派遣社員に言っては（聞いては）いけないこと
早速、派遣社員に言っては（聞いては）いけないことをピックアップします。無意識、そして無自覚に放つその言葉や情報は彼・彼女らを困惑させ、また自組織にとってもマイナスの影響を及ぼしかねません。以下、いくつかパターンを取り上げ、説明します。
“派遣社員なのに”といった偏見
“派遣社員なのに○○”と言ってしまうのは、彼・彼女らに勝手なイメージを抱いているからでしょう。それをなんとはなしに口にされれば、言われた側は敏感に反応するはずです。たとえ誉め言葉で使ってもよい気はしません。「派遣社員なのに優秀ですね」などの発言は、派遣社員を正社員よりも能力が低い存在として扱う偏見が含まれています。派遣か正社員かは雇用形態の違いであり、能力とは無関係です。このような言葉は、派遣社員のモチベーションを下げ、信頼関係を損なう原因になります。
“派遣社員だから”といった決めつけ
「派遣社員だからこの仕事は任せられない」「派遣社員だから仕方ないよね」といった決めつけも、派遣社員のモチベーションを削ぐ言葉として禁句です。契約上の制約はあるものの、無神経に線引きするような態度は避けましょう。雇用形態問わず、個々のスキルや意欲を尊重することが大事です。
“そこの派遣さん”といった呼称
「そこの派遣さん」「そこの派遣の方」などの呼び方は、個人を雇用形態で括り、軽んじる印象を与えます。こうした呼び方は、「正社員とは別の存在」と線引きする意識を示し、関係性を悪化させる原因です。他の社員と同様に「〇〇さん」ときちんと名前で呼びましょう。業務上、派遣社員の立場を指す必要がある場合でも、なるべく本人に聞こえるように言うのは避け、名前も兼ねることが望ましいと考えます。
なぜ働き方として派遣社員を選んだのか
個人のキャリア選択はプライベートな問題であり、理由を尋ねることは不適切です。派遣という働き方もまた、デリケートな事情を含むことがあります。不要な詮索は避け、業務に関係のない個人的な質問は控えるべきです。
いつまで派遣社員として働くのか
「いつまで派遣でいるの？」などもまさにお節介。相手のキャリアプランにつべこべ言うことは、デリカシーに欠けています。繰り返しますが、派遣社員がこの働き方を選んでいる理由はさまざまです。こうした質問に心を痛める向きもあります。
どういう契約をしたのか
契約内容は派遣会社と派遣社員の間で結ばれるものです。派遣先の社員が尋ねるべきではありません。いうまでもなく賃金や契約期間などは個人情報に関わります。業務に必要な範囲以上の詮索は避けましょう。
他の社員に関すること
「〇〇さん、なんで辞めたか知ってます？」のように離職者の情報を共有することは、職場内の不要なトラブルを防ぐためにも慎みましょう。対象が派遣社員に限らず、また在籍しているかどうか問わず、誰彼他の社員について噂話を広めることは、非常に下品な行為だといえます。
派遣社員には共有されない機密情報
契約上、派遣社員に共有してはいけない情報もあるでしょう。いわゆる守秘義務です。しかしながら、派遣社員にうっかり口を滑らせてしまうケースも稀に見られます。セキュリティリスクの問題です。情報の取り扱いはくれぐれも注意しましょう。
派遣社員に対して安易に踏み込んではいけないこと
続いては、話題にすること自体、できれば避けたいものについて取り上げます。ざっと挙げると次のとおりです。
- 年齢
- プライベート
- 給料
- 会社の印象
以下、それぞれ補足します。これらは派遣社員に限らずデリケートなテーマです。安易に踏み込まないよう注意しましょう。
年齢について
年齢を尋ねられることで不快になる方は、派遣社員問わずいらっしゃいます。特に、関係性が薄い仲でこれをやってしまうのは、さすがに無神経だといえるでしょう。加えて、年齢による先入観を持たないことも大事です。「その年齢で派遣をやられているのですね」などはまさに言語道断。失礼どころか倫理観さえ疑われます。
プライベートについて
プライベートな質問は、相手にとって答えたくない内容も多分に含まれています。「結婚していますか？」「休日は何をしていますか？」といった質問は最たる例でしょう。特に派遣社員の場合、職場の人間関係が流動的なことも多く、その距離感を重視される方も少なくありません。したがって雑談のつもりでも、過度な踏み込みは避け、相手が自然に話す範囲でやりとりするのが望ましいと考えます。
給料について
給与は個人情報であり、正社員・派遣社員問わず、職場で話題にすべきではありません。「いくらもらっていますか？」と直接聞くのはもちろん、「派遣ってどれくらいもらえるの？」といった質問も避けましょう。そもそも契約内容に関わる話は派遣会社（の担当）との間で決められるものです。派遣先の人間（直接雇用の従業員）が詮索することはあまりに野蛮です。
会社の印象について
