日払いと即日払いの違いとは？支給タイミングや主な仕事などで比較

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日払いとは？

まずは日払いについてです。文字どおり、スタッフが働いたその一日に対して給与を支払います。一時的、臨時的にお金が欲しい、収入を増やしたい方々が一定数いるなかでこの方法を導入できれば、応募の目途はそれなりに立つかもしれません。以下、“日払い”の支給タイミングと主な仕事についてお伝えします。

日払いでの支給タイミング

日払いでの主な支給タイミングをまとめました。下表のとおり、当日以外も含まれるのがポイントです。

支払うタイミング	内容
当日払い	スタッフが働いた日の当日に給与を支払います。
翌日払い	スタッフが働いた日の翌日に給与を支払います。
数日後払い	スタッフが働いた日から大体2、3日後に給与を支払います。
翌週払い	スタッフが働いた日から1週間以上過ぎた後に給与を支払います。

支給方法としては、銀行振込や現金手渡しが一般的です。最近では、専用のアプリやシステムを介して労働者が自身の都合に合わせて給与を引き出せる仕組みを導入する企業も増えています。

日払いの主な仕事

日払いの主な仕事をまとめました。いずれも、人手が多いに越したことはない業務だとわかります。

職種	内容
イベントスタッフ	コンサートや展示会などのお仕事です。主に、設営、受付、案内などが該当します。イベントごとに必要な人員が変動するため、費用対効果の観点でも日払いが重用されています。
データ入力	主にパソコンに調査結果などの情報を入力・格納するお仕事です。在宅で行える場合もありますが、セキュリティリスクが最大限考慮されます。一日だけとはいえ、機密漏洩などにつながらないよう細心の注意を払う必要があります。
倉庫内作業	商品の仕分けや梱包、棚への陳列などを行います。特に繁忙期が訪れる際は、人員確保のため、日払いでの募集がよく見られます。
引越し作業員	荷物の搬入、搬出、梱包、荷物の配置などを行います。一日で完結することがほとんどのため、日払いでの求人は少なくありません。春先に向けては特に慌ただしく募集が散見されます。
警備員・監視員	工事現場、駐車場などでの警備や交通誘導を行います。イベントスタッフと同じく、何か催し事があれば、ニーズは上昇。結果、日払いでの募集が目立つようになります。

いずれも実際は週払い、月払いも多い職種ですが、一日からでも募集できる点もまた共通する特徴です。

即日払いとは？

即日払いは、スタッフが働いた当日に給与が支払われる制度です。翌日以降の支払いも含まれる日払いとは、ここが明確に異なります（違いについては次章でくわしくお伝えします）。今すぐにでもお金が欲しい方々に向けて（求人広告などで）訴求する際には、なるべく目立たせてあげると効果的かもしれません。以下、“即日払い”の支給タイミングと主な仕事についてお伝えします。

即日払いでの支給タイミング

即日払いでの主な支給タイミングをまとめました。下表のとおり、勤務日から間を空けずに支払いが発生します。

支払うタイミング	内容
勤務終了後すぐ	スタッフが働き終えてすぐに給与を支払います。
当日中	スタッフが勤務するその日の営業時間内に給与を支払います。
朝（深夜勤務の場合）	夜（勤務）が明けた朝などなるべく午前中の早い時間帯に給与を支払います。

支給方法は、即日ゆえに現金手渡しが一般的です。とはいえ即日払いであっても最近では、デジタル決済などに対応する企業も増えています。

即日払いの主な仕事

即日払いの主な仕事をまとめました。一刻も早くお金が欲しい労働者が一定数いる一方で、企業やお店側もどうしても人が必要なのでしょう。下表からも、双方のニーズがわかりやすく浮かび上がっています。

職種	内容
夜間の配送ドライバー	ドライバー不足がそこかしこで取りざたされているなか、どう人を確保していくかは業界全体として大きな課題です。とりわけ深夜や早朝の配送業務は、即日払いの急募案件も少なくありません。
飲食店スタッフ	繁忙期や突発的な人手不足に対応するため、即日払いのアルバイトを募集するレストランやバーがあります。人員確保ができずに店を開けられないリスクを軽減するのに有効です。
コールセンターのオペレーター	急な欠員はコールセンターの現場では決して珍しくなく、特に繁忙期に起きると、一人が大きな負担を負うことになります。ゆえに即日払いのオペレーターを募集する求人もしばしば見受けられます。
建設現場	建設現場では、作業の進捗状況に応じて急遽人手が必要になることがあり、即日払いでの募集も頻繁に見られます。
イベント会場の設営スタッフ	日払いでも取り上げましたが、コンサートや展示会の直前準備など、短期間で集中的に人手が必要な場合には、即日払いでスタッフを募集し、できるだけ作業人員を確保しようとする動きが見られます。

