新入社員と企業が結びつく記念すべき瞬間の

内定式とは~いつやる?流れは?オンラインのケースも交えて解説~

  • 2023.08.29
  • 2023.08.29

新入社員と企業が結びつく記念すべき瞬間の"内定式"。多くの採用担当者にとって、これは単なる儀式ではなく、新たなスタートの象徴ともいえるでしょう。しかし、具体的な開催時期、目的、流れ、昨今浸透しつつあるオンラインでのやり方など、意外と深くは知らない方も少なくないかもしれません。というわけで本記事では、内定式について企業の方が安心して行えるよう(あるいは実施の判断ができるよう)網羅的に解説します。

社員を採用したい

内定式が行われる時期や目的

内定式に授与する内定通知書

まずは内定式についての基本概要を把握しましょう。以下、行われる時期や目的はもちろん、開催しない企業があること、その理由も含めて説明します。

内定式とは?

内定式とは、企業が新卒採用の学生に正式に内定を通知するための式典やイベントのことを指します。正式な採用のスタートラインとして、企業文化や価値観を共有する場です。したがって、新入社員との絆を強化する重要なステップだといえます。

内定式が行われる時期はいつ?

日本経団連が公表している「採用選考に関する指針」に基づくと、正式な内定日は10月1日以降とされています。そのため、多くの企業でこの日に内定式が行われることが一般的です。それより前の式典は「内々定」式と呼ばれ、一部の企業では6月など早い時期に実施されています。

内定式を行う目的

内定式を行う目的は主に次の3点です。

それぞれ端的に述べていきます。

内定者とのコミュニケーション強化

内定式は、内定者とコミュニケーションを図る場として機能します。たとえば内定者は会社の一員として歓迎されたことで、ポジティブな印象から帰属意識が高まるかもしれません。少なからずそれを期待し、実施する企業は少なくないでしょう。

企業理念やビジョンの共有

内定式には、普段接する機会の少ない経営陣も参加する場です。そこで採用面接時には伝えきれていなかった企業の理念やビジョンをダイレクトに内定者へと届けることができます。企業からするとより深い理解を促進する場としては、もってこいの機会です。

安心感の提供

新しい組織への参加は、誰もが不安を抱くものです。だからこそ企業の魅力や強みをしっかりと伝える必要があります。心配しがちな内定者の気持ちを和らげる意味でもまさしく内定式は有効です。当然、内定辞退の防止も視野に入っています。 

▶関連記事:内定辞退についてよくある理由や防止策などわかりやすく解説

内定式を行わない企業もある

一方ですべての企業が内定式を行うわけではありません。たとえば、入社式と内定式を一緒に行う企業の場合、わざわざ開催する必要性を感じていないといえます。また、経費や時間が掛かることをデメリットと捉え式を控える企業も、一定数見受けられます。

社員採用をお考えなら
バイトルNEXTのお問い合わせ(無料) ≫
くわしい料金やプランなど確認

内定式の主なプログラム

内定者のイメージ

多くの企業がそうしているように、大体1~2時間程度で内定式は行われます。効率的な進行が求められるため、メニューの内容も必要最低限に絞られることがほとんどです。とはいえ、各企業の文化や特色に応じて独自の要素が加えられることもしばしば。以下に示すのはあくまで一般的な内定式のプログラムです。

社長からの挨拶

内定式の開始時には大抵、社長が挨拶を行います。その際、会社の経営理念やビジョン、そして求める社員像について触れられることが一般的です。場合によっては、会長やほかの役員がこの役割を担うこともあります。内定者の社会人としての自覚が芽生える、あるいは高まっていくことにも寄与する大事な挨拶です。

内定通知書の授与

内定式の主要なプログラムの一つとして内定通知書の授与も挙げられます。これは、採用試験を通過した証として渡されるものです。大手企業など多くの採用者がいる場合は代表者一人が受け取るパターンもありますが、社長が直接一人ずつ手渡しする光景もよくみられます。

各内定者の自己紹介 

内定式では、新たな仲間たちが一堂に会する貴重な機会です。多くの企業では、この場を利用し内定者同士で自己紹介をさせます。彼・彼女らが周囲との関係を築く第一歩として実に大切な時間です。相互理解が深まれば、集まった内定者にとって新しい環境への不安も少なからず軽減されるでしょう。

