中途採用一件にかかる平均コスト

早速、費用について取り上げましょう。採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査結果の概要(※1)によると、採用一件にかかる正社員の平均コストは次のとおりです。
求人方法 | 平均コスト |
---|---|
民間職業紹介事業者 | 85.1万円 |
求人情報誌・チラシ | 11.2万円 |
インターネットの求人情報サイト | 28.5万円 |
インターネットの求人情報まとめサイト | 6.4万円 |
スカウトサービス | 91.4万円 |
新聞広告・屋外広告 | 7.1万円 |
SNS | 0.9万円 |
知り合い・社員等からの紹介(縁故) | 4.4万円 |
自社HP等からの直接応募 | 2.8万円 |
求人方法によってばらつきがあるのは当然のこととして、特筆すべきはスカウトサービスや民間職業紹介事業者など候補者とのマッチング支援を伴う手法ほど高額になりがちな点でしょう。一方でSNSや自社サイトからの直接応募は明らかにコストをかけずに採用できていることがわかります。コストがかからない手法について懐疑的な向きもあると思われますが、運用ノウハウがあれば実現可能です。たとえば、自社サイトの場合、発信内容の自由度も広がります。このメリットを使わない手は確かにないといえそうです。
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※1 調査については下記の内容で行われています。
•職業紹介事業者・募集情報等提供事業者等・求人企業:郵送したURL等を通じたインターネット調査(希望者については郵送調査)
•求職者:モニターに対するインターネット調査
●調査期間
•令和3年6月16日~7月7日:職業紹介事業者・募集情報等提供事業者等
•令和3年6月16日~6月30日:求人企業
•令和3年6月16日~6月17日:求職者
●委託実施者
•三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
●回答者属性
1.本社所在地
•政令指定都市:147(26.2%)
•東京23区:71(12.7%)
•上記以外:343(61.6%)
2.業種
•製造業:114(20.3%)
•建設業:111(19.8%)
•卸・小売業:101(18.0%)
•その他:235(41.9%)
3.従業員数
•0~5人:40社
•6~9人:63社
•10~14人:57社
•15~19人:59社
•20~29人:75社
•30~39人:49社
•40~49人:52社
•50~99人:76社
•100人以上:87社
中途採用における主な求人サービス

前述したように、求人方法によって採用コスト、つまりはかかる費用が変わってきます。にもかかわらず費用以外の面でサービスを選定する企業も少なくありません。というわけで本章では、採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査結果の概要(※2)を基に、正社員求人における主なサービスとその利用理由、そして採用者の入職経路について取り上げます。
※2 調査は※1と同じ内容で行われています。
正社員求人の主なサービス
企業が過去1年間に正社員求人を出した方法の上位5つは次のとおりです。
- 公共職業安定所(ハローワーク):68.4%
- インターネットの求人情報サイト:53.9%
- 民間職業紹介事業者:37.2%
- ハローワークインターネットサービス:35.0%
- 自社HP:31.8%
一方で、過去1年間の正社員求人数はというと、トップ5は次のような結果でした。
- インターネットの求人情報サイト:2,245件
- ハローワーク:951件
- 自社HP:570件
- 民間職業紹介事業者:532件
- ハローワークインターネットサービス:465件
おそらく多くの企業は費用をかけずに済むハローワークをとりあえず活用しているのがデータからはわかります。しかしながら、実際の求人件数をみるとインターネットの求人情報サイトに集中しているわけです。たとえ無料で利用できたとしても、成果につながらなければ意味がありません。そのシビアな現実を、後者のデータでは如実に物語っています。
主な求人サービスの利用理由
繰り返し述べますが、ハローワークを利用する最たる理由はひとまず無料で使えるからでしょう。一方で、インターネットの求人情報サイトを利用する理由は、やはり母集団形成を築くのにもっともポピュラーであることが挙げられます。まさに王道の手法です。また、高額になりがちな民間職業紹介事業者も一定数利用されています。これはおそらく、要件に合った人材を採用するのに(マッチング支援のサービスが)効果的と考えられているからでしょう。こうした結果からは、中途採用にかかる費用を気にしつつも、自社の課題や要望に応えてくれるサービスを求める企業が多いことが推察できます。
採用者(正社員)の入職経路
正社員として採用した方の入職経路としてもっとも多かったのは、インターネットの求人情報サイト(37.2%)でした。次いで、ハローワーク(19.0%)、民間職業紹介事業者(17.5%)と続きます。無料でもそれなりに人は集まると捉えることができるのか、はたまた1位と2位の差の開きからは少なからず費用をかけた方が成功しやすいといえなくもないのか。見解はさまざまあると思いつつ、入社後の定着率やマッチング度合いなど採用の質まで加味したとき、より解像度高く成否、優劣をジャッジできるかもしれません。
中途採用者の採用時賃金

