採用活動において求める人物像を明確に描くことは非常に大切です。いわゆる採用ペルソナの設定がこれに当たります。本記事では、まさにその採用ペルソナについて、作り方を具体的に解説します。目的やメリットなど前提としておさえておきたい知識もあわせてピックアップ。求人における基本の基からテンプレート活用できる実践例まで、ぜひ、くまなくご参照ください。

採用ペルソナの作り方をテンプレートに使える具体例も交えて解説

  • 2024.04.24
  • 2024.04.24

採用活動において求める人物像を明確に描くことは非常に大切です。いわゆる採用ペルソナの設定がこれに当たります。本記事では、まさにその採用ペルソナについて、作り方を具体的に解説します。目的やメリットなど前提としておさえておきたい知識もあわせてピックアップ。求人における基本の基からテンプレート活用できる実践例まで、ぜひ、くまなくご参照ください。

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採用ペルソナとは

採用ペルソナと採用ターゲットをイメージ

採用ペルソナとは、特定の求職者に合わせて創り出す、理想的な人材の架空のプロファイルです。まずは作る目的やメリット、混同しやすい類似用語との比較など、設定するにあたっての基礎知識からお伝えします。

採用ペルソナを作る目的

採用ペルソナを作る目的は、自社文化とマッチする求職者へ明確にアプローチしていくためです。必要とする人材を深堀りし人物像が定まれば、行動特性も浮かび上がってきます。そうなると計画・戦略もスムーズです。結果、媒体選定や打ち手の用意も理に適ったものとして機能しやすくなります。

採用ペルソナを作るメリット

前項での目的と重なる部分もありますが、採用ペルソナを設定するメリットは大きく3つ挙げられるといえます。主に次のとおりです。

それぞれ簡単に説明します。

選考プロセスの効率化

採用ペルソナが設定されれば、それに対してアクションが決まってきます。そうなると、選考基準に対する判断も比較的スムーズになるはずです。結果、採用活動にかかる時間とコストの削減につながると考えられます。

入社後のトラブル回避

採用ペルソナを組織風土に合わせて設定し採用にまで至れば、入社してすぐに離職するようなミスマッチは、ある程度回避できるはずです。逆にここが曖昧だと、双方にとって期待外れになってしまうかもしれません。最悪、トラブルに発展する可能性もあるため注意が必要です。したがって、入社後の安心もまた採用ペルソナのメリットだといえます。

多様性の促進

昨今は、各所でいわれているように、多様な人材が集まる組織が求められている傾向にあります。これは、多彩なバックグラウンドを持つ人たちによってポジティブな摩擦が生まれ、創造性や課題解決力の高まりが期待されているからでしょう。この場合、採用ペルソナも複数用意する必要があります。とはいえ、採用ペルソナが(欲しい人材が明確にわかるように)機能すれば、多岐に渡ってもなお、漠然と多様性を意識するよりも断然、採用の道筋は立てやすいはずです。

採用ペルソナと採用ターゲットは何が違う?

採用ペルソナと混同しやすいのが採用ターゲットです。この言葉もまた、どのような人を採用していくか明確にしたものを意味していますが、その定義の細かさに採用ペルソナとの違いがあります。

採用ターゲットはより広範な層を指す言葉です。年齢や性別、居住地などの一般的なスペックを基にした人物像を想定しています。具体的には「30代、マネージャー経験2年以上、コミュニケーション能力に優れた人材」のように、ある程度の余地を設けて考えます。

一方で採用ペルソナは、その人物の趣味、価値観などを含めて詳細に設定します。具体的には、「32歳、男性、同業種のメーカーでマネージャー経験2年以上、希望年収は600~700万円、周囲の意見を引き出すのが得意」など、物語のキャラクターを描くように細かくイメージをつくりあげていくのが特徴です。

採用ペルソナの作り方

採用ペルソナの設定ステップ

では、実際に採用ペルソナはどのようにして作っていくのでしょうか。本章にて、注意点やコツも交えて解説します。

採用ペルソナの設定ステップ

採用ペルソナの設定は、組織が必要とする人材の特徴や要件を理解したうえで、採用市場の現状あるいはトレンドをも加味し、最終的に社内でのコンセンサスを得ていく流れが一般的です。具体的には、次の手順で進めていきます。

以下、それぞれ詳述します。

採用する人材に求めることを洗い出す

経営陣や現場が抱える課題やニーズを聞き出すことは、採用活動全般において重要です。これによって必要なスキルセット、性格(適性)、資質、経験……等々採用する人材に求めることを詳細にリストアップし、その情報をもとにペルソナを設計していきます。

市場データを分析する

市場の動向や競合他社の情報分析も必要です。そのうえでスキル水準を適切に見定めていかなければなりません。気を付けたいのは、これは高すぎても問題です。稀少価値を求めるがあまり応募にすらつながらないケースは往々にしてあります。

