企業の成長や市場変化に合わせて、組織体制をどう設計するかは大きな経営課題といえます。そうしたなか、注目されるのが「カンパニー制」です。おそらく、企業形態といえば事業部制を思い浮かべる方が大半かと思われます。しかしながら、このカンパニー制で運営する企業も実はそう珍しくありません。また、今まさに検討している方もいらっしゃるでしょう。本記事ではカンパニー制にフォーカス。メリット・デメリットや導入時のコツなどわかりやすく解説します。

カンパニー制とは?事業部制との違いやメリット・デメリットを解説

  • 2025.08.28
  • 2025.08.28

企業の成長や市場変化に合わせて、組織体制をどう設計するかは大きな経営課題といえます。そうしたなか、注目されるのが「カンパニー制」です。おそらく、企業形態といえば事業部制を思い浮かべる方が大半かと思われます。しかしながら、このカンパニー制で運営する企業も実はそう珍しくありません。また、今まさに検討している方もいらっしゃるでしょう。本記事ではカンパニー制にフォーカス。メリット・デメリットや導入時のコツなどわかりやすく解説します。

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カンパニー制とは

カンパニー制とは、一つの企業のなかに複数の「会社に準じた組織」を設け、それぞれに経営責任と権限を持たせる仕組みを指します。各カンパニーは、独自の損益計算を行い、人事や投資判断なども一定の範囲で自己完結が可能な体制です。外部から見れば法人は一つですが、社内では複数の会社が並立しているように運営されます。 昨今、カンパニー制を導入する企業も少なくありません。注目を集めている背景には、経営環境の変化スピードが挙げられるでしょう。技術の進化、市場ニーズの移ろいが激しい状況では、中央集権的な経営体制に依存することで意思決定が遅れるといったリスクが懸念されます。とりわけ多角的に事業を展開する大企業では、各事業の収益やリスクを明確に把握し、迅速に方向転換できる仕組みが不可欠です。ゆえに事業単位に経営を委ねるカンパニー制が、スピードと柔軟性を確保するための有効な組織デザインとして重宝されるのも、なるほど確かに理に適っているといえます。

事業部制など他形態とカンパニー制の違い

企業の組織形態はさまざまです。カンパニー制だけでなく一般的に馴染み深い方も多いであろう事業部制や、ホールディングス制、分社化もそれぞれ選択肢の一つに挙げられます。これらのうち自社にはどれが適しているのか。適切に判断するためにも各形態の特徴の理解は必須です。以下、カンパニー制との違いにフォーカスし、お伝えします。

カンパニー制と事業部制の違い

事業部制は、企業の経営本部が人事や財務といった重要な機能を一元的に握り、事業ごとの収益や損益管理を各事業部に任せる仕組みです。事業部長は事業運営の責任者ではありますが、投資判断や人材配置といった経営レベルの裁量は限定的で、最終的な意思決定はコーポレート部門に残されています。

これに対してカンパニー制は、社内に「会社に準じた組織」を設け、その単位で経営責任を持たせる点に特色があります。各カンパニーは独自の損益計算だけでなく、人事や投資の判断まで担い、カンパニープレジデントが自ら意思決定を行います。いうなれば、事業部長が「事業の執行責任者」であるのに対し、カンパニープレジデントは「社内会社の経営者」としての位置づけに近い存在です。

経営本部の統制のもとで事業を動かす事業部制。自律的な経営単位で動くカンパニー制。こう整理したとき、両者が異なるのは一目瞭然でしょう。

カンパニー制とホールディングス制の違い

ホールディングス制とは、持株会社を中心に事業ごとに独立した会社を設けて運営する制度です。なおかつ各会社はそれぞれ法人格を持ちます。それゆえ事業売却やM&Aを通じて外部資本を取り入れるなど、経営上、柔軟に動きやすい点も特徴です。

一方、カンパニー制は法人格を分けるのではなく、既述のとおり一つの企業の内部に「会社に準じた組織」を設ける仕組みです。各カンパニーでは損益計算や人事、投資判断等々行いますが、あくまで法的には一つ会社の一部にとどまります。契約や登記上の責任主体はあくまで大元の会社です。

