求人を出すとは？
求人を出すとは、人材要件の情報を公開し、応募者を集めることを指します。雇用形態や職種に応じて記載する内容はさまざま。加えて、企業ごとのカラーもあります。強みや特長を魅力として打ち出せるようそれぞれが腐心しながら、欲しい人材の獲得を目指します。逆にいえば、ただ求人を出すだけでは、よっぽど認知されている企業でない限り、あまり効果は見込めません。冒頭でもお伝えしましたが、求人を出しても思うようにいかない企業も多く存在します。というわけで、次項よりまずはそうした事態に陥る原因を深掘りしていきます。
求人を出しても応募が来ない原因
前述のとおり、求人を出せば無条件に応募が来るわけではありません。当然、そこには原因が存在します。考えられるのは具体的に次のとおりです。
- 媒体の選定を間違っている
- 媒体の特性を理解していない
- 情報量が少ない
- 仕事内容がよくわからない
- 応募資格のハードルが高い
以下、それぞれ詳述します。
媒体の選定を間違っている
世の中にはさまざまな求人媒体があるわけですが、だからこそ、安易に選定するのはリスキーです。求人媒体を適切に選べていない企業は思いのほか多く見受けられます。では、なぜ選定ミスが起きるのでしょう。これは後述する特性に対する理解度の低さによるものと考えます。ただ何とはなしに選んでしまえば、結果は推して知るべしです。
媒体の特性を理解していない
前述のとおり、媒体の特性を理解していなければ選定ミスにつながりやすくなります。そのサービスが何を強みにしているのか、もしくはどのようなデメリットがあるのか何も知らずに掲載へと踏み切るのはさすがに無謀です。「社員募集なのにアルバイト専門サービスだった」「即戦力が欲しいのに未経験者ばかりが集まるサイトだった」など後になって悔やむことがないよう、媒体検討は理解を深めることとセットで行いましょう。
情報量が少ない
求人に書かれている内容が乏しいと求職者は働くイメージができず応募を躊躇してしまうでしょう。逆にいうと、ほとんどの求職者は、できる限りその職場や業務について詳細に知りたいと考えます。したがって、求人原稿はできる限り多くの情報が伝わるように書くのが望ましいです。
仕事内容がよくわからない
仕事内容がよくわからない求人も時々目にします。職種名だけで業務のイメージをつかめることもあるかもしれませんが、大なり小なり漠然とした部分は残るはずです。具体的にイメージできないことによる不安が拭えなければ、その求人に応募したいとは思われないでしょう。
応募資格のハードルが高い
必要以上に応募資格を厳しく設定していませんか。もちろん業務に必要なスキルは明記すべきですが、入社後に身につければ十分なことまで応募時に求めるのは、少なからず酷かもしれません。おそらく、ハードルが高いことを理由に応募に至らない向きは、一定数存在するはずです。
応募が集まる求人募集のコツ
では、応募が集まるようにするにはどのようなアクションが有効なのでしょうか。そこには、まさにコツが要ります。具体的には次のとおりです。
- 求職者の立場で動いてみる
- 求人媒体のメリット・デメリットを把握する
- 人材要件を現場のメンバーとも相談して決める
- 有料の求人サービスを利用する
以下、それぞれ詳述します。
求職者の立場で動いてみる
実際に自分が仕事を探すとしたら、どのような行動をとるかを考えてみてください。求人サイトをチェックするのは当たり前の時代です。これまで紙媒体で求人を出していた企業も、Webサイトの利便性に目を向けてみると新たな発見があるはずです。加えて、求人情報のどこを見ているのか。無意識的にたどり着いた視線の先で我に返ると、何に惹かれ、あるいは何を求めていたかが（あくまで主観とはいえ）明らかになってくると思います。
求人媒体のメリット・デメリットを把握する
数ある求人媒体の中から自社にとって最適なサービスを選ぶには、メリット・デメリットの把握は欠かせません。機能やユーザー層、もちろん料金体系も媒体ごとに変わります。費用対効果を意識しつつ、どこに強みがあるのかも参考にしながら判断していくとよいでしょう。
人材要件を現場のメンバーとも相談して決める
