ユニークな採用方法が目立ってきている背景

人手不足や採用難が叫ばれる昨今、採用方法を見直す企業も多く見受けられます。本章ではその背景にフォーカス。外的要素が大なり小なりユニークな採用方法につながっていることは、もはや自明の理といえそうです。
人材獲得の難易度アップ
欲しい人材を採用することは、以前にも増して難しくなっています。特に専門スキルや資格保有者、リーダー経験が豊富な方を獲得しようとする場合、決して一筋縄ではいかないケースがほとんどです。そのため、従来の採用手法に限界を感じる向きも少なくありません。したがってそうした組織は、適切な人材を引きつけようと切り口を変えてアプローチしていくわけです。
求職者ニーズの多様化
いまや求職者が企業に求める条件は実に多様化しています。安定した雇用や高い給与がずば抜けて重視されていたのはすでに過去の話かもしれません。現在は柔軟な働き方ができる環境や、職場文化が自分に合っているかなどが決め手になっているともいいます。そのため、価値観やワークライフバランスが魅力的な企業が選ばれることにも、きちんと目配りしていかなければなりません。そして採用方法に工夫を凝らすこともまた、個々のニーズに応じるためには必要とされているわけです。
テクノロジーの進化
テクノロジーの進化は、採用活動においても新たな可能性を広げています。オンライン面接やAIによる履歴書分析、VRを用いた職場体験などはまさにその典型。こうした状況下で採用方法自体がユニークになるのは、至極当然といえます。求人・採用のための新興ツールをいち早く取り入れられれば、そのインパクトだけでも興味・関心を持ってもらいやすくなるでしょう。
採用方法をユニークにするメリット

ユニークな採用方法が企業にとって良い影響をもたらすことは大いに考えられます。たとえば次のようなメリットです。
- 他社と差別化を図れる
- ブランディングにつながる
- 自社の価値観に共感してくれる方からの応募が増える
- 拡散してもらえる
以下、それぞれ簡単に説明します。
他社と差別化を図れる
求人を出すにあたっては、当然ながらターゲットである求職者にきちんと届くかどうかが大事です。が、実際は他社求人に埋もれてしまうことも少なくありません。だからこそ、従来の枠にとらわれない方法でインパクトを生むことが、他社と差別化を図るうえで必要になってきます。ユニークな採用でひとまず接点や認知を得られるのであれば、それだけでも効果的といえるはずです。
ブランディングにつながる
ユニークな採用方法は、自社求人を想起してもらうのに一役買います。いわばマーケティングの一環であり、なおかつ採用ブランディングとしても機能するはずです。そのユニークさを端に発し、企業イメージとしてポジティブなものに昇華されることは大いに考えられます。うまくハマればソーシャルメディアで拡散されることも期待できるでしょう。
自社の価値観に共感してくれる方からの応募が増える
ユニークな採用方法は組織文化や価値観を表象しているともいえます。それらを好意的に捉える向きとの接点が広がっていくことは、やはり大きなメリットです。また、価値観の共鳴は、その後の定着にもつながりやすいでしょう。
拡散してもらえる
ユニークな採用方法がメディアなどで話題に上ると、拡散性が高いゆえに知名度はぐんと伸びる傾向にあります。そしてもちろん、自社の魅力も多くの人に伝わるはずです。うまくハマれば母集団形成、潜在層との接点強化が大いに見込めます。
採用方法をユニークにすることで懸念されるデメリット

