人手不足が深刻化するなか、技能実習生を雇うことを検討する経営者、採用担当者の方も最近では多く見受けられます。他方、実際に技能実習生を雇用することで生じる問題もいくつかあるようです。本記事では、まさにそこにフォーカス。技能実習生を巡る問題点を原因や対策、雇う際のポイントも併せて解説します。

技能実習生を巡る問題点を原因や対策、雇う際のポイントも併せて解説

  • 2025.02.03
  • 2025.02.03

人手不足が深刻化するなか、技能実習生を雇うことを検討する経営者、採用担当者の方も最近では多く見受けられます。他方、実際に技能実習生を雇用することで生じる問題もいくつかあるようです。本記事では、まさにそこにフォーカス。技能実習生を巡る問題点を原因や対策、雇う際のポイントも併せて解説します。

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技能実習生に関する基本概要

チャイとの机の上に置かれた技能実習生と書かれた積み木

多様性が叫ばれる時代です。外国人労働者を積極的に雇う機運は人手不足も相まって高まっています。ゆえに技能実習生を雇うことも一つの有効な採用手段です。まずは技能実習生の基本的な知識や現状について理解していきましょう。

技能実習生とは?

技能実習生とは、主に発展途上国から日本に来て、一定期間にわたり特定の技能を学びながら働く外国人を指します。特に、日本での人手不足が顕著である、農業、漁業、建設業、製造業などの産業分野で活躍される姿が印象的です。

技能実習制度とは?

技能実習制度は、日本国内で外国人が実際の業務を通じて技能を修得し、母国の経済発展に寄与することを目的とした取り組みです。この制度は1993年に開始され、主にアジア諸国からの受け入れが行われています。在留資格によって異なりますが、期間は1年から5年ほどです。

制度の特徴として、技能の習得を重視しているため、単なる労働力の確保とは異なり、受け入れ企業は技能の指導と計画的な研修を行う義務を負っています。また、国際貢献の一環として設けられている制度でもあり、技能実習生は母国に帰国後、自国の産業発展への貢献が期待されています。

外国人雇用状況について

厚生労働省が令和6年1月に発表した資料によると、令和5年10月末時点の外国人労働者数は204万8,675人となり、前年比で22万5,950人増加したことがわかりました。また、200万人を超えたのは届け出が義務化された平成19年以降はじめてで、過去最高です。また、国籍別ではベトナムがもっとも多く51万8,364人で外国人労働者数全体の25.3%。次いで中国が39万7,918 人で全体の19.4%を占めています。

参照:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和5年10月末時点)」

アルバイトに従事する外国人留学生の割合

独立行政法人 日本学生支援機構(JASSO)が令和6年10月に発表した資料(令和5年11月~令和6年3月に7,867人を対象に実施した調査)によると、外国人留学生のアルバイト従事率は65.2%でした。なお、職種については軽労働の「飲食業」が もっとも多く、次いで、「営業・販売」でした。以降は、「工場での組立作業」「ティーチングアシスタント・リサーチアシスタント」が続きます。

参照:独立行政法人 日本学生支援機構(JASSO)「令和5年度 私費外国人留学生生活実態調査 概要」

技能実習生による主な問題

年度で表現された技能実習生

技能実習生を雇うことがメリットとして浸透してきたなかで、同時にデメリットも明るみになっています。これは、技能実習生への懸念もあれば企業側の悪しき体制としても取り沙汰されている問題です。先に、前者について取り上げます。主に次のとおりです。

以下、それぞれ解説します。

犯罪への関与

実習生のなかには、不法就労や窃盗などに手を染める方もいないわけではありません。経済的なプレッシャーや文化的な違いからでしょうか。よく見聞きするのは、生活に困窮、または言語の壁や孤独感に苛まれ、犯罪行為に走ってしまうケースです。しかしながら、その背景には後述する技能実習生に対する問題や原因も多分に含まれていると考えます。

突然の失踪

技能実習生が突然失踪することも珍しくありません。これも前述したように金銭面や言語・文化の違いにより行き場を失ってしまったのでしょう。と、加えてやはり、彼・彼女たちを取り巻く環境、後述する問題(と原因)も大なり小なり影響しているはずです。

技能実習生に対する主な問題

低賃金を示唆する給与明細書

企業側の技能実習生への対応にも問題があるケースはしばしば見受けられます。主に次のとおりです。

以下、それぞれ解説します。

低賃金

生活苦から抜け出そうと日本に来た技能実習生に対しても、端から安価で雇う方針でいる企業も少なくありません。こうした対応による理想の現実のギャップが、技能実習生たちを苦しめているようにも見受けられます。

残業代の未払い

雇用主側の法令遵守意識が低いのか、あるいは技能実習生にバレないとでも思っているのか、残業代の未払いも問題になりがちです。日本の文化をまだよく知らないだろう、訴えてはこないだろうと高を括り、悪質な真似に出ることは断じて許されません(それこそ犯罪です)。

