採用チャネルとは?

採用チャネルとは、企業が人材を募集し、求職者と出会うために用いる手段や経路のことを指します。冒頭でも触れたように従来はハローワークや求人誌などが中心でしたが、近年はインターネットやSNSの普及によりそれらが採用チャネルとして使われることも珍しくありません。たとえば、求人広告を出すにしてもオンライン上のプラットフォームだけでなく、自社サイトの活用も有効です。また、InstagramやX(旧Twitter)といったSNSで求人募集を行えば(発信すれば)、自社の雰囲気や働く魅力をタイムリーに伝えられます。 いずれにしても、このように選択肢が増えるなかで、何が最適なアクションかを見極めるには大なり小なり戸惑いも出てくるはずです。こうした現況について、次項より徐々に掘り下げていきます。
採用チャネルが多様化する背景
繰り返しお伝えしているように昨今は、採用チャネルが多様化しています。その背景にはあるのは何でしょう。ざっと挙げると次のとおりです。
- 採用難
- テクノロジーの進化
- 求職者行動の変化
以下、それぞれくわしく説明します。
採用難
少子高齢化が進み労働力人口は年々減少しています。そのため、多くの中小企業が人材確保に苦労しているのが現状です。売り手市場と呼ばれる状況が長く続くなか、従来の採用チャネルに依存していては十分に母集団を形成できないと感じる企業も少なくありません。採用難を打破するために、リーチする手段を広げる動きが強まっているのは必然といえるでしょう。
テクノロジーの進化
インターネットやスマートフォンの普及は、採用チャネルそのものの形を大きく変えています。求人広告も紙媒体からWeb媒体へと移行し、検索エンジンやアプリを通じて求職者と接点を持てるのが現状です。また、SNSの浸透もやはり無視できません。これによって採用広報や求人告知が発信型のチャネルとして機能し始めました。さらに、ダイレクトソーシングを支えるデータベースや、AIを活用したマッチングシステムの登場も、従来にはなかったチャネルを拡大させています。こうしたテクノロジーの進化と採用チャネルの多様化は、決して切り離すことはできないでしょう。
求職者行動の変化
働き手の価値観や情報収集の仕方は、この十数年で大きく変わりました。従来は新聞や求人誌をめくる、ハローワークに出向くといった行動が中心でしたが、いまはまずスマートフォンで検索し、気になる企業はSNSや口コミサイトを確認するのが当たり前になっています。実際、インターネット上の情報や企業のオウンドメディアでの発信が応募のきっかけになるケースも少なくありません。裏を返せば、こうした行動の変化に対応できなければ、せっかくの情報もターゲットに届かないまま埋もれてしまいます。採用チャネルの多様化はまさに、求職者ニーズの表象です。
採用チャネルの主な種類
採用チャネルと一口にいっても、その形態は実に多様です。ハローワークや求人広告のように古くから使われてきた手段もあれば、SNSやダイレクトソーシングといった新しいタイプも登場しています。いずれも「どのように求職者と接点を持つか」という目的は同じですが、特性や費用、リーチできる層には大きな違いがあります。たとえば、幅広い母集団を確保したい場合と、即戦力人材を絞って探したい場合では、適するチャネルは変わってきます。以下、主な種類をピックアップ。それぞれの特徴を整理してお伝えします。
採用チャネル | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
ハローワーク | 公共職業安定所が運営する国の無料サービス | 無料で利用可能 地域密着の人材に強い 雇用保険や助成金と連動 | ミスマッチも多い |
採用イベント | 合同説明会 業界特化型イベント オンライン開催あり | 多数の候補者と直接会える 雰囲気や魅力を伝えやすい 新卒採用に有効 | 出展料・人員コストが嵩みやすい |
人材紹介 | 主に転職エージェントによる紹介 | コンサルタントが推薦 即戦力人材の獲得に有効 | 成果報酬型で費用が高額になるケースあり |
求人広告 | 求人サイト・アプリなどで掲載 | 幅広い層にリーチできる 短期募集にも有効 | 他社求人との競争が必須 |
