スポットワークとは

スポットワークとは、短期間あるいは短時間で行う仕事を指します。求人は、繁忙期やイベント開催時にアルバイト・パート募集の形で出されることがほとんどです。働く側にとっては融通が利く勤務形態であり、雇う側も必要な時だけ労働力を確保できるため、双方にとって重用されています。なお、派遣や請負とは異なり、労使間に雇用関係が生じないケースも少なくありません。
本章ではまず、基本概要をおさえましょう。以下、スポットワークの種類、活用されている主な仕事、実際に求人を出す場合の募集要項例をお伝えします。
スポットワークの種類
スポットワークは、主にギグワークと単発バイトの2つに分類されます。傾向や明確な違いなどは以下のとおりです。
ギグワーク
スポットワークをギグワークと同じ意味で捉えてもらっても、特段、大きな間違いではないと考えます。そのうえで違いを明確に定義するなら、ギグワークはあくまでスポットワークの一種といったところでしょうか。
さて、ギグワークの場合、個人と専門スキルが必要な仕事から誰でもできる簡単な作業まで幅広くお願いできます。オンライン上で完結するものも多く、ITエンジニア、デザイナー、ライターなどの分野においては、それぞれ精通したプロフェッショナルが活躍されている様子もしばしば見受けられます。そのほか、契約形態が業務委託であること(雇用契約を結ばない点)も特徴的です。
▶関連記事:ギグワークとは?意味や種類、メリット・デメリットなど簡単に解説
単発バイト
単発バイトは、1回限りのお仕事です。ギグワークとは異なり、雇用契約が結ばれます。典型例を挙げると、イベント会場の設営スタッフなどがこれに当たるでしょう。
スポットワークが活用されている主な仕事
スポットワークはさまざまな業界・職種で活用されています。以下、代表的な5つの仕事をピックアップ。それぞれ、簡単に説明します。
工場や倉庫での軽作業
工場や倉庫では、梱包や仕分け、ピッキングなどの軽作業が発生します。いうまでもなく、繁忙期には大量の人手が必要です。ゆえにスポットワークとしてお願いするにはうってつけだといえます。なお、単純作業とはいえ、集中力と持続力が求められる仕事です。そうしたポイントで適性を見出せると、よりよい採用ができるでしょう。
飲食店の調理補助やホールスタッフ
飲食店の調理補助やホールスタッフの場合、人手が足りないと、営業できない事態になりかねません。特に、大型連休中は注意です。そうしたなか、スポットワークで人員を確保するお店もしばしば見受けられます。ピンチ回避はもちろん、そのまま長期にわたって働いてくれる方も珍しくないため、有意義なアクションといえるでしょう。
コールセンターのオペレーター業務
問い合わせ対応や営業サポートなどコールセンターのオペレーター業務も、スポットワークのニーズが高いといえるでしょう。実際のところ、商品の売れ行きに応じて必要な人数が変動するため、キャンペーン時などは特に募集が増える傾向にあります。
イベント会場の設営・運営スタッフ
お祭りやコンサート、スポーツの大会など、イベントを開催する際は多くの人手が必要です。会場設営、当日の運営スタッフが足りないとなると、最悪、中止になる恐れもあります。そう考えると、スポットワークが重宝されるのは至極当然です。
オフィスの一般事務
資料作成や電話応対、データ入力など、事務所で発生する雑務をサポートするのもスポットワークのひとつです。正社員の産休代替要員や繁忙期の事務補助など、依頼に至るシチュエーションはさまざまだといえます。(短期間の契約ゆえに)パソコン操作に問題がなければ即採用とする企業もあるようです。
スポットワークで働いてもらう場合
スポットワークで人を採用したい場合、募集要項には以下のような情報を記載します。(中長期的に育てる意思がなければ)あくまで短期の募集であることはしっかり明示しましょう。
▼商品陳列スタッフの例
項目 | 内容 |
---|---|
仕事内容 | 商品の陳列や棚の整理。新商品の配置や売り場のレイアウト変更を担当。 |
期間 | 8月15日から17日までの3日間 |
時間 | 9時から13時 |
報酬 | 時給1,200円 |
詳細 | 短期での募集です。商品の取り扱いや陳列の方法については、初日に簡単な研修を行います。 |
▼音楽イベントの会場誘導スタッフの例
項目 | 内容 |
---|---|
仕事内容 | 来場者の案内や誘導。チケットの確認、会場内の座席案内、迷子の対応などを担当。 |
期間 | 8月15日の1日限定 |
時間 | 11時から22時 |
報酬 | 日給12,000円 |
詳細 | イベントを手伝ってくれるスタッフを募集します。スムーズな運営にぜひ力を貸してください。事前に概要や注意事項の説明があります。音楽好き、イベント好きの方なら、きっと楽しく働けるはずです。 |
スポットワークが重宝される背景

