ビジネスの現場では、本名とは異なる「ビジネスネーム」を名乗るケースも見られます。単なる芸名のようなものと思われがちですが、仕事効率や安全・安心面などにも作用するため実はそう侮れません。希望する従業員が一定数いるのもその証左でしょう。本記事では、ビジネスネームについて多角的に解説。メリットとして挙げられる使用理由や、とはいえ注意点をはらむこと、そしていざ決めるときのコツ……等々、くわしく言及します。

ビジネスネームとは?使うとよい理由や注意点、決め方についても解説

  • 2025.05.21
  • 2025.05.21

ビジネスの現場では、本名とは異なる「ビジネスネーム」を名乗るケースも見られます。単なる芸名のようなものと思われがちですが、仕事効率や安全・安心面などにも作用するため実はそう侮れません。希望する従業員が一定数いるのもその証左でしょう。本記事では、ビジネスネームについて多角的に解説。メリットとして挙げられる使用理由や、とはいえ注意点をはらむこと、そしていざ決めるときのコツ……等々、くわしく言及します。

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ビジネスネームとは

ビジネスネームを指す女性社員

ビジネスネームとは、本名と異なる仕事上の名前を指します。戸籍名ではないものの、名刺や社内システム、外部とのやり取りなどでも使われる通称です。改名とは異なり、あくまでビジネスの文脈において成立します。そのため、公的な書類で使用することはできません。

芸名やペンネームであれば、違和感なく受け止められる方も多いでしょう。しかし、実際は表現者に限らず一般的なビジネスパーソンが使うケースも珍しくないのです。 なぜビジネスネームが使われるかは次章にてくわしく取り上げますが、目的はきちんと存在します。馴染みのないカルチャーであっても、その背景から一つずつ紐解いていくことで捉え方は変わってくるはずです。検討度も一段高く積み上がるかもしれません。引き続き、読み進めてもらえると幸いです。

ビジネスネームが使われる理由

NAMEと書かれた付箋

というわけで早速ビジネスネームが使われる理由をいくつか挙げていきましょう。ざっと次のとおりです。

これらは、いわばビジネスネームを使うメリットです。以下、それぞれ解説します。

プライバシーの保護

組織とメンバーが紐づいた結果、社員の本名がインターネット上に晒されることがあります。なかにはその個人に悪意を向けた書き込みする向きも、悲しいかな、見受けられます。これといって気にされない(むしろ広く自分を売っていきたい)方ならともかく、どうしても個人情報の流出に敏感な人たちの場合、やはりこうしたリスクを抱えて仕事をすることには大なり小なり不安を覚えるはずです。それを考慮し、実際にプライバシーを保護する観点でビジネスネームを用いる企業は多く存在しています。また、そこには公私混同を避ける狙いもあるようです。名前を切り分けた方が、余計な雑念を生み出さずに済むと判断されているのでしょう。(個人に)匿名性を持たせ、従業員の心理的安全性を担保しているわけです。

認知バイアスの払拭

名前から受け取る印象が先入観(年齢や国籍、性別などに対するイメージ)と結びつき、本人の能力やスタンスとは関係なく、彼・彼女らに対して不自然もしくは歪んだ接し方になる恐れがあります。対外的なコミュニケーションや営業の現場などにおいても同様です。確かに、名前きっかけでその場が弾むことは考えられますが、それさえも本人が嫌がっている可能性は否めません。こうしたいわゆる認知バイアスの払拭もビジネスネームが用いられる理由に挙げられます。

個人名におけるブランドリコール

認知バイアスを逆手に取り、ユニークなビジネスネームで自分をアピールすることもできます。ブランドリコールに近い概念でそれを従業員の名前に当てはめるわけです。自身の専門や得意分野と絡められるとなおさら想起されやすくなるでしょう。ひいては商品とセットで覚えてもらえるかもしれません。このような視点でビジネスネームを付ける企業もきっとあるはずです。