一件当たりの採用コストに続いては、採用時の賃金についてフォーカスします。データは、中途採用者採用時賃金情報 (令和4年10月~令和5年3月) によるものです。
なお、同調査の概要は次のとおりです。
令和4年10月~令和5年3月
●対象
ハローワークシステムにおいて処理を行った雇用保険被保険者資格取得データのうち、雇用形態が常用者(新規学卒者を除く)
●賃金額
雇用保険被保険者資格取得届の賃金月額欄(毎月決まって支払われる各種手当及び現物給与は含む。超過勤務手当、賞与及びその他の臨時の給与は含まない。税込み。)に記入された賃金額を基礎として算術平均値を算出し、百円の位を四捨五入
職業別賃金
下表は職業ごとの男女それぞれの平均賃金(全国計/年齢計)です。
職業 | 男性(円) | 女性(円) |
---|---|---|
管理的職業 | 406,000 | 292,000 |
専門的・技術的職業 | 310,000 | 258,000 |
事務的職業 | 357,000 | 238,000 |
販売の職業 | 272,000 | 204,000 |
サービスの職業 | 255,000 | 211,000 |
保安の職業 | 197,000 | 190,000 |
農林漁業の職業 | 216,000 | 177,000 |
生産工程の職業 | 227,000 | 180,000 |
輸送・機械運転の職業 | 251,000 | 221,000 |
建設・採掘の職業 | 254,000 | 217,000 |
運搬・清掃・包装等の職業 | 235,000 | 180,000 |
まず一ついえるのは、職業の違いで賃金差が顕著に見られます。が、それ以上に男女の差が明らかなのは由々しき現況といえるでしょう。これは社会の問題と捉えることもできそうです。したがって、この結果をそのまま反映するのは憚られると考えます。一方、「保安の職業」「農林漁業の職業」「運搬・清掃・包装等の職業」などでは男女差がそう大きくありません。しかしながら全体的に賃金水準は低めです。
上記を踏まえて、同一職種内での性別による待遇差の是正に向けた対応が人事施策上の課題といえる一方で、適切な賃金設定には、業務負荷や専門性の高さも考慮する必要があります。
規模別賃金
企業規模別は下表のとおりです。ここでも男女の賃金状況に差が生まれています。
企業規模 | 男性(円) | 女性(円) |
---|---|---|
29人以下 | 259,000 | 215,000 |
30~99人 | 270,000 | 225,000 |
100~299人 | 280,000 | 230,000 |
300人以上 | 315,000 | 249,000 |
企業規模の賃金格差も難しい課題に思えます。現状は企業規模が大きくなるほど、中途採用者の賃金水準が高くなる傾向が明確です。いわゆる大企業は人材投資に余力があり、優秀な人材を高待遇で囲い込める一方、中小企業は人件費に限界があり、同等のスキルや経験があっても賃金で劣後します。中途採用市場における人材流動の不均衡を生む大きな要因です。
中途採用にかかる費用を削減するコツ

