2026年度(令和8年度)の最低賃金改定に向けた議論が、本格化しています。物価高騰や深刻な人手不足を背景に、今年も過去最大規模の大幅な引き上げが予想されるなか、企業にはいち早い情報収集と対策が求められます。本記事では、最低賃金がいくら引き上がり、いつから適用されるのかを追跡。事前に予想、加えて企業が抱える不安や実務で活用できる支援策にも言及します。ぜひ、お役立てください。

最低賃金、2026年度(令和8年度)はいつからいくらの引き上げか?

  • 2026.07.21
  • 2026.08.24

2026年度(令和8年度)の最低賃金改定に向けた議論が、本格化しています。物価高騰や深刻な人手不足を背景に、今年も過去最大規模の大幅な引き上げが予想されるなか、企業にはいち早い情報収集と対策が求められます。本記事では、最低賃金がいくら引き上がり、いつから適用されるのかを追跡。事前に予想、加えて企業が抱える不安や実務で活用できる支援策にも言及します。ぜひ、お役立てください。

2026年度(令和8年度)の最低賃金に関する最新情報【2026年8月24日更新】

政府は2030年代半ばまでに全国加重平均1,500円を掲げています。ゆえに年々その注目度は増し、2026年度もまた最低賃金がどこまで引き上がるか、とりわけ人材採用に悩む事業主の方々は気が気でないでしょう。本章では、2026年度の改定に向けた具体的な審議のタイムラインをはじめ、都道府県のランク別目安額、予測のベースとなる前年度の振り返り、引き上げ額の予測、答申状況、決定事項に至るまで、フレッシュな情報をくわしくお伝えします。

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中央最低賃金審議会(目安に関する小委員会)のスケジュール

毎年、最低賃金は6月頃から議論が行われ、10月以降に改定・発効されます。2026年度も域別最低賃金額改定の目安について、例年どおりのスケジュールで審議が進められています。ざっと表にすると次のとおりです。

回数開催日議題等
令和8年度第6回2026年7月28日令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について
令和8年度第5回2026年7月27日令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について
令和8年度第4回2026年7月23日令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について
令和8年度第3回2026年7月17日令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について
令和8年度第2回2026年7月10日令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について
令和8年度第1回2026年6月26日令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について

出典:中央最低賃金審議会 (目安に関する小委員会)|厚生労働省

各都道府県に対する最低賃金引き上げ額の目安

2026年7月28日の令和8年度第6回中央最低賃金審議会において、地域別最低賃金額改定の目安について答申が取りまとめられました。各都道府県がABCの3ランク(Aランクが6都府県、Bランクが28道府県、Cランクが13県)に分けられ、それぞれ54円、56円、56円と公表されています。 

今後の流れとしては、各地方最低賃金審議会で、この答申を基に地域における賃金実態調査や参考人の意見なども踏まえ、調査審議が行われる予定です。そこでの答申を経て、各都道府県労働局長により最低賃金額が決定されます。

なお、目安どおりの場合、全国加重平均は1,176円です。昨年から55円の引き上げとなります。率に換算すると4.9%の上昇です。

各都道府県のランクについては下表をご覧ください。

ランク  目安の引き上げ額     都道府県
A54円東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、愛知県、大阪府
B56円北海道、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、三重県、滋賀県、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、福岡県
C56円青森県、岩手県、秋田県、山形県、鳥取県、高知県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

出典:令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について|厚生労働省

2025年度(令和7年度)の振り返り

2025年度の最低賃金改定は、物価上昇と深刻な人手不足を背景に、政府方針に沿った大幅な引き上げが行われました。全国加重平均では2024年度の51円からさらに引き上がり、なんと66円!とりわけ都市部と地方の格差是正は議論の的となり、後者の引き上げ幅が目安を上回るケースも多かったのが印象的です。結果として、企業の労務コスト負担は増加の一途をたどっており、賃上げ原資の確保が多くの経営者にとって喫緊の課題となった1年でした。

2025年度(令和7年度)の最低賃金引き上げについて

2026年度(令和8年度)の最低賃金引き上げを予測

2026年度の最低賃金は、過去数年のトレンドを引き継ぎ、全国加重平均で50円以上は堅く、過去最大規模の引き上げになる可能性が高いと予想されます。その根拠として、各シンクタンクのレポートや報道、労使双方の動向から、いくつかロジックが挙げられます。

