優秀な中途採用者を確実に獲得するために給料をいくらにすればよいか悩まれる人事責任者、経営者の方は少なくないでしょう。というわけで本記事ではずばり、中途採用における給与設定のポイントを解説。具体的には、主な方法、困った際の対処法、決定までの流れ、交渉のコツ、トラブル回避策、給料を決めた後のアクションについて言及します。ぜひ、参考にしてください。

中途採用者の給料について、決め方や交渉対応などくわしく解説

  • 2024.10.10
  • 2024.10.10

優秀な中途採用者を確実に獲得するために給料をいくらにすればよいか悩まれる人事責任者、経営者の方は少なくないでしょう。というわけで本記事ではずばり、中途採用における給与設定のポイントを解説。具体的には、主な方法、困った際の対処法、決定までの流れ、交渉のコツ、トラブル回避策、給料を決めた後のアクションについて言及します。ぜひ、参考にしてください。

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中途採用者の給料を決める主な方法

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中途採用者の給料を適切に決定するには、いくつか方法があります。主に次のとおりです。

以下、それぞれ簡単に説明します。

現職(前職)の給与を参考にする

現職あるいは前職の給与を基に設定することは、スタンダードなやり方だといえます。確かに、企業側は候補者のこれまでの報酬水準を参考にすれば、求職者本人の希望とそうズレた額にはならないでしょう。 その結果、双方の条件調整がスムーズに進むはずです。一方で、他の従業員との不均衡が生じる可能性も考えられます。そうならないよう社内全体を俯瞰して決めることが肝要です。

求人サイトを参考にする

求人サイトからは職種や地域別の給与水準を知ることができます。こうした情報は相場観にもつながり、競合優位性を得るのに役立てられるはずです。

賃金構造基本統計調査を参考にする

賃金構造基本統計調査とは、企業規模、業種・職種、年齢、都道府県……などのさまざまなカテゴリで厚生労働省が取りまとめた賃金データです。中途採用者の給料を決める際、これを参考にすることで客観性が保てるでしょう。ここからスキルや経験を加味できれば、なおのこと納得感につながるものと思われます。

自社の給与テーブルを参考にする

中途採用者の給料もまた、既存従業員と同じように自社の給与テーブルを活用されるケースはしばしば見受けられます。これにより、同じ役職やスキルセットを持つ従業員間での給与格差を生まずに済むでしょう。また、求職者の立場からしても報酬体系が明示されれば安心かもしれません。そのうえで条件交渉が図れるため、スムーズに事が運べると考えます。

業績を参考にする

中途採用者の給料を決める際、業績を参考にするケースもあります(そもそも、採用を行うか否か自体、業績に左右されることも少なくありません)。その結果により、求職者に対して提示する額の幅は変わってくるでしょう。好調であれば、上限も広がり、ここぞという時には優秀な人材の確保にもつなげられるはずです。もちろん、その逆も然り。業績が振るわなければ、そう無理はせずリスクヘッジに意識が向きやすいと思われます。

中途採用者の給料決定に困ったときには?

青空と雲で困った顔を表現

中途採用者の給料を決める際、前述したどの方法においてもやはり、行き詰まることはあるはずです。「求めるレベルに対してこの給料は妥当なのか」はたまた「果たしてこの給料で本当に満足してもらえるのだろうか」といった具合に悩むケースは往々にして見られます。その際、具体的にどのような手を打てばよいのでしょう。おすすめしたいのは次の4点です。

以下、それぞれ簡単に説明します。

試用期間で見極める

中途採用者の給料は入社後すぐに固定するのではなく、まずは試用期間を設けて仮の額を提示するのも一つの手です。実際の働きを見れば、少なからず妥当な報酬が定まってくるでしょう。とはいえ、安易に下げるような真似はご法度です。どちらかといえば、期待以上の働きぶりに対しては上乗せしていくといったスタンスがよいと考えます。