スポットワークが注目を集めている背景には、タイムパフォーマンスを重視する働き手と柔軟な労働力を求める企業のニーズが合致している点があります。以下、それぞれ詳述します。
タイムパフォーマンスの重視
スポットワークの魅力を労働者側の観点で挙げるとやはり、自身の都合に合わせて働ける点でしょう。とりわけ昨今は、プライベートの時間を大切にする傾向が強くなっています。ゆえに長期にわたって拘束されることなく、空いた時間に単発の仕事を選べるスポットワークは、タイムパフォーマンスを重視する人たちにとって理想的な働き方です。これは、ワークライフバランスの実現にもつながります。
労働力の柔軟な活用
企業はスポットワークでの人材を募集することによって、労働力を臨機応変に確保できます。景気の変動や業績の波次第では、なかなか長期的に人を雇うことが難しい組織もあるはずです。とはいえ、人手不足は避けたいところ。このジレンマをうまく解消してくれるスポットワークの活用が、(人員確保の難易度が上がっている昨今において)浸透するのは、何らおかしくないと考えます。
スポットワークを導入するメリット

スポットワークが注目を集め重宝される理由は、前述した背景、そしてさまざまなメリットがあるからです。本章では後者についてピックアップ。具体的には次のとおりです。
- 必要とするタイミングで人材を確保しやすい
- コストを削減しやすい
- 雇用リスクを減らせる
- 長期採用も視野に入れられる
以下、それぞれ詳述します。
必要とするタイミングで人材を確保しやすい
たとえば、3月や4月の引っ越しシーズンは運送会社にとって繁忙期の極みです。仮にこのタイミングで通常の求人募集を行った場合、おそらく人はなかなか集まりにくいと考えます。それは、長期的に働くにはそれなりに決断が重くなるからです。結果、人が思うように採れなければ、書き入れ時にもかかわらず、請け負う仕事をセーブする事態になりかねません。
一方で、スポットワークは必要とするタイミングで人材を確保するのに適しています。これは、単発であることで心理的ハードルを下げてくれるからです。上記の例でいうと、未経験者でも対応可能な梱包、積み下ろし、事務処理などの業務であればスタッフを大量に募集できます。繁忙期を乗り切るには、大いに役立つメリットです。
コストを削減しやすい
スポットワークに依頼することで、人件費を大幅に抑えることが可能です。社員を雇い続ける場合、給与以外にもさまざまなコストが発生します。一方でスポットワークの場合、働いてもらった分の報酬のみを支払えばよいわけです。教育や研修に必要以上に手間をかけることもないでしょう。スキマ時間の募集ゆえに、業務をそつなくこなしてくれる人材も集まりやすく、その場を凌ぐ意味では費用対効果が高い採用が期待できます。
雇用リスクを減らせる
従業員のパフォーマンスがいくら低くとも、簡単に解雇することはできません。そのため、中長期的に雇うことを前提とした場合、それなりに慎重にならざるを得ません。成果が保証できる人材を採用すべく、どうしても決断には時間がかかりがちです。他方、スポットワークで募集したなら業務委託契約ゆえに、たとえミスマッチがあったとしても、それほど大きな誤算にはならないでしょう。期間終了と同時に、雇用関係は終了します。そのため、決して優秀な人材に固執する必要はありません(もちろん厳しく精査してもかまいません)。このように雇用リスクを減らせるのであれば、重用されるのも容易に頷けます。
レギュラー採用も視野に入れられる
スポットワークは、短期のお仕事です。が、一方でレギュラー採用への踏み石としても活用できます。
たとえ短期間であっても、その仕事ぶりに惹かれるものがあれば、あらためて自社のメンバーとして契約してもらえないか打診してもよいでしょう。いわば、スポットワークはトライアル雇用の機会としても活用できるわけです。
スポットワークを導入する際の注意点

