組織デザインとは?

従業員一人ひとりのパフォーマンスを最大限発揮させるためには、組織デザインが欠かせません。冒頭でもお伝えしましたが、体制いかんで生産性は変わってきます。ゆえに業績や成果につながる重要な戦略なのです。本章ではまず、組織デザインとは何か、その定義と重要性についてお伝えします。
組織デザインの定義
組織デザインとは、ずばり、個々人の力がもっとも生かせるチーム作りです。たとえ優秀な人材を獲得できても、そのチームのなかで機能しなければ、組織運営はままならないでしょう。チームで戦うのが企業です。個人プレーには限界があります。従業員のポテンシャルやスキルがうまくハマるためにはどうすればよいか。いわば一つの経営戦略です。
組織デザインの重要性
たとえば採用活動では、企業のビジョンと具体的に必要な人物像を明確化させることが大切です。が、実際のところそれだけでは足りません。入社後のポジションや周囲との関係性によっては本人の力をうまく引き出せない可能性も考えられるからです。しかしながら、組織デザインがしっかりと構築されていれば話は変わります。パズルのごとく一つひとつのピースがハマっていき、自社の成長が如実に感じられるかもしれません。
働き方同様、価値観の多様化も目立つ今の時代は、一筋縄でいかないからこそ、状況や世相に応じた組織運営が肝になります。つまりは組織をデザインすることが求められるわけです。企業の活性化につながる期待が持てる意味でも、この取り組みが重要であることは容易に頷けます。

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組織デザインの6要素

組織デザインの基盤となるのが、組織の骨格、業務プロセス、人員配置、情報共有、報酬体系、文化醸成です。これらが成功の鍵を握るといっても過言ではありません。以下、それぞれについて具体的に説明します。
組織の骨格
組織の骨格形成においては、組織内の各部門にどのような役割を持たせるかを決定することが大事です。その際、組織構造の枠組みの設計から、どのような機能を持たせるのか、どのような階層構造を作るのかまで検討する必要があります。たとえば、「営業部を顧客軸とメーカー軸で分ける」「事業部のなかに総務を組み込む」といった具合です。
効率的な業務プロセス
業務プロセスの効率化を図るには、当然ながら既存の業務内容を見直さなければなりません。まずは組織内で必要な業務を明確に定義し、変化に対応していくことがスタート地点です。無駄な工程の有無を確認し、削減可能か否かを判断する必要があります。システムの導入を検討するケースも出てくるでしょう。あるいは業務の再配分も一つの手だと考えます。
いずれにしても、これまで当たり前とされていた業務フローに対し今一度疑問を持つことで、課題がみえてくるはずです。
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適材適所の人員配置
たとえ戦略に適した優秀な人材を採用しても、大切なのは期待どおりに活躍してもらえるかです。そのため、適材適所の人員配置が肝になります。すなわち、組織内でのスキル分布を戦略に合わせて最適化することが、生産性向上には重要なのです。
情報共有の仕組み
組織をデザインするにあたっては、やはり情報共有の仕組みづくりが欠かせません。情報システムを通じて従業員のパフォーマンスを可視化できれば、今ある課題の抽出や将来の戦略策定がスムーズになるでしょう。人事評価も同様です。これによって組織は適切な情報に基づいた意思決定が行えます。
モチベーション向上につながる報酬体系
従業員の業績に応じた適切な報酬が支払われているかをあらためて精査することは、組織改革において非常に重要です。与えられた評価は、モチベーションの向上に直結します。とはいえ、そのためだけに給料をいたずらに上げてしまうと今度は人件費が経営を圧迫する事態に陥ります。そこで大事なのが柔軟性です。具体的には、インセンティブ方式の導入や現金以外で普段の給与とは別に(報酬を)支給するなどが挙げられるでしょう。まさに報酬体系のデザイン設計が問われます。
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組織文化の醸成
共有される価値観、ビジョン、慣習、行動規範などを通じて、企業のアイデンティティを形成することもまた組織デザインの一つです。すなわち、組織文化の醸成が求められます。これは、オープンで透明性の高いコミュニケーションの促進や、模範となるリーダー・管理職の行動、定期的な学習機会の提供、そのほか変化に適応できる環境整備があって成り立つものです。組織の結束力を強化するためにも、意識的に取り組む必要があります。
組織デザインの実施フレームワーク

