接待とは？
接待とは、端的にいえば食事や娯楽を通じた顧客へのおもてなしです。ビジネスの現場では、業務上でのやり取りだけでなく、この接待がしばしば行われます。もちろん、額面そのままに単なる歓待ではありません。いわば“ビジネスの一環”です。本章ではまず、前提としておさえておきたい接待の目的や具体例、そしてメリット・デメリットについてお伝えします。
接待の目的
接待の目的はやはり、顧客や取引先との信頼関係を強固にしていくことだと考えます。業務上のやり取りとはまた違った一面が垣間見えることで、不思議と心は開いていくものです。これは双方の立場でいえます。また、接待の場だからこそ、気を許すように顧客は悩みや要望を打ち明けるかもしれません。そうした情報収集も少なからず狙いの一つにあるでしょう。
接待の例
接待でパッと思い浮かぶのは、レストランや料亭での会食でしょうか。落ち着いた雰囲気の個室もあわせてイメージできるかもしれません。会食以外では、ゴルフや観劇、スポーツ観戦なども挙げられます。たとえば、先方が社会人野球の大会に参加されている場合は、一緒に応援に行くこともあるでしょう。
接待のメリット
接待のメリットは、相手との距離が縮まることです。同じ時間をビジネスの枠を超えて共有できれば、互いをより知るきっかけにもなり得ます。場の空気から本音を引き出せる期待も持てるでしょう。実際、普段の業務ではなかなか得難い情報が手に入ることも少なくありません。いずれにせよ、接待を通じて好印象が得られれば、仕事上でも良い影響を生むはずです。
接待のデメリット
一方で、デメリットも無視できません。まず挙げられるのは、準備や当日の進行にかかる手間やコストです。担当者の負担が思いのほか嵩むことは往々にして見られます。また、相手との距離感を誤ると、かえって気を使わせることにもなるでしょう。後述する基本的なマナーが欠如していたり、無礼を働かせたりすると、最悪、怒らせてしまいかねません。そうなると当然、ビジネスのやり取りにおいても悪影響を及ぼす可能性があります。
接待の基本マナー
接待は相手への敬意を形にして示す場です。無論、マナーを疎かにしてはいけません。親密な関係を築くつもりが逆効果になるケースもしばしば見受けられます。距離を縮めるにしても当然、礼儀は大事です。常識的な言動、振る舞いが問われます。本章では具体的に4つのマナーをピックアップ。接待に限らず念頭におくようにしましょう。
時間厳守の意識
接待にかかわらず約束の時刻に遅れることは、それだけで相手の信頼を損ないます。先方が忙しいなか時間を調整してくれたわけです。そのことを差し引いても失礼な行為に当たります。
時間厳守は必須。だからこそ余裕を持った行動を心がけましょう。そして万が一遅れる場合は事前に連絡を入れることも、まさに疎かにしてはいけない基本的なマナーです。
身だしなみの清潔感
身だしなみもやはり大事です。接待の場であれ、スーツやジャケットがよれていたり、靴が汚れていたりすると、不快な印象を持たれる可能性があります。また、派手な格好も避けるべきでしょう。相手に威圧感を与えかねません。とにもかくにも、接待は常識を測られる場でもあります。その場にふさわしい清潔感のある服装や髪型を心がけましょう。
丁寧な言葉遣い
ビジネスマナー全般にいえることですが、言葉遣いも当然、大事です。親睦を深めようとつい馴れ馴れしい口調で接してしまえば、印象が悪くなるのも無理はないでしょう。かといって、堅苦しすぎる敬語も場をぎこちなくさせることがあります（緊張しすぎて二重敬語になるケースもしばしば見受けられます）。
基本的には、丁寧で失礼のない言い回しを心がけつつ、テンポやリズムも含めて相手の雰囲気に合わせて話せるとよいでしょう。
相手に対する配慮
繰り返しますが、接待は相手をもてなす行為です。たとえば、料理の好みやアレルギーの有無、アルコールの可否などを事前に把握しておくことも、いうなればこれに当たります。つまりは、相手に対する配慮が欠かせないわけです。「席次で失礼のないようにする」「相手の話を遮らず聞く」などもそう。接待の主役はあくまで相手であることを念頭に置き、過不足のない対応を心がけましょう。場を無理に盛り上げようとする必要はありません（むしろ、それだと独善的になりがちです）。相手のペースに合わせることで自然と雰囲気は和らぐはずです。
接待のコツ
接待をうまく進めようと、つい深く考えすぎる向きもあるかもしれませんが、結局大事なのは当たり前のことをきちんと実行できるかどうかだと考えます。まさに前述した基本マナーを抑えているか否かでも、印象は変わってくるはずです。場の雰囲気づくりや立ち振る舞いに自信がないと感じる人でも、先方に対して真摯に向き合えば、気持ちは伝わるもの。そうした姿勢を踏まえて、以下、接待のコツについて取り上げます。無理に構えずとも、誠実に対応すればきっとうまくいくでしょう。
事前準備はしっかりと
いざ接待の実施が決まれば、日時や場所の選定、参加者の確認を速やかに行いましょう。先方の嗜好や趣味、過去のやり取りなども考慮できるとなお望ましいと考えます。さらには当日の流れもある程度イメージしておくとよいでしょう。交通手段の把握、お店の下見など小さな準備の積み重ねが、安心感はもとより素敵な接待になることにもつながっていくはずです。
仕事の話はほどほどに
接待の場では、あまり仕事の話に偏りすぎないことも大事です。商談の延長のような空気になると、相手にとって息抜きの時間にはならず、かえって疲れさせてしまうことがあります。もちろん、自然な流れで話題に上るのは問題ありません。ただし、込み入った話や結論を迫るようなやりとりは避けた方が無難です。あくまで相手にリラックスしてもらうことが目的であることを忘れず、会話もバランスよく進めるよう心がけましょう。
