転職者も目を留めるキャッチコピーの重要性

まずは、キャッチコピーの重要性について解説します。一般的にキャッチコピーはどこに記載するものなのか、また、どのような役割を担うのかといった基本概要を知れば、おのずと転職者の心理や行動特性との親和性に気付けるはずです。本章では、そうした注視されやすい理由まで細かく言及します。
求人広告でキャッチコピーを載せる箇所
転職者向けに限らず、キャッチコピーは、求人広告の見出しや画像内テキスト、各項目の冒頭など目立つところに記載するのが基本です。限られたスペースのなかでいかに視認性高く見せられるかが、大前提、求められます。
求人におけるキャッチコピーの役割について
求人広告におけるキャッチコピーの役割は、大きく分けて次の2点です。
- 求職者の目を引く
- 企業の価値観や方針を明確にする
キャッチコピーは、いうなれば読ませるというよりも見て感じてもらうものです。フレーズ一つで求人情報への期待値は変わります。そこに企業風土や価値観を見出す向きもあるでしょう。求職者の目を引き、企業理解を促進する。この役割を果たすには、瞬時に共感できる要素を巧みに嗅ぎ取らせるテクニックが必要です。
関連記事:求人キャッチコピーを考える!応募を集める面白い採用フレーズとは?
なぜ転職者はキャッチコピーを注視するのか?
大抵の転職者は、複数の求人にアプローチします。そのため、なるべく効率よく探される方がほとんどです。そうなると、自身に合った求人かどうかを瞬時に判断しようとします。いわずもがな、キャッチコピーが重要です。求職者が一瞥して視界に入る文言でいかに訴求できるのかが問われます。いうなれば、無意識にも注視せざるを得ない状況が作られているわけです。
中途採用向けのキャッチコピーを作る方法

前述した重要性を踏まえて、中途採用向けのキャッチコピーを作るには次のポイントが必要です。
- 採用ターゲットを明確にする
- 採用ターゲットの悩みやニーズを掘り起す
- 自社で叶えられることを整理する
- コンセプトを決める
- キャッチコピーに落とし込む
以下、それぞれ詳述します。
採用ターゲットを明確にする
キャッチコピー全般そうであるように、中途採用の場合でも、採用ターゲットを明確に設定しておくことが大事です。大まかに転職者だけでは広すぎます。訴求力の高いキャッチコピーは生まれにくいでしょう。経験・スキルや志向・価値観などを具体的な要件として落とし込み、なるべく人物の解像度は上げていけると望ましいと考えます。ピンポイントで訴求したいのであれば、さらに細かく特定するのも一つのやり方です。いわゆる採用ペルソナを作ることもおすすめします。
▶関連記事:採用ペルソナの作り方をテンプレートに使える具体例も交えて解説
採用ターゲットの悩みやニーズを掘り起す
採用ターゲットが定まったなら、次にその悩みやニーズを掘り起こします。具体的には、「転職しようと考えるきっかけ」「現在の仕事で不満に感じている点」「理想の働き方、環境」「自身のキャリアをどのように描いているか」……等々を分析し抽出することで、転職者のインサイト(本音)に迫れるものと考えます。
自社で叶えられることを整理する
前述した悩みやニーズに対して、自社で何ができるのかを考えます。最終的には、それをキャッチコピーで表現するわけです。「仕事内容」「やりがい」「成長機会」「職場環境」「待遇」「福利厚生」……等々の観点で、ターゲットに合わせて整理していきます。
コンセプトを決める
整理した内容をもとに、キャッチコピーのコンセプトを決めていきます。「わかりやすさ」ならストレートに訴求、「ユーモア重視」なら言葉遊びを織り交ぜるといった具合にコンセプト一つで伝え方は変わってきます。
キャッチコピーに落とし込む
ここまでのプロセスを踏まえて、いよいよキャッチコピーに落とし込みます。コツについては次章でくわしく解説しますが、視線誘導、そして心情の動きをどう捉えるかが何より大事です。ターゲットは中途採用の求人に何を求めているのか。考えを練ってキャッチコピーに反映してください。
転職者に響くキャッチコピーを作るコツ