内定者研修

内定者研修を、内定式の一環として行うことも珍しくありません。主に、基本的なビジネスマナーや実際の業務についてレクチャーする時間です。また、内定者をグループ分けし、チームビルディングのアクティビティを実施する企業もよくみられます。

記念撮影

内定式の記念撮影は、内定者たちの新しいスタートを祝うものです。これらの写真は、思い出としての価値だけでなく、広報活動にも使えます(なお、撮影の際は、内定者の意向を尊重するようにしましょう)。

社員採用をお考えなら
バイトルNEXTのお問い合わせ(無料) ≫
くわしい料金やプランなど確認

いざ内定式を実施!当日の流れ

内定式が開催されるオフィスのビル

内定式は、新たな仲間を迎える日です。企業のスタンスを伝えるだけでなく、内定者にとっても新しい人生のスタート地点だといえます。だからこそ、スムーズな進行が必須です。内容は前項でも取り上げましたが、本章ではあらためて内定式の流れを、いざ開催にあたっての注意点とあわせて紹介します。

当日のスケジュールとタイムテーブル

内定式当日のスケジュールは、明確なタイムテーブルをあらかじめ用意しておくことで、参加者全員に対し安心感をもたらします。以下、一般例です。※午後開始の場合は13:00~15:00と仮定してください。 

9:00 – 9:15 受付開始
【補足概要】新入社員としての第一歩を踏み出す皆さんを、笑顔で迎え入れます。
  
9:15 – 9:30 開会の挨拶
【補足概要】経営陣からの熱いメッセージで、新たなスタートを切ります。
  
9:30 – 9:50 企業のスタンスとビジョンの共有
【補足概要】企業の理念やビジョンを明確に伝え、一体感を醸成します。
  
9:50 – 10:20 グループワーク・アクティビティ
【補足概要】いわゆる内定者研修に該当します。内定者同士の交流を深める短時間です。新しい仲間との絆を築きます。
  
10:20 – 10:40 事業部やチームの紹介
【補足概要】各部門のリーダーからの短いプレゼンテーションで、業務内容を伝えます。
  
10:40 – 11:00 質疑応答と閉会の挨拶
【補足概要】内定者からの質問に回答。その後、一日のまとめとこれからの期待を込めて締めの挨拶をします。記念撮影をして終了です。

内定者を心地よく迎えるための準備 

内定者の第一印象は非常に重要です。受付のスタッフは常に笑顔で対応するよう心がけましょう。また、会場の設営も大切です。座席間のスペースを十分に確保することで、リラックスした雰囲気を作り出します。資料や筆記用具、名札などのアイテムは事前に整理しておくと、当日の進行がスムーズです。

自社紹介のポイント

自社の特徴を伝える際には、情報だけでなく情熱をも感じさせる内容が求められます。たとえば事例や成功体験を扱うことで、メッセージは格段に届き(刺さり)やすくなるでしょう。視覚的なサポートとしてスライドや動画の活用はもちろん有効です。その明快さがリズムを作り、テンポよく式を進めてくれるでしょう。

ユニークな内定式の例

ユニークさを表現

近年、内定式にユニークなアイデアを取り入れる企業も増えてきています。かつての静かな会場や堅苦しい雰囲気といったイメージを覆すかのように、各企業の色を出すことは、もはや主流になりつつあるかもしれません。それらに対して、新入社員たちも少なからずインパクトを覚え、貴重な体験として心に刻まれることでしょう。

以下、具体的な事例をいくつか取り上げます。

各内定者がプレゼン実施

某企業では、内定式で内定者にプレゼンテーション形式の自己紹介を実施。ちょっとした表現でも各々の性格が垣間見えるため、相互理解が深まるというのは確かにうなずけます。まさに一人ひとりのユニークな部分が浮き彫りなる企画です。ただし、なかにはこうした自己アピールが苦手な人もいるため、強制的に行うことについては慎重になる必要があります。とはいえ、うまく作用すればユニークな個の集まりがそのまま組織の結束力向上にもつながりそうです。

業界ならではの催し

一部の企業は、内定式でその業界特有のカラーを生かしたユニークな催しを行っています。これらは単なる式典や歓迎の場を超えて、新入社員に業界の魅力や深みを体感させる絶好の機会です。

