求人広告を出す前に知っておきたいIT業界の採用市況

IT業界の採用市況について把握することは、戦略を立てていくうえで非常に大事です。傾向を知ることで、当然、打ち手も変わります。これは決してIT業界にかぎったことではありませんが、テクノロジーの進化やトレンドの移り変わりなど情勢を左右する要素が大きな分野ゆえに、他の産業よりも注視する重要性は高いかもしれません。まずは前提知識としておさえておきましょう。
IT業界は採用が難しい?
率直に、IT業界は採用難です。たとえば、2024年 3月時点で、東京のIT技術関連の有効求人倍率は3.4倍と他業種と比べ高い水準を記録しています。
また、経済産業省の調査によると、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると予想されています。
参照元:IT人材育成の状況等について
こうした背景から、IT業界では(決してIT業界だけではありませんが)、ただ何とはなしに求人広告を出しても、なかなか採用につながりにくいと思われます。
IT人材を採用するには?
前述のとおり、IT業界はハードルが高いといえます。そのため、IT業界に特化した求人サイトを活用するなど、媒体選定から慎重に進めることが大切です。もちろん、採用戦略に適しているか否かも判断材料として大事にしましょう。そのうえで、求人広告では自社の魅力を明確に伝える工夫が必要です。IT人材が重視するポイント、訴求すべきインサイトを徹底的に追究し、ニーズのある情報を打ち出していきましょう。
▶関連記事:IT人材を採用するには?エンジニア不足解消に至る流れやコツを紹介
IT業界で求人広告を出すのに主流の採用手法

続いては、IT業界で求人広告を出す際の選択肢として、いくつか主流の手法を紹介します。媒体以前にどのようなやり方で採用活動を進めていくかは当然、大事です。
具体的には、次の方法が挙げられます。
- 求人サイト
- ダイレクトリクルーティング
- エージェント方式
以下、それぞれ詳述します。各特性を知ったうえで、方針を固めていけるとよいでしょう。
求人サイト
まずは王道。そう、求人サイトへの掲載です。広範囲へのリーチかつITに特化したサービスもあるため、欲しい人材にアプローチしやすいでしょう。細かく設定した要件も、絞り込み機能などによってスムーズに接点が作れるはずです。もちろん、これは求職者にとっても便利。つまるところ、サービスの精度がマッチ度の高い応募へとつながります。
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングとは、いわゆる企業側から候補者にアプローチするスカウト型サービスを指します。採用ニーズに合致した人材に直接オファーできる点はどうしたってメリットでしょう。他方、採用コストは高い傾向にあるため、費用対効果を見極めつつ、戦略的な活用が求められます。
エージェント方式
人材紹介会社のコンサルタントが、企業と求職者の間に立ってマッチングを行うサービスがエージェント方式です。特長は、専任のコンサルタントによる手厚いサポートにあります。採用ニーズをヒアリングしたうえで、最適な人材を選定し、面接設定や条件交渉まで一貫して対応してくれるため、採用ノウハウが乏しい企業でも安心して任せられるのが魅力です。一方で、成功報酬型の料金体系がネックになることもあります。予算管理には十分注意が必要です。
IT業界に強い求人媒体(求人広告)10選