転職者の心に響くキャッチコピーを作るにはいくつかコツがあります。それらは、決して転職者だけに刺さるものではなく、キャッチコピー全般に通ずる話です。主に次のポイントが挙げられます。
- ベネフィットを明確に示す
- インパクト十分の数字や実績を載せる
- 行動心理学を活用する
以下、それぞれ具体的に説明します。
ベネフィットを明確に示す
自社で働くことで得られるものが魅力的であれば、大なり小なり求職者の興味を引くでしょう。シンプルながらもベネフィットの明示は効果的です。
例) 「スキルアップのチャンス多数。尖ったエンジニアへの第一歩を」
インパクト十分の数字や実績を載せる
言葉だけでなく、数字を用いるのも効果的です。定量的なデータは、転職者に確かなイメージを抱かせます。自社の実績は、なるべく具体的に伝えるべきです。
例) 「昨年特許出願数20件。研究開発型ベンチャーで活躍しませんか」
行動心理学を活用する
人間の心理を突いた学術的な表現を取り入れるのも一つです。以下、転職者へのキャッチコピーにも役立つと思われる行動心理学を、いくつかご紹介します。
ハロー効果
「ハロー効果」とは、一部の特徴的な印象に引きずられて、全体を評価してしまうことです。この事象は、キャッチコピーにも当てはまります。
例) 「『働きがいのある企業ランキングTOP10』 3年連続受賞」
初頭効果
先に示した情報ほど記憶に残りやすい「初頭効果」も、キャッチコピーには有効です。書き出しで勝負を決めましょう。
例) 「○○のプロフェッショナルになれる!トップ企業でキャリアアップ」
親近効果
新近効果とは最後に提示された情報が印象に残りやすいというものです。余韻をうまく生かしましょう。
例) 「中途採用はじめました-志高き第二新卒者求む」
カクテルパーティー効果
自分に関係のある情報は無意識に選択できる脳の働きがカクテルパーティー効果です。専門職などは具体的に記載するとよいでしょう。
例) 「Java経験者歓迎。新規事業のコア人材を募集」
スノッブ効果
希少性を好む心理を突いたスノッブ効果も有効でしょう。逆にいえば、陳腐な募集文言に堕さないよう気を付けたいところです。
例) 「ブラックな企業へようこそ!」
ツァイガルニック効果
人は完結していないことほどよく覚えています。これがツァイガルニック効果です。これはキャッチコピーにも適用できます。そう、続きがあればきっと気になるはず……。
例) 「残業しなくてもしっかり稼げるのには理由があった……」
カリギュラ効果
「禁止されたことをしてみたくなる」「隠されているものが気になり見てしまう」といった心理現象がカリギュラ効果です。本来のキャッチコピーとは逆転の発想がそこにはあります。
例) 「閲覧注意!一度見たら他には目を向けられない求人?」
損失回避の法則
損失回避の法則とは、文字どおり、人は利益を得るよりも損失を避ける傾向にあるというものです。キャッチコピーでも使えます。「この求人を逃したらもったいない」と思わせるとよいでしょう。
例) 「久しぶりに○○募集!(滅多にない機会です)」
転職者に避けられやすいキャッチコピーとは?

キャッチコピーの書き方は、NGパターンとセットで把握しましょう。虚偽あるいは誇大広告はもちろんご法度です。ただ、気を付けるべきはそれだけではありません。使い勝手がよい安直な表現や大げさな言い回しも避けましょう。以下、具体的に取り上げます。
アットホームな会社です!
求人のキャッチコピーでよく目にする「アットホームな会社です!」を警戒する転職者は少なくありません。ありきたりで陳腐という見方もそうですが、ウラの意味を勘繰る向きもなかにはいらっしゃいます。「内輪的なノリがきつい?」「休みの日も社内イベントなどに参加しなければならない?」……等々、確かにマイナスに解釈されるリスクはありそうです。働き方の自由やプライベートを重視する求職者が増えている昨今、件のコピーはやはり避けるのが無難だと考えます。
頑張り次第で月収○○万円以上!
こちらのキャッチコピーも、あからさまな好条件ゆえに警戒されがちです。なぜ、そこまで高待遇なのか。当然、ウラがあるはずだろうと。経験豊富な転職者であればなおさら敏感になるはずです。特に“頑張り次第”のフレーズは要注意。解釈次第では、過酷な労働環境を示唆しているようにも感じられます。
土日祝、20時以降も面接対応します!
20時以降そして休みの日にも面接対応してくれることをありがたいと感じる求職者もいるかもしれません。が、冷静に考えるとこれは、長時間労働や休日出勤が常態化していることを意味します。たとえイレギュラーなケースだとしても(求職者に対する純粋な計らいだとしても)、不安や危険を覚える方も一定数いるはずです。
面接1回、その場ですぐに内定出せます!
スムーズな選考プロセスをアピールしようと「面接1回ですぐ内定」と謳ったところで逆効果になる恐れがあります。応募者の側からすると、誰でもよいから採用する危ない会社にも見えてしまうからです。転職者の目線や心情を考慮することがキャッチコピーには求められますが、と同時にそれが表面的なものになってしまわないよう注意しなければなりません。想定と真逆の反応をされるケースはしばしば見受けられます。
転職サイトにあるキャッチコピーの具体例

