派遣で働くことの意向と印象調査、若年層ほど働き方がわからない

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調査概要

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  • 調査主体:ディップ株式会社
  • 調査手法:インターネット調査(バイトル会員)
  • 調査実施時期:2021年2月7日(日)~2021年2月12日(金)
  • 対象者条件:47都道府県在住の男女(本レポート利用:18~69歳)
  • 10,626サンプル(アルバイト・パート2,448サンプル、正社員1,586サンプル、契約社員480サンプル、派遣社員1,057サンプル、その他の雇用形態827サンプル、無職1,893サンプル、学生2,335サンプル)

※本レポートでは、主に「派遣社員」のデータを使用

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派遣社員を対象とした派遣就業の印象に関する調査概要(性別・年代)のグラフ 派遣社員を対象とした派遣就業の印象に関する調査概要(雇用形態・職種)のグラフ

本レポートについて

労働力人口は2021年5月の6,667万人※1に対して、派遣労働者は2021年5月は138万人※2と総労働可能人口(現労働者を含む)のうち98%が派遣以外の働き方もしくは就業しておらず、わずか2%の割合でしか派遣という選択肢をとられていません。
今後、労働力人口が減少していくなかでは、新規派遣登録者数を増加させ、限られた労働者の流動化を推進することが必要ではないでしょうか。 こうした中で、正社員・有期雇用者・無職業者を問わず「派遣社員として働くことに対する許容度」「派遣就業に対する印象」を明らかにすることで、派遣を選ばない理由がわかるかもしれません。それがわかることにより、新規派遣登録者数を増やすための有効な打ち手が見つかるかもしれません。

※1.総務省統計局 労働力調査(基本集計)2021年5月分結果(令和3年)
※2.総務省統計局 労働力調査追加参考表(基本集計)2021年5月分結果(令和3年)

【サマリ】

最も希望する雇用形態

派遣社員として働くことへの考え

さいごに

最も希望する雇用形態

希望する雇用形態の1位は「正社員」、「派遣社員」は3位

まず、「最も希望する雇用形態」について見ていきましょう。

最も希望する雇用形態のグラフ

仕事探しをする際に「最も希望する雇用形態」について尋ねたところ、1位「正社員」42.9%、2位「アルバイト・パート」31.2%、3位「派遣社員」15.5%という結果になりました。現在就業している雇用形態別に見ると、どの雇用形態も「自身が現在就いている雇用形態」を希望する割合がそれぞれ全体の+10ポイント以上となっています。
契約社員とその他雇用形態は「正社員」を最も希望していますが、派遣社員とアルバイト・パートは「自身が現在就いている雇用形態」を、無職の人は「アルバイト・パート」を最も希望していることがわかりました。

次に、派遣社員について注目してみると、派遣社員を除く雇用形態では「派遣社員」を希望する割合は低いことがわかります。
特に、現在アルバイト・パートとして就業している人は、同じ有期雇用にもかかわらず、「派遣社員」を希望する割合は9.4%と全体の1割にも満たない結果となっています。
全体的に「アルバイト・パート」の53.0%と比較すると43.6ポイントも現在、「派遣社員」として就業している人以外の人は差がひらいています。

派遣社員を希望する割合が低いことがわかりましたが、現在、派遣社員として就業している人以外の人は、「派遣社員として働くこと」についてどのように考えているのでしょうか。

派遣社員として働くことへの考え

47.9%が「派遣社員として働いてもいい」

派遣として働らくことについて許容できるかについてのグラフ

現在、派遣社員ではない人に「派遣社員として働くこと」への考えについて尋ねたところ、派遣社員として働くことを「許容する」47.9%、「許容しない」41.3%、「働き方がよくわからない」10.8%となりました。
前出の「最も希望する雇用形態」では派遣を「希望する」割合は低かったものの、ここでは5割弱が派遣社員として働いてもいいと考えていることが明らかになりました。

正社員以外の雇用形態では、半数が「派遣社員で働くことを許容」

雇用形態別でみた派遣許容割合についてのグラフ

雇用形態別に「派遣社員として働くことを許容する」割合を見てみると、「正社員」30.2%、「契約社員」52.1%、「アルバイト・パート」49.4%、「その他の雇用形態」54.1%、「無職」56.9%となり、「正社員」が最も派遣社員を許容する割合が低いことがわかりました。
また、先に取り上げた「最も希望する雇用形態」では、アルバイト・パートで派遣社員を希望する割合は1割未満であったにもかかわらず、派遣社員として働くことに対する許容度は5割弱となっていることから、働きたいという強い希望はないものの働いてもいいと感じていることが読み取れます。

若年層ほど許容する割合が低く、派遣という働き方もわからない

年代別でみた派遣許容割合についてのグラフ

次に、年代別で派遣社員として働くことを許容する割合を見ていきます。 若年層ほど許容する割合が低いことが明らかになりました。
また同様に、派遣という「働き方がよくわからない」と回答している割合も若年層ほど増えています。