中途採用では、どうしても求人広告や採用業務にかかるコストが積み上がりやすい側面があります。これを食い止めるには、ここまでお伝えしてきた具体的な金額を目安や基準の一つ(つまりは相場観)を把握するだけでなく、自社の採用活動をアップグレードすることが肝要です。それがまさに費用削減のコツといえます。見直すべきポイントはさまざま。以下、いくつか取り上げます。
求人サービスを見直す
多くの企業は、使い慣れた求人サービスを変えることに心理的ハードルを感じているように見受けられます。他方、求人市場は常に変化し、サービスもどんどん進化しているのが現実です。だからこそ、求人サービスの見直しは、無駄なコストを減らすきっかけになる可能性は大いにあると考えます。費用対効果の観点で考えれば、複数のサービスを組み合わせることも一つの手です。一度の求人で多様な人材の獲得につながれば、中長期的にコストダウンといえます。なお、dipが提供する求人サービスの場合、中途採用に適しているのが『バイトルNEXT』です。動画掲載やしごと体験・職場見学といった機能の魅力に加え、原稿作成や効果検証といったサポートも充実しています。
求人サービスの料金プランを見直す
中途採用にかかるコストについて、意外と見落とされがちなのが求人サービスの料金体系です。多くの企業が一つのサービスに固執しがちなように、料金プランも実はさまざま用意されているにもかかわらず、なかなか目を向けない担当者の方は少なくありません。費用対効果を上げるのにプラン変更でうまくいくケースは往々にして見受けられます。
採用手法を見直す
媒体、プランに加え、採用手法もまた見直すことによって採用費用の削減につなげられます。とりわけ、リファラル採用や社内公募制度は効果的な方法です。前者は既存社員のネットワークを活用するため、インセンティブなどは設けつつも多大な費用をかけずに欲しい人材と接点を持つことができます。そして社員が希望する部署へ移動できる後者については、社内リソースを適材適所で振り分けられるため、組織の活性化にもつながるでしょう。
▶関連記事:リファラル採用とは?報酬の決め方や違法性、トラブル回避策など解説
▶関連記事:社内公募制度とは?流れや面接方法、メリット・デメリットなど解説
人材要件を見直す
求める人材像を明確に定義しないまま採用活動を進めてしまい、どうにもミスマッチな応募者と面接に時間を割く羽目になった経験はありませんか?もしくは人材要件をテコ入れする余地があっても特に気に留めず放置していたせいで、なかなか思うように人が集まらないといったケース。これもしばしば見受けられます。したがって、人材要件が適切かどうかは定期的に見直しましょう。業務に必要なスキルや経験を具体的にリストアップするだけでなく優先順位まで付けて、基準の調整まで行えるとよいでしょう。その際、ハードルが高くなり過ぎないように必須要件と歓迎要件の区別化がうまくできれば望ましいと考えます。一方で、要件を低く見積もり過ぎていないかにも気を付けてください。
採用プロセスを見直す
採用プロセスに無駄が発生していないかもコスト削減には大事な観点です。実際、応募者対応に追われてそのための人材採用を頻繁に行う組織も珍しくありません。そうした状況を改善すべく、dipが提供するサービス『面接コボット』 を利用するのも一つの手です。事前の就業条件確認や面接日時設定といったさまざまな応募者対応をチャットボットの機能によって自動化できます。担当者の業務負担の軽減や効率化、結果的に採用単価の削減にもつながるオールインワンの採用管理システムです。
自社で採用サイトを運用する
採用サイトを自社で持てると、イニシャルコストこそかかるものの、外部の求人サービスに依存する必要がなくなるため、中長期的な観点では費用を抑えられます。継続的な運用はサイトを成長させ、そしてそれはそのまま資産として残る点もメリットでしょう。なお、dipが提供するサービス『採用ページコボット』の場合、オリジナルの採用サイト作成から求人情報の自動掲載、応募管理、そして面接設定までをワンストップで実現します。
相場と削減術を知り費用対効果が高い中途採用へ!

中途採用を検討する際、大体どれぐらい費用がかかるのかを知ることで計画や戦略を立てやすくなるでしょう。それだけでも相場を把握しておいて損はないと考えます。しかしながら、あくまでも目安と冷静に捉えることも大事です。いうまでもなく、企業そして部門によって予算は区々であり、適切な手法やサービス、プランも一概に適切か否かは異なります。そうしたなかで大切なのは、これまで選択してきたやり方を費用対効果の観点で見直していく柔軟なスタンスです。必要に応じて軌道修正を図ることは勇気がいる決断でもあるでしょう。それでも最適解を常に模索することが、無駄な費用を生まないためには重要です。
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