親しみやすさの演出

“本名だと少し堅く見えてしまう、あるいは呼びにくい、だからいっそのことキャッチ―に変えて親しみやすい印象を与えよう”といった思考回路なのかどうかはさておき、シンプルに一人ひとりのキャラクターを際立たせるためにビジネスネームが付けられることもあるはずです。特にそれは社外の方との初めての商談で効力を発揮します。初対面、しかもビジネス上のコミュニケーションとなるとどうしても緊張するものです。それでもビジネスネームを引っ提げたなら、相手も触れられずにはいられないでしょう。アイスブレイクも何のその、気付けば友好な関係を築いていることは十分に期待できます。

ビジネスネームが使われる主なシーン

名刺の体裁で書かれたNAMEの文字

続いて、ビジネスネームが実際に使われているシーンを取り上げます。多くの企業では次の使われ方のいずれかでしょう。

あるいは、これらすべて一貫してビジネスネームが使われていることも考えられます。以下、それぞれ解説します。

社内での通称

社内での通称としてビジネスネームを使う場合、当然、チャットツールでの表示や社員証などにもその名は刻まれます。現実的によくある姓名を借りるのか、ラフなハンドルネームにするのかは企業によって区々です。とはいえ、人間関係も含めて窮屈さを排除する姿勢は共通しているようにも思えます。

営業活動

営業の現場では、相手に名前を覚えてもらうこと自体が仕事の一環ともいえます。第一印象がそのまま良好な関係構築につながることを知っているからこそ、(名前のわかりやすさや呼びやすさを意識した)ビジネスネームを用いるのでしょう。先述した認知バイアスの回避もそう。懸念材料(この場合、仕事上の不都合)を減らし、ビジネスネームで躍動する営業パーソンは、案外多くいらっしゃいます。

社外広報

登壇や出版、SNS発信など、社外に向けた情報発信の場でもビジネスネームが使われることがあります。とりわけ個人が矢面に立つ場合、誰が発信するかも注目されるポイントです。だからこそビジネスネームで印象付けることは大なり小なり意味があります。どういう形であれ不特定多数の方々との接点は貴重です。従業員個人が認知を得たなら、当然、会社名やサービス名が想起される期待も持てるでしょう。

ビジネスネームを使う際の注意点

鍵に記されたNameの文字

ビジネスネームを使うことで、不安要素を無くせたり、自社に興味を持ってもらったりとメリットが期待できる一方、管理上、気を付けなければならないポイントがあるのも確かです。また、本名ではないことを隠れ蓑にして、行き過ぎた言動に及んでもいけません。

本章では、そうした注意事項をいくつか取り上げます。

戸籍名と一致できるように管理する

ビジネスネームが使われている場合でも、源泉徴収票などの公的文書は当然、戸籍名で記載しなければなりません。そのため、両者を正しく紐づけ管理することが必要です。仮にこれを疎かにすると、本人確認や照合が書面上でできなくなる恐れがあります。

情報漏洩がないように配慮する

ビジネスネームを使っている人のなかには、戸籍上の氏名を職場の同僚や上司に知られたくないという意向を持つ方もいます。家庭や過去の事情など、背景は人によってさまざまです。そうした意向が明示されている場合には、関係者以外に戸籍名が不用意に伝わらないよう配慮することが求められます。たとえば人事システムや業務メール、帳票類の表示設定など、社内の仕組みにおいても細かな運用の見直しが必要です。意図しないかたちで戸籍名が目に触れることが、本人の働きづらさにつながらないよう、組織側の丁寧な対応が問われます。

商標との重複を避ける

ビジネスネームがすでに商標登録されている場合、たとえ意図していなくともトラブルを招く恐れがあります。したがって、ビジネスネームを検討する際は念のために検索、調査し、判断に迷うなら使わないのが無難です。ビジネスネームであっても信用問題につながります。安易な決定は避けましょう。

無責任に振る舞わない

ビジネスネームを“素性を隠せる手段”と捉えるのはよくありません。あくまで仕事上の呼称として運用されている以上、発言や行動には本名のときと同じように責任が伴います。むしろ信用を築くために使っている名前である以上、それにふさわしいふるまいが必要です。

