個人SNS利用により公私境界が不明瞭化。情報共有の線引きに葛藤

――店舗や事業の特徴、また特に力を入れている取り組みについて教えてください。
株式会社佐野アカデミー 代表取締役 松本充司様(以下・松本様):弊社はドトールコーヒーグループのFCパートナーとして、都内に2店舗、埼玉県に2店舗、千葉県に1店舗の計5店舗を運営しています。従業員は正社員10名、アルバイト90名の合計100名ほどで、店舗によっては1店舗あたり20名以上のアルバイトが在籍する規模感です。
以前は、駅前や繁華街を中心により多くの店舗を運営していました。立地の良さもあって自然とお客様にお越しいただける環境だったため、接客がどうしても受け身になりがちだったと感じています。だからこそ、経営者として「今のままではいけない」と思い、現在はお客様のニーズを的確に捉え、期待に応えられるよう、常に新しい取り組みにチャレンジすることを大切にしています。
レイクタウンの店舗は都内店舗とは環境が異なるため、お客様の来店理由も多様です。水辺の立地や観光地の要素を活かし、ソフトクリームなどの限定メニューを開発するなど、アウトレットならではの時間を楽しんでいただける店づくりを意識しています。「こんなお店もあるんだぞ」というメッセージを、お客様はもちろん、同じ看板を背負うFC各社やドトール本部にも発信していきたいですね。
――バイトルトークを導入する前、店長とアルバイト間でのコミュニケーションはどのように行われていましたか?
松本様:導入前は、個人アカウントのSNSを使用していました。業務の引き継ぎ事項を事前に共有できるため、次回出勤までのタイムラグを縮められる点では便利なツールです。一方で、プライベートにまで仕事の情報が入ってきてほしくないという気持ちもある。休日の従業員にどこまで伝えるべきかなど、情報共有の線引きは難しいと感じていました。
個人用SNSのリスクを認識し、バイトルトークの導入を決断

――バイトルトークを知ったきっかけと、導入の決め手となったポイントを教えてください。
松本様:dipのご担当者さんからご紹介いただいたのがきっかけです。若い世代にとって、仕事で個人アカウントのSNSを使う状況そのものが負担になり得ること、また年齢に関係なく、職場で仕事以上の交友関係を望まない方も一定数いるというお話を伺いました。
このまま個人アカウントのSNSを使い続けることは、弊社にとってリスクになっていくのではないか。そう考え、仕事とプライベートを切り分けられるバイトルトークの導入を決めました。
――バイトルトークを導入する際に、難しかったことや不安に感じたことはありましたか?
株式会社佐野アカデミー レイクタウンアウトレット店 飯塚様(以下・飯塚様):若い世代では個人SNSが当たり前なので、バイトルトークを習慣として見てくれるのかは導入前の懸念点でした。実際、導入して間もない頃は、機能面が追いついていない部分もあり、「個人SNSのほうが使いやすい」という声が出たこともありました。
ただ、アップデートを重ねる中で使い勝手が向上し、現在は社員・アルバイトを含め、全員が問題なく使いこなしている印象です。
バイトルトーク導入で“仕事モード”へ。言葉遣いの変化で芽生える社会人としての自覚

――導入後に気づいた意外なメリットや、想定以上の活用方法があれば教えてください。
飯塚様:導入後、私自身もプライベートと仕事のオン・オフを意識して切り替えるようになりました。例えば個人SNSだと「!」などの記号を多用しがちですが、バイトルトークでは、文末の句点や言い回しなどを意識して、ビジネスメールのように社会人として恥ずかしくない文章を心がけています。学生アルバイトの方にも、将来社会人になったときに自然とこうした文章が書けるようになってほしいという思いもあります。
松本様:飯塚の話にも通じますが、弊社は学生アルバイトの方々に多く支えられています。だからこそ、卒業して社会に出たときにスムーズにスタートダッシュが切れるよう、働く中で基盤をつくってあげたいというのが理想です。モラルやマナー、挨拶といった基本を次のステップでも実践できるようにするためにも、社員とアルバイトの間で「きちんとしたやりとり」を積み重ねることは重要だと考えています。
――バイトルトークの中で、特に活用している機能や便利だと感じている機能は何ですか?
飯塚様:シフト調整機能です。導入前は、事務所に貼り出してある紙をベースに管理していたため、事務所に来ないと記入できず、提出期限を過ぎてしまうこともありました。個人SNSで提出を受け付けていた時期もありましたが、店長が1人で調整を担っているため「言った・言っていない」のすれ違いが起きたり、期日が曖昧で提出スピードに差が出たりしていました。
今はバイトルトークでその不便がかなり解消されています。特に、提出期限が明確で、期限を過ぎると入力できない仕組みがある点は、とても助かっています。
松本様:チェック機能も役立っています。個人SNSでは「誰が情報を確認していないのか」が分かりづらいのですが、バイトルトークでは「確認しました」ボタンを活用することで、確認漏れに早く気づけます。
そして私がとくにメリットだと感じているのは、掲示板機能で事前に情報発信できる点です。バイトルトークに必要な情報を集約することで、アルバイトの方々が「まずバイトルトークを開く」という意識を持ちやすくなると考えています。
――店舗や従業員、アルバイトからの具体的な声や感想があれば教えてください。
飯塚様:大きく2つあります。1つ目は、シフト提出機能です。紙に記入する方式だと、1週間出勤がない方が休日にわざわざ店舗へ来て提出してくださることもありました。「いつでも提出できるのがありがたい」という声が挙がっています。
2つ目は、掲示板機能です。導入前は、出勤時にメモを取りながら確認していた内容を、写真や文章で事前に共有できるようになりました。その結果、出勤後の業務がスムーズになり、効率化につながっています。
バイトルトークを1つの武器に、理想の職場環境づくりへ

――バイトルトークに期待する新機能や、今後改善してほしい点があれば教えてください。
松本様:緊急連絡が、より目立つ形で表示されるようになると嬉しいです。現状、他店舗で当日欠勤が出た場合など、即時のレスポンスが必要な連絡については、どうしても個人SNSが使われています。
私自身も、「これは急ぎで確認したい。でも社員は今日は休みだ」という場面では個人SNSに頼ってしまうことがあります。バイトルトークで仕事とプライベートを切り分けられているからこそ、緊急連絡は通知が赤くなるなど、強制的に開きたくなるような表示になると、さらに個人SNSから手を離せるのではないかと感じています。
すでに新しいスタッフにとっては、個人SNSではなくバイトルトークが“当たり前”のツールになりつつあります。我々もバイトルトークを一つの武器だと捉えていますので、今後も継続して活用していきたいです。
――今後、店舗運営や従業員とのコミュニケーションに関して目指していることや、バイトルトークをどのように活用していきたいかを教えてください。
松本様:私たちは、一緒に働く仲間を「1つのコマ」として扱いたくありません。例えばシフトを組むときも、「誰が一緒に働き、誰が何を教えるのか」といった点まで含めて、その人の特徴や状況を踏まえて調整しています。人として向き合うことが、スタッフの定着や成長に直結すると考えているからです。
今後さらに便利な機能が追加されるとしても、人の手や心を残すべき部分は残しつつ、ちょうど良いバランスでバイトルトークと付き合っていきたいですね。
取材協力:株式会社佐野アカデミー
ドトールコーヒーグループ のFCパートナーとして5店舗を展開。立地環境や利用客の嗜好、動機を踏まえて「その場所に合った、その場所でしかできないことの実施」をコンセプトに店舗運営を行っています。