カンパニー制と分社化の違い

分社化は、既存の事業を切り出して独立した法人(多くは子会社)に移し替える再編です。契約や許認可、資産・負債、人員が新会社に承継され、法的責任の主体も親会社と分かれます。外部資本の受け入れ・売却・上場といった資本政策やリスクの切り分けがしやすい一方で、設立・登記・監査・取締役会運営など、それぞれにコストはかかってきます。 対して、カンパニー制は、損益管理や人事・投資の裁量を事業単位に委譲するものの、法人を分けずに社内に会社に準じた組織を置く運営です。一見混同しやすい両者ですが、やはりこの点が大きく異なります。

カンパニー制のメリット

カンパニー制を理解するのに、当然ながら定義だけでなくメリットやデメリットをくわしく把握することも欠かせません。本章ではまずメリットからお伝えします。ざっと挙げると次のとおりです。

以下、それぞれ補足します。

意思決定のスピードが上がる

カンパニー制ではカンパニー単位に人事・投資などの裁量権が委ねられるため、事業部制と比べたとき、スピーディに事を運べるでしょう。たとえば、新規商品の投入や販売戦略の修正といった意思決定も、現場に近いカンパニーのトップが迅速に判断できます。承認フローが短く済む分、機を逃さずに手を打てる点はやはり大きなメリットです。

事業ごとの収益やコストが明確になる

カンパニー制では各カンパニーが独自に損益計算を行います。そのため、利益やコストの出どころが明確です。収益性やコスト構造が可視化されれば、経営リソースの配分も合理的に判断できるでしょう。

経営責任と権限を事業単位で持てる

カンパニー制では、収益管理にとどまらず、人材配置や投資判断といった経営の核心部分まで事業単位に委ねられます。各カンパニーはいわば現場です。そこでの判断が損益に直結する一方で、さまざまなことに挑戦しやすいともいえるでしょう。

経営人材を育成しやすい

カンパニー制では、各カンパニーのトップや幹部に損益責任や人事・投資判断が委ねられます。予算編成や人材配置、新規事業への投資などを自ら決め、その結果に責任を負う経験は、まさに経営者の実践そのものです。数字を読み、リスクを取り、成果で評価される過程を通じて、将来の経営層に必要な視点や判断力が磨かれます。そうやって机上の研修では得られない“現場の経営体験”を積めることは、まさに次世代の経営人材が育つ環境といえるでしょう。

環境変化に応じて柔軟に事業戦略を立てやすい

カンパニー制では、各カンパニーが独立採算と経営権限を持っているため、市場や技術の変化に合わせて事業戦略そのものを自発的に組み替えることができます。たとえば、成長が鈍化した分野から人材や投資を素早く引き上げ、新たな領域へ集中させるといった判断も、カンパニー単位で実行可能です。このように環境変化に合わせて事業の方向性を柔軟に修正できる点は、中央集権的な体制にはない大きな強みといえます。

カンパニー制のデメリット

カンパニー制を導入するにあたっては無視できないデメリットも知っておきましょう。大企業ほど顕著に現れるため、メリットと表裏一体であることを理解しておく必要があります。ざっと挙げると次のとおりです。

以下、それぞれ補足します。

全社的な一体感が薄れやすい

各カンパニーが独立して経営判断を行うと、どうしても全体のまとまりまで目を向けづらくなることもあるでしょう。組織文化の希薄化も懸念される問題です。

事業間の重複や非効率が生じやすい

人事や経理、システム管理を各カンパニーが別々に行うと、当然、リソースやコストは嵩むわけです。これを非効率と捉える向きは確かにあります。また、仕組みやルールが統一されず情報が分断されるケースもしばしば見受けられます。

横断的なシナジーが発揮しにくい

カンパニー制によって本来なら複数事業の強みを掛け合わせて生まれる新しい価値を期待したいところですが、現実的には技術やノウハウ、顧客情報がうまく共有されていないことも少なくありません。これらが各カンパニー内に閉じたまま活用されないのはやはりもったいないことだと考えます。

