モラハラは職場のハラスメントのなかでも表面化しにくく、その対策に頭を悩ませている企業も多いのではないでしょうか。モラハラを放置すると離職者の増加にもつながり、また、人材確保も難しくなるなど採用活動全般において大きな影響を及ぼします。というわけで本記事では、職場におけるモラハラ対策について、チェックリストのシート作成に役立つ内容をメインにくわしく解説。ぜひ、ご活用ください。

職場のモラハラ対策でチェックリストシートに載せたい内容を解説

  • 2025.07.18
  • 2025.07.18

モラハラは職場のハラスメントのなかでも表面化しにくく、その対策に頭を悩ませている企業も多いのではないでしょうか。モラハラを放置すると離職者の増加にもつながり、また、人材確保も難しくなるなど採用活動全般において大きな影響を及ぼします。というわけで本記事では、職場におけるモラハラ対策について、チェックリストのシート作成に役立つ内容をメインにくわしく解説。ぜひ、ご活用ください。

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モラハラとは?

モラハラは、一件、業務指導のようにも映ります。しかしながらそれは、周囲からは気付かれにくい精神的な嫌がらせです。だからこそ厄介といえるでしょう。本章ではまず、職場におけるモラハラの定義を整理。また、パワハラやセクハラとの違いについても言及します。

職場で該当するモラハラの定義

モラルハラスメント(モラハラ)は、言葉や態度により相手の人格や尊厳を傷つけ、精神的苦痛を与える行為です。上司と部下間に限らず、同僚間や部下から上司への行為も含まれます。無視、陰口、人格否定などが典型例で、単独・集団の形で現れることがあります。

厚生労働省はモラハラを独立して定義しているわけではありませんが、こうした精神的嫌がらせの多くは「労働者の就業環境を害する行為」としてパワーハラスメントに該当し得るとしています。つまり、実務上モラハラは「パワハラの一形態」として取り扱われ、企業に適切な対応が求められます。

放置すれば、安全配慮義務違反や民法上の不法行為責任を負うことにもなりかねません。さらに悪質な場合は、侮辱罪や名誉毀損罪に問われることも考えられます。

(参考:厚生労働省『職場におけるハラスメント防止対策について』

そのほかのハラスメントとの違い

職場におけるハラスメントには、モラハラ以外でも前項で触れたパワハラ(パワーハラスメント)やセクハラ(セクシャルハラスメント)、マタハラ(妊娠・出産・育児休業等ハラスメント)なども挙げられます。パワハラが指すのは、主に上司から部下への立場を利用した威圧的な言動です。これは、業務の適正な範囲を超えた指示や叱責などが含まれます。セクハラは、性的な言動によって相手に不快感や不利益を与えるものです。冗談のつもりでも受け手が不快と感じることは往々にしてあります。そしてマタハラは、妊娠・出産・育児休業といったライフイベントを理由にした不当な扱いや嫌がらせを指します。それぞれモラハラとは異なりますが、いずれも就業環境の悪化を招く点では同じであり、かつ深刻です。なお、採用活動においては昨今、オワハラも問題視されています。

▶関連記事:オワハラとは?何の略?用語の意味からリスクを回避する対策まで解説

モラハラと判断される主な行為

他人を叱責する(モラハラする)作業員

モラハラはさまざまな形で現れ、単独で行われる場合もあれば集団化するケースもあります。以下、いくつか代表的な行為を紹介。仮に心当たりがあれば、企業としての適切な対応と未然防止に動きましょう。

人格を否定する発言

人格そのものを否定する言葉は、正当な指導ではなく精神的攻撃としてモラハラに当たります。たとえば、「お前は使えない」「どうせ何をやってもダメだ」といった言葉は、業務の指導とは関係なく、相手の存在そのものを否定する内容です。このような発言が繰り返されることで、相手は自尊心を傷つけられ、心理的に追い詰められていきます。それがたとえ冗談のつもりであっても、受け手が傷ついている場合はれっきとしたモラハラです。

些細なミスを執拗に責め続ける

時に、些細なミスであっても執拗に責め続ける方が見られます。ちょっとした書類上の不備、報告の遅れなどに対し、「なんでこんなこともできないのか」「何度言わせれば気が済むのか」といった強く責め立てる態度は、改善を促す建設的な指導とはまるで真逆です。むしろ、相手を萎縮させるだけといえます。なかには、前述したような人格に結び付けて批判するケースも。他方、言葉自体はソフトであってもネチネチといい続ける行為もまた、紛うことなきモラハラです。

他人の前で恥をかかせる

他人の前で恥をかかせることもモラハラです。たとえば、会議中に特定の社員を名指しで非難したり、同僚の前で過去の失敗を蒸し返したりする行為が該当します。本人の名誉や立場を傷つけることは、指導の域を超えていると認識してください。周囲の視線におびえる方も少なくありません。屈辱感に苛まれた彼・彼女らは、自己肯定感を失い、結果、職場に対する帰属意識も無くなっていきます。

感情をコントロールして威圧する

モラハラと判断される行為には、感情を巧妙にコントロールして相手を威圧するケースも含まれます。たとえば、怒鳴るわけではないものの、無言の圧力をかけたり、冷たい口調で相手の発言を遮ったりする行為がそれです。はっきりと暴言をくらったわけではないにせよ、(モラハラを受けた)本人は緊張や恐怖で精神的に追いやられ、自身の意見を述べることに躊躇もしくは尻込みしてしまうでしょう。そうした組織の風通しの悪さは、実に由々しき問題です。

