採用のトレンドに影響している要素

採用活動は、人口動態、働き方改革、テクノロジーの進化といった世相の動きに大いに左右されるものです。これらを柔軟に対応していくことが雇う側には求められます。本章では、採用のトレンドに影響している要素として具体的に以下の4つをピックアップ。それぞれ簡単に説明します。
- 求人市況の変化
- 働き方の多様化
- ダイバーシティの推進
- DXの普及
求人市況の変化
日本の労働市場は人手不足が慢性的に起こり得る新たなステージに突入しています。生産年齢人口の継続的な減少と若年層の価値観が変化するなか、これまでのやり方だけではどうしても無理が出てくるでしょう。世間一般的にも、新卒一括採用がもはや旧来的な制度として認識されてきているのはまさに表象的です。実際、多くの企業は変化に対応するために、通年採用への移行、経験者採用の強化、兼業・副業人材の活用など、採用手法の多角化を進めています。加えて、給与や福利厚生といった待遇面の改善、企業文化や成長機会の明確な提示など、人材獲得競争における差別化も問われている状況です。
働き方の多様化
コロナ禍以降、働き方は大きく変化しています。リモートワークの定着により、場所や時間の制約が緩和されるようになったのも大きいでしょう。結果、柔軟な勤務形態や労働条件を求める方が増えてきている印象です。たとえば、副業・兼業を解禁する企業が多くなってきたことなどは、まさにその需要に応えてのことでしょう。こうした働き方の多様化は、どんどん拡大しているように見受けられます。
ダイバーシティの推進
働き方のみならず、組織形成においても多様性が求められています。実際、いわゆるダイバーシティの重要性を意識される企業は少なくありません。国内の動きとしても、たとえば女性活躍推進法の改正は象徴的であり、管理職における女性比率の向上や、出産・育児と仕事の両立支援制度の整備が進められています。また、グローバル展開を見据えた高度専門人材の確保で外国人の採用に注力する企業もそこかしこで見られるようになりました。そのほか、シニア層の再雇用制度の拡充や障がい者雇用の促進なども、ここ数年で一気に広がったように見受けられます。
DXの普及
DX(デジタルトランスフォーメーション)について、巷で見聞きすることも増えたのではないでしょうか。業務効率化、そして採用成功率の向上を図るうえでいまや、取り入れることが当たり前の時代になってきました。具体的には、AIを活用した応募者のスクリーニングシステムや、機械学習による適性診断ツールの導入などが挙げられます。これらにより、採用担当者の業務負担は軽減され、その分、戦略を練ることも含めて求人活動に効率よく時間を割くことができるわけです。
応募者の属性分析や各チャネルの効果測定、さらには内定承諾率の予測などデータドリブンで採用を行うことは、まさにトレンドそのもの。もちろん、オンライン面接も無視できません。このように、採用の現場では文字どおりデジタルによる変革が起きていることがわかります。
新卒採用のトレンド

さて、ここからは具体的に採用のトレンドをピックアップしていきます。まずは新卒採用で見られるここ最近のトレンドです。挙げるのは以下の4つ。それぞれ簡単に説明します。
- インターンシップ
- オンライン採用
- オウンドメディアリクルーティング
- ダイレクトリクルーティング
インターンシップ
インターンシップとは、学生を雇うにあたって社会人さながらに現場で働いてもらう制度を指します。単なる職業体験を超え、企業と学生双方が互いを深く理解する機会になるため、新卒採用の候補者として視野に入れる企業も少なくありません。その形は、短期から長期までさまざまです。近年では採用活動の一環として戦略的に重用されるケースも増えているように見受けられます。
オンライン採用
コロナ禍をきっかけに急速に普及したオンライン採用は、新卒の人材を獲得する場面においても活用されるようになっています。なおかつその機能は日に日に向上。VRを使用した職場体験やデジタルオンボーディングなども決して珍しいものではなくなりました。こうした取り組みは地理的制約を超えて、アプローチできる人材を広げてくれます。もちろん、対面の重要性も理解しつつ、臨機応変に使い分けることも一つのやり方です。そのようなハイブリッド型の採用フローが最適解と考える向きもあります。
オウンドメディアリクルーティング
採用に特化したオウンドメディアを持つ企業も、最近は多い印象を覚えます。自社の価値観や文化をいつでも直接発信できる点は、就職情報サイトなど他の媒体ではなかなか表現しきれないことを考えると大きなメリットでしょう。新卒対象者と就職活動を通じてつながりを深めることもできるかもしれません。加えて、学生の興味・関心に合わせた情報提供などは、オウンドメディアリクルーティングだからこそ発信できるコンテンツとして親和性が高いと思われます。そうやって企業理解を深めてもらい母集団を形成していくことは、まさしく近年生まれた採用手法の一つです。
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングも新卒採用のトレンドになりつつあります。学生に対しても直接アプローチする時代。「攻め」の採用手法として注目されているのも容易にうなずけます。また、開封率や返信率だけでなく、実際にやり取りしながら直の反応もうかがえるため、効果検証そして改善点の把握がしやすいともいえそうです。少子化が進めば、新卒採用の難易度は上がります。だからこそ欲しい人材を自ら掴みに行くダイレクトリクルーティングがウケているのは、極めて理に適っているのかもしれません。
中途採用のトレンド

