6月の求人が大事になってきた背景

人手不足の問題への向き合い方も含めて、求人が一筋縄でいかなくなった昨今。上述のとおり、新型コロナは5類へ移行し、この先、景気需要はより回復基調を辿ることが想定できます。と、それに伴う従業員の動きなど、目配りが必要なところを忙しさにかまけて疎かにしてしまえば、繁盛が見込めるタイミングで人が抜ける状況が生まれ、たちまち手は回らなくなるでしょう。したがって、求職者の動きが緩やかになりがちな6月であっても、次月以降の不安を払拭すべく、確実にシフトが埋まるよう人材を確保しておく必要があるのです。以下、その背景をより細かくお伝えします。
そもそも深刻化している人手不足の問題
各業界、深刻な人手不足に悩まされていることは、もはや自明の理といってもよいかもしれません。 “以前ならアルバイト求人を出せばすぐに応募が来ていた”と嘆く組織はそこかしこで見られます。
そもそもこの問題が起きている理由は何でしょう?大別すると「少子高齢化」「働き方に対する価値観や趣向の変化、多様化」「人材のミスマッチ」などが挙げられます。とりわけ少子高齢化に関しては、今後の予測も含めると加速する一方であることから諦念の雰囲気さえ漂うほどです。実際、労働人口の減少によって慢性的な人手不足に陥っている企業、お店はいたるところに存在します。
また、仕事への価値観や趣向も、近年の求人・採用を巡っては大きく作用しているといえるでしょう。たとえば、リモートワークが一般化することで柔軟な働き方を望む人たちが増えるなど、働き先に求める要素にもかつてのそれとは別の傾向が浮かび上がってきています。それらを把握できていないまま、先入観をもとに募集をかけたところで、応募が振るわないのは当然です。仮に採用までこぎ着けたとしても、結果的に人材のミスマッチが(起きるべくして)起きるのではないかと思われます。
このように採用難易度が高くなってきている状況だからこそ、6月も抜かりなく求人に取り組むことが大切です。
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新型コロナの5類移行で懸念されること
新型コロナは、令和5年5月8日から感染症法上の位置づけが「5類感染症」に移行しています(参照⇒新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後の対応について)。これにより、新型コロナ陽性者及び濃厚接触者さえ、外出自粛は法律ベースではなく個人の判断に委ねられることになりました。つまり、皆が自由に外出できる状況です。他方、雇用主であれば、この変化がもたらすいくつかの懸念事項にも目を向けなければなりません。
たとえば、感染した従業員が個人の判断で出勤の選択を取った場合、最悪、職場内でクラスターが発生する恐れもあります。そのタイミングで大勢の従業員が抜けてしまえば、施設やお店、企業の規模によっては営業を続けられない危機に瀕することも考えられるでしょう。また、休む期間や条件も結局は個人の判断によります。そのため、人員管理や代替要員の確保にも頭を悩ますことになるはずです。
さらには、5類移行後の夏、コロナ禍に外出を我慢してきた人たちがその反動で、これまでの鬱憤を晴らすかのように、帰省も含めて続々と旅行・観光に出かけることが予想されます。もちろん、自社の従業員も当てはまるものと思ってください。となれば7月、8月、アルバイト・パートのシフトが埋まらなくなる可能性が出てきます。そう、策を打たなければ、世間の長期休暇がそのまま働く人が足りずに苦しむ時期になり得るというわけです。おそらく、すでに5月のゴールデンウィークで痛感されている企業様、お店の方々もいらっしゃるかもしれません。二の舞にならないようくれぐれも用心しておきたいところです。
新型コロナの5類移行であらためて、人手不足の問題を突きつけられています。確かに外出する人が増え、経済的に潤っていく流れは恩恵として捉えることができますが、一方で働き手が足りずに営業を断念することにもなりかねない状況は大きな盲点かもしれません。
いずれにしてもこれらの心配をかき消すには、豊富に人材をかき集めておくことが大事です。ゆえに6月もまた、求人に精を出す必要があるといえます。
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6月にみられる求職者の動きを属性別に整理

例年とは違う状況下で、6月の採用が大事であることは前項で述べたとおりです。では、実際のところ、どのように取り組めばよいのでしょうか。まずはやはり、求職者の動きについて把握することです。記事冒頭でお伝えしたとおり、6月に入りお仕事探しが落ち着くことも考えられますが、属性別にその傾向を追うと、採用チャンスは十分に転がっているとわかります。以下、主な特徴です。これらをヒントに、求人の際はターゲットに応じて適切なタイミング、打ち出し方を図れるとよいでしょう。
学生の動き
6月前半は、特に新入生の動きがひと段落するとはいえ、下旬以降は夏休みのアルバイト(短期バイト)探しが活発化することも考えられます。また、次月のテスト期間が迫るなか、今いる学生アルバイトのシフトが空くことも視野に入れましょう。この時期、計画的な採用が吉です。
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主婦(主夫)の動き
夏休み期間は家族との時間を優先しようと、応募を控える主婦(主夫)の方は少なくありません。そのため、この6月になるべく稼いでおきたいと考える人は一定数いらっしゃいます。時期を外さず求人することで、ある程度、応募が見込めるでしょう。
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フリーターの動き
安定した長期バイトを探す方はもちろん、夏休みの短期バイトを狙って応募する動きも想定されます。また、賞与が出た後に退職しフリーター転向を考える社会人の動きにも注目です。
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正社員・契約社員の動き
繰り返しますが、6月は夏のボーナスが支給された後を見計らって転職しようとする方々の動きが活発化する時期です。訴求しやすい情報を提示し、接点を設けるようにしましょう。
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これまでの求人のやり方を見直すことも大切!

