派遣社員はアルバイト・パートよりも「派遣という働き方」を好んでいる

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調査概要

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  • 調査主体:ディップ株式会社
  • 調査手法:インターネット調査(はたらこねっと会員)
  • 調査実施時期:2021年4月4日(日)~2021年4月11日(日)
  • 対象者条件:47都道府県在住の19~69歳の男女の派遣社員
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派遣社員を対象としたアルバイト・パート就業についての調査概要(性別・年代・居住地)のグラフ 派遣社員を対象としたアルバイト・パート就業についての調査概要(職種)のグラフ

本レポートについて

現在、派遣社員として就業している人が「アルバイト・パート就業」に対し、どのような「考え」を持っているのか「アルバイト・パートの就業経験」と併せて調査しました。

【サマリ】

今後の仕事探しにおける「雇用形態へのこだわり」と許容度

「アルバイト・パートとして働くこと」への意向と、就業条件による変化

アルバイト・パートの就業経験

【まとめ】派遣社員はアルバイト・パートよりも「派遣という働き方」を好んでいる

今後の仕事探しにおける「雇用形態へのこだわり」と許容度

まず、派遣社員の「雇用形態へのこだわり」について見ていきましょう。

仕事探しにおいて「雇用形態へのこだわりがある」5割強

今後の仕事探しにおけるの派遣社員の雇用形態へのグラフ

現在、派遣社員として就業している人に今後の仕事探しにおける「雇用形態へのこだわり」について伺ったところ、「こだわりがある」53.6%、「どちらとも言えない」19.2%、「こだわりはない」27.2%となりました。 過半数が仕事探しの際、雇用形態に「こだわりがある」と回答しており、内訳を見ると「ある程度こだわりがある」がほとんどを占めています。

では、具体的にどのような雇用形態を希望しているのでしょうか。

「一般派遣」は8割強が許容できる一方、「アルバイト・パート」は4割弱に留まる

派遣社員の雇用形態の許容と希望のグラフ

現在、派遣社員として就業している人が「仕事探しをする際に許容できる雇用形態」の1位は「派遣社員(一般派遣:3カ月以上長期)」、2位「契約社員」、3位「正社員」でした。
希望する雇用形態」では、1位は「許容できる雇用形態」と同様に「派遣社員(一般派遣:3カ月以上長期)」でしたが、2・3位は異なり、2位「正社員」、3位「派遣社員(一般派遣:短期・単発)」が挙がりました。

「アルバイト・パート」に注目してみると「その他の雇用形態」を除き、「許容できる雇用形態」「希望する雇用形態」で、ともに最下位となっています。 派遣社員として就業している人はアルバイト・パートとして働くことよりも、現在と同じく派遣社員として働くことを希望していることがうかがえる結果となりました。

「アルバイト・パートとして働くこと」への意向と、就業条件による変化

前出で、派遣社員は「アルバイト・パートとして働くこと」に対する許容や希望の度合いが低い傾向にありましたが、実際に「アルバイト・パートとして働くこと」についてどのように考えているのでしょうか。

6割弱が「アルバイト・パートとして働くこと」に消極的

派遣社員の「アルバイト・パートとして働くこと」への考えのグラフ

現在、派遣社員として就業している人に「アルバイト・パートとして働くこと」への考えについて伺ったところ、「アルバイト・パートとして働きたい・働いても構わない」43.0%、「アルバイト・パートとして働きたくない」57.0%という結果になりました。 6割弱が「アルバイト・パートとして働くこと」に対し、消極的なようです。

次に、就業条件によっては「アルバイト・パートとして働くこと」への意向が高まるのかどうか見ていきます。

派遣社員の就業条件の変化によるアルバイト・パート就業意向のグラフ

前出で「アルバイト・パートとして働きたくない」と回答した人(n=524)に、就業条件によってはアルバイト・パートとして働くことへの意向が高まるかどうかを伺ったところ、「就業意向が高まる」と回答した割合は3割弱に留まりました。

前出で取り上げた「雇用形態の希望」では、半数以上(長期派遣、紹介予定派遣、短期・単発を合算)が現在と同じ派遣という働き方を最も希望していることや、「就業条件にかかわらず(アルバイト・パートへの)就業意向は変わらない」と7割の人が回答していることを踏まえると、派遣という働き方そのものにメリットを感じ、好んで選択している人が多数いると考えることができそうです。

派遣社員は「派遣特有の特徴」や「収入の多さ」に好印象

派遣社員が「派遣で働くこと」をどのように感じているのか、過去にディップ総合研究所で行った「派遣の特徴」に対する印象の調査結果を参考に見ていきます。

派遣社員が思う、派遣の「特徴」に対する印象のグラフ

[参考]『派遣で働くことの意向と印象調査、若年層ほど働き方がわからない』(2021年2月調査記事)