食品調理

食品関連の某企業では、内定式で調理を実施。新入社員たちに会社の商品や食材を使用して料理を作る体験を行わせました。まさに企業を知るのにもってこいの企画です。同時にチームワークを育むことにも寄与しているといえます。

披露宴風

ホテル、ブライダル業界の場合、内定式を披露宴風に行う企業もあります。豪華な会場設営、フォーマルなドレスコード、そして実際の披露宴を彷彿とさせる演出。新入社員は客観的にこれらを体験し、以後自身が提供する側に回ります。だからこそ、内定式でこうした場を作ることは有効なのでしょう。サービスの質やホスピタリティの大切さについて学んでもらうのに非常に有意義な時間だと考えます。

ファッションショー 

アパレルやファッション業界の場合、内定式でファッションショーが行われることもしばしば。具体的には、新入社員が最新のアイテムを身に纏い、ランウェイを歩く体験をさせます。ブランドの世界観やデザインへのこだわりを肌で感じてもらうことが主な狙いの一つです。また、社員同士の交流を深める場としても機能し、イベントが盛り上がれば盛り上がるほど一体感や帰属意識の醸成につながることは容易にうかがえます。

内定式をオンラインで行う場合

内定式をオンラインで実施

テレワークの浸透もありオンラインで仕事を完結させる企業が増えている昨今、内定式も例外ではありません。 だからといって闇雲にオンラインにこだわるのは注意が必要です。内定式をオンラインで行う方法、メリット・デメリットといった前提知識はしっかりおさえておきましょう。

オンラインツールの選択

ZoomやGoogle Meetに代表されるオンライン会議ツールを使用するのが一般的です。大人数の参加が可能か否か、ブレイクアウトセッションや資料共有の機能はついているかなど、必要に応じて精査し自社に合ったツールを選択しましょう。

オンラインならではの工夫

集中力を切らさない、加えて関心を寄せるためにも、アンケートやクイズを取り入れたり、カメラをオンにして自己紹介させたりといったインタラクティブなセッションを増やすことが大事です。

サポート体制の構築

技術的なトラブルに対処できるよう、サポート体制の構築は不可欠です。念入りにテストは複数回(パターン)しておきましょう。

オンラインのメリット

地理的な制約がない点、つまり自宅や好きな場所から参加できる点はやはり便利です。コストも最小限に抑えられます。録画によって振り返りやアーカイブが容易な点もありがたい特性です。

オンラインのデメリット

一方でオンラインでは対面と比べて、参加者同士の一体感が得にくいデメリットが考えられます。また、準備するにしてもやはり技術的なトラブルや接続の不安定さが発生する可能性は否めません。それゆえ、工夫が大事だと上述したとおり、インタラクティブな要素を多く取り入れることやブレイクアウトセッションの活用、参加者全員に対するインターネット接続の状況確認、それに付随する事前テストやサポート体制構築が不可欠です。

内定式に注力することも大切な採用活動の一つ

採用の現場をイメージ

内定式は、単に新しいメンバーを歓迎するだけではありません。企業文化やビジョンを伝え、新入社員に帰属意識や仲間との一体感を覚えてもらうための重要な場です。入社前からコミュニケーションの機会を与え、良好な関係を築けることができれば、理想のスタートダッシュだといえます。ひいては採用成功の本質につながる意義のあるイベントなのです。

というのも採用活動の成否を検証するには、応募から面接、そして内定というプロセスだけでは測れません。いざ入社してもらい業務が始まってもなお続くものです。そのなかで内定式は新入社員と企業との関係をより深める貴重な機会になり得ます。企業はこの大切な儀式に注力することでエンゲージメントを高め、長期的な人材の定着を図ることができるのです。せっかくならそうした広い視野を持ち実施することが望ましいでしょう。

さて、dip(ディップ)では社員採用にも強いサービス「バイトルNEXT」を提供しています。幅広い業種や年齢層からの応募を集めるのにうってつけの求人サイトです。採用活動をより効果的に進めるならぜひご利用ください。あわせて日本最大級のアルバイト求人サイト「バイトル」にも掲載可能です。


求人・採用について料金やプランなど手っ取り早く確認したいならこちらのフォームからお問い合わせください。
もちろん無料。入力も簡単です。

求人広告の掲載や採用業務支援など
お問い合わせはこちら(無料) ≫
プラン別の料金など、とりあえず相談。
TOP