前述したメリットだけを把握し、スポットワーク案件を募集するのはいささか短絡的です。念のために、デメリットが潜んでいることもしっかりおさえておきましょう。そうした注意点まで踏まえて、導入することをおすすめします。なお、具体的には次のとおりです。
- ミスマッチも少なくない
- 防犯・安全面へのリスクヘッジが疎かになりやすい
- 人事管理が煩雑になりやすい
以下、それぞれ詳述します。
ミスマッチも少なくない
先述したとおり、スポットワークはミスマッチが起きてもダメージは最小限に抑えることができます。しかしながら、依頼した人材が皆そうであったり、毎度うまくいかなかったりするのであれば、これはもはやリスクヘッジに対する安堵がむしろリスクになっているといわざるを得ないでしょう。働く側も、(ミスマッチによって)企業に対して悪い印象を持てば、それを拡散する可能性すら考えられます。特に条件面の齟齬は大きなトラブルにも発展しかねません。業務内容、報酬、勤務時間などの詳細は、あらかじめ明確に共有するようにしましょう。
防犯・安全面へのリスクヘッジが疎かになりやすい
自社の従業員であれば、念入りにセキュリティリスクの認識・対応を行うものですが、スポットワークで採用した人たちに対しては省略されてしまうケースもしばしば見受けられます。危険を伴う現場作業での十分な安全教育も同様です。いうまでもなく、情報漏洩や労働災害のリスクを最小限に抑えるために、スポットワークで働いてもらう方々に対してもこれらの徹底したチェックと教育は欠かせません。したがって、従業員と同等レベルの管理体制の整備が、安全で効率的なスポットワーク活用には必須です。
人事管理が煩雑になりやすい
スポットワークでは、短期採用のため、入れ替わりが頻繁に起こります。これによって、人事管理が煩雑なることは、当然ケアしておくべき問題です。勤怠管理はもちろんのこと、業務の引き継ぎ、細かい質問やクレームなども発生するかもしれません。流動的なチーム編成でスムーズなオペレーションを維持するのは、決して容易ではないでしょう。
なお、この課題をうまく捌くには、専任の管理者を配置することが効果的です。加えて、トラブル発生時の明確な対応フローまで含めた業務マニュアルも用意しておきましょう。
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スポットワークの導入が人手不足解消の一助となる!

人手不足の解消は、多くの企業が直面する深刻な課題です。そしてその一助になるのが、スポットワークの募集だと考えます。労働力の確保を柔軟に行える点や、コスト削減、雇用リスクの軽減といったメリットがあることは、拙稿でも取り上げたとおりです。働く側にとっても個々のライフスタイルに合わせられるため、応募に対する心理的ハードルが下がります。一方で、人材管理は慎重に行いましょう。ミスマッチが多発しないよう最低限の要件定義も必要です。こうした注意点を念頭におきつつ、自社の特性に合わせたスポットワークの最適な活用方法を探求してみてください。少子高齢化が加速するこれからの時代において、スポットワークはますます重宝されるでしょう。
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