シフト制とは?

働き方の多様化が進む昨今、シフト制は多くの企業で浸透している勤務形態の一つといえます。組織の生産性と従業員の働きやすさを両立するためにも、この仕組みを理解する必要があるでしょう。本章ではまず、シフト制の基本的な意味、そして種類について言及します。
シフト制の意味
シフト制は、営業時間や業務量に応じて従業員の勤務時間を柔軟に設定できる労務管理システムです。業務効率化を目的とし、小売業、飲食業、医療・介護施設などで広く取り入れられています。
シフト制の種類
シフト制は大きく3つに分類されます。ざっと挙げると、あらかじめ勤務時間や曜日が決まっている「固定シフト制」、従業員が希望する時間や曜日を申告し、それに基づいて勤務が決まる「自由シフト制」、日勤・夜勤など複数のシフトパターンから選択する「完全シフト制」です。
固定シフトとは?

あらためて固定シフトとは、従業員の勤務日や時間が前もって決められている勤務形態です。たとえば、「毎週月曜と水曜の13時から17時」といった具合に文字どおり固定されたシフトが該当します(フルタイム勤務も固定シフトとして設定した場合は含まれます)。大抵は営業時間が決まっている職場で導入され、業界別に見てもたとえば飲食店ではランチやディナーの時間帯に合わせてシフトを割り当てたり、小売店だと開店・閉店作業の担当を就かせたりといった具合です。
固定シフトが組織にもたらすメリット

固定シフトには組織にとっては大きく2つのメリットがあります。ずばり、次のとおりです。
- 容易に勤怠管理が行える
- 教育・研修がしやすい
以下、それぞれ補足します。
容易に勤怠管理が行える
固定シフトの場合、従業員の勤務時間があらかじめ決められている分、シフト作成や勤怠管理にそう手間をかける必要がないでしょう。典型的なのは給与計算です。タイムカードは固定された時間と照合するため、余計な負担がかからず、それ以外の業務にも支障をきたすことなく進められます。
教育・研修がしやすい
固定シフトであれば、その従業員に対して教育・研修も計画的に行えるでしょう。時間確保がしやすいため、グループに分けてレクチャーする場合も調整が利きやすいはずです。これは定例ミーティングや業務報告会などにもいえます。各人がどのフェーズにいるのかも管理しやすく、人材育成を効率よく進められます。
固定シフトが組織に及ぼすデメリット

固定シフトは、人員を管理していくなかで制約を受けやすい側面があります。急な欠勤やシフト調整が難しく、従業員の柔軟なニーズに応えにくい点は、前述したメリットに対していわばデメリットです。以下、それぞれ補足します。
急な欠勤やシフト調整が難しい
固定シフトでしばしば混乱が起きやすいのが、突発的な人員変動への対応です。予定外の欠勤や遅刻が発生した際、固定シフトゆえに代替要員の確保が難しく、状況によっては業務の遂行にも支障をきたします。緊急時の人員補充や業務の再分配を素早く行いたくとも、なかなか思うようにいかないケースがほとんどです。結局はほかの従業員に無理を強いることも少なくありません。
従業員の柔軟なニーズに応えにくい
たとえば育児や介護が必要な方の場合、できることなら融通が利く働き方が安心です。しかしながら、イレギュラーな事態に見舞われるたびに休まざるを得ないケースも多々見受けられます。そうした固定シフトの弊害で勤務調整が欠勤一択になってしまっては、続けていくことが難しくなるのも無理はないでしょう。これは、雇う側の立場でもいえることです。
固定シフトと自由シフトの違い

自由シフトは、従業員が自身の都合に合わせて勤務日や時間を選択できる柔軟な勤務形態です。たとえば、学生や主婦(主夫)など、学業や家庭の事情に合わせて働きたい人に適しています。彼・彼女らに週ごとあるいは月ごとに希望のシフトを提出してもらい、それを基に雇用側がシフトを組んでいくのが一般的です。固定シフトと比べると自由シフトは、従業員の希望を反映しやすいといえます。その柔軟性を理由に応募する向きもあるでしょう。また急な欠員が出た際には、うまくシフトを調整し、なるべく従業員一人当たりの仕事量を増やさないこともできるかもしれません。しかしながら、その手間や給与計算などの管理を煩雑にする可能性は大いに考えられます。特に目視などアナログな対応を続けている職場の場合、業務負担は馬鹿にならないでしょう。
固定シフトと完全シフトの違い

