雇用期間とは

雇用期間とは、具体的にどういったものなのでしょうか。
以下に、雇用期間の種類と、契約を結ぶ際のルールについて説明します。
雇用期間の定めや基本概要
冒頭でもお伝えしたとおり、有期雇用契約が継続する期間を「雇用期間」と呼びます。
雇用期間の上限は原則3年です。しかし、専門的なスキルを持つ労働者や、満60歳以上の労働者の場合は5年に延長されます。
雇用契約の種類とそれぞれの期間について
有期雇用契約には、準社員型契約社員、パートタイム・アルバイト型契約社員、高度専門職型契約社員、嘱託型契約社員の4種類が存在します。
以下、それぞれの契約形態についてです。
準社員型契約社員
準社員型契約社員とは、正社員とパート・アルバイトの間にあたる雇用形態です。
雇用期間が定まっている点も含め、契約社員との明確な違いはありません。
また、業務内容や賞与、就業時間など、会社によって契約内容はさまざまです。
雇用期間を含め、就業前にきちんと確認しましょう。
パートタイム・アルバイト型契約社員
パートタイム・アルバイト型契約社員とは、同じ事業所の正社員よりも、1週間の所定労働時間が短い労働者を指します。
彼・彼女らは短時間労働者(パートタイム労働者)として、パートタイム労働法の対象です。
就業時間など、ライフスタイルに応じた働き方ができるのが魅力だといえます。
高度専門職型契約社員
有期雇用契約の中でも、特に高度な専門的知識を持つ契約社員を、高度専門職型契約社員といいます。
通常は3年が上限の雇用期間が、例外的に5年に延長されるのが特徴です。
定年後に再雇用される嘱託型契約社員
企業と有期雇用契約を結んだ社員を、嘱託型契約社員といいます。
「高齢者雇用安定法の改正」により、定年後も安定して働ける環境が整備されてきました。
そういった背景もあり、最近では定年後に企業に再雇用されるケースが増えています。
試用期間との違いは?
有期雇用契約で定義される雇用期間に対して試用期間は、主に無期雇用契約を結ぶ際に設けられるケースが多く、その期間は大体1ヶ月〜6ヶ月程度です。
雇用期間の定めがない無期雇用契約は、本採用後は相当の理由がない限り容易に解雇できません。
そのため試用期間は、労働者が業務を遂行するにあたって、十分なスキルを有しているかなどを判断するために有意義な制度だといえます。
▶関連記事:アルバイトの試用期間について給料や延長の設定、注意点など解説
雇用契約を結ぶうえで理解すべきルール
企業は労働者と有期雇用契約を結ぶ際、いくつか理解すべきルールがあります。
労働者とのトラブルを防止するためにも、以下の点に注意しましょう。
無期雇用契約への転換
期雇用契約の期間が連続かつ累計5年以上に達した場合は、企業は労働者の求めに応じて無期雇用契約に変更する必要があります。
無期雇用契約を望む労働者が上記条件を満たしていたならば、企業はそれを拒否することはできません。
したがって、契約を交わす文書には期間はもとより、更新の有無についてもしっかり明示しておきましょう。
「雇止め法理」の法定化
有期雇用契約を結んだ労働者に対し、労働契約の更新を認めないことを、雇止めと言います。
現在、企業は、労働者が契約更新を希望する場合、客観的にみて妥当な理由がある場合を除き、無制限に雇止めを行えなくなりました。
これは、労働者が突然仕事を失うことのないよう雇止めを法的に制限するためのルール「雇止め法理」が、法律として認められたためです。
不合理な労働条件の禁止
雇用契約を結ぶ際は、正社員と非正規社員の間に不合理な格差が生じないよう、明確な労働条件を記載しておく必要があります。
賃金や労働時間、交通費など、両者に差がでないようルールで定められているのです。
雇用期間を設ける際の注意点

雇用期間はただ何とはなしに決めていいものではありません。雇用契約を結ぶ際に気をつけるべきポイントについて以下、いくつかご紹介します。
契約期間や更新の意思表示を明確化する
有期雇用契約を結ぶ労働者に対しては、雇用期間や更新の意思表示を明確化することが大事です。
たとえば契約更新をしない場合にも、契約手続きの正当性を証明できなければ、労働者との無用なトラブルに発展することがあります。
このとき、労働者側の合意を得たという証拠が重要です。契約内容や契約更新についての判断基準は、文書によってはっきり残すようにしましょう。
就業規則の用意と整備
正社員と有期雇用契約者では、給与や有給休暇など、労働条件で異なる面が多くあります。
そのため、正社員とは別に、有期雇用契約者向けの就業規則を設けなければなりません。
労働者側の誤認を回避するためにも、契約期間の上限や契約更新の判断基準、また雇止めの予告や契約期間中の解雇についてもしっかりと就業規則に記載するようにしましょう。
社会保険への加入義務
労働者を雇い入れた日から、社会保険の加入義務は生じます。
労働者が社会保険に未加入だった場合は、企業が処罰の対象となるため、注意が必要です。
ただし、週の所定労働時間もしくは月の所定労働日数が常時雇用者の4分の3未満、あるいは雇用の契約期間が2カ月以内の場合はその限りではありません。
就業の場所・業務内容・賃金の記載
雇用契約書には就業場所や、業務の内容について記載します。
また、賃金の計算方法や決定方法、さらに支払い方法についても同様に明記することになります。これによって労働者とのいざこざに発展するリスクは少なからず下げられるはずです。裏を返せば、ここが曖昧だとトラブルになりかねません。
雇用期間中に契約を解除できるケース

労働者は法律で守られており、雇用期間中の解雇は原則できないとされていますが、やむを得ない事情がある場合には、契約は解除できます。
その方法について、具体的には以下のとおりです。
退職推奨
退職推奨は、労働者自身の意思による退職や、双方の合意に基づく契約解除のことをいいます。
ただし、退職推奨は強制力を持たないため、労働者自身が従う義務はありません。
拒否される可能性があることも覚えておきましょう。
解雇処分
解雇予定日の30日以上前に従業員への解雇通告を行うか、30日分の解雇予告手当を支払ったうえでの即日解雇が、解雇処分の主な手段です。
しかし労働者は法律で守られているため、現実的に契約解除や解雇は難しいことを認識しておく必要があります。
一方で、能力不足や勤務態度の悪さについて、企業側が労働者へ指導した証拠があれば、解雇処置の有効性が認められる可能性は高まります。
いずれにしても契約解除を行う要件や、就業規則については、きちんと明示することが大切です。
雇用期間に対する理解を深め管理に活かそう!

雇用期間は、労働者との雇用契約を結ぶうえで非常に重要なポイントのひとつです。
採用面接の段階で、その人のスキルや人間性すべてを知ることは容易ではありません。
「こんなはずではなかった」とならないよう、雇用期間や試用期間の設定など、雇用契約を結ぶ段階で明確化しておくことが大事です。
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