経営資源の分散でスケールメリットを失う恐れがある

カンパニー制では、基本、人材や資金、研究開発費はそれぞれのカンパニーに分けられます。つまり、一つのカンパニーが使える資源は必然的に限られるわけです。これは、事業部制などでは実行できた大規模な投資を難しくすることを意味します。人材も同様です。採用コストが分散されることで各分野にて必要なメンバーを揃えづらくなるでしょう。その結果、スケールメリットが見込めなくなる恐れもあります。

カンパニー間の対立や調整コストが増える

カンパニー制では、各カンパニーが独自に収益責任を負うため、資源配分や市場領域をめぐって摩擦が生じやすくなります。たとえば優秀な人材の獲得や新規投資先の選定をめぐって、社内で競合関係が生まれることもあるでしょう。衝突が表面化すれば、経営本部が仲裁に入る必要があり、その分調整コストも膨らみます。本来、迅速な意思決定を目的にした体制が、逆にスピードを削ぐ可能性が出てくるわけです。

カンパニー制を運用するコツ・注意点

一長一短あるなかでカンパニー制を円滑に運用させるには、いくつかコツや注意点を念頭におく必要があります。具体的に列挙するとざっと次のとおりです。

以下、それぞれ補足します。

全社方針と各カンパニーの戦略を擦り合わせる

カンパニー制の運用には全社の経営方針と各カンパニーの戦略を丁寧に擦り合わせることが欠かせません。この下準備を怠ると、全社では成長分野への投資を掲げているのに、各カンパニーは短期的な利益を優先するなど方向性がずれてしまいます。定期的な会議や目標設定を通じて両者を調整し、共通のビジョンの下で各カンパニーが自律的に動ける体制を築くことが重要です。

権限と責任の線引きを曖昧にしない

カンパニー制では、経営判断を各カンパニーに委ねる一方で、最終的な統制は大元の会社が担うといった形をとるのが一般的です。が、このときの線引きが稀に曖昧なケースが見受けられます。そうなると、責任の押し付け合いや意思決定の遅れが生じかねません。たとえば、投資判断を現場に任せるのか否かが不明確であれば、各々動きづらくなるでしょう。ゆえに管轄領域は明文化しておくことが必須です。

基幹システムやルールは全社で統一する

カンパニー制を導入する際には、会計処理や人事制度などの基幹システムやルールは全社で統一しておきましょう。これを徹底することで、各カンパニーの業績や人員状況を同じ基準で比較でき、経営本部も迅速に判断できます。また、従業員の異動や情報連携もスムーズになり、全社としての一体感を保ちやすくなるはずです。カンパニー制の自律性を維持しつつ、全社統治の基盤を揺るがせないための重要な取り組みといえます。

各カンパニーで情報やノウハウを共有する

各カンパニーが得た知見は、タイムリーに社内全体で共有することが大事です。それは、同じ失敗を繰り返さずに済むことや、成功事例の横展開につながります。営業手法や新規事業の立ち上げプロセスなどは、他のカンパニーにとっても有益な学びになるはずです。いずれにしても、カンパニー間の連携を強化するのに、情報の流通を仕組み化することは非常に大切だと考えます。

カンパニー制か?事業部制か?判断は慎重に!

会社を表象するオフィスのエントランス

カンパニー制には、スピーディな意思決定や経営人材の育成といったメリットがある一方で、全社の一体感が損なわれることや、リソースが分散して非効率に陥るといった問題点がどうしても懸念されます。事業部制も同様です。一元的な統制を取りやすい半面、意思決定の遅さなど一長一短ついて回ります。ゆえに、どちらが優れていると一概に決められるものではありません。自社の規模や事業、経営が直面している課題によって柔軟に見極めることが必要です。加えて、将来の成長戦略も視野に入れたいところでしょう。そうやって幅広い観点から総合的に判断していくものですが、その前提としてはやはり、それぞれを深く理解することが求められます。あらためて、拙稿をお役立ていただけますと幸いです。


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