数値で見る労働者派遣事業の状況

まずは労働者派遣事業を巡る近年の状況について把握しておきましょう。以下、派遣労働者数と派遣料金の推移を取り上げます。こうした傾向のなかにも人材確保のヒントは含まれているはずです。
派遣労働者数
令和4年4月1日から令和5年3月31日までの期間に集計された派遣労働者数をまとめると下表のとおりです。
派遣労働者数 | 約215万人(対前年度比: 2.6%増) |
無期雇用派遣労働者 | 828,638人(対前年度比:6.8%増) |
有期雇用派遣労働者 | 1,317,815人(対前年度比:0.1%増) |
上記の数値からもわかるように派遣労働者数は増加傾向にあります。そしてその実態は、無期雇用派遣労働者がほとんどです。有期契約よりも安定を図りたい労働者が増えている、もしくはそうした雇用環境の拡大がうかがえる一方で、人が集まる派遣会社は一部に集中していることもいえるかもしれません。
派遣料金
令和4年4月1日から令和5年3月31日までの期間に集計された8時間換算での派遣料金の平均額は、24,909円でした。前年度と比べて1.8%増加しています。なお、賃金で見ると15,968円です(対前年度比:1.7%アップ)。これは最低賃金が毎年引き上がっていることも背景にあると思われます。また、人を集めるには時給アップが必要であることを示唆しているのかもしれません。
▶関連記事:人材派遣の利用料金について仕組みや相場、コスト削減のコツなど解説
多くの派遣会社が抱えている課題

多くの派遣会社が抱えている課題は、やはり大きくはこの2つでしょう。
- 要件に見合った人材の採用
- そもそもの人手不足のカバー
以下、それぞれ解説します。
要件に見合った人材の採用
クライアントの要件に見合った人材を提供することは、派遣会社のミッションです。ただ実際は、それを困難に感じる派遣会社の担当者も多く存在します。というのも、これにはスキルセット一つをとっても幅広い人材を採用することが必要だからです。多様化するニーズも相まって、派遣会社にとっては大きな課題といえます。
そもそもの人手不足のカバー
人手不足の深刻化は、派遣会社にも影響を及ぼします。現状はまさにこれです。人材獲得に派遣を利用する企業が増えたことで、派遣会社間の競争も激化しています。少子高齢化による労働力人口の減少や都市部への人口集中による地方の人材流出など、外的要因にも目を向けなければ、難易度は増すばかりでしょう。
人が集まらない派遣会社の特徴

人が集まらない派遣会社には、いくつかの共通点が見られます。大きくは次の2つでしょう。
- 案件数を重視している
- 求人サービスはどれも同じだと捉えている
仮に自社も当てはまっている場合は要注意です。以下、それぞれ解説します。
案件数を重視している
数多くの案件を抱えれば、求職者を引きつけられると考えているのであれば、それは誤解です。登録されたその企業の評判や労働条件が悪ければ、有象無象にですら警戒されてしまいます。ましてや市場価値の高い人材が集まることに直結するはずがありません。しかしながら、人が集まらない派遣会社は、案件数至上主義に陥っているところも少なくないように見受けられます。
求人サービスはどれも同じだと捉えている
求人サービスをどれも似たような募集媒体と捉えているのであれば、認識のアップデートが必要です。エリア、属性、業界……等々、あらゆる分野で特化型のものが存在します。人が集まらない派遣会社はこれを知らず(あるいは向き合わず)、掲載数を増やすことに躍起となりがちです。その結果、使ったサービスが求める人材とまるで相性が悪いケースは往々にしてあります。
派遣会社で人が集まらない理由

前述した特徴のある派遣会社では、大抵、ターゲットに関して意識できていないように思われます。ターゲットが曖昧であったり、ターゲットへの訴求が弱かったりすると、やはり人は集まりません。以下、これらについて解説します。
ターゲットが曖昧
ターゲットが曖昧な場合、採用活動が無作為になり、効率的に進められません。たとえば、実際は専門的なスキルを持つ人材を求めているにもかかわらず、それが明確になっていないまま求人広告を出せば、仮に応募が来ても未経験者ばかりになるケースは大いに考えられます。
ターゲットへの訴求が弱い
ターゲットが明確であっても訴求が弱ければ、求職者は派遣会社の求人情報に興味を持ってくれないでしょう。漠然と求人を出すのではなく、人を集めるにはターゲットに対してどのような打ち出しが効果的か、きちんと工夫していく必要があります。加えて、派遣会社としての独自性も打ち出さなければ、今後ますます競争が激化すると思われるなかで、他社求人に埋もれてしまうはずです。
人が集まる派遣会社になるための対策

