりました。
では、移住先が「明確に決まっている」学生と「明確には決まっていないが、ある程度のエリアは決まっている」学生では、傾向の違いはあるのでしょうか。

希望の移住先が明確に決まっている人は「生まれ育った場所だから」という理由が1位

移住先を選んだ理由-移住先の希望別(複数回答)
移住先を選んだ理由-移住先の希望別(単一回答)

あてはまるものすべては、目立った傾向は見られませんでしたが、希望の移住先が「明確に決まっている」人ほど「生まれ育った場所だから」「家族や親戚が近くにいるから」という回答がやや高くなっています。一方で、「明確には決まっていないが、ある程度のエリアは決まっている」人は、「自然豊かな場所だから」「食事がおいしい場所だから」という理由が、全体比べて多く挙がっています。
最もあてはまるものでは、この傾向がより強く表れとおり、特に、希望の移住先が「明確に決まっている」人の「生まれ育った場所だから」という理由はとても高い割合を占めています。移住の懸念を払拭していくことでUターンの可能性がより高まるでしょう。

ここまでは移住を希望する人の声を取り上げてきましたが、最後に、移住を希望しない人の声を見てみましょう。

地方移住を希望しない人の懸念は「不便な生活環境」「限定される働き方の幅」

地方移住を希望しない人の懸念のグラフ

移住を希望しない理由として挙げられたのは、1位「不便な生活環境であること」(70.4%)、次いで2位「働き方の幅が限定されること」(53.1%)、3位「これまでの人間関係がなくなること」(50.0%)と続きました。
「不便な生活環境であること」については、事前に環境を知ってもらうための移住体験を導入している地域も増えてきています。なんとなく不便だろうと感じている人に実際の環境を知ってもらい、新たな魅力を伝えることができれば、マイナスイメージの払拭にもつながるでしょう。
また、2位の「働き方の幅が限定されること」や「新しい仕事に挑戦できないこと」「経験やスキルを活かせる仕事がないこと」など、仕事に関することも多数挙げられています。これらを解消するには、テレワークの拡充だけでなく、企業自体の地方への移転・展開なども選択肢となるかもしれません。

さいごに

本レポートでは、「テレワークの導入実態」と「テレワーク導入による地方移住の意向」の調査、テレワーク導入により地方移住を希望5割超!生産性が向上した3割強に続き、学生の「就業後の地方移住」について明らかにしました。

本レポートで明らかになったこと
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〇就業後の地方移住の希望とタイミング
 約半数が地方移住を希望
 地方移住の希望には出身地が影響
 [PickUp]卒業後、最初は「都心で働きたい」という希望が高く
 [PickUp]最初は「都心で働きたい」学生も、いつかは地方移住を希望3割強

〇地方移住をするタイミングと移住先の希望
 タイミングは、1年以内、2~5年以内、6~20年以内がそれぞれ2割
 4割以上が移住先の希望がある
 いずれのエリアも2割強~4割強の学生が移住先として許容
 移住先に出身地を「許容する」7割強、「最も希望する」5割強
 移住先に選んだ理由の1位は「自然豊かな場所だから」
 希望の移住先が明確に決まっている人は「生まれ育った場所だから」という理由が1位
 [PickUp]地方移住を希望しない人の懸念は「不便な生活環境」「限定される働き方の幅」
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最初は「都心で働きたい」学生が多いものの、約半数が地方移住を希望しており、施策によっては移住の促進ならび人口の分散につながるのではないでしょうか。
全国に就業ポジションがある企業については、就業者の意向やその変化を把握していくことは、定着や満足度の向上につなげる重要な取り組みになるでしょう。
また、移住を希望しない理由として「不便な生活環境であること」「働き方の幅が限定されること」などが挙げられており、テレワークの拡充だけでなく、企業自体の地方への移転・展開なども選択肢となるかもしれません。

執筆者:ディップ総合研究所 ディップレポート編集室 川上由加里

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