オウンドメディア | 自社採用サイト・ブログなど | 企業文化や価値観を発信できる 採用ブランドを構築できる | 継続的にコンテンツ制作・更新が必要 炎上リスクあり |
SNS | Instagram・X・TikTokなどを活用 | 写真・動画でリアルに訴求可能 拡散性が高い | 継続的に発信が必要 炎上リスクあり |
ダイレクトソーシング | 気になる人材に直接アプローチできる | 潜在層との接点が作りやすい タレントプール形成につながる | 時間と労力がかかる 効率化にはツール導入が必要 |
社員ネットワーク | リファラル採用 経営層の人脈 | 信頼しやすい 採用コストを抑えられる | 採用に至らないと気まずい コネ色が強まると反感を買うこともある |
ハローワーク
ハローワークは、公共職業安定所が運営する国の無料サービスです。特に地域に根ざした人材や、再就職を目指す人などに対するリーチ力は依然高く、一定の採用効果が期待できます。また、雇用保険や各種助成金の手続きと連動している点も企業にとって大きなメリットです。ただし、無料で利用できる分、応募者の母集団は広いものの、スキルや経験が企業ニーズと必ずしも一致しないケースは少なくありません。そのため、採用要件を丁寧に明示し、求める人物像を具体的に伝えることが重要です。
▶関連記事:ハローワークに求人を出すには?掲載条件、登録方法などくわしく解説
採用イベント
採用イベントは、合同企業説明会や業界特化型のイベントなど、多くの学生や転職希望者と一度に出会える場です。直接顔を合わせて話せるため、求人票やWebサイトだけでは伝わりにくい企業の雰囲気や働く人の魅力をリアルに届けられます。特に、学生の新卒採用においては効果的なチャネルといえるでしょう。ただし、参加には出展料や人員確保といったコストがかかるため、どのイベントに出るかを見極めることが肝になります。なお、近年はオンラインで実施されるケースも少なくありません。
人材紹介
人材紹介は、転職エージェントなどを介して企業と求職者をマッチングさせる手法です。専門のコンサルタントが企業の要件を踏まえて人材を推薦するため、即戦力や特定スキルを持つ方を効率よく採用できる期待が持てます。特にハイクラス人材や管理職ポジションの方々の利用も多いため、採用難といわれる昨今においても有望な候補者に出会いやすいといえるでしょう。一方で、基本は成果報酬型です。仮に採用までこぎ着けたとしても費用が高額になるケースは否めません。そのため、状況や目的、費用対効果を慎重に見極める必要があります。
求人広告
求人広告は、採用チャネルの定番です。近年は紙媒体からWeb媒体へとシフトし、求人サイトやアプリを通じて多くの求職者に情報を届けられるようになりました。幅広い層への認知拡大や母集団形成に優れており、短期間で応募を集めたい場合にも有効です。一方で、多数の企業が同じプラットフォーム上で掲載しているため、条件や訴求内容が埋もれやすい問題も伴います。そのため、求人広告を活用する際は、職種・勤務地・待遇といった基本条件を整理するだけでなく、企業ならではの魅力や働く環境を丁寧に表現する必要があるでしょう。それでもなお、結果につながらないようなら、(求人広告に限った話ではないとはいえ)サービスの選定を見直した方がよいかもしれません。なお、dipが提供する各種求人サービスでは、専任の担当が料金・費用のプランを含めたご提案から原稿作成、掲載中そして終了後のフォローまで一気通貫でサポートを行います。くわしくはこちらの案内ページをご参照ください。
▶関連記事:求人広告とは?採用までのステップや作成ポイント等々くわしく解説
オウンドメディア
オウンドメディアは、自社で運営する採用サイトやブログ、特設ページなどを通じて情報を発信するチャネルです。求人情報にとどまらず、社員インタビューや職場紹介記事、働き方に関するコンテンツなどを掲載することで、企業のカルチャーや価値観を深く伝えられる点も特徴に挙げられます。求職者にとっても、他媒体の求人票だけでは見えにくい会社の中身を知れるため、ニーズが高いといえるでしょう。結果、応募効果が期待できます。ただし、運営には記事制作や更新といった継続的なリソースが必要となるため、中長期的な観点も大切です。採用ブランドを築く目的で活用するのも望ましいと考えます。
