10店舗での検証からスムーズな全国展開へ
「1発信・1お願い」の意識で現場の負担と混乱を抑える

――バイトルトークを検討された背景を教えてください。
株式会社コパン 経営企画室長 森様(以下、森様):もともとは、「AIを活用してシフト作成を自動化・効率化できないか」という構想がありました。ただ、現場の店長や支配人に話を聞いていくと、シフトを作る前に、希望を集めたり調整したりする段階でかなりの手間がかかっていたんです。
当社では、月間シフトやデイリーシフトのほか、プログラムスケジュール、プールのローテーション表など、作成するものがいくつもあります。将来AIを活用するにしても、まずは元になる希望シフトをデジタルで集められるようにする必要があると考えました。
そこで、シフト回収を効率化できるツールを探していたところ、バイトルトークを知りました。シフト回収機能だけで費用対効果を測ることは難しく、なるべくコストを抑えたいと考えていたので、無料で使える点も魅力でしたね。
――検証から各店舗への展開は、どのように進めたのでしょうか。
森様:最初は、本社近隣の10店舗に絞って検証しました。いきなり全店に導入すると現場が混乱してしまうので、まずは直接会って話ができる範囲で実際に使ってもらい、現場での使い心地や運用上の課題を丁寧にヒアリングしました。
そこでおおむね好感触を得られ、十分な機能検証ができたため、現場に余計な負荷をかけないよう長時間の試行は挟まず、一気に各店舗への展開に踏み切りました。
もう一つ意識したのが、「1発信・1お願い」です。1回あたりの発信で「これをやってください」とお願いすることを1つに絞る。1〜2週間後に現場の意見や使用状況を確認して、それを踏まえて次のお願いを伝えます。全店への展開は速やかに進めつつ、現場には一度に多くを求めないようにしていました。
アルバイトとの連絡・シフト管理ならバイトルトーク
旧SNSの業務用グループを完全に廃止
仕事とプライベートを分けられる安心感に

――本部の方針を受けて、現場ではどのように切り替えたのでしょうか。
株式会社コパン 高の原店・サンタウン店 支配人 佐野様(以下、佐野支配人):本部が案内チラシやマニュアルを丁寧に用意してくれていたので、現場から反発や疑問の声はほとんどありませんでした。操作も個人用SNSに近い感覚で、直感的に使えましたね。
会社として「これからは仕事専用のツールに切り替えます」と方針を示してもらえたことも大きかったと思います。使い方と切り替え先が分かっていたので、スタッフもスムーズに受け入れてくれました。
株式会社コパン 高の原店 店長 佐野様(以下、佐野店長):私の店舗では、導入時に「今後の連絡や情報共有はバイトルトークで行います」と伝えました。以前の個人用SNSと中途半端に両方を残すと連絡が分散するので、移行できたことを確認した段階で、旧SNSの業務用グループは完全に廃止しました。
操作感は個人用SNSに近く、とくに若いアルバイトスタッフは、一度説明しただけですんなり使いこなしていましたね。連絡手段を一本化したことも、スムーズに移行できた理由だと思います。
――仕事専用のツールになったことで、どのような変化を感じていますか。
佐野支配人:以前は個人用SNSで連絡していたので、仕事とプライベートの境界が曖昧になりやすかったんです。責任者としては、自分の個人アカウントや連絡先が、知らないところで共有されてしまうことにも不安がありました。
今は、スタッフの間でも「バイトルトークは仕事で使うもの」という共通認識があります。実際のやり取りも業務上の連絡に限られていて、公私を分けられていると実感しています。
佐野店長:スタッフも、仕事のために個人の連絡先を教える必要がなくなりました。仕事専用のアプリとして切り分けられることが、安心感につながっていると感じます。
紙の回収からスマートフォンでの提出へ
店長の手間と月末の不安が減った