ターゲットに対する意識の低さが不人気の原因であるならば、これを高めればよいわけです。ターゲットを明確にし、訴求のためのインサイトを見つけ出すことがまさに対策に該当します。さらには、派遣特化のサービス利用も効果的です。以下、それぞれ具体的に解説します。
ターゲットを明確にする
仮に未経験者向けの案件を多く扱うのか、プロフェッショナル人材向けの高単価案件を強化するのかなど、ターゲットを明確にした場合、戦略や戦術もセットでついてきます。もしくは目的から逆算してターゲットを導くことも常套手段です。そうやって誰に対して訴求するのかを決めたうえで母集団形成を図っていければ、企業ブランドの確立にもつながるでしょう。接点強化、つまりは人が集まる仕組みが築かれていくはずです。
ターゲットの潜在ニーズまで突き詰める
ターゲットに対する訴求力を高めるには、彼・彼女らの潜在ニーズを突き詰めていくとよいでしょう。そのためにはまずリアルな声を聞くことが重要です。アンケートやインタビューを実施すれば、思わぬ気付きが得られるかもしれません。またデジタルツールを介したデータ分析や、市場調査によるトレンド解析もインサイトを見つけるのに大きな助けになるでしょう。潜在ニーズを掘り出した後は、どう伝えるかが肝要です。ターゲット層にとって「ここで働きたい」と思わせられるよう求人広告の書き方が問われます。
▶関連記事:求人広告の書き方を例・テンプレートを交えて解説。応募を集める求人とは?
派遣に強い求人サービスを利用する
市場には派遣に特化した求人サービスも多く存在します。サポートする担当者も派遣労働市場の動向や求職者の特性、もちろん派遣会社の悩みも深く理解しているため、人を集めるだけでなく的確なマッチングが期待できるでしょう。
なお、派遣サイトでの求人掲載企業数トップクラスのサービスの一つにdipが提供する『はたらこねっと』があります。Web上ではもちろん、TVCMや屋外広告、イベント協賛……等々、幅広くプロモーションを展開していることがまずは魅力的です。また、新規ユーザー、リピーターなどターゲットそれぞれに対するアプローチが変幻自在なため、狙いどおりに応募が集まる期待が持てます。
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人が集まるようになった派遣会社の事例

把握した理由や対策が絵に描いた餅にならないよう、実践的にどう生かすかを考えることも必要です。これを後押ししてくれるのが他社事例でしょう。本章では人が集まるようになった派遣会社の事例を2つ紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。
知名度十分のサービス導入で安定感が増し増し!
名古屋に本社を置く株式会社プロサイトスタッフでは、設備関係やガスサービスに強い人材の派遣を行っています。会社を設立した当時は、応募者を集めることに不安を禁じ得ない状況だったようですが、「はたらこねっと」の導入によって毎月安定して採用できているといいます。また、他の媒体と違って、派遣社員としての経験をある程度積んでいる方からの応募が多い印象を受けたようです。原稿作成や面談も「はたらこねっと」の担当者からのアドバイスがことごとく功を奏し、今はまさしく、人が集まる派遣会社になっています。
▶参考事例:株式会社プロサイトスタッフ様の取り組み
タイミングを逃さない!
コールセンター業務の人材派遣を長年営む株式会社オープンループパートナーズが短期間でも人が集まるようになったのは、媒体選定が大きかったようです。というのもWeb媒体がまだ主流ではなかった頃にdipとお取引があった会社様で、当時導入した「はたらこねっと」は派遣に強い求人サイトとして、非常に斬新に映ったといいます。実際使ってみても期待を裏切らず、何より驚いたのは、出稿から掲載までの日数が短縮されたことです。原稿の内容も的確で、意図を汲んだ柔軟さが、同社のメリットを最大限に引き上げてくれたことに感謝されていました。
▶参考事例:株式会社オープンループパートナーズ様の取り組み
派遣会社に影響を及ぼすスキマバイト市場の拡大

近年は、スキマバイト市場の拡大により、派遣会社の在り方も変化を求められています。実際、スキマバイトの場合、必要なタイミングで効率よく人を雇えるため、費用対効果の観点でも魅力的でしょう。こうしたなか、派遣会社は長期雇用や専門性の高い人材の派遣にシフトしていく必要も出てくるかもしれません。また、スキマバイトの即時マッチングに倣い、今こそ採用プロセスを見直す時期ともいえそうです。ただ、結局は安定的に質の高い人材を提供できないことには始まりません。逆にいえば、これができれば一定数、人は集まり続けると考えます。
なお、スキマバイトの募集なら、空いた時間で「働きたい」と「働いてほしい」をつなぐ求人マッチングサービス『スポットバイトル』 をご利用ください。掲載は無料。最短で当日マッチングも可能です。
人に選ばれる派遣会社を目指して

人手不足がいよいよ深刻化してきた昨今、派遣会社に限らず、人を集めることは簡単なことではありません。そうはいってもやはり、しっかりと原因を把握したうえで対策を行うことが大事です。そしてそれは、求職者のニーズを的確に捉え、それらを提供できる案件をうまく打ち出していくことを意味します。結局のところ、選ばれる派遣会社になるには、働く側の視点を持つことが何より肝要なのです。
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