会議が活性化しない典型的な原因
会議が活性化しない背景には、いくつか共通する落とし穴があります。単に「参加者が盛り上がらない」ことに原因があるのではなく、準備段階や進行の仕方に起因するケースが大半です。たとえば、目的や流れが共有されないまま会議が始まれば、参加者は受け身にならざるを得ません。また、雰囲気づくりや進行の工夫が欠ければ、発言が一部の人に偏り、議論が深まらないまま終わってしまいます。こうした要素が積み重なれば、「やっても成果が出ない」「結論が曖昧」といったネガティブな思考に陥るのも無理はないでしょう。なぜ、会議が活性化しないのか。以下、よくある原因を取り上げます。
アジェンダがない
アジェンダが用意されていない会議は、話題があちこちに散らばりやすく、時間ばかりが過ぎていきます。参加者は「今日は何を話し合うのか」「自分がどの場面で意見を求められるのか」がつかめず、受け身の姿勢になりがちです。その結果、意見交換は表面的なものにとどまり、結論も果たしてそれでよいのか、大抵は曖昧なまま終わってしまいます。
ゴールが不明確
会議の目的やゴールもまた開始時に共有されていないと、議論は散漫になり、結局「何のための会議だったのか」が分からないままでしょう。参加者も自身の発言がその場に合っているものか手探りになってしまうはずです。そのため、積極的に意見が飛び交うような場には程遠い状態になるのも容易にうなずけます。
参加者が発言しにくい雰囲気が漂っている
会議の雰囲気が殺伐としていたり、重かったりするとなかなか口を開くのも勇気がいるものです。発言を控える参加者が多くいても何らおかしくないでしょう。とりわけよく見受けられるのが、リーダー格の人たちだけで勝手に会議を進めてしまうケースです。仮に意見があっても、気後れして何も発言しないメンバーがいるかもしれません。もしくは過去に否定的に受け止められた経験があったなら、なおさら口を噤むことになるはずです。いずれにせよ、そうした空気が会議を窮屈にすることは往々にして見られます。
進行がおぼつかない
俗にいう会議の進行がグダグダなケースでは、皆のモチベーションが下がります。誰に何を聞けば話が進むのか、そこからして曖昧な方、もしくは無理に誰彼振って押し通そうとする司会者も少なくありません。時間配分も大事なポイントです。重要な議題に十分な時間を割けず結論が先送りされれば、まさに本末転倒。次回から参加を拒否する向きもあるかもしれません。とにもかくにも進行役次第で会議は変わります。それは上手さ云々の話ともまた別です。しっかりと準備し、周囲を気遣う意識（いうなればサービス精神に近い配慮）があるだけでも、進行の滑らかさや良い雰囲気は生まれると考えます。
会議を活性化するのに意識したいコツ
前述した会議が活性化しない原因は、いずれも意識の問題だといえます。たとえば、事前にアジェンダやゴールを明確にしておくことは誰でもできるはずです。また、そもそも誰を呼ぶかによっても会議の意味合いは変わります。そして参加してもらうからには各自、当事者意識を持つことが大事です。もちろん、決定事項は共有、次回に生かせる会議にするところまで抜かりなく行いましょう。以下、こうした会議活性化のコツについてそれぞれ説明します。
アジェンダ、ゴールは必ず決めておく
事前にアジェンダを用意することで、各々が（話す内容や調査することなど）何かしら準備して会議に臨めます。また、開始時にゴールを共有することで、議論の方向性はより明確になるでしょう。会議の時間は有限です。すんなりと始められるよう、アジェンダとゴールは必ず用意した方がよいといっても過言ではありません。
漠然と参加者を招集しない
会議の目的を意識せずに漠然と参加者を集めれば、本来関与しなくてもよい人まで時間を割くことになりかねません。彼・彼女らに意見を求めることは酷です。というより、おそらく発言することもないでしょう。なぜこの場に呼ばれたか、そうした不安感はそのまま会議全体の空気にも影響します。
参加者全員に当事者意識を持ってもらう
各自が当事者として関わる意識を持つことで、はじめて会議は成り立ちます。だからこそ、上述したアジェンダやゴールの設定、参加者の選定が肝要です。そのうえで、積極的に意見を述べてもらえるよう工夫を凝らすことも必要でしょう。くわしくは後述しますが、ファシリテーターを持ち回り制にするなど何かしら対策を講じることが求められます。
決定事項や次回に向けたアクションを共有する
会議はただやって終わりでは事前にゴールを設定した意味がありません。決定事項もさることながら、次回に向けて課題を共有することも収穫の一つです。その内容を参加者全員が同じ認識で持ち帰ることが何より大事だと考えます。