続いては、中途採用に見られるトレンドです。特徴としては社内外のネットワークを活用する企業が増えてきたことが挙げられます。ずばり、次の手法です。
- リファラル採用
- SNS採用
- アルムナイ採用
以下、それぞれ簡単に説明します。
リファラル採用
主に自社の従業員から新たに仲間となる人材を紹介してもらうのがリファラル採用です。組織をよく知る方たちの推薦とあってマッチングへの期待は募ることでしょう。加えて、採用コストを抑えられる点も重用される理由に挙げられます。このようにメリットがわかりやすい一方で、そう易々と軌道に乗るのかといえば、報酬の設定や通常の求人で入った従業員との待遇面のバランス、制度の周知……等々、手こずることも多いかもしれません。とはいえ、効率よくキャリア人材を獲得しようと取り入れる企業は、多く見受けられます。
▶関連記事:リファラル採用とは?報酬の決め方や違法性、トラブル回避策など解説
SNS採用
XやFacebook、Instagramなどを活用して求人情報の発信やイベントの告知を行い、母集団形成を築いていく(あるいはスクリーニングしていく)手法がいわゆるSNS採用です。採用コストの削減、自社ブランドの確立、さらにはSNS自体の進化も相まって、キャリア人材と接点を持つための手段として多くの企業が取り入れています。求職者と直接コミュニケーションを取るツールにもなり得るため、タイミングが合えば労せずマッチングし人材確保につなげられる一方で、実際はなかなか成果が生まれにくいのも確かです。炎上リスクもあるため、慎重さも求められます。そうしたノウハウを習得する意味でも中長期的な運用が必要です。そうはいってもやはり、採用チャネルの一つとしてアカウントがあるに越したことはないと考える向きは多いのでしょう。
アルムナイ採用
過去に在籍していた社員を再雇用するアルムナイ採用も一つのトレンドです。企業文化や業務をすでに理解している人材を即戦力として獲得できるため、雇う側としては安心でしょう。ただし、その前提として良好な関係を築いていなければ、再びジョインしてもらうのは難しいはずです(もちろん退職者側の意向もあります)。また、現存社員の不満を買わないよう注意しましょう。給与や職位に不公平感が生まれれば、モチベーションに影響を与えることも考えられます。とはいえ、人手不足に困る組織にとってはプラスの補強です。いずれにしても、トラブルを回避しつつ戦略的に取り組むことが求められます。
アルバイト採用のトレンド

アルバイト採用もまた、従来の定型的な手法から、より柔軟で多様なアプローチへと変化しています。企業は、人材不足が深刻化するなかで多様な人材の活用や、柔軟な働き方への対応が必要です。そうしたなか、以下に列挙する採用手法は、まさにいま注目を集めているといえます。
- ダイバーシティ採用
- スポットワーカーの募集
- サービスの組み合わせ活用
それぞれ簡単に説明します。
ダイバーシティ採用
近年、そこかしこで重視される多様性の導入は採用活動の現場においても例外ではありません。ダイバーシティ採用は、まさにその象徴です。企業の競争力強化と社会的責任の両面から注目されています。実際、女性、外国人、シニア、障がい者、LGBTQIAの方々など属性を問わず採用していくことは、差別、マイノリティ文化を撲滅しようとする社会的気運に応えるだけでなく、労働者不足の解消や生産性向上にも大いに効果的です。
▶関連記事:ダイバーシティ採用とは?企業の取り組み事例やアンケート調査の結果も交えて解説
スポットワーカーの募集
アルバイト市場でいま盛り上がっているのがスキマバイトの採用です。空いた時間に働きたいと考えるいわゆるスポットワーカーが増え続けるなか、そのニーズに応えるサービスも続々と出てきています。dipが提供する『スポットバイトル』もその一つです。繁忙期や急な欠員時の人員確保に使えることはもちろん、人件費の最適化(初期費用・求人掲載費用0円)といった点でもメリットが感じられるでしょう。
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サービスの組み合わせ活用
求人サービスの特性を考えたときに組み合わせて使った方が相乗的に効果を発揮するケースは往々にしてあります。たとえばdipが提供するサービスの場合、前述した『スポットバイトル』とアルバイト・パート求人サイトとして認知度十分の『バイトル』の組み合わせです。スポットワーカーとしてお試し的に何度か働いてもらい、そのうちバイトル経由でレギュラーアルバイトとして定着するストーリーなど現実的に考えられます。なお、『バイトル』の「しごと体験」機能とスポットバイトルは連携可能です。ワーカーは自由に働き方を選べるようになり、事業主は今日のシフトを埋めながらレギュラーのアルバイト採用を目指すことができます。
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また、『バイトル』で幅広い層からの応募を獲得しつつ、『バイトルPRO』で経験者や有資格者などの専門人材を確保。そのうえで応募者対応を自動化する『面接コボット』を活用し(応募者の)取りこぼしを防ぐといったプロセスを構築することもできます。この求人募集から面接までの採用業務を効率化する一連の流れは、セット料金として最大44%の割引が適用されるお得なプランです。
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(決してアルバイト採用に限った話ではなく)このように複数のサービスを効果的に組み合わせることは、コストパフォーマンスを重視する近年のトレンドに合ったやり方だと考えます。
一連の採用活動におけるトレンド