採用基準を人事部内だけで決めてしまうと、現場の要望や思惑から外れた募集になることが起きやすくなります。これは逆も然りです。現場だけの意向で強引に進めることも、図らずも応募の妨げになる恐れがあります。したがって、人材要件は一人あるいは一部署の視点だけで設定するよりも、なるべく多くのステークホルダーを巻き込んでいった方がよいでしょう。その柔軟性が、結果的に幅広い層からの応募につながっていきます。
有料の求人サービスを利用する
費用を抑えるために無料の求人媒体だけを使うことは、総じて賢明とはいえません。というのも、無料に比べて有料サービスは多くのメリットがあるからです。これは無料のそれに頼っては成果が出にくいことを意味します。費用対効果を考えれば、やはり有料の求人サービスが有効です。
▶関連記事：求人を有料掲載するメリット。無料形式と比較しわかりやすく解説
応募が来ても採用につながらない原因
求人に対して応募は来るもののその後が続かない、つまり、なかなか採用までつながらないケースも多くの企業が抱えている問題です。当然、それにも原因があると考えます。具体的には次のようなことです。
- ターゲットを明確に設定できていない
- 募集内容と面接時の話に齟齬がある
- 働くイメージが他社と比べて湧きにくい
以下、それぞれ詳述します。
ターゲットを明確に設定できていない
人材要件が曖昧であれば、応募者とのミスマッチが生じてしまうのも無理はありません。年齢層や経験・スキル、仕事に対する姿勢・志向など、おそらく欲しい人材のイメージはあるはずです。この設定を怠ると、誰彼構わず応募が殺到したところで、工数が嵩むだけの選考になる可能性が高まります。これでは本末転倒です。
募集内容と面接時の話に齟齬がある
求人募集で書かれていた内容と、実際の面接で聞く話が異なると、応募者は不信感を抱いてしまいます。これは、求人作成者と面接担当者の認識にズレがある場合に起こり得る問題です。仮に前者が正しい情報でそこに応募者が惹かれていたとしても、面接時に（応募者の）認識が上書きされてしまえば、以降の選考を辞退されることは大いに考えられます。
働くイメージが他社と比べて湧きにくい
多くの求職者は複数の企業に応募して、そのなかから働きたい場所を選びます。したがって、応募が来たからといってそう簡単には喜べません。勝負はここからです。競合他社と比べてどうなのか。面接だけでなく、あらためて求人も読み返されるでしょう。働くイメージを多少は持ってもらえたとしても、他社のそれがさらに上回れば、採用競争には負けてしまいます。
採用につながる求人募集のコツ
求人募集は、応募だけでなく採用につなげることにも、いくつかコツが存在します。具体的には次のとおりです。
- 採用目的やターゲットを明確にする
- 求人情報は事前に面接担当ともすり合わせる
- 他社求人と比較する
これらに共通するのは、準備を疎かにしないことです。以下、それぞれ詳述します。
採用目的やターゲットを明確にする
求人募集にあたっては、前もって採用目的とターゲットは明らかにしておきましょう。これが曖昧なままでは、選考が進んだ後にミスマッチが発覚することも多いでしょう。結果、不採用の判断を下さざるを得ません。逆にいうと、明確な目的やターゲットに基づいた求人募集ができれば、自分に向けられたものだと感じてくれる応募者が、入社意欲を高めながらついてきてくれるでしょう。
求人情報は事前に面接担当ともすり合わせる
求人票の内容と面接時の説明に食い違いがあったばかりに応募者の不信感を招いてしまうケースは、先述したとおり往々にしてあります。そのため、求人原稿作成者と面接担当者は事前に内容の認識をすり合わせておくことが必要です。こうした情報統一は、社内体制を整える意味でも効果的だといえます。応募者もまた、面接時には社内の連帯感、一体感を覚えてくれるかもしれません。
他社求人と比較する
応募者が他社求人にも応募している可能性は極めて高いです。そして仮に辞退された場合は、そちらに流れてしまっていることがほとんどだといえるでしょう。これを回避するためには、他社との比較でどこに引けを取っているのかを冷静に判断することが大事です。求人票を見比べたうえで、自社の募集内容あるいは企業の取り組みを見直すよい機会だと捉えてください。たとえば、近年は自分らしく働ける環境を優先している方が増えている傾向にあります。しからば、職場制度からまずテコ入れすることも大切です。こうしたトレンドや価値観にも目配りしつつ他社との差別化を図ることで、応募者に選ばれやすい求人になるでしょう。