本章では、IT業界で利用されることが多い求人媒体から、主要といって差支えのない10のサービスを紹介します。以下、一覧です。
サービス名 | 概要 | 主な機能など |
---|---|---|
バイトルPRO | 有資格者や業界経験者に特化した求人サイト。 IT人材にも強い。 | ・スカウトやしごと体験、 見学応募機能など多くの機能が搭載。 |
type | エンジニアも利用する転職サイト | 多様な職種や条件で求人を検索できる。 |
doda | 即戦力向け転職サイト | キャリア診断や年収診断などのツールあり。 |
Green | IT・Web人材が多く集まる求人サービス | スカウト可能。 絞り込み機能が充実。 |
Wantedly | エンジニア界隈から広まった求人サービス | ミッションや価値観に共感できる求人を探せる。 |
マイナビIT AGENT | IT・Webエンジニアに特化した 転職エージェントサービス | ITエンジニアの職種図鑑などのコンテンツが充実 |
Geekly | IT・Web・ゲーム業界に強い転職支援サービス | エンジニア向けのメディアやイベントも展開 |
BizReach | ハイクラス人材に特化した転職サイト | CMなどで認知度が高い |
イーキャリア | ソフトバンクグループ運営の総合転職サイト | コストパフォーマンスに定評 |
Findy | ハイスキルIT人材が集まる求人サイト | AIを使ったスキル判別が可能 |
以下、dipのサービスを中心に補足します。
バイトルPRO
バイトルPROは、専門職種で活躍する有資格者や経験者が多く集まる求人サイトです。いわずもがな、ITエンジニアの採用にも使えます。バイトルPROの主な特徴は次のとおりです。
- 応募者の約7割が業界経験者であり、即戦力として働ける人材の採用が可能
- 職種・働く場所など細かな検索軸を用意しているため、求職者との接点を作りやすい
- 詳細な職場環境や先輩スタッフの声の掲載などで、ミスマッチの防止が期待できる
- 動画の配信も可能。求職者の理解を促進するコンテンツで応募数アップが図れる
バイトルPROの掲載料金は、業種や職種、雇用形態、勤務期間によって変動します。また、一部の業種及び職種については「成果報酬型」のプランも用意されています。
サービス内容については資料をダウンロードしてください。
▶バイトルPROの資料を無料でダウンロードする
各社の採用計画に基づき料金プランを作成します。お気軽にお問い合わせください。
▶料金について問い合わせる(無料)
type
type(タイプ)は、株式会社キャリアデザインセンターが運営する転職サイトです。エンジニア経験者も多く登録。求人広告では、1回の掲載料金で2職種の求人を作成できるワンプライス制を採用しています。
doda
doda(デューダ)は、パーソルキャリア株式会社が運営する転職サイトです。求人情報サービスと人材紹介サービスを同一ブランドで提供。IT人材も含めた幅広い業種・職種で、転職希望者へのアプローチが見込めます。
Green
Green(グリーン)は、株式会社アトラエが運営するIT/Web系人材の採用に強い求人メディアです。エンジニアやデザイナーなどの経験者、20代から30代の若手層が多く集まっています。
Wantedly
Wantedly(ウォンテッドリー)は、企業の理念や価値観への共感を基に求職者とのマッチングを図っていきます。ダイレクトスカウトや企業ブログの投稿に加え、採用広報からリクルーティングまでの一元管理も可能です。
マイナビIT AGENT
マイナビIT AGENTはその名のとおり、マイナビグループ提供の、IT業界に精通したキャリアアドバイザーによるサポートが強みのエージェントサービスです。
Geekly
Geekly(ギークリー)は、IT・Web・ゲーム業界に特化した転職エージェントサービスです。エンジニア、デザイナー、ディレクターなど多くのIT求人を取り扱っています。
BizReach
BizReach(ビズリーチ)は、株式会社ビズリーチが運営するハイクラス転職サイトです。経営幹部や管理職、専門職など即戦力となるビジネスパーソンが多数登録しています。
イーキャリア
イーキャリアはソフトバンクグループが運営する総合転職サイトです。IT・ゲーム業界の求人も多く扱われています。
Findy
Findy(ファインディ)は、ファインディ株式会社が運営するIT・Webエンジニア専門の転職サービスです。主な特徴としては、エンジニアのスキルをAIで解析して偏差値化する機能が挙げられます。
IT業界で求人広告の媒体を選定するコツ