採用方法がユニークであれば前項で取り上げたメリットが期待できる一方で、デメリットもいくつかあることは、あらかじめ知っておいた方がよいでしょう。具体的には次のとおりです。
- コストがかかりやすい
- 求人情報が伝わりづらくなる
- “面白い”で終わってしまう
- ターゲットを狭めてしまう
- スキルや経験が二の次になってしまう
以下、それぞれ簡単に説明します。
コストがかかりやすい
採用方法をユニークなものにした場合、大掛かりな準備が必要になることも珍しくありません。たとえば、ちょっとした娯楽やゲーム、イベントなどを絡めるにしても問題なく機能するかどうかの確認で工数が嵩んだり、用意するものに費やす料金が膨れ上がったりといったケースも加味しておかなければなりません。特段何も準備が要らない場合でも、初めての試みであれば事前に確認やすり合わせに時間を使うことになるはずです。いずれにせよ、通常よりコストはかかってきやすいでしょう。
求人情報が伝わりづらくなる
企画の斬新さに腐心しすぎると、むしろ人材要件が不明瞭になりがちです。訴求力を高めたい一心で攻めた求人にするも情報がわかりづらくなるケースは、往々にして起き得ます。奇をてらうにも、「なぜそのようなアプローチを取ったのか」「それによって目指す成果につながるのか」は冷静な目で判断することが必要です。
“面白い”で終わってしまう
ユニークな採用で“面白い”印象を植え付けることができても、そこに終始するのは本来の目的とずれることになるでしょう。求職者にとって何が大事か。一時的に話題を集めても、面白さだけでは企業の魅力を十分に伝えることはできないはずです。逆に不安を募らせることにもなりかねません。
ターゲットを狭めてしまう
尖りすぎた採用方法は一部の層にしか響かないことも念頭におきましょう。つまり、ターゲットを狭めてしまうリスクがあります。幅広く人材を集めたいなら、ユニークな部分だけが先行しすぎないよう調整を図ることも大切です。
スキルや経験が二の次になってしまう
ユニークさを追求するあまり、応募者のスキルや経験がかえって適切に評価しづらくなることもあります。プロセスが独創的であること自体、それはそれで魅力的とはいえ、人材に求めるものを見落とせば本末転倒です。企画の突飛さに振り回されず、きちんと人物の見極めまで行えるよう注意しましょう。
ユニークな採用方法

採用方法をユニークにすることでメリットもあればデメリットも出てくるわけですが、求人の成果が停滞する状況を打開するには有効な手と考えます。では、実際にユニークな採用とはどのようなものなのでしょうか。以下、いくつかご紹介します。ここから着想を得て、新たに自社独自の採用方法を生み出せるかもしれません。
一芸を披露してもらう
採用選考の場で応募者に特技やパフォーマンスを披露してもらい、各人の能力を測るといった方法を取った企業があります。これは、業務に精通したスキルや経験の枠を超え、個性を引き出すものです。たとえば、募集のポジション関係なく歌や楽器演奏、けん玉、モノマネ、絵画制作……等々からも適性は見出せるのだといいます。確かに、柔軟な発想や一つのことを突き詰める姿勢、ポテンシャルなども浮かび上がってくるかもしれません。そのように魅力的な人材に映れば、一緒に働く仲間として招き入れる価値は十分にあるのだと考えます。
スポーツ経験にフォーカスする
スポーツの経験をことさら重視する企業は決して少なくありませんが、さらにエスカレートしてそれを選考に反映するケースも稀に見受けられます。その背景には、チームワークやリーダーシップ、もちろん体力や精神力を評価するうえで大きな判断材料になると考えるからでしょう。実際、スポーツで培った耐久力やプレッシャー下での対応力は、多くのビジネスの現場でも必要とされるものです。そのほか協調性やコミュニケーション、自己管理能力や目標達成意識も然り。これらにつながるものと捉えたとき、スポーツ経験にフォーカスすることは、ユニークでありながらも理に適った選考方法といえるかもしれません。
娯楽やゲームを行う
採用選考に娯楽やゲームを取り入れることは、特に面接の場などでは堅苦しさを払しょくするだけでなく問題解決能力やクリエイティブな思考を評価するのに実に有効なやり方です。たとえば、麻雀や人狼ゲームなどの場合、その駆け引きや論理的考察、言語化する能力、周囲を束ねる(あるいは巻き込む)統率力などが求められます。意思決定やコミュニケーション、戦略立案などビジネスの現場で必要なスキル、その適性を測るにはもってこいの方法かもしれません。紋切り型になりがちな面接での受け答えよりもリアルな人物像を引き出せる意味で、ユニークさ以上に機能する方法だと考えます。
自由なメイク・服装で面接に来てもらう
面接の場はフォーマルが当たり前という固定観念がすでに時代遅れなのかもしれません。むしろ自由なメイクや服装で来てもらった方が、その人の価値観を浮き彫りにするには効果的なのでしょう。そうした理由もあってなのか、恰好から個性を尊重する姿勢を大々的に示す企業もチラホラ見聞きします。また、組織文化に合う、合わないを見極める意味でも有効に作用するといえそうです。
面接ではなく雑談を行う
そもそも面接という形をやめて雑談だけを行う企業もあります。この狙いは、応募者をより深く理解することだそうです。確かに緊張を和らげることに寄与し、コミュニケーション能力や人間性を自然な形で引き出せるやり方といえるでしょう。とはいえ選考です。ざっくばらんとした会話であっても応募者の価値観や思考プロセスを把握していく必要があります。もちろん、応募者からの印象も同様です。形式ばらないゆえに相互理解が深まったとき、双方で合う、合わないが如実に見えてくるのかもしれません。
逆に応募者が面接する形式にする
応募者が面接官として企業に対して質問する「逆面接」を行う企業もあるようです。まさにユニークなこの採用方法は、応募者に(主体的に企業について質問を投げかけることで)組織文化や業務内容を深く知ってもらうためだといいます。また、通常は最後に設けられる逆質問がメインになることで、企業側も応募者に対して自社理解を促進できます。何よりも主従関係のような旧来の当たり前を突き崩してくれることが新鮮であり魅力的に映るはずです。対等な立場で以て応募者側が安心感を抱くケースも少なからずあると思われます。
未来の履歴書・職務経歴書を作ってもらう
採用プロセスの一環で応募者に自身の将来のキャリアビジョンを自由に描いてもらうようにしている企業もあります。企業側は、応募者の成長意欲もさることながら、彼・彼女たちが未来に向けて逆算できる力があるかも見ているようです。そのような背景を知ると、長期的に活躍できる人材を見極める方法として確かに有効だと考えます。
トレンドを意識した“ユニークな採用”の作り方