組織デザインを実施するにはフレームワークが役立ちます。それはずばり、7S分析といわれるものです。本章にて具体的に掘り下げます。
7S分析の活用
7Sとは、戦略、組織構造、システム、共通価値観、スキル、スタッフ、スタイルを指します。この7つに焦点を当て、それぞれ組織全体のパフォーマンスにどのような影響を与えるか見極めていく手法こそが7S分析です。このアプローチは、いま組織には何が不足しているのか、どのような問題を抱えているのかを考えるきっかけになります。改善策まで見えたなら、内部の連携強化が図れます。と同時に戦略的な方向性を定めることも可能です。というわけで以下、各Sについて紹介します。
戦略(Strategy)
戦略とは何か端的にいうと、目標達成に向けた具体的な施策や取り組み、企画の進行計画、リソースの配分などが当たります。競合比較による強みと弱みの洗い出しや、解消すべき問題を天秤にかけ、優先順位を定めるのもその一環です。戦略が明確であれば、取るべきアクションが組織単位で共有されやすくなり、いざ実施した際にも間違った方向へと進むリスクを減らすことができます。
組織構造(Structure)
組織構造には、各部門や役職・肩書、職務権限、指揮命令系統、上司と部下の関係性、従業員間や部署間のコミュニケーションの流れ……等々が含まれます。これは、組織図によって表現されることがほとんどです。組織の規模や目的に応じて、分権化や集権化などの方針を定める必要があります。各部署間の連携度合いまで視覚的にわかるようになると、なおのこと望ましいでしょう。
システム(System)
システムとは、組織の円滑な運営とパフォーマンス向上に不可欠な内部の仕組みを指します。具体的には、社内制度をはじめ、情報システム、人事評価や労務管理ツール、採用基準、給与体系、業務マニュアル……等々、あらゆるルールやフローが含まれます。これらは、従業員一人ひとりのスキルや特性を最大限に生かせる、成長できる環境を構築するために必要です。と同時に、このシステムに問題が起きないよう注意しなければなりません。一つ間違えると、離職者が増えるなど、たちまち組織のパフォーマンス低下につながります。
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共通の価値観(Shared Values)
企業理念やビジョンの共有、それらに基づく共通認識の浸透もまた、組織をデザインするうえで必要です。組織内で価値観の乖離があると一体感が崩れ、企業の進むべき方向性が見失われることにもつながります。したがって、従業員全員がその事業に共通の理解と目標を持てるよう努めなければなりません(組織全体の浸透が大事です)。一人ひとりが何のために働き、成長を遂げた際に何が得られるのか。これを明確に意識させ、組織を一つにまとめることが求められます。
スキル(Skills)
スキルとは、組織力あるいは組織が持つノウハウ、および個々の従業員が習得している専門性、経験、資格などを指します。営業、マーケティング、リサーチ、技術……等々、多角的な側面で発揮される力はどれも該当します。他社分析も合わせると、より如実に自社の強み(競合優位性)が見えてくるはずです。
スタッフ(Staff)
スタッフとは、組織のメンバーであることはもちろん、個々が保有するスキルや成長度合い、アティチュード(モチベーションの高さ)なども含めた概念です。“スタッフ”と向き合う際は、人材獲得や育成方法の最適解を模索していくことに加え、従業員の帰属意識を高めるなど働きやすい環境の提供も求められます。当然ながら、マネジメントやキャリア開発方針の見直しも、適宜図っていかなければなりません。
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スタイル(Style)
組織独自の経営方針、文化、風土、マネジメント方式などはいずれもスタイルを表す概念です。これには職場の雰囲気や仕事の進め方、取り組み方の傾向なども暗黙のルールとして含まれます。そのため、スタイルを分析することで、従業員のモチベーションに関する課題が見つけやすくなります。
スタイルが合わなければ当然、離職する方も出てくるでしょう。その状況が加速するようなら、従来のスタイルに固執せず、新機軸を打ち出すことも必要でしょう。
組織デザインがうまくいくポイント