昇給・昇格しやすいことを伝える

中途採用者に提示する給与額が希望のそれとは合わず、条件交渉が難航することも少なくありません。こうした場合、額面だけの話に終始するといつまでたっても平行線です。当然、その時点で破談することも懸念されます。ゆえに意識したいのが、入社後のロードマップの描き方です。仮に早期の昇給や役職アップが見込めることがわかれば、求職者も前向きに検討しやすくなるでしょう。モチベーションを高める意味でも効果的だと考えます。

賞与に還元できるようにする

賞与制度が魅力的であれば、給料が期待よりも低く設定された場合でも受け入れてもらえるかもしれません。基本給で折り合いがつかないケースは決して珍しくなく、そこで求職者(中途採用者)の理解を得るには、何かしらベネフィットを提示する必要があります。賞与で少なからずカバーできるなら、きっと印象も変わるはずです。

インセンティブ制度を設ける

基本給をなかなか上げられず困ったときには、昇給、昇格、賞与と同様に、中途採用者の給与体系にインセンティブ制度を組み込むことも一つの打開策にもなり得ます。成果に応じて報酬が支給されることがわかれば、入社後の期待、そしてモチベーションも膨らむでしょう。

中途採用者の給料を決定するまでの一般的な流れ

STEP(流れ)を表現

さて、方法や困った際の対処法に続いては、決定までの流れについてお伝えします。中途採用者の給料が決まるまでのプロセスは、具体的に次のとおりです。

以下、それぞれ簡単に説明します。

求人票の募集要項に記載する給与額の範囲を決める

まずは、候補者に求めるスキルや経験に応じて、提示できる給与の下限と上限を決めましょう。これは、求人票を作成するのに必要です。なお、設定する際は、業界内の相場、自社の賃金テーブル、社内の他職種とのバランスなどを考慮するとよいでしょう。また、給与レンジは求職者の印象を左右しやすいため、(猜疑心を与えないよう)広すぎず、(応募対象を絞り込みすぎないよう)狭すぎず、慎重に吟味することが求められます。

評価基準を明確にしたうえで選考に入る

続けて評価基準を明確にしましょう。具体的には、業務遂行能力、リーダーシップ、コミュニケーションスキルなど、職務に直結する要素を軸にしつつ、一定水準のレベルやポイントを整理していきます。選考にあたっては、こうした準備が非常に大切です。逆に、ただ何とはなしに始めてしまうと、ミスマッチが起きやすくなります。

応募者の要望を確認する

選考が始まれば、エントリーした書類や面接を通じて、前職の収入、希望額を確認しましょう。今後のキャリアプランまで聞けるとなおよいと考えます。あくまで応募者の要望とはいえ、大いに参考になるはずです。

社内全体の給与バランスを調整する

給料決定を前に、既存社員の給与とのバランスも考慮しましょう。これは組織の士気にかかわります。また、給与体系が崩れないためにも大事です。もちろん、中途採用者を優遇したいケースはあると思います。それが客観的に納得できるものであれば反発を招くようなことはないでしょう。いずれにしても必要なのは、視野を広げて慎重に精査することです。

各ポイントを踏まえて決定額を労働条件通知書に記載する

ここまでのプロセスを経て中途採用者の給与額が決定したら、労働条件通知書にその内容を正確に記載します。最終ステップとはいえ気は抜けません。すんなり入社へとこぎ着けるべく、不備や誤解を招く表現にならないよう細心の注意を払いましょう。

給料について中途採用者と交渉が必要な場合

中途採用者のイメージ

決定した給料を承諾してもらうために、交渉が必要な場合があります。その際、大事なのはやはり、誠実な対話です。内定を辞退されないよう当然、丁寧な説明が求められます。本章ではいくつか交渉術をピックアップ。それぞれ、あらかじめ念頭におけるとよいでしょう。