採用の現場でもしばしば「多様性」や「柔軟性」といった言葉を見聞きすることが増えました。これらはいわば採用にも通ずるトレンドといってもよいかもしれません。
▶関連記事:採用のトレンドを徹底解説!いま、人材獲得に使われている手法とは?
実際、求職者は融通が利く働き方を志向する方が多いように思われます。こうした背景から採用戦略を構築することも大事です。結果的にそこからユニークな採用が生まれることも大いに考えられます。本章では、こうしたトレンド起点でユニークな採用を作る方法について解説。ざっと大切なポイントは次のとおりです。
- 応募者の本音をいかに引き出せるかに注力する
- セオリーに固執しない
- SNSでタイムリーに情報収集する
- 周りの従業員にアイデアをもらう
以下、それぞれ簡単に説明します。
応募者の本音をいかに引き出せるかに注力する
面接選考において応募者の本音を引き出すには定型的な質問や厳かな雰囲気だとなかなか難しいでしょう。形式ばらないリラックスした面接環境を作ることが必要という意味ではユニークさが大事です。これは意識一つでも実現できます。たとえば、面接官の態度です。腕や足を組まず終始笑顔で対応するだけで随分印象は変わってきます。加えて、話が弾むように持っていくことが肝心です。「理想の働き方や職場環境は?」などオープンな質問を通じ、応募者が自由に価値観や希望を語れるようにしましょう。
セオリーに固執しない
たとえば多くの面接官は、自社の戦力として活躍してもらうためにもどうしても学歴や職歴はじめ無難に判断できる部分を見てしまいがちです。質問に対する回答や話し方もついセオリーに頼ってしまう傾向にあります。逆にいうと、それらに固執せず自社ならではの物差しで測るよう意識したとき新たな価値観が生まれるかもしれません。そういったアプローチを突き詰めたとき、おのずとユニークな採用が行われることになるでしょう。
SNSでタイムリーに情報収集する
SNSは、求人情報の発信だけでなく、求職者がどのような情報に関心を持っているかを調査するのにも役立ちます。たとえば、業界内で注目されているトピックや求職者が関心を寄せる組織文化の特徴をSNSから拾い分析することで、効果的なメッセージあるいは訴求方法へと昇華できるかもしれません。肝になるのはタイミングです。情報の鮮度も意識しつつユニークな採用を生み出してください。
周りの従業員にアイデアをもらう
採用に携わる人間だけであれこれ考えても、ユニークなアイデアは浮かび上がってこないかもしれません。そういう場合は周囲の従業員を頼るのも一つの手です。可能なら組織全体で向き合えるとなお望ましいでしょう。とりわけ現場で働く従業員の視点は、リアルで具体的な採用メッセージを生み出しやすいと考えます。定期的に意見を交換したり、ブレインストーミングを実施したりといった具合に、アイデアが集まる機会をぜひ増やしてみてはいかがでしょう。
ユニークな採用方法を成果にまでつなげるには?