翌日のお礼も忘れずに
接待を終えた後のフォローも当然、大事です。その場でお礼を述べるのはいわずもがなですが、翌日にも一報を入れるだけで、相手からの印象は変わります。その際、形式的なものに終始しないことも、ちょっとしたコツです。感謝の言葉だけでなく、接待の場で相手が話していた内容をフックに一言添えてみてください。そういった気の利いたメッセージが、より良好な関係を築いていくと考えます。
接待における注意点
接待はビジネス上の関係構築に役立つ一方で、扱いを誤るとトラブルにつながる恐れもあります。とりわけ気を付けたいのが、法的に禁止されている接待です。また、自社のルールに対しても違反しないよう慎重な判断が問われます。以下、これらの注意点について解説します。
接待相手が公務員
刑法第百九十八条によると利害関係があるなかで公務員に接待した場合、企業は「贈賄罪」に問われる可能性があります。また、国家公務員倫理規程の第三条にも賄賂の供与に該当したなら、それは禁止行為として明記されています。なお、独立行政法人（例：国立大学法人）や、郵便局（日本郵便）など、公共性・公益性の高い職業に従事している民間企業の職員も、みなし公務員として扱われたときは対象です。いずれにしても公務員との接待の話が出てきたなら、くれぐれも注意しましょう（事前によく確認し、慎重な判断が問われますが、避けた方が無難とも考えます）。
就業規則や服務規程、倫理規範への抵触
みなし公務員を除いた民間人同士の接待も、安易に行うのはリスキーです。各企業が設けている就業規則や服務規程、倫理規範に違反することが発覚した時点で、社内外問わず信頼を大きく損ねるでしょう。これを避けるべく、接待自体を禁止される企業も珍しくないように見受けられます。
接待力が高い人材を採用するには？
接待の場は単なる食事や歓談の時間ではなく、相手との関係性を築き、ビジネスチャンスを広げるための大切な機会です。そこで発揮される“接待力”は、礼節や気配り、場の空気を読む力など、業務には見えづらいけれども仕事上、欠かせない素養だといえます。営業職のみならず対外業務全般に通ずるものです。そして、こうしたスキルが備わった人材をどう採用するかは、多くの企業にとっての命題でしょう。 本章では、接待力が高い人材の特徴、見極め方を整理したうえで、採用が期待できるサービスについても取り上げます。
接待力が高い人材とは？
接待力が高い人材を定義するならば、相手の立場や状況も踏まえて空気を汲み取り、適切に振る舞えるバランス感覚を持っている人といったところでしょうか。少なくともただ愛想が良いだけの人ではないと考えます。相手の言葉を遮らず傾聴し、承認し、ケースバイケースで柔軟に対応することはまさに“接待力”の賜物といえるでしょう。
接待力が高い人材を見極めるには？
接待力は、履歴書や職務経歴書だけでは判断が難しいため、見極めるにはやはり、面接でのやり取りが肝でしょう。たとえば、表面的な受け答えに終始されず、言葉の選び方に柔軟性がにじみ出ているかどうか、ウィットに富んでいるかなどは一つの指針になり得ます。また、対外交渉の際、何を意識されているかも深掘りできるとよいかもしれません。そのほか基本的なビジネスマナーも当然、チェック項目として見るようにしましょう。
接待力が高い人材採用におすすめのサービス
接待力が高い人材を採用するには、上述したように彼・彼女らの特徴を理解し、見極め方を心得ておくことが大事です。そして、それらを要件に落とし込み、満たす人材が集まりやすいサービスを選定すると、母集団形成はスムーズかつ効率よく行えるでしょう。接待力に関していえば、やはり渉外経験が豊富な方からの応募が望ましいと考えます。そこでおすすめしたいのが『バイトルPRO』です。当サービスは、有資格者や業界経験者など、プロフェッショナル人材の採用に特化しています。コミュニケーションスキルも然り。要望に適う人材との接点が大いに期待できます。 採用コンサルタントが専任で担当し、課題のヒアリングから採用方法の提案、原稿作成、掲載後の効果改善に至るまでトータルでサポートしてくれる点も魅力的です。接待力に限らず、成果にこだわる求人を掲載するなら、ぜひ『バイトルPRO』のご利用を検討ください。
接待に対する理解を採用にも生かそう！
顧客と良好な関係を築こうと接待を検討されている企業も多いでしょう。が、同時にそこには不安も伴っているかもしれません。しかしながら、決して肩肘張るようなものではないことも確かです。ただし、基本的なマナーはきちんとおさえましょう。裏を返せば常識的な振る舞いが徹底できていれば、そう印象が悪くなることもないでしょう。もちろん、臨機応変に粋な計らいができると望ましいですが、そういった高度なスキルを持ち合わせている方はおそらく限られます。だからこそ、まず心がけたいのは相手への思いやりです。それによって自ずと時間厳守、身だしなみの清潔感、丁寧な言葉遣い……等々にもつながると考えます。話題の切り出し方、場の空気を乱さないふるまいも、経験のなかで磨かれていくものです。その積み重ねの先に、信頼関係は少しずつ形作られていきます。 こうした認識のうえ、人材採用においても接待力は重宝できるスキルです。経歴では見えずとも当たり前のようにこれらが備わっている方も多くいらっしゃいます。ぜひこの視点を大切に、今後の採用活動にも生かしてみてください。
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