過酷な労働環境

技能実習生に対して長時間労働を強いることもしばしば問題視されています。過密なスケジュールのなかで休憩を取れないこともざらです。その背景には、人件費をなるべく無駄なく使おうといった企業の魂胆が見え隠れします。コストパフォーマンスの向上といったら聞こえはよいですが、度が過ぎるケースも少なくありません。いくら忍耐強い方であっても技能実習生からすると身体的な疲労はもちろん、精神的なストレスも抱えたまま働くのはさすがに苦痛でしょう。また、適切な安全指導が行われないケースもよく見受けられます。いうまでもなく、その結果、事故や怪我のリスクが増すことは大きな問題です。

ハラスメント全般

技能実習生に対する職場でのハラスメントは、人種差別やセクハラ、パワハラなど多岐にわたり、技能実習生のメンタルヘルスや技能実習に対する意欲などに深刻な影響を及ぼします。技能実習生が声を上げにくい状況が、問題をより一層深刻化させているのでしょう。また、日常会話でも無意識の差別や偏見が技能実習生を苦しめているケースは多々見受けられます。

技能実習生を巡る問題の原因

無表情の技能実習生

ここまでお伝えしてきたように技能実習生を巡ってはいくつもの問題が存在します。彼・彼女たちを雇うのであれば、そのこと、つまりは問題の原因にしっかり向き合わなければなりません。ざっと挙げましょう。

以下、それぞれ解説します。

技能実習生が抱える多額の借金

技能実習生は借金をしてまで日本に来ている方が多くいらっしゃいます。斡旋業者への支払いや渡航費用、ビザ取得費用など決して馬鹿にならない金額です。それらの手数料を技能実習生から不当に高く受け取ろうとする向きもあります。母国で背負っていた借金も併せるととんでもないことになっているかもしれません。その場合、日本で問題を起こしてしまうのも無理はないでしょう。

企業体質

多くの企業が技能実習生を労働力としてのみ捉え、技能実習生の成長や適切な労働環境の提供に対する意識が欠如している場合、当然、問題は起きやすくなります。コスト削減や効率化を優先し、技能実習生に対しては適正な賃金を払っていないのは言語道断です。さらにいうと、技能実習生の労働を軽視するような企業体質だと、結局は回りまわって自社のリスク(問題発生)にもつながるものと考えます。

コミュニケーションの壁

技能実習生のほとんどは、日本語の理解がままならない状態です。業務指示を正確にわからず、ミスすることも多々見受けられます。コミュニケーションに苦労することは大きなストレスです。そこに配慮し丁寧にサポートできなければ、問題を引き起こすことも当然考えられます。

双方の情報収集不足

コミュニケーションがうまく取れないことは受け入れる企業にとっても問題です。ゆえに彼・彼女たちの文化的背景や母国での生活習慣について、いわずもがな、雇う側も勉強する必要があります。情報収集も同様です。技能実習生だけでなく企業も積極的に動かなければ、トラブルを招くケースは容易に想像できます。

企業が講じるべき技能実習生を巡る問題の対策

技能実習生が働く工場のイメージ

技能実習生を巡る問題、そして原因を踏まえて、解消に向けた対策を(企業側が)講じるならば、大きくは以下の6つが挙げられます。

以下、それぞれ解説します。

組織全体の意識改革

技能実習生は単なる労働力ではありません。彼・彼女たちは、将来的に国を問わずにプロフェッショナルとして活躍が期待される逸材です。そのため、組織全体が技能実習生の成長を支援する意識を持たなければなりません。双方ともに言語・文化の理解が促進されれば、コミュニケーションもスムーズになることでしょう。結果、自社も実に魅力的な企業へと生まれ変わっていくはずです。

監理団体の精査

監理団体とは、技能実習生と受け入れ企業の橋渡し役を担い、両者が円滑に協力関係を築くための組織です。しかし、すべての監理団体が同じ水準のサービスを提供しているわけではなく、選定を誤るとトラブルの原因となる可能性があります。

監理団体の選定にあたっては、過去の実績や信頼性、透明性のある運営体制を確認しましょう。さらに、監理団体が提供するサポート内容や、技能実習生に対する教育・指導の質も重要な評価ポイントです。加えて、監理団体の財務状況や行政機関からの評価、認定状況も確認し、信頼できるパートナーかどうかを慎重に見極めましょう。

不正・不法行為の是正

技能実習生が法的に保護される仕組みは、彼・彼女たちが起こす問題回避にもつながります。賃金の支払いや労働時間に関する規定を適正にすることはもちろん、内部監査(内部通報制度の導入や第三者機関による監査の活用)も定期的に実施し、不正行為の発見と是正を行う体制をしっかりと整えましょう。加えて、技能実習生自身にも労働法や労働者の権利について教育を行い、自らの権利を認識し不正を報告できるよう支援を行うことが大事です。