組織デザインにあたって意識したいポイントはずばり次の4つです。
- リーダーシップの確立
- 戦略の明確化
- 変革に伴う注意点
- PDCAサイクルの構築
これらは、組織が目指す方向性の決定と継続的な成長のために必要です。リーダーシップが確立された組織は一丸となりやすく、明確な戦略を通じて迷いなく目標へと進むことができます。また、変革の過程で生じうる懸念材料に対して未然に手を打つことができれば、大きなトラブルを引き起こさずに済むでしょう。加えて、PDCAサイクルを駆使して改善と学習を繰り返し行うことで、組織の進化も期待できるはずです。以下、それぞれくわしく解説します。
リーダーシップの確立
リーダーシップの確立は、組織全体に一貫した方向性が示されることを意味します。メンバー間の信頼を構築し、協力が促進されれば、チームの結束力はおのずと高まるでしょう。もちろん、リーダーは個々の成長をサポートしていく役割も担っています。つまりは組織全体のパフォーマンスを支える根幹的ポストです。とはいえ、決して一人に限定するものではありません。皆がリーダーシップを発揮できるよう組織をデザインすることもまた、一つのやり方だと考えます。
戦略の明確化
戦略が明確であれば、組織はそれに沿って目標達成に向けた具体的なアクションを取ることができます。DX推進を例に挙げましょう。タスク管理をアナログからデジタルへと移行する際には、新たな技術やプロセスを導入するだけでなく、なぜそうするのかをはっきり伝えるべきです。そうしなければ、組織全体へスムーズに浸透しない可能性が高いと考えます。 つまるところ、戦略が明確にあることで(各従業員の)組織への理解につながるわけです。背景、課題、目的なくして施策を進めることにリスク(無駄なコストが掛かるなど)があるように、明確な戦略なくして戦術(デザイン)は機能しないと考えてよいのかもしれません。
変革に伴う注意点
組織デザインは、新たな可能性を開く一方で、従業員に不安が生じたり、モチベーションが低下したりといったデメリットも考えられます。たとえば、新しいポジションにうまく適応できないなどリスクがないわけではありません。消極的な姿勢がチーム内の摩擦やコミュニケーションの障害につながることもあるでしょう。自身のキャリアパスに対しても同様です。この先どうすればよいのか路頭に迷ってしまう恐れすらあります。組織デザインによる変革は従業員間の信頼関係や企業に対する帰属意識の変化とも隣り合わせです。その点を念頭におき、計画・実施は慎重に行うようにしましょう。
PDCAサイクルの構築
組織デザインは、一度きりではなく継続的な改善プロセスが必要です。つまり、PDCA(計画、実行、検証、改善)サイクルを回すことが求められます。時代が変われば、組織のあり方も当然見直さなければなりません。あるいは組織デザインがむしろ逆効果になってしまうケースも考えられます。状況に応じて手が打てるように、PDCAサイクルの確立にも意識的に取り組みましょう。
組織デザインの成功事例

先述したように組織構造やシステム、文化等々へのアプローチを通じて、内外の変化にも柔軟に対応できる強い組織を作ろうとした結果、パフォーマンス向上につながった企業も少なくありません。まさに組織デザインの成功です。たとえば、行動規範を明文化したソフトバンクや自社ならではの価値観を設定したメルカリなどは、現在進行形でより強固な組織風土の醸成に力を入れています。人材育成のあり方を再構築したトヨタ自動車の事例も無視できません。従業員をいくつか少人数のグループに分け、先輩が後輩を指導しやすい体制へと変革。ある程度のキャリアの方(入社4年目の指導職から10年目程度の、主任職になる前の中堅社員)に対しては、海外へ派遣し言語はもとよりその国や地域の慣習・文化を勉強させていくなど将来を見据えた教育を積極的に行っています(上司も外国人です)。
こうした取り組みが実を結んだのでしょう。教える(マネジメントする)側も教わる側も双方、スキルアップがみられるといいます。
組織デザインを通じて未来を切り拓く

昨今、深刻化する人手不足問題に対して、あの手この手で採用戦略を立てるなど積極的に求人活動に取り組む企業は増えてきました。が、人材獲得に力を入れることと同じように、いまや組織デザインにも努めていく必要があります。現状をしっかり見定め、見極め、時と場合に応じて分業を選択したり、調整を行ったりと、やり方は無限にあるといってもいいでしょう。採用にせよ育成にせよ、組織デザインなくして停滞を打破することは困難です。さらには自社の仲間たちが長期的に活躍する世界を作っていくためにも、体制・文化の更新は欠かせません。組織デザインを通じてぜひ、未来を切り拓いてください。
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