「豊富な仕事から選べる」56.6%、「就業後のフォローがある」40.9%と、派遣特有の特徴に対してポジティブな印象を持っている人が多いことがわかりました。
労働派遣法により、同じ事業所で派遣として働き続けられる期間が最長で3年間であることや、契約期間満了で更新がない場合もありますが、仕事を選ぶことができたり、同じ職種でも様々な企業や職場で経験を積むことができる点は派遣就業のメリットではないでしょうか。また、派遣会社からのフォローや、相談できる仕組みがあるというのもアルバイト・パートにはない特徴です。

アルバイト・パートと比較した際の特徴では、ほとんどの項目で「ポジティブな印象がある」の回答割合が高くなっています。 なかでも、「収入が多い」に関しては6割強が「ポジティブな印象がある」と回答しました。

参考までに、2021年8月のアルバイト求人平均時給(バイトル)は1,170円、三大都市圏(関東、関西、東海)の派遣求人平均時給(はたらこねっと)は1,491円でした。

[参考]2021年8月度 アルバイト求人平均時給
    2021年8月度 派遣求人平均時給 三大都市圏(関東、関西、東海)

アルバイト・パートの就業経験

これまでの調査結果から、派遣就業者は「アルバイト・パートとして働くこと」に消極的であることがわかりましたが、実際に就業した経験はあるのでしょうか。

8割弱がアルバイト・パートの就業経験がある

派遣社員のアルバイト・パートの就業経験のグラフ

現在、派遣として就業している人の8割弱がこれまでに「アルバイト・パートの就業経験がある」ことがわかりました。

アルバイト・パートでの就業経験別にアルバイト・パートに対する就業意向を見てみると、就業経験がある人の方が就業経験がない人よりも、ポジティブな考えを持っている人がわずかに多いようです。 一方で、働いた経験がない人は「絶対にアルバイト・パートとして働きたくない」の回答がやや高くなっています。

とはいえ、就業経験の有無による、アルバイト・パートへの就業意向の差に大きな偏りは見られませんでした。

就業経験別に見る、アルバイト・パート就業意向のデータはこちら

就業経験別に見る、アルバイト・パート就業意向のグラフ

「アルバイト・パートの就業経験がない」と回答した人の8割強は、一度もアルバイト・パートの仕事に応募したことがありませんでした。

就業経験がないと回答した人の応募経験のデータはこちら

就業経験がないと回答した人の応募経験のグラフ

アルバイト・パートと派遣の両方で経験が多い職種は「オフィス」

派遣社員がアルバイト・パートの就業で経験のある職種と現在の職種についてのグラフ

「アルバイト・パートで就業経験がある職種」と「現在、派遣社員として就業している職種」について見てみました。 「オフィス(事務・企画など)」「コールセンター」「工場・製造」は、アルバイト・パートと派遣の両方で経験している人の割合が高いことがわかりました。 一方で、「フード・飲食」「販売」「軽作業」「サービス(ホテル・アミューズメントなど)」はアルバイト・パート就業での経験が多くなっています。

次は「働き方(勤務日数・1日あたりの勤務時間)」について見ていきます。

働き方は「週5日、1日7時間以上」が5割

派遣社員がアルバイト・パートとして就業してした際の働き方のグラフ

アルバイト・パートとして就業していた際の働き方を見てみると、5割が「週5日、1日7時間以上」の働き方をしていたようです。次いで、「週3~4日、1日6時間以下」17.2%となっています。

参考までに毎月勤労統計調査※を見ると、アルバイト・パートの月間の平均労働時間は80.3時間。週5日(月20日程度)働くと仮定した場合、1日の勤務時間は約4時間。 この結果を踏まえると、アルバイト・パートで「週5日、1日7時間以上」はかなり労働時間が多いということがわかります。 また、日本人材派遣協会の派遣社員の就業状況に関する調査※によると、契約勤務時間が「7時間以上」の人は83.6%、1週間の契約勤務日数が「5日以上」の人は83.2%という結果が出ています。

現在、派遣社員として就業している人の半数は、アルバイト・パートで就業していた頃からフルタイム勤務を選択していたことがわかります。

※毎月勤労統計調査 令和3年7月分結果確報
※一般社団法人 日本人材派遣協会 派遣社員WEBアンケート調査2020年度

アルバイト・パート就業を辞めた際に感じていた不満の上位は「給与」と「人間関係」

さいごに、「アルバイト・パート就業を辞めた際に感じていた不満」について見ていきましょう。

派遣社員がアルバイト・パート就業を辞めた際に感じていた不満のグラフ

アルバイト・パート就業を辞めた際に感じていた不満の1位は「仕事内容・業務量に応じた十分な給与ではなかったから」で、半数を超える56.1%でした。 2位・3位はどちらも4割を超え、「適正な評価・昇給制度がなかったから」44.2%、「十分な福利厚生・手当がなかったから」43.7%が挙がっています。