一つ目は春闘の歴史的な高水準と、政府目標からの逆算です。今年の春季労使交渉(春闘)における高い賃上げ妥結率が、最低賃金引き上げの強力な追い風となっています(参照:賃上げ率3年連続5%超え 26年春季交渉、経団連1次集計)。

また、政府が掲げる「2030年代半ばまでに全国加重平均1,500円」という目標を達成するためには、毎年平均して約4〜5%(金額にして50円前後)の着実なベースアップが数学的に必須です。政府方針と春闘の波及効果という観点から、大幅な引き上げは既定路線と見られています。

労働組合の視点では止まらない物価高騰と生活防衛への強い要求も無視できません。長引くインフレによる実質賃金の低下が深刻です。全労連(全国労働組合総連合)のキャンペーンなどに見られるように、労働側は「現在の引き上げペースでは物価上昇に追いつかず、生活の維持が困難である」と強く主張しています。都市部だけでなく、全国一律での大幅な底上げ(全国一律最低賃金制の確立など)を求める声は年々強まる一方です。審議会における労働側委員の強力な交渉材料ともいえます。

そしてやはり、地方の人材流出を防ぐための格差是正もついて回る課題です。最低賃金の「地域間格差」がもたらす地方の人材流出問題は、労務専門メディアや各種ニュースでも頻繁に取り上げられています。仮に隣接する都道府県で最低賃金に数十円の差がある場合、労働者が時給の高い地域へと流れてしまうのも無理はありません。そのため、地方の審議会では中央が示した「目安」以上の上乗せ(引き上げ)を行うケースも多々見られます。これが全国加重平均をさらに押し上げる要因といっても過言ではないでしょう。

こうしたことから2026年度も50円を超える大幅な改定が実施されると見るのがもっとも論理的かつ現実的です。企業側は、この水準を前提とした労務コストのシミュレーションと価格転嫁などの準備を急ぐ必要があります。

2026年度(令和8年度)、地方最低賃金審議会の答申状況

目安も決まり、来るべき引き上げ時期に向けて各都道府県の地方最低賃金審議会では、2026年度の最低賃金をいくらに設定するか議論が進んでいます。以下、答申状況です。随時更新します。

都道府県引き上げ額適用予定時期最低賃金答申日出典
北海道56円2026年10月1日1,131円2026年8月5日

令和8年度北海道最低賃金額の改正を答申

青森答申待ち答申待ち答申待ち答申待ち
岩手答申待ち答申待ち答申待ち答申待ち
宮城60円2026年10月1日1,098円2026年8月5日

宮城地方最低賃金審議会の意見に関する公示

秋田59円2026年10月14日1,090円2026年8月18日

秋田県最低賃金を時間額1,090円に

山形答申待ち答申待ち答申待ち答申待ち
福島61円2026年10月16日1,094円2026年8月20日

福島県最低賃金(時間額)を1,094 円(+61 円)に引上げ

茨城答申待ち答申待ち答申待ち答申待ち
栃木57円2026年10月1日1,125円2026年8月5日

令和8年度の最低賃金の改定を答申

群馬57円2026年10月3日1,120円2026年8月6日

群馬県最低賃金の改正決定について(答申)

埼玉55円2026年10月1日1,196円2026年8月5日

埼玉県最低賃金の改正を答申

千葉55円2026年10月1日1,195円2026年8月5日

千葉県最低賃金の55円の引上げを答申しました。

東京54円2026年10月1日1,280円2026年8月5日

東京都最低賃金の54円引上げを答申

神奈川54円2026年10月1日1,279円2026年8月4日

神奈川県最低賃金額54円の引上げへ

新潟58円2026年10月1日1,108円2026年8月5日

令 和8年度新潟県最低賃金の改正決定について

富山57円2026年10月1日1,119円2026年8月5日

富山県最低賃金「時間額1,119円」を答申

石川59円2026年10月3日1,113円2026年8月7日

石川県最低賃金の改正決定について(答申)