▶関連記事：待遇や福利厚生の改善を図ろう！採用・定着のカギは価値観の更新
コツを生かした求人募集の書き方例
前項で取り上げたコツを生かした求人募集の具体的な書き方は、職種や雇用形態によって異なります。以下、それぞれの特性を捉えたアプローチ方法についてです。記載例も交えて解説します。
アルバイト・パート向け主婦（主夫）採用での訴求
主婦（主夫）層に訴求する際は、家事や育児との両立のしやすさを強調するのが効果的です。具体的には、勤務時間・シフトに対する選択肢の広さや、休暇の取りやすさなどがアピールできるとよいでしょう。家庭との両立を後押しする福利厚生（社内制度）の充実もあれば、積極的に打ち出していきたいポイントです。
私たちの職場は、子育てや家事と両立しやすい環境を整えています。
勤務は週1日からでも可能。シフトは週単位で提出してもらえれば大丈夫です。急な予定変更にも柔軟に対応できます。ご自身のライフスタイルに合わせて無理なく働けます。
家事や子育ての合間に、少しだけ働きたいとお考えの方や、家庭の事情に合わせて働きたい方に最適な職場です。また、私たちはチームワークを大切にし、和気あいあいとした環境を目指しています。未経験の方も大歓迎です。研修制度も充実。安心してスタートできます。
働きやすさを追求した当社で、一緒に楽しく働きませんか？ご応募お待ちしております！
アルバイト・パート向け学生採用での訴求
学生アルバイトを募集する場合は、学業との両立を配慮している点を明記するとよいでしょう。テスト期間中のシフト調整に対応していることや、連休中だけの短期バイトも可能だと伝えられると、融通が利くと思われ、応募につながりやすくなるかもしれません。
シフト提出は週1回！柔軟に調整できます！
テスト期間中や課題の多い時期にも無理なく勤務可能です。
短期でも大歓迎！学業を最優先にしながら働ける環境を整えています。
未経験でも安心して始められるように、丁寧な研修制度もご用意。
仲間と楽しく働きながら、貴重な社会経験を積むことができます。
アルバイトを通じて、新しいスキルを身につけたい方、ぜひご応募ください！
正社員・契約社員向け新卒採用での訴求
新卒採用の求人では、仕事を通じて成長できることを伝えられるとよいでしょう。教育研修制度の内容や、若手が活躍している様子を具体的に盛り込むと、将来がイメージしやすくなり、自社に対する興味・関心も強まるかもしれません。
充実した教育研修制度があり、入社後は基礎から専門知識までしっかりと学べる機会を提供します。
若手社員が積極的に活躍し、チームの中心となってプロジェクトを推進しています。
昨年度入社した新卒社員の一人は、入社1年目で新規プロジェクトのメンバーとして活躍し、2年目になる今年、プロジェクトリーダーとしてチームを牽引しています。このように、若手が早期に成長し、重要な役割を担うことができる職場です。将来的には、あなたのキャリアビジョンに合わせた多様なキャリアパスが用意されています。
国内外でのキャリアを築く機会や、専門職としてのスキルアップも可能です。会社の、そしてあなたの未来をともに築き上げましょう！
正社員・契約社員向け中途採用での訴求
中途採用の求人では、キャリアアップのチャンスを訴求するのが効果的です。ステップアップのための社内制度や、活躍している先輩社員のいわゆるロードマップあるいは体験談を紹介するのもよいでしょう。また、プロの誇り、やりがいに訴求するのも一つです。即戦力としての経験やスキルを買われていることが感じられるよう伝え方を工夫してみてください。
とある先輩社員は、入社1年目から前職の経験を活かし、当社でさらなるキャリアアップを実現しました。社内の研修制度を活用し、新しいスキルを身につけ、現在ではプロジェクトマネージャーとしてチームを牽引しています。このような成功事例が多いのが当社の特徴です。キャリアアップの道がここに開かれています。
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コツを踏まえていざ実践！求人を出すまでの一連の流れ
いざ求人を出すにあたっては、当然、一連の流れをおさえておかなければなりません。本章では、求人を出すまでのプロセスについてピックアップ。前述した応募・採用につながるコツ同様に、スムーズな進行にも心得ておきたい術があります。