前述したすべての求人媒体を導入するのはさすがに現実的ではありません。したがって、選定基準を設けることが必要です。といっても、一つの観点で決めてしまうのは短絡的だと考えます。以下、列挙する複数のコツを総合的にみて判断するのが賢明でしょう。
- 採用ペルソナを設計する
- 媒体の特性と採用要件を照らし合わせる
- サポート内容を正確に把握する
- 事例を確認する
IT業界だからこそ、どの媒体に求人広告を載せればよいのか。これらを精査し、慎重に見極めてください。
採用ペルソナを設計する
まずは、採用ペルソナを設計しましょう。職種やスキル、経験年数、年齢といった基本属性だけでなく、IT人材としてどのようなキャリアを描いているかまで、自社が求める人物像をより細かく突き詰めていきます。
▼具体的にイメージしておきたい要件
職種 | エンジニア、プログラマー、開発者など |
技術領域 | PHP、Java、Python、iOSなど |
経験年数 | 新卒、若手、中堅、ベテランなど |
年齢層 | 20代、30代、40代以上など |
志向 | スタートアップ志向、安定志向など |
ペルソナ設計は採用戦略の根幹を成すものです。自社の人材ニーズを入念に洗い出し、定義しましょう。
▶関連記事:採用ペルソナの作り方をテンプレートに使える具体例も交えて解説
媒体の特性と採用要件を照らし合わせる
自社の採用要件がどのサービスと親和性が高いのかを照合していくのも媒体選定には必要な観点です。IT人材の職種や経験・スキルのレベルに加えて、企業規模、採用予算なども考慮しましょう。
▼確認しておきたい主な媒体特性
登録者数と属性 | 職種、経験年数、年齢層など |
求人掲載の料金体系 | 定額制、成功報酬型など |
集客力やマッチング精度 | 集客力の高さ、マッチング精度の高さ |
運用型広告の配信機能 | 配信機能の有無 |
スカウト機能の利用可否 | スカウト機能の利用が可能かどうか |
採用サポートの充実度 | 採用サポートがどれだけ充実しているか |
たとえば、登録者の数、属性や料金体系などは比較検討しやすい要素です。費用対効果が気になる場合は、案ずるよりも手っ取り早く問い合わせてみてください。
サポート内容を正確に把握する
サービスの一環としてサポート体制や内容についても把握しておくと、間違わない選択が期待できます。求人原稿の作成・添削や採用コンサルティングの有無など、プロにお任せできると、自社の業務負担も軽減し、円滑そして充実した採用活動につながるはずです。
特にIT人材の採用では専門知識が求められます。いわば手厚いサポートは必須です。業界動向や技術トレンドに精通したコンサルタントがいるだけで安心感が違います。自社に採用ノウハウがなければ、なおさらです。
より確実にサポート体制の質を確認したければ、一度、サービスの詳細を聞くなど問合せしてみるのもよいかもしれません。そこで迅速に対応してもらえれば(あるいは複数社を比較し親身に感じられた方は)、少なからず信頼に足るのではないでしょうか。
事例を確認する
実際の採用事例もまた、選定の決め手として有効です。自社と同業種や同規模の企業の事例を参考にすることで、媒体の実効性を判断しやすくなります。
一例を挙げると株式会社GSI様は『バイトルPRO』を活用し、スピード感のある採用が実現できたといいます。
同社は以前、掲載に費用がかかる他社求人媒体を利用していましたが、望んでいた十分な結果が得られず、広告戦略を成果報酬型に変更。費用を削減しつつ効果の見込める媒体を探すことにします。
そこで出会ったバイトルPROで求人を出稿したところ、他社媒体に先駆けて早々に人材を獲得。さらに、経験の浅い若手エンジニアも対象に原稿を追加すると採用の幅が拡大。大変、満足されています。その延長で新卒採用にも活用しているようです。
事例に目を通すことは、サービスに対する解像度アップにもつながります。イメージが具体化すれば、比較・選定しやすくなるはずです。
参照:エンジニアも「バイトルPRO」で迅速な採用に成功 若手や新卒採用に大きな可能性
IT業界で求人広告を出すなら

というわけで、採用市況や主な手法、媒体選定のコツ等々、IT業界で求人広告を出すうえでおさえておきたいポイントを網羅的に取り上げてきました。IT人材は確かに採用難です。しかし、サービス次第で突破口は開けます。費用対効果も加味しつつ、それぞれの特徴を踏まえ、自社に合った手法、媒体を選択できれば、採用活動はきっとうまくいくはずです。
▶IT業界の求人広告なら、プロ人材が集まるサイト『バイトルPRO』
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