ビジネスネームの決め方

パソコン、Nameと書かれた社員証、紙、ボールペンが表象するアイデア出しの様子

メリットや注意点を踏まえ、いざビジネスネームを決める際には、活動の目的や立ち位置を意識しましょう。というのもビジネスネームは単なる呼び名ではなく、従業員一人ひとりの役割や提供する価値を象徴する名前として機能するからです。たとえば仕事上での印象づくり、覚えやすさ、発信時の一貫性などにも関わってくるため、感覚的に決めるのではなく、ある程度の戦略を持って決めるのが望ましいでしょう。本章では、ビジネスネームの着想ポイントに加え、具体例も紹介します。

ビジネスネームの着想ポイント

最初から深く考えすぎる必要はありません。大切なのは、各人の個性や活動の雰囲気がなんとなく伝わることです。たとえば語感や響きのよさ、親しみやすさ、覚えやすさなど、直感的な印象から発想してもかまいません。言葉遊びや音のリズム、好きな言葉や趣味にちなんだワードから着想を得るのも一つの方法です。形式にとらわれず、肩の力を抜いて自由に考えるくらいが、かえって自分にしっくりくる名前に出会えることもあります。

ビジネスネームの具体例

本名を伏せつつも、職場での呼称として機能するビジネスネームは、「佐藤」「田中」のような汎用的な名字を使うケースがよく見られます。特に接客や電話応対などで顧客と接する機会がある職種では、名前から個人が特定されにくくなるよう配慮されています。また、名札に「ゆうこ」「さき」といった親しみやすい名前をひらがなやカタカナで記載し、堅さを和らげる工夫もよくある手法です。社内向けでは「T.Y」「田中@営業」のように、識別性や部署名を意識した表記に統一されていることもあります。

従業員からビジネスネームを使用したいとの声があった場合

ビジネスネームを希望する従業員のイメージ

従業員からビジネスネームを使用したいと申し出があった場合、頭ごなしに否定するのではなく、まずはその理由を確認しましょう。個人情報の保護や、家庭の都合、過去の経験など、背景には様々な事情が考えられます。一方で、ビジネスネームの使用が混乱や誤解を生むリスクもあるため、職場全体の運用ルールや呼称の統一方針とのバランスも踏まえることも大事です。会社として認めるかどうかは一律ではなく、業務への影響や本人の意図、組織としての整合性を含めて慎重に判断するのが望ましいでしょう。

ビジネスネームの使用がもたらす採用や定着への影響

RECRUITの付箋を持った従業員

ビジネスネームの使用が採用や定着に影響を及ぼすことも、考えられなくはありません。たとえば応募者のなかには、本名を伏せられる環境を安心材料として捉える人もいるはずです。特に対人接客や電話応対などで不特定多数と関わる職種では、心理的ハードルを下げる要素になり得ます。また、従業員にとっても、名前にまつわるコンプレックスや個人的な事情を切り離せることで、働きやすさ、居心地のよさを感じてもらえるようになるかもしれません。 一方で、呼称の管理や勤怠・評価など、実務上の手続きとの整合性がとれていないと、逆に混乱を生む可能性もあります。ビジネスネームの活用を採用促進や定着支援の一環と位置付けるのであれば、対象範囲を含めた運用ルールをあらかじめ明確にしておくことが重要です。ネーミングの自由度だけでなく、社内の一体感や公平性とのバランスにも配慮が求められます。

果たしてビジネスネームは必要なのか

不要、必要と書かれた道標

ビジネスネームの使用には、一定のメリットと配慮すべきリスクの両面があります。個人の安心感や働きやすさにつながる一方で、組織としての一貫性、管理の手間が生じることも避けられません。ゆえに必要かどうかは、企業文化や業種、働き方によって答えが変わります。ただ一ついえることとして、従業員の声に耳を傾け、柔軟に制度を設計する姿勢は、自組織への信頼や定着につながっていく意味でも大切です。無理に導入する必要はありませんが、希望する人がいらっしゃるなら応えられる余地を残しておくのはよいでしょう。すなわちそれは、今後の多様な働き方への一つの備えになるはずです。


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