採用目的や人材要件の整理
まずは、人材を必要とする理由や目的、求める人物像を設定します。現場の意見も取り入れ、募集する職種や業務内容、必要なスキルなどを具体的に洗い出しましょう。これらは社内で共有することも大事です。
採用スケジュールの設定
求人募集から入社してもらう日までのスケジュールを立てます。掲載期間や選考日程、内定までの流れを精緻でなくとも大枠だけは決めておきましょう。余裕を持ったスケジュール設定で、応募者とのコミュニケーションも円滑に行えるはずです。
求人媒体の選定
特性や費用対効果を考慮し、求人媒体を選びます。複数のサービスを組み合わせることまで視野に入れると、幅広い層にアプローチでき、より効果が期待できるでしょう。
打ち合わせ・取材対応
媒体を選定した後（問い合わせを終えてから）はそのサービスの担当者と打ち合わせを行います。自社の要望を伝え、求人のなかでどのように表現していくかまで、相談したいことは積極的に尋ねていきましょう。
なお、あらかじめ自社内ですり合わせしておくと現場の話もリアルに共有できるため、打ち合わせや取材をスムーズに進められるかもしれません。魅力的な求人にもつながります。まさしく、求人募集に役立つコツです。
原稿作成から修正、確認まで
要件、情報、打ち出し方、そのほか料金プランなども定まったなら、求人原稿を作成していきます。サービスによってはプロにお願いすることも可能です。どのプロセスを辿ったとしても、できた原稿は必ず社内で確認するようにしましょう。必要に応じて調整を重ね、完成させます。
求人掲載開始
校了した原稿を掲載し、いよいよ求人募集のスタートです。応募状況を逐次確認しつつ、追加の施策を検討するのもよいでしょう。と同時に、応募者にはくれぐれもタイムリーかつ丁寧な対応を心がけましょう。
コツと併せて気をつけたい！求人を出す際の注意点
求人を魅力的にすることばかりに囚われていると、うっかり落とし穴にはまるケースもあります。特に重要なのは法律についてです。以下、具体的に列挙します。
- 労働条件の明示
- 差別表現の禁止
- 誇大広告の回避
- 個人情報の適切な取り扱い
トラブル防止のためにも、求人を出す際は、これらの注意点に十分気をつけましょう。
労働条件の明示
労働条件については、給与や勤務時間など、具体的に明記する義務があります。もちろんただ書けばよいわけではありません。曖昧な表現は避け、応募者にわかりやすく伝えることが大切です。各種手当や福利厚生、試用期間の有無なども漏らさず記載しましょう。
▶関連記事：労働条件の明示義務について、ルールの改正とあわせて解説
差別表現の禁止
求人票での差別的な表現もまた法律で禁じられています。性別、年齢、国籍などに言及し、応募の機会均等を損なうことがあってはいけません。同様に、社会的に不適切と見なされる表現も避けるよう注意が必要です。
誇大広告の回避
応募を増やすためにもつい盛りたくなるのが人の心理ですが、求人広告で事実と異なる情報を掲載するのは、誇大広告に当たります。「高収入」「即戦力歓迎」などの表現も、それに見合った労働条件でなければ使えません。求職者に誤解を与えるような内容は厳に慎むべきです。
個人情報の適切な取り扱い
応募者の個人情報の取り扱いには細心の注意を払う必要があります。集めた情報は採用選考以外の目的で使用してはいけません。個人情報保護法に基づいて、適切な管理が求められます。
コツ満載で効果が期待できる求人掲載サービスの紹介
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求人募集のコツをまとめておさらい
求人募集は、「応募を増やす」「採用につなげる」どちらのフェーズでもコツが要ります。共通するのは求職者（応募者）の視点に立つことです。加えて、自社と他社、さらには市場についても状況把握、トレンド追跡が欠かせません。そのうえで媒体選定から募集要項の書き方まで、吟味や工夫が求められます。社内の協力体制を築くことも重要です。
このように一口にコツといっても、念頭におくことや講じるべきアクションは多様に存在します。適切な方法を確立するには、少なからずトライ＆エラーも必要でしょう。
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