アルバイト・パートの約4割が「派遣の働き方がよくわからない」

前出の「派遣として働くことへの考え」で「派遣の働き方がわからない」と回答した人に注目し、雇用形態別の傾向を見てみましょう。

派遣の働き方がよく分からないと回答した雇用形態別の割合

「派遣として働くことへの考え」で「派遣の働き方がわからない」と回答した層を雇用形態別で見てみると、アルバイト・パート38.1%、無職25.4%、正社員22.9%、自営・公務員6.0%、契約社員3.6%、その他雇用形態2.3%、派遣社員1.6%という結果となり、アルバイト・パートが約4割と最も派遣の働き方がわからない割合が多いことがわかりました。

派遣特有の就業条件の印象

ここまで派遣社員として働くことに対する考えについて明らかにしてきましたが、そもそも就業者は「派遣という働き方」に対してどのような印象をもっているのでしょうか。
まずは、「派遣ならではの就業条件」についてその印象を見ていきましょう。

「豊富な仕事から選べる」 全体的にポジティブな印象5割弱

豊富な仕事から選べる印象のグラフ

「豊富な仕事から選べる」という派遣の特徴について就業者に伺ったところ、全体的には「ポジティブな印象がある」という回答が5割近くを占めました。
雇用形態別で見ても大きな差はなく、派遣に対して「豊富な仕事から選べる」ことに肯定的であるようです。
このことから、「豊富な仕事から選べる」という特徴は、 派遣登録者を増やすアピールポイントになるかもしれません。

また、許容度別で見ると、派遣を許容する人の約6割が「豊富な仕事から選べる」ことに「ポジティブな印象がある」と回答しました。しかし現在派遣で働いていない人が多いことから、派遣で働かない要因が他にあるのかもしれません。
さらに、「派遣という働き方がよくわからない」と回答した層は、「ポジティブな印象がある」が3割強あったものの、「そもそも印象がない」という回答も2割あったことから、「豊富な仕事から選べる」という派遣ならではの特徴もイメージしにくいことが伺えます。

「就業後もフォローがある」 全体的にポジティブな印象約3割

就業後もフォローがあるという印象の図

続いて、「就業後のフォローがある」という派遣の特徴について就業者に伺ったところ、「ポジティブな印象がある」30.3%、「ネガティブな印象がある」27.6%、「印象はあるがポジティブでもネガティブでもない」25.8%と、全体的にはポジティブな印象の割合がやや多いことがわかりました。
雇用形態別で見ると、前述の「豊富な仕事から選べる」は6割近い派遣社員がポジティブな印象をもっていたことと比較すると、「就業後のフォローがある」は 4割にとどまっており低めの結果となりました。

また、許容度別で見ても、派遣という働き方がよくわからない人の3割は「そもそも印象がない」と答えており、就業後のフォローを積極的に行っている企業は、求人原稿や自社HPなどで求職者にフォロー体制をアピールすることにより、派遣登録先として選ばれる可能性がアップしそうです。

アルバイト・パートと比較した派遣就業条件の印象

次に、派遣の就業に至るまでの印象を「派遣就業条件の印象」「採用までのフローの印象」「派遣登録後の流れとしてよくイメージされる派遣の特徴」の3つに分けて見ていきましょう。
比較を容易にするため、質問はアルバイト・パートと比べた派遣就業の印象について行いました。

「働く時間や期間の融通が利かない」と全ての雇用形態の約4割

収入が多いという印象の図
働く時間や期間の融通が利くという印象の図

アルバイトと比較した派遣就業に対する印象について尋ねたところ、アルバイトと比較して「収入が多い」という項目は、全体で58.6%とポジティブな印象の割合が高い結果となりました。とくに派遣を許容しない層でも半数以上が ポジティブな印象をもっていることがわかります。
一方で、「働く時間や期間などの融通が利く」という項目については、全体で43.5%がネガティブな印象を抱いている結果となりました。 現在、派遣社員として働いている人でも3割程度しかポジティブだと感じていないことから、アルバイトと比較して派遣は「働く時間や期間の融通が利きにくい」と感じている人が多いことがわかりました。

雇用形態別ではアルバイト・パートの回答者のポジティブな印象の割合が25.5%と最も低く、派遣を選択しない要因になっているのかもしれません。

アルバイト・パートは派遣に対し、「未経験でスタートできる」が、「採用されるハードルは高い」と感じている

前述で派遣として働くまでの印象を見てきましたが、続いて採用までのフローの印象について見ていきましょう。

未経験からスタートできる印象の図

アルバイトと比較して「未経験からスタートできる」という印象があるか就業者に尋ねたところ、全体でポジティブ35.1%、ネガティブ32.4%と、ほぼ同値の結果となりました。
雇用形態別で派遣社員の回答を見ると、「ポジティブな印象がある」が約4割、 「印象はあるがポジティブでもネガティブでもない」が約3割であることから、実際には「未経験からスタートできる」求人はイメージされているよりも多いことが伺えます。