福井59円2026年10月4日1,112円2026年8月10日

福井地方最低賃金審議会の意見に関する公示

山梨答申待ち答申待ち答申待ち答申待ち
長野56円2026年10月2日1,117円2026年8月6日

長野県最低賃金 「時間額1117円」を答申

岐阜56円2026年10月1日1,121円2026年8月5日

岐阜県最低賃金を1,121円に

静岡57円2026年10月15日1,154円2026年8月12日

静岡地方最低賃金審議会の意見に関する公示

愛知55円2026年10月1日1,195円2026年8月5日

愛知県最低賃金の改正決定に係る愛知地方最低賃金審議会の意見に関する公示

三重56円2026年10月1日1,143円2026年8月5日

令和8年度三重県最低賃金(地域別最低賃金)の改正答申について

滋賀56円2026年10月3日1,136円2026年8月7日

滋賀地方最低賃金審議会の意見に関する公示

京都58円2026年11月16日1,180円2026年8月20日

京都府最低賃金が時間額1,180円に

大阪54円2026年10月1日1,231円2026年8月5日

大阪府最低賃金を54円引上げ 時間額1,231円に

兵庫56円2026年10月1日1,172円2026年8月4日

兵庫県最低賃金 時間額56円引上げを答申~時間額は1,172円に~

奈良56円2026年10月4日1,107円2026年8月10日

奈良地方最低賃金審議会の意見に関する公示

和歌山56円2026年10月3日1,101円2026年8月7日

令和8年度和歌山県最低賃金の改正決定の答申について

鳥取60円2026年10月3日1,090円2026年8月7日

鳥取地方最低賃金審議会の意見に関する公示

島根59円2026年10月10日1,092円2026年8月14日

島根県最低賃金59円の引上げ 時間額1,092円に

岡山57円2026年10月2日1,104円2026年8月6日

岡山県最低賃金57円引上げを答申

広島56円2026年10月11日1,141円2026年8月17日

広島県最低賃金は56円(5.2%)引き上げて「時間額1,141円」に

山口58円2026年10月8日1,101円2026年8月12日

令和8年度山口県最低賃金改正に関する答申が行われました

徳島答申待ち答申待ち答申待ち答申待ち
香川56円2026年10月1日1,092円2026年8月5日

香川地方最低賃金審議会の意見に関する公示

愛媛60円2026年11月1日1,093円2026年8月21日

愛媛県最低賃金 時間額1,093円を答申

高知答申待ち答申待ち答申待ち答申待ち
福岡57円2026年10月4日1,114円2026年8月10日

令和8年度の福岡県最低賃金の改正決定について答申が行われました

佐賀答申待ち答申待ち答申待ち答申待ち
長崎答申待ち答申待ち答申待ち答申待ち
熊本答申待ち答申待ち答申待ち答申待ち
大分答申待ち答申待ち答申待ち答申待ち
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随時更新!2026年度(令和8年度)の最低賃金一覧表

2026年度の地域別最低賃金は、以下掲載の一覧表にてご確認ください。随時更新します。

都道府県最低賃金額発効年月日改定前の額  引き上げ額(円)  
北海道答申済み答申済み1,075円答申済み
青森答申待ち答申待ち1,029円答申待ち
岩手答申待ち答申待ち1,031円答申待ち
宮城答申済み答申済み1,038円答申済み
秋田答申済み答申済み1,031円答申済み
山形答申待ち答申待ち1,032円答申待ち
福島答申済み答申済み1,033円答申済み
茨城答申待ち答申待ち1,074円答申待ち
栃木答申済み答申済み1,068円答申済み
群馬答申済み答申済み1,063円答申済み
埼玉答申済み答申済み1,141円答申済み
千葉答申済み答申済み1,140円答申済み
東京答申済み答申済み1,226円答申済み
神奈川答申済み答申済み1,225円答申済み
新潟答申済み答申済み1,050円答申済み
富山答申済み答申済み1,062円答申済み
石川答申済み答申済み1,054円答申済み
福井答申済み答申済み1,053円答申済み
山梨答申待ち答申待ち1,052円答申待ち
長野答申済み答申済み1,061円答申済み
岐阜答申済み答申済み1,065円答申済み
静岡答申済み答申済み1,097円答申済み
愛知答申済み答申済み1,140円答申済み
三重答申済み答申済み1,087円答申済み
滋賀答申済み答申済み1,080円答申済み
京都答申済み答申済み1,122円答申済み
大阪答申済み答申済み1,177円答申済み
兵庫答申済み答申済み1,116円答申済み
奈良答申済み答申済み1,051円答申済み
和歌山答申済み答申済み1,045円答申済み
鳥取答申済み答申済み1,030円答申済み
島根答申済み答申済み1,033円答申済み
岡山答申済み答申済み1,047円答申済み
広島答申済み答申済み1,085円答申済み
山口答申済み答申済み1,043円答申済み
徳島答申待ち答申待ち1,046円答申待ち
香川答申済み答申済み1,036円答申済み
愛媛答申待ち答申待ち1,033円答申待ち
高知答申待ち答申待ち1,023円答申待ち
福岡答申済み答申済み1,057円答申済み
佐賀答申待ち答申待ち1,030円答申待ち
長崎答申待ち答申待ち1,031円答申待ち
熊本答申待ち答申待ち1,034円答申待ち
大分答申待ち答申待ち1,035円答申待ち
宮崎答申待ち答申待ち1,023円答申待ち
鹿児島答申待ち答申待ち1,026円答申待ち
沖縄答申待ち答申待ち1,023円答申待ち
全国加重平均     ※審議中※審議中1,121円※審議中
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最低賃金引き上げの背景