自社データを分析する

理想(求めること)を掲げ、周り(市場、他社)を知り、そのうえで自社が何を訴求できるか整理しましょう。たとえば、長期にわたり活躍している従業員の共通項を抽出することで、ペルソナに現実味や厚みが増すかもしれません。自社ならではの強みや伸ばしていきたいことは、ここまで踏んできたステップを基に導き出せるはずです。他所とは何が違うのか、根付かせたい自社のカルチャーは何なのか。このフェーズでじっくり考えます。

採用要件に落とし込む

集めた情報を採用要件としてまとめていきます。スキルや資格、経験年数など具体化できるものと、企業文化との相性、適性といった数値以外で言語化していく要素は、分けられることが望ましいでしょう。

組織内(社内)での了承を得る

ひとまず形になった採用ペルソナについては、文書化したうえで関連部署、そして意思決定者に確認を取ってもらいます。フィードバックがあれば必要に応じて修正。最終的に、承認を得られるようにしましょう。

組織内(社内)に周知する

確定した採用ペルソナですが、社内全体に周知することも忘れてはいけません。仲間への共有を経てようやく、これから募っていく新たなメンバー像が誕生します。

採用ペルソナを作成する際の注意点やコツ

ただ手順どおりに採用ペルソナを設定するだけでは、実際の求人にうまく成果として機能しない可能性もあります。そうならないために、以下、列挙するいくつかの注意点やコツを把握することが大切です。

それぞれ簡単に説明します。

完璧を求めない

理想を求めたいとはいえ、完璧な人物を採用することには無理があります。要件レベルが高すぎては、いくらお仕事を探しているからといっても求職者は応募をためらう方がほとんどでしょう。採用ペルソナにおける要件にはある程度優先順位をつけるなどして、他社求人なども参考にしながら、現実的な内容に調整するのが無難です。

細かく設計しすぎない

ハードルを上げ過ぎるのと同じように、設計を細かくしたところで該当する人はなかなか集まりません。求人掲載サービスの上位プランなどでせっかく優秀な人材とも接点を作れる状況であっても、欲しい人材要件が細かかったり、多かったりするとやはり、抵抗感を覚えやすいでしょう。

組織内メンバーの意見も参考にする

第一ステップのヒアリングメンバーだけでなく、なるべく多くの現場スタッフから意見を取り入れることができれば、多様性の促進も相まって採用ペルソナは豊かになっていくでしょう。

定期的に見直しを図る

採用ペルソナは一度の設定しただけで今後も常に流用できるものとは限りません。むしろ、見直しと改善の繰り返しです。たとえ採用活動がうまくいったとしても、時間の経過や市場の変化により(その設定での求人が)通用しなくなることも大いに考えられます。定期的な見直しを図ることはもちろん、早いうちにPDCAサイクルを回せる体制を確立していきましょう。

テンプレートとして活用できる採用ペルソナの例

テンプレートとして活用できる採用ペルソナの例

採用ペルソナの設定が慣れないうちは、サンプルをテンプレート代わりに活用するのも一つです。以下、いくつかの業界を例に出します。見様見真似でOK!イメージさえ明確であれば、採用活動において有効なはずです。ヒントにしつつ学べる部分は大きいと考えます。

Web業界向け採用ペルソナ例

Web業界で新卒の正社員を募集する際の採用ペルソナです。

正社員(新卒)

●年齢:25歳
●性別:女性
●背景:大学院卒。コンピュータサイエンスを専攻し、大学在学中にWeb開発のインターン経験あり。最新のテクノロジーとデジタルトレンドに敏感。
●性格・価値観:常に学び続けることを重視し、チームでの協働を大切にする。新しい挑戦を恐れず、創造性を発揮することを楽しむ。
●スキル:HTML、CSS、JavaScriptの基本知識を有する。ReactやVue.jsなどのフロントエンド技術にも興味あり。
●求める環境:スキルアップ、キャリアアップを期待している。革新的なプロジェクトに参加し、最先端の技術を学びたい。

Web業界で中途の正社員を募集する際の採用ペルソナです。

正社員(中途)

●年齢:32歳
●性別:男性
●背景:小規模IT企業で5年間のWeb開発経験。複数のアプリケーションを立ち上げからリリースまで担当。
●性格・価値観:問題解決能力が高く、困難な状況でも冷静に対応。チームリーダーとしての経験もあり、プロジェクト管理能力を持つ。
●スキル:フルスタック開発者として、Node.js、Ruby on Railsでの開発経験。データベース管理とクラウドサービス(AWS、Firebase)の知識あり。
●求める環境:技術的な専門性を深めると同時に、プロジェクトマネジメントやチーム運営に関するスキルアップが目指せる場。

Web業界でアルバイトを募集する際の採用ペルソナです。

アルバイト

●年齢:20歳
●性別:男性
●背景:情報技術学部に在籍している現役大学生。学業の傍らでWebデザインとフロントエンド開発のスキルを磨きたい。
●性格・価値観:創造的でアイデア豊か。新しい技術を学ぶことにワクワクし、フレキシブルに対応できる。
●スキル:基本的なHTMLとCSS、JavaScriptの知識を有する。グラフィックデザインの基礎スキルあり。学外のワークショップやオンラインコースで学習中。
●求める環境:実務経験を積みたい。クリエイティブなプロジェクトに関わりたい。