いざ求人するにあたっては、ただただ費用を掛ければよいものではありません。前述した求職者の動きを念頭に置きつつ、これまでのやり方に疑問を持ち、柔軟な思考で打ち手を講じることが肝要です。では、どのポイントをどう見直せばよいのでしょうか。以下、具体的に説明します。
条件の見直し
いつの間にか思考停止のまま、従来の条件に固執していませんか。たとえば、その仕事は本当に若年層じゃなければ務まらないものでしょうか。また、週3以上シフトに入ることの根拠は明確でしょうか。こうした何とはなしに募集要項で記されている内容に必然性が感じられない場合、大いに改善(条件緩和)の余地があるものと思われます。
▶関連記事:採用条件、採用基準について決め方や注意点など解説
待遇の見直し
人材確保にはやはり、賃金や福利厚生といった待遇面を見直すことも重要でしょう。実際にdip(ディップ)が取り組み続けているプロジェクトにおいても、時給を引き上げ好待遇の求人案件を載せたことが、応募者(ユーザー)の獲得に寄与しています(求人広告シェアが倍増 – 日本経済新聞)。
また、福利厚生に関しても、新型コロナの治療に対する公費での負担には期限があることから、医療保険や健康診断などの充実が求められるところです。
▶関連記事:アルバイト・パートの昇給について時給アップの事例も交えて解説
ターゲットの見直し
ターゲット選定も、属性を絞りすぎていないか見直す必要があるかもしれません。外国人労働者の受け入れ、女性、シニア層など多様な人材を活用していくことが人手不足問題の解消には不可欠です。また、育児や介護などのライフイベントに配慮した働き方の提示や高齢者、外国人へのキャリア支援など、ターゲットの幅を広げるだけでなく、具体的にそれぞれ当事者意識を喚起させる訴求も求人には有効かと考えます。
雇用形態に対しても同様です。再三お伝えしているとおり、夏にかけてフリーター、そして第二新卒が増えていきます(6月には情報収集を開始するはずです)。そのため、アルバイト・パートだけでなく正社員求人にも力を入れるのが望ましいでしょう。特に長時間働いてもらえる従業員の数が現状ギリギリあるいは新店舗の展開を検討中といった場合には、第二新卒の採用によってこの先視界がクリアになることも期待できます。もちろん、中途採用比率が全体的に上昇傾向にあるなか、他社との競争も踏まえてそう易々と採用できるとは限りません。だからこそ、悠長に構えず6月の段階でしっかり人材確保に備えていくことが重要なのです。
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採用手法の見直し
いまや求人広告や応募受付、適性検査はもちろん、面接でさえオンラインで対応できる時代です。当然、応募する側の印象はこうした選考の形にも影響されます。さらにはAI技術の進化も無視できません。より便利なシステムが構築され定着したとき、旧態依然のやり方ではいよいよ求職者から相手にされなくなるでしょう。そもそも採用する側からしても業務の自動化・効率化はメリットだと考えます。空いた時間を社員インタビューや動画紹介など企業の魅力を伝えるコンテンツ制作に割くことができれば、相乗的に成果への期待が高まるはずです(うまくいけば人が集まる仕組みが確立されるかもしれません)。
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他社動向も掴んだうえで、6月、早めの採用準備が必要!

6月は、慌ただしい夏に向けて人材を確保しておくために必要な準備期間です。特に今年(2023年)は新型コロナが5類へ移行したことで、7月、8月と長期にわたってシフトが埋まらないケースも考えられます。状況によっては営業自体立ちゆかなくなる恐れもあるでしょう。
かといって、ただ人を募集すればよいわけではありません。昨今は、求人を出しても応募が集まりにくくなっています。求職者が”お仕事を選べる“状況になってきているからです。人手不足解消のために条件の見直しや待遇改善を行う企業、お店も増えています。結果、この傾向は強まる一方です(求職者にとってよりあつらえ向きの求人を出す企業が、一極集中する形で好まれています)。
“代わりはいくらでもいる”といった認識が通用した時代は、今や遠い昔のようにも感じられます。在宅勤務やテレワークの導入、シフトの融通、フレックスタイムの拡充……等々の体制構築も、条件、待遇に加えて他社と比較し後手に回るようなら、積極的に取り入れる必要がありそうです。何より柔軟に対応していかなければ、既存の従業員も離れてしまうかもしれません。
こうしたリスクをも考慮し、例年と違う意識を持ちたいこの6月。あらためて人員計画、採用計画の見直しを図ってみてはいかがでしょう。おそらく第二新卒を狙った中途採用も取り合い必至。うかうかしていられません。戦力の基盤づくりは早い時期から備えるのが得策です。
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