給与決定に至った客観的根拠を可能な範囲で伝える

決定に至った理由に説得力があれば、実際は不本意だとしても、受け入れてもらいやすくなるでしょう。たとえば、業界の相場や自社の賃金テーブル、ポジションごとの基準などを客観的根拠として示すことで、提示した額の説明はつくと思われます。ここで避けるべきは、そうした背景を曖昧にしてけむに巻くことです。理不尽かつ不誠実な印象を与えてしまえば、辞退されるのも無理はありません。

広い観点あるいは中長期的に捉えてもらうよう説明する

交渉時、特に採用される側はどうしても焦点が目先の給与額にいきがちです。が、ここでの頑張りが将来的に大きな見返りとして還元される可能性は大いにあります。その可能性を認識しているかどうかで捉え方はまったくもって変わってくるはずです。実際、中長期的なメリットとして、市場価値が飛躍的に向上するケースもあります。こうした話をうまく印象付けることで、中途採用者の納得感を生み出せるでしょう。キャリアパスとしてのロードマップ、ロールモデルがあればなお望ましいと考えます。

給与以外のベネフィットを紹介する

中途採用者との交渉は、給与だけでなく、それ以外のベネフィットを紹介することも有効です。具体的には、柔軟な働き方やテレワーク制度、充実した福利厚生、研修やスキルアップの支援制度……等々が挙げられます。たとえ給料に対して期待に沿わない部分があっても、これらのベネフィットをアピールすることで、総合的な条件として納得感を得やすくなるかもしれません。

中途採用者の給料を巡るトラブル

お金を巡ってのトラブルを表現

お金に関してはどうしてもトラブルが付きまといます。これは、中途採用者の給料を巡っても同様です。とりわけ、内定時に発覚する認識のずれ、既存従業員の不満、選考時に聞いていた話とのギャップはよくあることです。以下、これらのトラブルについて説明します。

認識との齟齬が発生

求人が更新されるタイミングなどによっては、求人票の情報と最終オファーの内容が一致しないことがあります。また、面接時のやり取りでも同様です。双方の認識にズレが生じ、応募者が期待していた条件と実際に提示される内容が異なるケースはしばしば見受けられます。結果、「話が違う」と憤慨し、内定を辞退される方も少なくありません。

自社の従業員から不平・不満が勃発

中途採用者の給与体系が既存従業員と比べて高い場合、不平・不満の声が挙がり、最悪、連鎖退職などにつながることがあります。特に、長年勤続している従業員が新たに入社するメンバーと同等もしくはそれ以下の報酬だと、こうしたトラブルが起きやすいといえるでしょう。

実際のスキルが選考時の情報と乖離

中途採用者の実際のスキルが選考時に示された情報と大きく乖離しているケースは、決して珍しくありません。その経歴から鳴り物入りで仲間に加わったとしても、入社後のパフォーマンスが聞いていた話のレベルにまるで達しなければ、結果として高く投資した給与額は不相応だったということになります。他の従業員からの顰蹙も買うでしょう。そうなるとますますその中途採用者は肩身の狭い思いをするかもしれません。加えて、従業員からの冷ややかな視線は、自社の採用の在り方にも向けられるはずです。

中途採用者の給料設定で起き得るトラブルの回避策

給料袋と旧1万円札

前述したトラブルは、いわずもがな深刻な問題です。では、具体的にどのような対策を講じることで回避できるのでしょうか。本章で取り上げるのは次のとおりです。

以下、それぞれ簡単に説明します。

募集要項は明確に記載する

募集要項において、情報掲載日とともに基本給、手当、昇給制度、残業代の支給方法などを具体的に示すことで、求職者と企業の間で認識のズレが生じるリスクを軽減できます。また、前職の給与水準や経験・スキルを考慮する場合は、その旨をしっかり明記し、交渉余地についても触れておくとよいでしょう。これらにより、選考に進む応募者の期待値をコントロールでき、“話が違う”といった選考後に揉めるようなことが起きずに済むはずです。