アルバイトと比較した「採用のハードル」に対する印象について見ていきましょう。

採用ハードルが低いの印象の図

「採用のハードル」という項目について就業者に尋ねたところ、「ポジティブな印象がある」28.5%、「ネガティブな印象がある」41.9%と、全体的に「採用のハードルは高い」と感じている結果となりました。
雇用形態別で見ると、「アルバイト・パート」が24.8%とポジティブと感じている割合が最も低いことがわかりました。

前述のように「未経験からスタートできる」という印象を派遣に対して持っているものの、実際に採用されるハードルは高いと感じていそうです。職種によっては未経験からスタートすることもでき、未経験で専門的なスキルを持っていない場合でも、紹介してもらえる派遣先候補は少なくなる可能性はあるものの、働きながら専門的なスキルを身につけられる就業先があることを知らない求職者がいることが推察されます。
そのため現状を周知する策として、求人広告には、「未経験でも専門的なスキルを身につけられる」や、「スキルがなくても働きながら身につけられる」といった文言の記載が必要かもしれません。

   

派遣という働き方がよくわからない人の2割は派遣登録後の「印象がない」

最後に、派遣登録後の流れとしてよくイメージされる派遣の特徴について見ていきましょう。

    採用までの選考期間が短いの印象の図

まず、「採用までの選考期間が短い」と感じるかに関しては、全体で見るとポジティブな印象がある32.8%、ネガティブな印象がある34.8%と、ほぼ同値の結果になりました。
許容度別で見ると、「派遣という働き方がよくわからない」と回答している層はポジティブな印象があるが27.4%と最も低い結果となりました。「そもそも印象がない」割合も22.1%と他の項目と比較して割合が高く、働き方がわからない層は「選考期間が短い」という特徴を把握できていないことが明らかになりました。

面接時に準備の手間がかからない印象の図

「アルバイトと比較して登録・面接時に手間がかからない」という項目に対しては、全体で見ると、「ポジティブな印象がある」29.8%、「ネガティブな印象がある」41.8%と登録・面接時に手間がかかる印象を持つ割合が多い結果となりました。
雇用形態別で見ると、派遣社員は約4割が「ポジティブな印象」を持っているのに対して、他の雇用形態では約3割以下と、印象に差異があることがわかりました。
これらのことから、実際に働いている派遣社員は、登録や面接の際に準備などで手間はかからなかったと感じていることがうかがえます。

一方、許容度別で見ても、派遣という働き方がよくわからない層は20.4%の割合で「そもそも印象がない」と感じていることから、登録から就業までの手順などがイメージできていない可能性が高いと推察されます。

さいごに

今回の調査では、「派遣で働くことに対する許容度」や「派遣に対する印象」を明らかにすることで、他の雇用形態から派遣労働者になりうる可能性が高い層を見つけることができたと思います。

<本レポートで明らかになったこと>-----------------------------------------------------
■最も希望する雇用形態
・希望する雇用形態は、第1位「正社員」2位「アルバイト・パート」3位「派遣社員」
・「派遣社員」を希望している人は1割以下で、2位の「アルバイト・パート」とは、40ポイント以上低い結果となった。同じ非正規雇用で似た働き方である

■派遣社員として働くことへの考え
・派遣社員を除いた就業者は、「派遣社員として働くことを許容する」47.9%、「許容しない」41.3%、「働き方がよくわからない」10.8%という結果に
・「派遣で働くことを許容する」割合を雇用形態別で見ると、正社員30.2%、契約社員52.1%、アルバイト・パート49.4%、その他の雇用形態54.1%、無職56.9%
・年齢が上がるほど「派遣で働くことを許容する」割合が高い

■派遣特有の就業条件の印象
・「豊富な仕事から選べる」 全体的にポジティブな印象5割弱、派遣としての強みに
・「就業後もフォローがある」 全体的にポジティブな印象約3割

■アルバイト・パートと比較した派遣就業条件の印象
・アルバイトと比較すると、「働く時間や期間の融通が利かない」が強い結果に
・派遣は「未経験からスタートできる」と思うものの、採用のハードルは高いと就業者は感じている
--------------------------------------------------------------------------------
新規派遣登録者数を増やすためには、派遣就業の働き方がわからないと回答した層、アルバイト・パート、若年層に対して派遣での働き方を知ってもらうことにより、派遣として働いてもいいと感じる割合を増やしていくことが重要です。
また、派遣就業に対する印象として、「未経験からスタートできる」「登録・面接時に手間がかからない」といった項目に関しては、現在派遣として就業している派遣労働者の印象とその他の雇用形態で就業している労働者の印象に差異が生じていました。
上記二つの項目に対して、印象の差異を埋める対策をとることが、新規登録者を増やす手段として有効かもしれません。派遣として働く人を増やすためのヒントとしてご活用ください。

調査設計・分析:ディップ総合研究所ディップレポート編集課 川上由加里・太田瑠美子
執筆者:ディップ総合研究所 ディップレポート編集課 國原実依

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