最低賃金が過去最大規模で連続して引き上げられている背景には、単なる一時的な経済変動ではなく、日本社会が直面している構造的・不可逆的な変化があります。それは前述した予想における裏付けとも重なります。

まずもっとも切実な要因として挙げられるのが、長引くインフレによる実質賃金の目減りです。エネルギー価格や食料品などの生活必需品が高騰を続けるなか、名目上の時給が多少上がっても、労働者の購買力は低下傾向にあります。特に最低賃金付近で働く非正規雇用労働者にとって、物価高は生活基盤を直撃する死活問題であり、国としてセーフティネットの機能を強化し、労働者の生活水準を防衛しなければならないという強い社会的要請が根底に存在しています。

同時に、企業の現場を直撃しているのが、少子高齢化などに起因する慢性的な人手不足です。現在、労働集約型の産業を中心に人材獲得競争は極めて熾烈になっています。とりわけ地方経済においては最低賃金で地域間格差が生じているがゆえ、少しでも条件の良い都市部や隣接県へ労働者が流出してしまう現象が問題視されています。結果、今いる従業員をつなぎ止めるために防衛的な賃上げを迫られる企業も少なくありません。いわば労働市場からの強い突き上げが起きています。

さらに、近年の春季労使交渉(春闘)を見ても、高水準の賃上げが加速しているのが現実です。この賃上げの波は決して一部の大企業に限った話ではなく、中小企業や非正規雇用の労働者にも波及しているように見受けられます。

さて、政府は直近、全国加重平均1,500円の目標を、前のめりだった早期達成論から「2030年代半ばまでに」と現実的なスケジュールへと後ろ倒し・調整されました。これは、ここ数年の急激な賃上げによる中小企業の倒産リスクなどを考慮した結果です。しかしながら、ペースダウンしてもなお、計算上は毎年50円前後のベースアップを要します。目前のインフレ対策、そして労働力不足の解消にはどうしても引き上げが既定路線として推し進められるわけです。

最低賃金の引き上げがもたらす不安

最低賃金の引き上げが不可避な既定路線となっている一方で、昨今の急激なペースでの上昇は経営者や人事担当者に少なからず不安をもたらしているはずです。具体的には次の2点が挙げられます。

以下、それぞれの実態について解説します。

人件費高騰による倒産リスク

大企業であれば、賃上げによるコスト増を商品やサービスの価格へ転嫁(値上げ)したり、内部留保で吸収したりすることが一般的に見受けられます。他方、中小企業や小規模事業者の場合、それは決して簡単なことではありません。生産性が向上していない状態で強制的に時給だけを引き上げざるを得ないため、人件費の増加分がそのまま企業の利益を直接的に圧迫するわけです。そうなると、賃上げ原資を確保できない企業が資金繰りの悪化から廃業を選択する、いわゆる「あきらめ倒産」や「人手不足倒産」のリスクも浮上してきます。明日は我が身、不安はどうしても付きまといます。最低賃金の引き上げがそうした事態を招くかどうかは短絡的に捉えずとも対策を図って損はないでしょう。

「年収の壁」による働き控え

最低賃金が引き上がることで所得税が発生する「103万円の壁」や、社会保険の加入義務が生じる「106万円・130万円の壁」を超えない動きも出てくるでしょう。最低賃金が上がり以前と同じ労働時間ではこの上限に達してしまう場合、手取りが減らないよう意図的にシフトを入れない向きもあるはずです。仮に年末の繁忙期などでこれが起きると現場の混乱は容易に想像できます。