「最もあてはまるもの」の結果を見てみると、「給与」の次に「上司・同僚など職場の人間関係や雰囲気が悪く自分に合っていなかったから」17.4%が挙げられています。 仕事をするにあたり人と全く関わらないということは難しく、職場には様々な考え方を持つ人が集まるため、人間関係で何かしらの問題や悩みを抱えてしまう人が多いのかもしれません。

ディップ総合研究所が以前行った、アルバイト・パート就業者が「長期派遣就業を辞めた際に感じていた不満」に関する調査でも同様に人間関係が上位に挙がっており、雇用形態の違いに関係なく、就業者が悩んでいる課題であることを再認識する結果となっています。

アルバイト・パート就業者が「長期派遣就業を辞めた際に感じていた不満」に関する調査データはこちら

アルバイト・パート就業者が「長期派遣就業を辞めた際に感じていた不満」に関する調査のグラグ

【まとめ】派遣社員はアルバイト・パートよりも「派遣という働き方」を好んでいる

今回のレポートでは、現在派遣社員として就業している人が「アルバイト・パート就業」に対し、どのような「考え」を持っているのか「アルバイト・パートの就業経験」と併せて調査しました。

<明らかになったこと>-----------------------------------------------------
■今後の仕事探しにおける「雇用形態へのこだわり」と許容度
・今後の仕事探しにおける「雇用形態へのこだわり」について、「こだわりがある」53.6%、「どちらとも言えない」19.2%、「こだわりはない」27.2%
・許容できる雇用形態は1位「派遣社員(一般派遣:3カ月以上長期)」、2位「契約社員」、3位「正社員」
・希望する雇用形態は1位「派遣社員(一般派遣:3カ月以上長期)」、2位「正社員」、3位「派遣社員(一般派遣:短期・単発)」

■「アルバイト・パートとして働くこと」への意向と、就業条件による変化
・今後「アルバイト・パートとして働くこと」への考えは、「アルバイト・パートとして働きたい、働いても構わない」43.0%、「アルバイト・パートとして働きたくない」57.0%

■アルバイト・パートの就業経験
・アルバイト・パートの「就業経験がある」78.6%
・アルバイト・パートと派遣の両方で経験が多い職種は「オフィス」「コールセンター」「工場・製造」
・アルバイト・パートとして就業していた際の働き方は「週5日、1日7時間以上」が50.9%
・アルバイト・パート就業を辞めた際に感じていた不満のうち、最もあてはまるもの1位は「仕事内容・業務量に応じた十分な給与ではなかったから」、2位「上司・同僚など職場の人間関係や雰囲気が悪く自分に合っていなかったから」、3位「十分な福利厚生・手当がなかったから」
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現在、派遣社員として就業している人の半数以上が、今後仕事探しをする場合に「雇用形態へのこだわりがある」と回答しています。 具体的には、「許容できる」だけではなく「希望する」雇用形態でも「正社員」をおさえ、現在と同じ「派遣社員」を希望する人が最も多い結果でした。

過去の就業経験では、8割弱がアルバイト・パートの経験がありましたが、半数以上が就業条件に関わらず「今後アルバイト・パートとして働く意向は低い」と回答しており、現在の派遣という働き方を気に入っていることがうかがえます。

アルバイト・パートとして就業していた際の働き方について見ると、5割が「週5日、1日7時間以上」で勤務しており、派遣社員や正社員に匹敵する労働時間でした。 時給水準も派遣社員の方が比較的高いことを踏まえると、「シフトの柔軟さ」よりも「たくさん働けること」を重視する人はアルバイト・パートよりも派遣という働き方が合うと感じる人が多そうです。

2015年9月に改正された労働者派遣法によりキャリア形成を目的とした教育訓練の実施が派遣元事業主に義務化されたこともあり、キャリアアップを視野に入れて派遣就業を選択する人が増えているのではないでしょうか。

ディップ総合研究所が以前行った調査では「派遣という働き方がわからない」という回答が1割あり、派遣就業に対してハードルの高さを感じている人や応募の途中で離脱し就業に至らなかった人もいました。 いままで仕事探しの際に派遣で働くことが選択肢に入っていない人も、実際に派遣社員として働いてみたらアルバイト・パートよりも働き方が合っていたということもありそうです。

 

調査設計:ディップ総合研究所 ディップレポート編集課 川上由加里
分析・執筆者:ディップ総合研究所 ディップレポート編集課 太田瑠美子

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