では、具体的に転職サイトにはどのようなキャッチコピーが打ち出されているのでしょう。本章ではdipが提供する「バイトルNEXT」からいくつかピックアップします。
▶参照:転職者向け社員の求人サイト「バイトルNEXT」(関東版)
▶社員求人の掲載サービス:【企業向け/公式】バイトルNEXT – 掲載料金表あり!社員採用なら
ユーモアとベネフィットが共存
「早起きは三文以上の徳でした」
このキャッチコピーは、ユーモアを交えつつ転職者にベネフィットを訴求している好例です。「早起きは三文の徳」という誰もが知るフレーズを巧みにアレンジし、この会社で働けばより良い待遇が得られるというメリットを示唆しています。求人広告ならではの視点と言葉遊びのセンスが光る一文です。
安心できる情報が一目瞭然
「<家賃無料/完全週休2日制>NEW OPEN★基本残業NGの今ドキ環境♪」
このキャッチコピーであれば、情報が一目でわかります。ユーザーニーズにピンポイントかつ明瞭に焦点を当てているため、ストレスを与えない意味でも効果的です。家賃補助、休暇、残業などのワードは求職者にとって関心が高い傾向にあります。うまく、そしてわかりやすく使えると、大なり小なり反響が期待できるでしょう。
ライフワークバランス重視の方に向けて
「年間休日120日以上&有給取得率80%以上」
ライフワークバランスに関心が高い層に対して、シンプルかつストレートに訴求したキャッチコピーだといえます。休日の多さも、有給取得率の高さも、数字でしっかりインパクトを打ち出しているため、一目見てはっきり伝わるはずです。
洒脱な惹句で転職者のインサイトに訴求
「<就活も終活も弊社で!!>40~50代はまだ若手♪定年はアナタ次第!」
転職者の興味を引くには申し分ない言葉遊びを交えたユーモアあるキャッチコピーです。「就活も終活も」という洒脱なフレーズは、「定年までのキャリアを考えたい」というベテラン層のインサイトをも捉えた表現といえるでしょう。加えて、「40~50代はまだ若手」「定年はアナタ次第」の補足にも安心感を覚えます。
赤裸々な悩みにフォーカス
「借金がある!お金がない!住む所がない……相談にのるよ!家賃無料」
転職者の抱える悩みに寄り添ったキャッチコピー。転職に際してよくある切実な不安を赤裸々に列挙することで、目にした人の心に何かしら爪痕を残しているのではないでしょうか。「相談にのる」そして「家賃無料」といったサポート面もわかりやすくアピールしています。
転職者の心を射抜くキャッチコピーを創造しよう!

転職者の目に留まり、心に刺さるキャッチコピー。その重要性や考え方、作成のコツについて解説してきました。
キャッチコピーは求人広告のいわば顔といってもよいかもしれません。対面した転職者がパッと目を遣る大切な要素です。だからこそ、送り手の思いを受け手に的確に伝える工夫が求められます。
具体的な例文からもヒントが得られるはずです。キャッチコピーに悩んだならぜひ、あらためて拙稿を引っ張り出してみてください。
良質なキャッチコピーは転職者の心を射抜きます。その可能性を信じ、見てくれる者たちを想像し、綴る言葉を創造する。このスタンスで向き合うことが、つまるところ肝要です。
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