労働環境の見直し

労働環境は法規に則りさえすればよいわけでもありません。技能実習生は異国の地で不安を抱き働いています。安心してもらうには、彼・彼女たちの文化を参考にオフィス環境も含めて定期的に見直すことも大事でしょう。そうした配慮が自社への愛着を生み、問題回避のみならず大きな貢献(仕事での活躍、多様性文化の浸透など)へとつながっていくのです。

相談窓口の設置

言語の壁や文化の違いから、悩みや不安を誰に相談すべきかわからず孤立しがちな技能実習生には、相談窓口も必要です。多言語を理解する専門のカウンセラーや通訳がいればなお望ましいと考えます。プライバシーの厳守もお忘れなく。技能実習生が自由に意見や悩みを伝えられる環境を構築しましょう。

ミーティングの刷新

技能実習生とのミーティングも従来の在り方を見直すことが必要かもしれません。その際に意識したいのは、企業側も技能実習生も双方が歩み寄れる場を創出することです。技能実習生の声を直接聞き、不満を早期に把握し、迅速に対策を講じることはもちろん、社内で起きているトラブルなどについても、彼・彼女らの意見も取り入れてみてはいかがでしょう。信頼されている実感から、仲間意識がより芽生えることにつながるのではないかと考えます。

技能実習生を雇う際のポイント

技能実習制度マニュアル

問題、原因、対策を理解したうえで、いざ雇うにあたっては、ぜひともおさえておきたいポイントがあります。具体的には次のとおりです。

以下、それぞれ解説します。

契約を交わす際は慎重に行う

契約内容は、労働条件や報酬、勤務時間、福利厚生など相手にわかるように母国語で明記し、なおかつ法律に準拠していることもしっかり確認してもらいましょう。不当な条件が含まれているかのうせいがあるのではないかと、技能実習生に不安を与えないことが大事です。もちろん、彼・彼女らにも守ってほしいことはきちんと伝えます。たとえ小さなことであっても、疑問点、不明点が解消できるよう慎重に取り交わしてください。

現場の指導担当者やサポート体制を設ける

技能実習生が現場での作業に慣れるまでには、多くの支援が必要です。指導担当者は、技能実習生が適切に業務を理解し、スムーズに作業を進められるよう、なるべく具体的に指示し、適宜フィードバックを伝えましょう。また、指導担当者だけでなく、サポート体制全体の確立も欠かせません。メンタルヘルスを保つ意味でも、技能実習生が業務上の問題や個人的な悩みを相談できる環境づくりが大事です。

現地語のマニュアルや研修を用意する

技能実習生の母国語でマニュアルを作成し、研修もなるべく彼・彼女たちが親しみやすい言葉を使うことを意識しましょう。それによって、業務内容や企業のルールの理解はもちろん、安心感や信頼感につながります。

計画に基づき業務を割り振る

企業は技能実習生に割り当てる業務はもちろん、育成方針についてもあらかじめ計画を立てておけると、何かとスムーズに事を運べるはずです。技能実習生からしてもその方が明確で仕事に取り組みやすいでしょう。そこには、ルーティンとしてお互いの母国について勉強する時間も盛り込めるとなお望ましいと考えます。

人手不足を回避するならスキマバイトの募集もおすすめ!

青い積み木に書かれた単発バイトの文字

技能実習生の雇用は、人手不足を解消するための有効な手段です。しかし、懸念される問題を考慮すると、ややリスキーなのも確か。どうしても不安なら固執せずにほかの方法を模索してみるのもよいかもしれません。

そこでおすすめしたいのがスキマバイトの募集です。スキマバイトとは、端的にいうと短時間限定のスポット的なアルバイトを指します。いわゆるスポットワーカーと呼ばれる人たちも多くいるほどです。近年はそのニーズが高まるなか、特化したサービスも続々と市場に出てきています。dipが提供する『スポットバイトル』もその一つです。掲載は無料。当日マッチングも可能です。人材確保なら、技能実習生の雇用だけでなく、スキマバイトの活用も検討する価値は大いにあると考えます。

くわしくは、以下のご案内ページと資料もあわせてご確認ください。

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スポットバイトル|資料ダウンロード

技能実習生を巡る問題解消には理解促進と現場改善が不可欠!

二段に積み上がった技能実習生と書かれたブロック

技能実習生の雇用は人材確保に有効な方法とはいえ、スキル習得などの育成を目的にしている点や何より問題も多いことから、決して一筋縄ではいかないのも確かです。特に後者は彼・彼女たちに起因することもありますが、雇う側の意識の低さが招くケースも多々見受けられます。これらを回避しつつ、自社にとっても戦力として活躍してもらい、国境を越えた人材へと成長していくにはどうすればよいのか。つまるところ、技能実習生に対する理解とそれに合わせた現場の改善が不可欠でしょう。問題解消のみならず、有意義な採用につながるよう、拙稿でも取り上げた諸々の覚悟と準備が必要です。

▶関連記事:外国人留学生のアルバイト雇用をメリットや問題点など交えて解説

▶関連記事:外国人採用完全ガイド:外国人雇用促進のポイントを徹底解説!


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