完全シフト制とは、あらかじめ複数の勤務パターン(例:早番・中番・遅番など)が用意され、シフトが決まっていきます。このシステムは、24時間稼働する業界や、時間帯ごとに業務量の変動が大きい職場で導入されることが一般的です。工場は最たる例でしょう。ある日は早番、翌日は遅番のように、日によって勤務時間が異なる点も特徴です。雇う側からすると、固定シフトと異なり業務の繁閑に応じて柔軟に人員配置が可能な点はメリットといえる一方で、煩雑化する分、管理に手間を要することも考えられます。
固定シフトが向いている組織の特徴

各シフトは、組織の成長段階や業務特性に応じて導入効果は異なります。そのため、自社の特徴を分析し、固定シフトが組織にもたらす価値を見極めることが必要です。ざっと向いている組織の特徴を挙げましょう。
- 業務量の変動が少ない
- 勤怠管理の簡素化に取り組んでいる
- 属人性の高い業務がメイン
以下、それぞれ補足します。
業務量の変動が少ない
業務量が毎日ほぼ変わらない組織の場合、固定シフトにより経営効率の最大化が図れます。たとえば、定期的な製造ラインやシステム運用、コールセンター業務など、一定のペースで業務が発生する職場がそうです。これにばらつきがあると人件費(固定費)が無駄に思える時期なども出てくるかもしれません。また、人的リソースの把握に加え、各人の業務への負荷も予測しやすいのも固定シフトの特徴です。したがって、管理するうえでも業務量の変動が少ない組織が向いているといえます。
勤怠管理の簡素化に取り組んでいる
人事管理の負担を極力かけないためには、固定シフトの方が向いているでしょう。ゆえに勤怠管理の簡素化に取り組んでいる組織にとって固定シフトは、うってつけの勤務形態です。特に残業時間の把握や給与計算では如実に楽に感じられるでしょう。これらがシンプルであればあるほど混乱することも少ないはずです。
属人性の高い業務がメイン
たとえば、製造関連の職人仕事や、経理や設計など経験が求められる業務は、毎回違う担当者が従事すると、効率が下がりがちです。そのため、決まった勤務時間のなかで集中的に働く方が適しているといえます。また、顧客対応が多い仕事でも、担当者が変わると引き継ぎが増えてしまうため、いろいろと面倒なことも出てきやすいでしょう。実際、こうした属人性の高い業務がメインの職場は、固定シフトが導入されやすい傾向にあります。
固定シフトにおける注意点

固定シフトを運用する際は、法規や人材管理、採用のタイミングなど複数の観点で配慮が必要です。以下、具体的に取り上げ、説明します。
法定労働時間を守る
固定シフトを導入する際は、いわずもがな労働基準法で定められた1日8時間、週40時間の法定労働時間を遵守しなければなりません。これを超える場合、事前に労使間で時間外労働協定(36協定)を締結し、所轄の労働基準監督署長へ届け出る必要があります。そのうえで長時間労働が慢性化しない体制づくりも大事です。そのほか、休憩時間や休日の確保も法令で義務付けられています。くれぐれも違反しないよう注意しましょう。
▶関連記事:アルバイトの労働時間について、上限など労働基準法に則り解説
▶関連記事:アルバイトの休憩時間の決め方って?法律に沿って解説
特定の従業員に業務負担が偏らないようにする
時間帯や曜日によって業務量が異なる場合、公平性が失われ、人によっては生じる負担、そして疲労度も変わってきます。このような事態を防ぐためには、業務の割り振りや人員配置を見直すことが必要です。また、業務フローも定期的にテコ入れしましょう。固定シフトの枠組みを維持しながら業務負担のバランスをとることが大事です。
余裕を持って人材を確保する
固定シフトの場合、予期せぬ欠勤や突発的な業務増加にすぐ対応するのが他のシフト制に比べても難しい傾向にあります。そのため、余裕を持って人材を確保しておくことが大事です。繁忙期や閑散期の業務量、そして必要人員数を見据えたうえで、若干多めに、かつタイミングを前に倒して採用を行うとよいかもしれません。
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固定シフトが最適か否かの判断は広い視野が必要!

たとえば、業務の属人性が高く稼働量が時間帯に依存しない場合、固定シフトが適していますが、これが変動するとなると、柔軟に調整可能なシフト制の方が望ましいわけです。また、従業員のライフスタイルにも考慮しましょう。固定シフトでは、育児や学業を両立してもらうのが難しいかもしれません。このように、固定シフトが最適か否かを判断するには、業務内容や従業員の働き方など、広い視野で検討することが必要です。他のシフトも一長一短あります。拙稿でお伝えした内容もぜひご参照いただき、総合的に判断することが大切です。
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