自社の従業員が納得する人材を採用する

中途採用者の給料が自分たちよりも高いとわかれば、それを不服に思う既存従業員が出ることも珍しくありません。職場内のあちこちでこうした不満が募れば、雰囲気も悪くなり、場合によっては離職者さえ出始めるでしょう。こうした事態を避けるためには、自社の従業員に対して「あの人なら仕方ない」と納得させることが大事です。具体的には、スキルや経験などを含めた人材要件をあらかじめ共有するといったアクションが求められます。それを満たした中途採用者であれば、給料や肩書きを優遇してもそれは正当である、見合っていると理解してもらえるはずです。

選考プロセスのなかで実践的な試験を課す

中途採用者に対して、活躍を見込んで高い給料を設定したにもかかわらず、働きぶりが期待に添わないケースはそこかしこで見受けられます。こうならないよう、選考プロセスのなかにはできるだけ実務試験を組み込めるとよいでしょう。「ひとまずどのレベルにあるのか」「業務遂行能力として申し分ないか」を客観的に測定することで、ある程度は安心できる採用につなげられると考えます。

中途採用者に対して給料決定後に行いたいこと

積み木に書かれた中途採用の文字

給料を決定した後も、中途採用者に対しては最低限の案内やフォローが必要です。具体的には次のアクションが挙げられます。

以下、それぞれ簡単に説明します。

通知書を速やかに送付する

給料決定後は中途採用者に対して労働条件通知書を迅速に送付しましょう。もちろん、内容に不備があってはいけません。合意された給料、勤務条件、その他の雇用条件諸々、間違いがないかしっかりチェックしてください。送付に取り掛かるタイミングが遅れれば遅れるほど、ここも疎かになりがちです。(中途採用者が)入社に向けた準備を早期に行えるよう、そして自社への信頼を損なわないためにも、速やかな対応が求められます。

入社までフォローし続ける

中途採用者は、転職活動中に他社と並行して選考を受けているケースが多く、入社を決めるまでにさまざまな不安を抱えがちです。こうした心配事を解消できずにいると、選考が進むなかで意欲を失ったり、入社を辞退されるリスクが高まります。だからこそ企業としては入社までフォローを続け、悩みや疑問に応えながら信頼関係を築くことが重要です。継続的なサポートを通じて、入社意思を固めてもらうことで、採用の成功率を高めるだけでなく、早期離職の防止にもつながります。

入社後のオンボーディングを準備する

中途採用者にはなるべく早く職場環境や業務に適応してもらいたいのが、現場の本音でしょう。また、大抵の場合、スタートダッシュは長期的な活躍にもつながります。そのため、オンボーディングの整備は非常に大事です。一方で、その準備が不足していると、業務内容や社内ルールの理解促進が難しくなり、結果、本来のパフォーマンスを発揮させられなかったり、職場で孤立させたりといった状況を作ってしまう恐れがあります。十分なサポートがあれば、安心感も増すはずです。採用してよかったと後で振り返ることができるよう、準備から疎かにせずオンボーディングの充実を図っていきましょう。

中途採用での給料設定は多角的な視点が必要!

ざら紙で表現されたPOINTの文字

給料設定は、企業が従業員に対して期待する価値への投資です。だからこそ検討材料が多岐に渡ることは当然だといえます。たとえば働き手のスキル、経験だけでなく、将来的な成長の見込みや組織全体への貢献度も考慮する必要があるでしょう。また、既存メンバーとの給与差が不公平感を生まないよう配慮することも求められます。特に中途採用者には高い待遇を提示することも少なくないはずです。客観的な納得感がなければ、不満の声も挙がりやすくなります。それを防ぐべく、バランスの取れた適切な給与体系を画策することは、どの会社も大なり小なりもがいているのではないでしょうか。いずれにしても、そうした多角的な視点での給料設定が、採用成功ひいては組織強化の促進につながっていくものと思われます。


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