会議を活性化する具体的な方法
原因やコツを踏まえて、いざ会議を活性化するためには何をすればよいのか。ずばり、次の方法が挙げられます。
- ファシリテーターを順番に回す
- 最初の5分で全員に発言してもらう
- 個々の意見を必ず肯定する
- オンライン機能を十分に活用する
いずれも理に適ったアイデアによるものです。以下、それぞれ具体的に説明します。
ファシリテーターを順番に回す
会議の進行役を固定してしまうと、良くも悪くも属人的になり、マンネリ化につながりやすい側面があります。だからこそ、順番にファシリテーターを回す仕組みを取り入れれば、参加者一人ひとりがまさに当事者意識を持つことになるでしょう。それは、主体的な姿勢、責任感を生むための効果的な工夫といえます。
最初の5分で全員に発言してもらう
参加に意味を持たせるなら、会議の冒頭で一人ひとりに発言の機会を設けるのも一つの手です。これには、場の空気がほぐれることや、その後も発言しやすくなる心理的効果（発言のハードルを下げること）も狙いにあります。内容は、近況報告や議題に対するちょっとした印象など簡単なものでかまいません。沈黙しがちな会議を打破したいなら、このように（シンプルな策ですが）話してもらう機会を作ればよいというわけです。
個々の意見を必ず肯定する
参加者にこの先も積極的に発言してもらえるよう、ちょっとした意見でも肯定する姿勢が大事です。決して賛成する必要はありません。会議を活性化するのに、一人ひとりの意見が貴重です。だからこそ、承認してあげることが各メンバーのモチベーション向上にもつながります。議論を深めていくためにも、物怖じせず忌憚ない意見を出し合える雰囲気を作っていきましょう。
オンライン機能を十分に活用する
リモート会議が一般化したいま、オンラインツールの機能を駆使することも会議の質を左右します。たとえば、チャットや挙手機能などは、発言に遠慮したり躊躇したりする場合に便利です。また、録画や議事録自動作成の機能を活用すれば、欠席者との情報共有も容易になります。したがって、会議の活性化につなげるなら、単なる「代替手段」としてオンラインツールを使うのではなく、搭載機能を十分に理解し共有することも、大なり小なり効果的だと考えます。
会議の活性化に大事なファシリテーターを採用するには？
会議を円滑に進め、参加者の意見を引き出す役割を担うファシリテーターは、会議の成否を左右するといっても過言ではありません。議論の方向性を示しつつも一方的に仕切るのではなく、場の空気を和らげ、全員が発言しやすい雰囲気を整えることが求められます。こうした役割を担える人材を採用するには、面接での見極め方や採用方法が肝要です。本章では、具体的にどのような観点で評価し、どんな手段を用いるとよいのかを紹介します。
面接でミニワークを取り入れる
ファシリテーターの適性は、履歴書や口頭の質疑応答だけで測りきれるものでもありません。したがって、実際に会議の場を想定したミニワークを面接に組み込むといった工夫も必要です。たとえば、テーマを与えたうえで数分間、応募者に小グループを仕切ってもらうといったやり方が挙げられます。発言の促し方や時間配分、参加者への目配りなどから、その人の手腕が見えてくるかもしれません。
特化した求人サービスを選定する
信頼に足るファシリテーターは、会議運営に特化したスキルを持った方といえます。彼・彼女らを求める場合、できれば経験者やプロフェッショナル人材が集まりやすい求人サービスを使うのがよいでしょう。たとえばdipが提供するサービスでいうと『バイトルPRO』がおすすめです。原稿作成をサポートしてくれる機能や担当者に加え、ダイレクトソーシングも可能ゆえに、資格保有者はじめ即戦力として期待できる方々と出会える期待が大いに持てます。明確に欲しい人物像が描けているのであれば、なおさら有意義に活用できるはずです。
状況整理とアイデア実践で会議の活性化を図っていこう！
会議の活性化は、小さな工夫の積み重ねです。アジェンダを整える、ゴールを共有する、参加者を選定する、話しやすい空気を作る、どう進行するか準備しておく……等々、必要なことはどれも決して大した取り組みではありません。とはいえ、原因を紐解くとそうした当たり前ができていないケースが目立ちます。つまるところ、会議を「ただ集まる時間」から「成果を生み出す場」へと変えていくには、現実を直視し、状況を整理し、そこから拙稿でピックアップしたようなアイデアを形にすることが大事です。日々の会議を振り返り、できることから着々と実践していきましょう。
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