製造業界向け採用ペルソナ例

製造業界で新卒の正社員を募集する際の採用ペルソナです。

正社員(新卒)

●年齢:22歳
●性別:男性
●背景:機械工学を専攻し、大学でロボット設計のプロジェクトに参加。製造手順の効率化に興味がある。
●性格・価値観:技術革新に貢献したいという強い意欲を持ち、細かい作業にも忍耐強く取り組む。
●スキル:CADソフトウェアを用いた設計、基本的なプログラミングスキル、データ分析について、それぞれ基本知識を有する。
●求める環境:技術力を高めるための研修や学習機会が豊富な環境。革新的な製品開発に携わりたい。

製造業界で中途の正社員を募集する際の採用ペルソナです。

正社員(中途)

●年齢:30歳
●性別:女性
●背景:中小製造業で5年間、品質管理に従事。製品の品質向上とコスト削減のプロジェクトを成功させた経験あり。
●性格・価値観:品質に対する高い意識を持ち、チームワークを大切にする。新しい改善手法を学ぶことにオープン。
●スキル:品質管理ツールの使用経験あり。ISO基準への深い理解、効率的な生産手順の設計能力が高い。
●求める環境:品質向上と効率化に重点を置く製造現場が望ましい。自らの経験を生かし、チームをリードできる役割を与えてほしい。

製造業界でアルバイトを募集する際の採用ペルソナです。

アルバイト

●年齢:19歳
●性別:男性
●背景:専門学校で機械製造技術を学んでいる。学業と並行して、実際の製造現場での経験を積みたい。
●性格・価値観:ハンズオンでの学習を好み、具体的な成果物を作り上げることに喜びを感じる。
●スキル:基本的な機械加工技術、簡単な製図能力あり。そのほか安全意識が高い。
●求める環境:学んだ技術を実践できる場、チームの一員として成長できる環境、技術者としてのキャリアパスを提供してくれる場所。

人材業界向け採用ペルソナ例

人材業界で新卒の正社員を募集する際の採用ペルソナです。

正社員(新卒)

●年齢:23歳
●性別:女性
●背景:人文社会科学部卒業。大学時代は人事管理に関する論文を執筆。コミュニケーションスキルを生かした仕事を求めている。
●性格・価値観:他人のキャリア形成をサポートすることに情熱を感じる一方で、冷静な視点で物事を判断することを心がけている。
●スキル:コミュニケーション能力が高い。基本的なビジネスマナー、人事管理に関する基礎知識を有する。
●求める環境:個人の成長を支援し、キャリアアップのチャンスが豊富な職場。

人材業界で中途の正社員を募集する際の採用ペルソナです。

正社員(中途)

●年齢:35歳
●性別:男性
●背景:中堅人材紹介会社で5年間の営業経験あり。多様な業界のクライアントとの取引経験が豊富。
●性格・価値観:クライアントのニーズを深く理解し、最適な解決策を提供することにやりがいを感じる。チャレンジ精神旺盛。
●スキル:営業力、クライアントとのリレーション構築能力、問題解決能力が高い。業界に対する知識が多く、視野が広い。
●求める環境:研修プログラムが整っている職場。営業プロセスの効率化について積極的に意見を出したい。

人材業界でアルバイトを募集する際の採用ペルソナです。

アルバイト

●年齢:20歳
●性別:女性
●背景: 商学部在学中。将来は人材業界でのキャリアを目指し、実務経験を積みたいと考えている。
●性格・価値観:人と話すことが好きで、様々なバックグラウンドを持つ方たちとの出会いを楽しみにしている。
●スキル:コミュニケーション能力が高い。基本的なPC操作スキル、初級レベルのマーケティング知識を有する。
●求める環境:学びながら実践的なスキルを身につけたい。多くの人との出会いがある職場。

求人成功のためにも採用ペルソナの設計方法を確立しよう!

成功の鍵を表現

採用ペルソナを適切に設定することで、求める人材に効率よくアプローチできます。設計どおりの人材を集められれば、ミスマッチの少ない採用が期待できるでしょう。と同時に、組織の将来を形作るうえでも展望は広がります。もちろん、市場の変化や企業の成長ステージに応じて柔軟に対応しなければなりません。採用ペルソナひいては採用戦略を定期的に見直すことは、企業に課せられる大きな命題です。これらをクリアする継続的な努力があってはじめて、求人成功の扉は開かれます。そういう意味でも、採用ペルソナは決して侮れません。採用活動の要に当たる大事な起点です。ぜひ、一つの採用手法として確立できるよう注力し取り組んでみてください。そのとき、あらためて拙稿がお役に立てれば幸いです。


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