労働者の処遇改善と人材確保を狙ったはずの最低賃金引き上げですが、皮肉にも人手不足の問題をさらに悪化させるわけです。

最低賃金の引き上げに向けた対策

最低賃金の引き上げが避けられない以上、企業はいかにして利益を確保し、人材をつなぎ止めるかという実践的な対策へ舵を切る必要があります。もちろん、各施策が自社に合ったものかどうかも慎重に判断していかなければなりません。心苦しくも商品やサービスの価格転嫁を実施するか、長い目で捉えると業務効率化を図るツールの導入も一つかもしれません。育成に注力、労働環境の見直しなども生産性向上には一役買うでしょう。成果として還元されればそれはポジティブな変化といえます。そもそも最低賃金の引き上げのタイミングで時給アップを遂行すること自体がナンセンスに捉えられる可能性もあります。普段から待遇改善を意識することは大なり小なり必要です。その一方で労働者の働き方への目配りも欠かせません。タイムパフォーマンスを重視するからこそ空き時間を有意義に使うべく仕事探しをされる方は一定数存在します。そう、人手不足の穴をここで埋められるチャンスがあるわけです。このスポットバイトのニーズをシフト調整に取り入れない手はないでしょう。

国の支援事業も含めてこうした対策をまずは知っておくことが大事です。以下、それぞれ簡単に説明します。

適切な価格転嫁

人件費の高騰をこれ以上、内部の企業努力だけで吸収し続けるのには限界があります。「顧客離れが怖い」「取引先に切り出せない」と値上げに踏み切れないジレンマは痛いほどわかりますが、利益を削って事業そのものが立ち行かなくなっては元も子もありません。ここで重要になるのは、単に値段を書き換えるだけでなく、価格改定の背景を誠実に伝えることです。商品やサービスの品質を維持し、従業員の働く環境を守るための適正な対価として、消費者や取引先に理解を求めていく姿勢が問われます。それでもなお心苦しい決断にはなりますが、商品の見直しや新たな付加価値の提供などとセットで考えることで、会社を存続させるための真っ当な自衛策として向き合う必要があるでしょう。

生産性向上につながるツール導入

人件費が上がるなかで意識したいのが生産性向上です。これを高めるには、現場の「目に見えない無駄な時間」をいかに削るかが鍵になります。特に採用活動や従業員のシフト管理といった業務は、担当者の時間を大きく奪いがちです。長い目で見れば、こうした業務にツールを導入して効率化を図ることは、非常に理にかなった投資といえます。

たとえば、日々のシフト調整や従業員とのコミュニケーションには『バイトルトーク』の活用が有効です。最低賃金の引き上げに伴い、「年収の壁」を意識した細かなシフト変更や、急な欠員への対応が今後さらに増えることが予想されます。専用ツールを使って調整の手間を最小限に抑える仕組みを作っておけば、店長や現場責任者の負担は劇的に軽くなるはずです。

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また、採用業務の負担軽減には『面接コボット』をおすすめします。せっかく応募が来ても、面接日程の調整や事前のリマインド連絡に追われていては本末転倒です。こうした煩雑なやり取りをツールで自動化することで担当者の業務効率化が進み、面接の歩留まり改善を通じて、結果的に採用単価の削減にもつながります。人がやるべき業務とツールに任せる業務をしっかりと切り分けることが、これからの組織運営には不可欠です。

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生産性向上につながる組織改革

ツール導入による業務の効率化とあわせて着手したいのが、組織の基盤を整える「労働環境の見直し」と「育成」です。まず前者については、業務の棚卸しが有効です。利益に直結しない付帯業務の削減や、無駄な残業の抑制など、従業員が本来のコア業務に集中できる環境を整えるだけでも、組織全体のパフォーマンスは大きく改善されます。

そして、整えられた環境下でより高い成果を生み出すためには育成への注力も欠かせません。一人当たりの人件費のベースが上がるからこそ、研修の充実やスキルの共有を通じて、従業員一人ひとりの対応力や作業スピードを高めていく必要があります。

改定時期よりも早い待遇改善

最低賃金が改定される10月に合わせて時給を上げるのは、いわば法律への対応に過ぎません。これを義務として受動的に行うか、それとも企業からの評価として能動的に提示するかで、スタッフの受け止め方は大きく異なります。当然、後者の方が印象は良いでしょう。周囲の企業が動く前に数ヶ月前倒しして時給を上げれば、「自発的に待遇を良くしてくれた」という感謝や信頼につながり、既存スタッフのモチベーションや定着率にプラスの影響をもたらすはずです。同時に、採用市場でも他社に先駆けて好条件をアピールできるため、秋の繁忙期に向けた人材獲得において確かなアドバンテージとなるかもしれません。