ターゲットを問わず近年の採用活動では、いくつか共通する取り組みが見られます。具体的には次のとおりです。
- 動画で訴求
- 職場体験の実施
- AIの活用
以下、これらのトレンドについて簡単に説明します。
動画で訴求
企業の魅力を効果的に伝える手段として、動画コンテンツを重用する企業が増えています。映像によって職場環境や従業員の働く様子をリアルに感じ取ることができれば、求職者は自身の働く姿を重ねやすいでしょう。そうやって安心感を与えることは、企業イメージをポジティブに昇華してくれます。そういう意味では一時的なトレンドに留まらず、今後も継続して取り入れる企業やお店は出てくるものと思われます。
職場体験の実施
映像以上にリアルな現場を体感するには、実際に業務を体験してもらうに越したことはないでしょう。この職場体験の実施を採用活動の一環として組み込む企業やお店も、近年はよく見受けられます。雰囲気や仕事の進め方は、募集要項や求人コンテンツだけでは測れないものです。今後の人材確保には定着がますますカギを握るからこそ、多くの組織が取り入れるのは、至って自然な流れだと考えます。
AIの活用
AIの活用が浸透する流れは、もはや分野問わず必然といっても過言ではありません。応募書類を素早く処理し、自社に合った候補者を適切に抽出できる点など、メリットを享受するのに有効活用しない手はないでしょう。チャットボットでのやり取りも最低限、必要な情報であれば求職者にとっても気持ちが楽になるはずです。もちろん、不安な部分は担当者に直接聞くなど、臨機応変に対応できる仕組みは整えておくべきですが、いずれにせよ、採用担当者の業務負担を減らせればそれだけでも価値はあります。そのうえ直感的に扱えるデータを基にマッチング精度が向上する期待が持てるわけです。普遍性を伴いつつ、今後の進化もまたトレンドとして位置づけられるのでしょう。
自社の採用にトレンドを取り入れるコツ

採用トレンドを把握したからといって闇雲に取り入れるのは注意が必要です。あくまで自社にとって効果的かどうか、慎重にジャッジしましょう。具体的には以下に挙げるコツを意識したいところです。
- 同業他社の求人をチェックする
- 効果検証ができる体制を構築しておく
- 従業員の声を聞く
それぞれ簡単に説明します。
同業他社の求人をチェックする
人材獲得でバッティングすることを考えると、当然、他社求人についても知っておく必要があります。差別化も視野に入れつつ採用戦略の基盤を作るために、求人媒体の選択から求人内容まで、包括的に比較・分析できると望ましいでしょう。もちろん、トレンドを駆使していることに気付くケースもあるかもしれません。その際、同じように導入すると単なる模倣に堕する恐れも出てきます。そうではなく、自社の特性に合わせて適用することが肝要です。
効果検証ができる体制を構築しておく
トレンドの採用手法を使ってみてどうだったのか、あるいは導入すべきなのか。それぞれの判断軸に当たる一連の採用活動に対しては、効果検証が欠かせません。そのなかで改善点を探りながら、時にはスパッと見切りをつけることも大事でしょう。また、蓄積されたデータを使うと意思決定はスムーズかもしれません。が、そこに囚われず、臨機応変に視点を切り替える必要もあるはずです。定性的なフィードバックも含めて総合的に評価しましょう。そしてこれらを継続的に行うには、いわずもがな前提として体制構築が必須です。
従業員の声を聞く
トレンド導入に際して、あるいは実施後はその反響に真摯に向き合うことが大事です。前述した効果検証はまさにその一環ですが、と同時に従業員からフィードバックをもらうことも大きなヒントになり得ます。とりわけ、一連の採用活動に対する新入社員の意見は貴重です。入社に至った決め手があれば、トレンドのみならず適用する価値があるでしょう。他方、課題や戸惑いといったネガティブな要素も拾えるようオープンなコミュニケーションを図れれば、従業員エンゲージメントの向上さえも期待できるはずです。
採用のトレンドは日進月歩!

つい十年前ぐらいまでは、採用市場にここまでデジタルの波が押し寄せるとは思っていなかった向きもあるかもしれません。オンラインシステムやAIツールで母集団形成、採用業務が完結できる時代です。では、ここから先はどうなるのでしょう。物価高で人件費削減といったように世相の動きにも注目していかなければなりません。オフラインでのやり取りも当然大事にする必要があります。
採用のトレンドは日進月歩です。短いスパンで状況が目まぐるしく変わっていくことは容易に想像できます。いち早くその動きに敏感になることは必須。かつその変化にうまく乗ることが求められます。だからこそ、トレンド然り新たな手法やサービスの特性を積極的にインプットしていくことが大切です。
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