短時間労働者とは?

短時間労働者とは、1週間の所定労働時間が正社員の4分の3未満で働く従業員です。パートタイム・有期雇用労働法でも明確に定義され、パートタイム従業員とも呼ばれます。
短時間労働者は、家庭の事情や学業、他の仕事との兼業など、さまざまな理由でフルタイム勤務が困難な人々にとって重要な雇用形態です。と同時に企業にとっても柔軟な採用活動を行ううえで貴重な人材といえます。
また、昨今は短時間労働者に対する社会保険制度の適用範囲が段階的に拡大されているのも特徴的です。くわしくは次章よりお伝えします。
雇用保険に加入させなければならない短時間労働者とは?
企業は、週所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがある短時間労働者を雇用保険に加入させる義務があります。なお、2028年10月1日からはさらに対象範囲は拡大。週所定労働時間が10時間以上の場合でも必要です。
この適用拡大は「雇用保険法等の一部を改正する法律(令和6年法律第26号)」に基づきます。働き方の多様化やパートタイム労働者の増加を背景とした制度改革の一環です。
改正により、失業認定基準も1日2時間未満は失業日と認定されます。被保険者期間の算定も賃金支払基礎日数6日以上または労働時間40時間以上をひと月とカウントする基準に変更される予定です。
社会保険に加入させなければならない短時間労働者とは?
短時間労働者であっても、2025年8月現在、「週20時間以上勤務」「月額賃金8.8万円以上」「2ヶ月を超えて雇用する見込み」「学生でない」「企業規模51人以上」をすべて満たす場合、企業は厚生年金保険・健康保険(社会保険)に加入させなければなりません。ただし、これらの要件は今後も段階的に緩和されることが発表されています。
社会保険の加入が適用される企業規模の拡大
社会保険の加入要件について過去の経緯をざっと辿ると、2016年10月に被保険者数501人以上の企業で短時間労働者への適用が開始されてから、2022年10月には被保険者数101人以上、2024年には被保険者数51人以上と、企業規模の対象は段階的に引き下げられています。
参照:短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
そして、2025年6月成立の年金制度改正法により、今後さらなる適用拡大が予定されています。重要な変更点は月額賃金要件の撤廃です。いわゆる「106万円の壁」をなくすことが発表されています。
また、企業規模については、2027年10月に36人以上、2029年10月に21人以上、2032年10月に11人以上と縮小され、最終的に2035年10月には10人以下の企業でも適用される予定です(これらの時期を待たずとも、労使合意に基づき加入することも可能)。
また、個人事業所についても2029年10月から適用範囲が拡大されます。5人以上であれば業種を問わず対象となる方針です(ただし、既存事業所は当分の間適用対象外です)。
変わり続ける短時間労働者を取り巻く法制度
短時間労働者であっても法制度の変更により、雇用保険や社会保険の加入義務の範囲が広がっています。人事担当者は制度変更に敏感に、そして適切に対応することから免れません。それは、短時間労働者に限らず、念頭におくべきことでしょう。
新たに保険加入の対象範囲が拡大し、企業にとっては保険料の負担が増えたり、手続きが複雑化したりといった問題が生じます。しかしながら、働く側が安心できる環境を構築するうえで、これは然るべき在り方ともいえます。だからこそ、採用や定着に向けたアクションも、こうした変化を視野に入れる必要があるでしょう。法令の遵守だけでなく、求職者、労働者の満足度向上まで意識することが大切です。そのうえで、ぜひ今後の人事戦略にも生かしてください。
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【監修者の紹介】

アラタケ社会保険労務士事務所
代表 荒武 慎一
同志社大学卒業後、富士ゼロックス株式会社を経て、平成27年アラタケ社会保険労務士事務所を開設。平成30年すばるコンサルティング株式会社取締役エグゼクティブコンサルタントに就任。助成金セミナーを各地で開催し、難解な助成金を分かりやすく解説することで高い評価を得ている。社会保険労務士、中小企業診断士。