派遣社員は「この会社どう思います？」と聞かれても、大抵はどう答えてよいかわからないでしょう。仮に不満があっても正直に口にするのは憚られる一方で、無難な答えも結局は気を遣う羽目になります。それだけでストレスを抱くはずです。あくまでも契約の範囲内で仕事をしている派遣社員に、半ば無理に自社の印象を尋ねるのは、やはりナンセンスだと感じます。
そのほか派遣社員にしてはいけないこと
発言に気を配るだけでなく、イベント参加の強制やハラスメント行為全般がご法度であることも肝に銘じましょう。以下、それぞれ補足します。
イベント参加の強制
忘年会や懇親会、レクリエーションなどの行事を正社員はおろか派遣社員に対しても強制的に参加させようとしている会社を時折見かけます。これ単なる「誘い」ではなく、業務外の時間にまで関与する行為です。したがって強要はもはや契約違反ともいえます。たとえ単なる懇親のつもりでも心理的負担を負わすのは問題です。仮に「派遣の人も参加しないとね」「これも仕事の一環」などの言葉が飛び交うようだと、なおさら苦痛に感じられるでしょう。
ハラスメント全般
立場を利用した不適切な言動や扱いも含めてハラスメント全般、該当しないよう気を付けましょう。たとえば「派遣ならこれくらいやってよ」や「正社員より気楽でいいよね」と軽視するような発言はモラハラです。「何でできないの」「覚えが悪いね」などと威圧的な態度もパワハラ発言として捉えてよいでしょう。派遣社員に対し外見や服装について言及するのはセクハラに当たります。仮にこれまで問題視されていなくとも、どれもれっきとしたハラスメント行為です。これらが派遣社員を苦しめていることに自覚的でなければなりません。当然、企業イメージにもつながります。
派遣社員とのコミュニケーションで意識したいこと
ここまでお伝えしてきて、どこに地雷があるのかわからず対話が怖くなった方もいらっしゃるかもしれません。ただそれは、そもそも的外れな見解です。言ってはいけない、やってはいけないことを避けるためには、覚えるよりも根本的に考え方の改善が求められます。つまりコミュニケーションで何を意識するかが肝要です。以下、いくつか紹介します。
見下すような印象を与えていないか
派遣社員に対して無意識に上から目線の言動をしていないか注意しましょう。「派遣なのに優秀ですね」「正社員にならないの？」といった発言は、悪気がなくても見下していると受け取られます。派遣社員は雇用形態が違うだけで、いわば業務を遂行するプロフェッショナルです。立場の違いを意識しすぎず、対等な職場の一員として接することが、信頼関係を築くうえで欠かせません。
特別扱いをしていないか
派遣社員を「正社員とは別の存在」として特別視するのも、適切なコミュニケーションの妨げになります。たとえば、「派遣社員だから優しくしよう」といった気遣いはあまりに不自然です。適切な距離感を保ちつつ、業務上の関わりにおいては公平な対応を心がけるようにしましょう。
知り過ぎようとしていないか
たとえ職場の雰囲気を良くするための雑談であっても、それがプライベートに踏み込んだ話の場合、不快に感じさせる恐れがあります。業務上のやり取りを円滑にするための会話は大切ですが、適度な節度を持ち、知り過ぎようとしていないか、ふと我に返ることも必要です。
感謝を伝えているか
派遣社員は契約の範囲内で働いているとはいえ、業務への貢献を正当に評価し、感謝を伝えることは大切です。「ありがとうございます」の一言があるだけで、仕事に対するモチベーションが変わることもあります。一方で、「派遣なのに頑張ってくれてありがとう」といった言い方は、かえって見下している印象を与えるため避けましょう。あくまで業務を共にする仲間として、日々の協力に対する感謝を適切に伝えることが重要です。
派遣社員の採用や急な欠員補充をお考えの方へ
最後に、派遣社員も含めて期間が定まったなかで人材を採用するのにうってつけのサービスを紹介します。派遣社員への対応も大事ですが、それもまた結局は人材確保の一環です。急な欠員補充が必要な局面でスムーズに人を獲得できなければ、業務を円滑に回すことに支障をきたします。以下取り上げるのは、派遣会社の掲載が多い求人サイト『はたらこねっと』と空いた時間に人を雇える『スポットバイトル』です。ぜひご参照ください。
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禁句やコミュニケーション術は派遣社員だけに当てはまらない！
「派遣だから」「アルバイトなのに」といった雇用形態に対するバイアスのかかった表現は、不適切な言葉として意識的に避けるべきです。そしてこれは、相手の雇用形態を問わず当てはまります。過度な詮索やプライベートへの干渉、威圧的な態度も同様です。派遣社員に限らず、これらは誰に対しても不快感を与えます。つまるところ、従業員に対しては「一緒に働く仲間」として敬意を持ち、接することが肝要です。そうすることで自然とわだかまりを生むようなことは減っていくでしょう。職場全体の雰囲気を良くするだけでなく、業務も円滑に回るようになるはずです。
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