過度な監視やプライベートへの干渉

業務に必要な範囲を超えた過度な監視もよくありません。たとえば、トイレや休憩に席を外した回数を細かくチェックしたり、誰と昼食を取ったかを詮索したりする行為は、卑しくモラルに欠けた行為です。また、プライベートに干渉する行為もモラハラにつながります。勤務外の行動、交友関係、家庭の事情など私的なテリトリーに立ち入ることは、相手に強いストレスを与えます。こうした行為はいわば、管理の名を借りた支配です。相手の自律性や尊厳を損なう点で深刻なモラハラと見なされます。

意図的に仕事を分配する

意図的に仕事を分配することもモラハラの一つです。たとえば、負担の大きい雑務ばかりを割り振ったり、責任ある仕事を一切任せず周囲から孤立させたりする行為が該当します。いずれも正当な理由がなく、本人の評価や立場を不当に貶める真似に過ぎません。

無視や仲間外れにする

悲しいかな、無視や仲間外れといった幼稚な行為は大人のコミュニティでも健在です。挨拶を返さない、話しかけても意図的に反応しない、飲み会や会議に声をかけないといった行為が具体的に当てはまります。表立った攻撃ではないものの、職場での居場所を奪われれば、強い孤立感や不安を抱くようになるのは当然でしょう。そうしたモラハラに悩む従業員は思いのほか多くいらっしゃるかもしれません。

モラハラ回避のためのチェックリスト

モラハラ予防には、日々のコミュニケーションに対する振り返りが重要です。以下のチェックリストを活用し、自己点検や職場全体での意思疎通を習慣化しましょう。

これらの問いかけは、普段の言動に潜む無意識の偏りや思い込みに気づくきっかけになり得ます。たとえば、相手の意見を聞く前に「いや、それは違う」と返してしまうのは、本人に否定の意図がなくても、相手には圧迫的に映ることがあるのも確かです。また、強い口調や決めつけの表現も、相手の人格や尊厳を傷つけかねません。積み重なれば職場全体に不穏な空気が流れるようになるでしょう。さらに、特定の人間に業務や会話が偏っている場合、当事者以外はその状況に「無視されている」「あてにされていない」といった思いを抱き、モチベーションが下がってしまうこともあります。そうした懸念材料を潰すためにも、チェックリストは必要です。また、一つひとつの行動は些細に見えても、受け手にとっては深い影響を及ぼします。だからこそチェックリストを活用する際は、一過性の確認にとどめず、日常的に見直す姿勢が肝要です。モラハラのない職場づくりは、特別な取り組みではなく、日々の言葉と態度の積み重ねから始まります。

そのほか職場でできるモラハラ予防策

モラハラ防止には、個人の意識向上だけでなく、組織で継続的に対策することが不可欠です。具体的には、次の取り組みが挙げられます。

以下、それぞれ補足します。

従業員アンケートの定期実施

従業員アンケートは、モラハラの兆候やコミュニケーション上の問題を早期に把握する有効な手段です。その際、匿名性の確保は必須。そうすることでリアルな従業員の声を集めやすくなるでしょう。また、定期的に実施することが大事です。毎度、浮かび上がってくる問題は変わってくるかもしれません。その都度、愚直に手を打ち、そして着実に組織風土の改善へとつなげていきましょう。

匿名の相談・意見窓口の設置

誰もが気軽に相談できる窓口の設置はモラハラ予防に欠かせません。これもまた匿名性を確保することで打ち明けやすくなります。加えて、受付後の適切な対応フローや相談者を保護するルールを明確にできるとなおよいでしょう。その際は、従業員全体に周知することが必要です。いずれにしても、早期発見・早期対応につながる仕組みづくりが肝になります。

ハラスメント研修の実施

管理職は特に必須ですが、基本的には社員全員を対象にハラスメント研修は実施できるとよいでしょう。モラハラの定義自体が曖昧な方もいます。また、一回の研修でモラハラが無くなるとも思いません。定期的に行うことで、適切な対処術や予防意識が身に付いていくものと考えます。なお、研修にはケーススタディを取り入れると効果的です。アンケートや相談窓口でリアルな声を拾えたなら、匿名性は確保したうえでうまく活用しましょう。

外部相談機関の活用

自社内だけでなく、外部の相談窓口の活用も有効です。たとえば、厚生労働省には、『総合労働相談コーナー』や『都道府県労働局雇用環境・均等部(室)』が設けられています。一つに限らず、併用してもよいでしょう。社内対応だけでは判断が難しいケースや、対応方針に不安があったとき、公的機関からの客観的な見解は大いにヒントになるはずです。相談内容によっては、行政指導や調停なども考えられます。あらかじめその流れも把握しておきましょう。

チェックリストシートの活用で無自覚なモラハラをなくそう!

職場のモラハラは決して放置できない深刻な問題です。法的リスクを伴うのはもちろん、文字どおり企業のモラルが問われます。採用活動にも響くでしょう。

とはいえ、業務指導などでは無自覚にモラハラが起きてしまうこともあります。その可能性をまず念頭におき、アンケートや研修の実施など対策を講じるようにしましょう。特に、モラハラの項目をシートに洗い出し、チェックリストとして機能させることは、必須アクションといえるかもしれません。拙稿で挙げた内容もテンプレート的にぜひ、ご活用ください。

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