スポットバイトの募集

既存のスタッフだけでシフトを回し切るのが難しくなっている今、数時間単位の空き枠をどう埋めるかが現場の切実な課題となっています。ここで活路となるのが、前述した空き時間の活用を望む層へのアプローチです。特定の曜日やピークタイムだけ人手が欲しい企業側と、空いた時間に少しだけ働きたい求職者側。この両者のニーズをうまくすり合わせることができれば、現場の負担は大きく和らぎます。年収の壁を意識して労働時間を抑えざるを得ない既存パート層が抜けた穴をカバーする手段としても、非常に合理的です。

こうした需要の取り込みに直結するのが、単発・短時間の募集に特化した『スポットバイトル』です。面接や履歴書といったプロセスを省き、即戦力となる働き手をスピーディーに確保できる仕組みは、急な欠員対応にも貢献してくれるでしょう。加えて、まずは単発で現場を経験してもらい、双方が合意すればレギュラー勤務へと引き上げるといった、長期採用の入り口として機能させることも可能です。これからのシフト運用においては、こうした流動的な労働力をいかに生かせるかが問われてきます。ぜひ、ご利用のほど検討ください。

スポット募集で柔軟に人材確保!「スポットバイトル」

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中小企業・小規模事業者への支援事業もチェック!

最低賃金の引き上げによる負担を企業単独で抱え込む必要はありません。厚生労働省では、賃上げや生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者を後押しするため、主に以下の3つの支援事業を展開しています。自社で活用できるものがないか、ぜひ確認してみてください。

最低賃金引上げに向けた中小企業・小規模事業者への支援事業

専門家派遣・相談等支援事業(無料の相談窓口)

賃金規定の見直しや、労働条件の改善、さらには各種助成金の活用方法などについて、社会保険労務士や中小企業診断士といった専門家に無料で相談できるワンストップ窓口です。経営改善に向けた具体的なアドバイスを直接受けられるため、何から手をつければいいか迷っている企業にとって心強いサポートとなります。

業務改善助成金(設備投資の支援)

事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を一定額以上引き上げ、かつ生産性向上のための設備投資(POSシステムの導入、リフト付き車両の購入など)を行った場合、その設備投資にかかった費用の一部が助成される制度です。前述したツール導入などによる「業務効率化」と「時給アップ」をセットで進める際に、相性の良い助成金といえます。 

働き方改革推進支援助成金(団体推進コース)

こちらは個別の企業ではなく、業種別の事業主団体(協同組合など)を対象とした助成金です。業界全体として傘下企業の生産性向上や賃金底上げを図るため、市場調査や新たなビジネスモデルの開発、人材確保のための取り組みなどを行った際、その費用が助成されます。組合単位で業界全体の労働環境改善に動く際に活用できます。 

最低賃金に関するよくある質問(2026年度版)

すでにお伝えしている内容ですが、あらためて2026年の最低賃金改定に関する最新の見通しや、政府の目標達成に向けた今後の動向について、よくある質問をFAQ形式でまとめました。さっとご確認ご活用ください。

Q

2026年の最低賃金は前年度からいくらの引き上げが予想されますか?

A

全国加重平均で50円以上は堅く、過去最大規模の引き上げになる可能性が高いと予想されます。

Q

2026年の最低賃金はいつから改定されますか?

A

例年どおり6月頃から議論が行われ、10月以降に改定・発効が予想されます。

Q

全国加重平均が1,500円に到達するのはいつになりそうですか?

A

政府の方針では「2030年代前半」と掲げられています。

賃金の見直しにお悩みの方へ

2026年度(令和8年度)も最低賃金の引き上げによって時給の設定を改める必要が出てくるでしょう。そのうえで本記事では、業務効率化ツールの導入、スポットバイトの活用、国の支援事業など、いくつかの対策をご紹介しました。

とはいえ、業態や地域、現在のスタッフ構成によって「自社にとって最適な打ち手」は異なります。選択肢が多い分、何から着手すべきか迷ってしまうケースも少なくありません。

そこで仮に賃金の見直しやそれに伴う人材確保、シフト管理などでお悩みの際は、ぜひ弊社にお気軽にご相談ください。

「スポットバイトの導入イメージが湧かない」「面接業務の負担を減らしたい」といった具体的なご質問はもちろん、現状の課題整理からでも構いません。ぜひ、貴社に合った実践的な対策を見つけるところからお手伝いさせていただけますと幸いです。

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