急な欠員補充や変動的な労働需要に対応するには一人でも多くの人員を確保したいところです。即日払いで募集する企業が多いのも容易に頷けます。

日払いと即日払いの違いを整理

前述したそれぞれの特徴を踏まえて、あらためて日払いと即日払いの違いについて整理します。

比較項目	日払い	即日払い
主な支給タイミング	勤務日～約1週間	勤務日
主な支払い方法	銀行振込、現金手渡し	現金手渡し、即時振込
募集背景	短期・中期・長期それぞれ募集できる	欠員が出やすい、労働需要の変動が大きい
労働者のニーズ	短期的にお金が欲しい	一刻も早くお金が欲しい
企業側のニーズ	柔軟な人員確保	急な人手不足への対応
主な仕事	イベント運営、倉庫作業、警備業……	夜間配送、飲食店、建設現場……

上表から、日払いと即日払いには似て非なる点がいくつかあることがわかりますが、なかでも支給のタイミングは明白でしょう。日払いが1週間空けてもなお該当するのに対して、即日払いはずばりそのまま当日に支払いを行います。もちろん、募集背景や労使それぞれのニーズなどにも違いがあるのは確かです。後述するメリット・デメリット、注意点も含めて、制度導入の検討材料にしてみてください。

日払いと即日払いに共通するメリット・デメリット

日払い、あるいは即日払いを取り入れるにあたって、メリットとデメリットの把握は不可欠です。本章では労働者側、使用者側、それぞれの観点で日払いと即日払いに共通するメリット・デメリットをお伝えします。

日払い、即日払いのメリット

働く側からすると、金銭的に余裕がないときの日払い、即日払いは非常にありがたいでしょう。また、急な出費が必要なときにも、ひとまず報酬を受け取れれば、その足しにできます。

こうしたニーズに対して使用者側も日払い、即日払いを実施することで少なからず恩恵を賜るはずです。うまくいけば効率よく人材を確保できるため、コスト削減にもつながります。繁忙期、書き入れ時に人手不足に陥ることはどうしたって避けたいところです。その対策として日払い、即日払いは有効に作用するでしょう。

日払い、即日払いのデメリット

日払い、即日払いは一時的に財布が潤うものの、これだけで生計を立てていくのはさすがに無理があります。労働者側は、あくまでスキマ時間のお小遣い稼ぎ程度の認識でいた方がよいでしょう。

と、それを踏まえて企業側は安易に採用するのは禁物です。最低限の人材要件を定義しなければ、ただお金だけを目当てに集まる有象無象で溢れかえるかもしれません。また、給与計算や支払い手続きが煩雑になり、管理コストが嵩む可能性も否めないでしょう。法令順守の面でトラブルが起きることもあり得ます。既存メンバーとのいざこざも考えられます。使用者はもとより、採用担当者もこうしたデメリットをしっかり念頭におくべきでしょう。

日払いと即日払いに共通する案件管理上の注意点

前述したデメリット然り、企業が日払いや即日払いの案件を管理するうえではいくつかの注意点があります。具体的には次のとおりです。

• 労働条件の明示義務を疎かにしない
• 支払い方法はきちんと説明する
• 急なキャンセルにも備えておく
• 労働時間の管理を徹底する

以下、それぞれ詳述します。

労働条件の明示義務を疎かにしない

労働基準法では、労働条件の明示が義務付けられています。日払いや即日払いの場合、雇用期間が短いからといってこのルールを無視してはいけません。雇用する際には次の項目は必ず記載しましょう。

項目	記載内容
労働契約の期間	労働契約が有効な期間についての情報。
仕事の内容	労働者が行う具体的な業務や職務内容。
勤務時間や休憩時間	労働者が働く時間帯や、与えられる休憩時間に関する情報。
賃金の額と支払方法	労働者に支払われる賃金の金額と、その支払い方法に関する情報。
退職に関する事項	労働者が退職する際の手続きや条件に関する情報。

支払い方法はきちんと説明する

日払いや即日払いは、支払い方法が特殊なため、労働者に対してはあらかじめ説明・補足が必要です。「支払う時期は当日」「現金は手渡し」「税金が控除」「給与明細は一週間後に郵送で」……等々、具体的に伝えるようにしましょう。

急なキャンセルにも備えておく

日払いや即日払いの案件に急なキャンセルはつきものです。そのため、代替要員の確保などしっかり備えておく必要があります。具体的には、採用数、募集時期の調整を図ることでリスクヘッジは可能です。また、キャンセルポリシーを設定することも、（応募のハードルこそ上がりますが）有効かもしれません。

労働時間の管理を徹底する

日払いや即日払いの案件のなかには労働時間が不規則なものも多かれ少なかれ存在します。そこで気を付けたいのは、労働基準法で規定されている労働時間の管理です。タイムカードやICカードで正確な労働時間を記録すること、休憩時間の確保、時間外労働や深夜労働に対する賃金……等々について、法に抵触することのないよう、くれぐれも注意しましょう。当然、知らなかったではすみません。

▶関連記事：アルバイトの労働時間について、上限など労働基準法に則り解説

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