ユニークな採用を実施することが目的化してしまわないように気を付けましょう。あくまでこれは手段であり、目指すべきはいうまでもなく成果につなげることです。では、具体的にどういったアクションが有効なのでしょうか。ずばり、次のとおりです。
- 各採用方法に対して効果検証を徹底して行う
- 認知度の高い求人媒体のなかで訴求ポイントだけを変える
- スポット的に人を多く雇い、労働者の傾向データを積み上げる
以下、それぞれ簡単に説明します。
各採用方法に対して効果検証を徹底して行う
ユニークな採用を実施するのは、いわばチャレンジです。それゆえ結果がどうだったのか、どうしてそうなったのかはしっかりと検証する必要があります。また、定量データはもちろん、定性分析も不可欠です。結果に対して外的要因が影響していた場合、額面どおりにその採用手法、やり方を評価するのは難しいかもしれません。そうした冷静な目で課題や改善点を明確にしていくことが中長期的な成果を見据えたときには求められます。
認知度の高い求人媒体や重要なフェーズでテストする
仮に募集方法で新たな試みを打ち出すとき、その施策の効果を測るのにもっとも影響が出やすいのが知名度の高い求人媒体です。これは、アクセスが集まりやすい分、検証対象の母数が多くなるからだといえます。採用プロセス全体で見ても同様です。ユニークなポイントはまずは特定のフェーズでテストすることをおすすめします。そのなかでも、結果に対しては実際どこに起因しているのかを冷静に判断することが大事です。純粋にそのユニークさを評価するのであれば、それ以外の要素はなるべく変えないことが鉄則です。
スポット的に人を多く雇い、労働者の傾向データを積み上げる
短期のプロジェクトやシーズン業務ではスポットワーカーを雇用することもあると思います。コストを抑えながら多くの人材を採用できるため重用する向きがあるのも納得です。ただ、有益なポイントはそれだけではありません。多くの労働者を間近で見られるからこそ彼・彼女たちの特性や傾向を掴めるというメリットもあります。そしてそのデータは、新しい採用方法を考案するうえで大いに役立てられるでしょう。たとえば求職者のニーズ、リピーターの特徴などは成果とも連動する要素です。それらはユニークな採用、ひいては将来的な採用戦略の基盤構築にもつなげられると考えます。
ユニークな採用方法で求職者ニーズに応えよう!

競争が激化する人材市場において採用方法も一筋縄でいかなくなりました。それゆえユニークなやり方を模索する企業も少なくない状況です。ただ闇雲に奇をてらったところで成果につながるほど甘くはありません。求職者ニーズや他社の成功事例なども踏まえつつ、自社なら何ができるかを組織全体で考えていかなければ、なかなか思うような結果には行き着かないでしょう。実際、ユニークであることは単に目新しさを追求するだけでなく、組織文化や価値観を伝える重要な役割も担います。だからこそ一方的な視点で設計されないよう求職者の本音や多様性を尊重し、客観的な効果検証の基に進めることが大切です。決して独りよがりにならないよう、求職者と企業の双方にとって価値のある求人・採用体験の提供が求められます。
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