――導入前のシフト回収は、どのように行っていましたか。
佐野店長:以前は完全に紙で集めていました。前月初めに用紙を配って、締め切りまでに提出してもらうようお願いしていたのですが、スタッフが出勤した日に所定の場所へ提出する形だったので、全員分が出揃うのはいつも月末ぎりぎりでした。
そこから用紙を1枚ずつ確認し、まだ提出していない人を調べて、個別に催促する。遅れて出てきた希望は、すでに作っているシフト表に反映して調整します。シフトを組む作業そのものよりも、この「集める」工程が一番大変でしたね。
導入前に使用していた希望シフト用紙。スタッフが勤務できる日や時間を手書きし、提出していた。
こちらは希望シフトの確認用紙。店長は紙を1枚ずつ確認し、希望をシフト表へ反映していた。
――バイトルトークを導入して、何が一番変わりましたか。
佐野店長:希望シフトを集める作業が、本当に「ポチッと押す」ぐらいの感覚になりました。スタッフもスマートフォンから入力して提出できるので、以前より期日どおりに集まりやすくなりました。
管理する側は、「提出済み」「未提出」が一覧で分かります。紙を1枚ずつ照合する必要がなくなり、提出が遅れがちなスタッフにも締め切り前に声をかけられるようになりました。
何時間削減できたかを数字で示すのは難しいのですが、月末までそわそわしながら待つ不安が減ったことは大きいです。とくに年末年始や連休の前後は調整も難しく、「全員分が集まるかな」とずっと気になっていました。今は期日どおりに集まる見通しが立ち、精神的な余裕が生まれましたね。
欠員募集・情報共有・店舗間応援
シフト回収以外のさまざまな場面で活用

――シフト回収以外では、どのような場面で役立っていますか。
佐野店長:急な欠員が出たときの「出勤アンケート」も助かっています。以前の個人用SNSグループでは、「代わりに入れる人はいませんか」と送っても、「誰かが返事をするだろう」という空気になって、反応がないこともありました。
バイトルトークでは一人ずつ回答できるので、返事をするハードルが低いのかもしれません。これまであまり反応のなかった大学生スタッフや、決まった曜日にしか入れないと思っていたスタッフからも、「この日なら入れます」と手が挙がることが増えました。いつもお願いしていた人以外にも、協力してもらえるようになったと感じます。
掲示板では、店舗全体への注意事項や会社のキャンペーン情報などを共有しています。誰が確認したかが分かるので、確実に伝えておきたい内容を載せる場として重宝していますね。過去の投稿をキーワードで検索できるのも便利で、スタッフが以前のお知らせを自分で探して確認することもあります。
佐野支配人:私は高の原店とサンタウン店を担当していて、近隣の学園前店ともやり取りします。人手が足りないときは店舗間で応援をお願いすることもあるので、この3店舗を自分のアカウントに登録し、まとめて管理できるのは助かっています。
現場の声を次の改善へ
シフト作成そのものの効率化を目指す
――今後、さらに使いやすくしてほしい点や、実現したいことはありますか。
佐野店長:通知を見落としにくくなったり、掲示板の中で「フロント」「プール監視」のように職種ごとに情報を分けられたりすると、さらに使いやすいと思います。全員宛ての情報が多いと、自分に関係するものを見つけにくくなるので、必要な情報を探しやすくなるとうれしいですね。
佐野支配人:急な欠員や店舗でトラブルがあったときは、すぐに連絡を取りたい場面もあります。アプリ上でそのまま通話できるようになれば、店舗へ電話をかけ直す手間もなくなり、緊急時にさらに使いやすくなると思います。
森様:現場で使う人にとって、機能名の分かりやすさも大事ですね。例えば「出勤アンケート」も、「シフト追加募集」のように、何をする機能なのか一目で分かる名称だと使いやすいと思います。
そして、最初に考えていた「シフト作成の自動化」も、引き続き目指していきたいです。まずは紙で集めていた希望シフトをデジタルで回収できるようになりました。次は、そのデータをスムーズに加工・連携し、シフトを作る作業そのものの自動化や効率化につなげていきたいと考えています。
実際に使っているからこそ、現場から出てくる声もあります。そうした声をdipさんにも伝えながら、一緒に次の仕組みを考え、検証していけたらうれしいですね。
取材協力 株式会社コパン
中部・関西・北陸エリアに、約80店舗のスポーツクラブやスイミングスクールを展開。「健康創造」をキーワードに、子ども向けのスイミングスクールから大人向けのフィットネスまで幅広く提供し、地域の健康づくりを支えています。デジタルツールも活用し、現場の業務効率化や働きやすい環境づくりに取り組んでいきます。