▶関連記事:オウンドメディアリクルーティングとは?運用方法や事例も交えて実践的に解説
SNS
SNSもまたオウンドメディアの一種といえます。具体的には、InstagramやX(旧Twitter)、Facebook、TikTokといったプラットフォームを活用し、企業自ら情報を発信できる採用チャネルです。写真や動画を通じて職場の雰囲気や社員の声をリアルに届けられるため、求人票では伝わりにくい魅力を候補者に訴求できます。拡散性が高く、広告機能を組み合わせればターゲット層にピンポイントでリーチできる点も大きなメリットです。一方で、継続的な発信が求められます。更新が止まると如実に接点機会が減るため、コンスタントに応募を集めるには労力も要るでしょう。また、軽率な投稿による炎上にも気を付けたいところです。有用な採用チャネルでも、ときに企業イメージを損なうリスクもあります。
▶関連記事:欲しい人材をSNSで採用する方法~コツやリスク交えて手順を解説~
ダイレクトソーシング
ダイレクトソーシングは、求人媒体に掲載して応募を待つのではなく、企業が自ら候補者データベースやSNSを活用して声をかける手法です。即戦力人材や特定スキルを持つ人材を能動的に探し出せるため、採用精度の高いチャネルとして期待できます。また、潜在的に転職を考えていない層とも接点を作ることは可能です。地道なアプローチが中長期的なタレントプール形成につながります。ただし、時間と労力がそれなりにかかることは否めません。効率よく活用するには、専門ツールの導入や外部サービスとの連携も必要でしょう。
▶関連記事:ダイレクトソーシングとは?メリット・デメリットや事例も交えて解説
社員ネットワーク
社員ネットワーク、すなわち現職社員からの紹介やつながりを通じて候補者を募ることもできます。いわゆるリファラル採用とも呼ばれ、信頼関係をベースにした推薦であるため、企業文化や職場環境にマッチした人材と出会いやすいのが特徴です。紹介者である従業員にとっても、自分の知人が働きやすい環境かどうかを意識するため、採用後の定着率が高まりやすい傾向にあります。そのほか、採用コストを抑えられる点も含めてメリットは大きいでしょう。一方で、必ずしも採用に至るわけでもないため、縁がなかった場合は気まずい思いをさせるかもしれません。また、コネ色が強いと諸々反感を買う可能性もあります。いずれにしても、インセンティブや事前事後のケア・フォローは欠かせないでしょう。
▶関連記事:リファラル採用とは?報酬の決め方や違法性、トラブル回避策など解説
採用チャネルの選定ポイント
採用チャネルが多様に存在するなかでどの手段を用いるか、頭を悩ます担当者も多いと思われます。ここで重要なのは、場当たり的に選ばないことです。ポイントはずばり3つ。
自社の課題、採用予算、運用リソース、これらをチャネルの特性や相場、サポート領域と照合してみることです。以下、具体的に説明します。
自社の課題とチャネルの特性を照らし合わせる
まずおさえておきたいのは、自社が抱えている採用課題が果たしてそのチャネルによって解消されるかです。たとえば「応募数を増やしたい」のか「即戦力を確保したい」のかによって、有効な手段は異なります。前者であれば求人広告やハローワークなど広く母集団を形成できるチャネルが候補になるでしょう。他方、後者であれば人材紹介やダイレクトソーシングといった絞り込み型のチャネルが適しています。もちろん、求人サービスによっても最適解は変わってきますが、どのみち課題を明確化せずにチャネルを選んでしまうことだけは避けましょう。成果につながらないどころか無駄なコストや労力を費やす結果になりかねません。
採用予算とチャネルの相場を照らし合わせる
予算と相場の見極めもチャネル選定には欠かせません。その際、着目すべきは費用の多寡だけではなく、その支出がどの段階で生じるか、どのようなリターンを見込めるかという点です。つまりは費用対効果もセットで考えた方がよいでしょう。が、そもそも予算を大きくオーバーする場合もあります。採用は単発で完結するものではない以上、予算配分を誤れば活動そのものができなくなるため、最低限のラインは明確に引いておきましょう。
運用リソースとチャネルのサポート領域を照らし合わせる
チャネルによっては運用リソースが足らずに断念せざるを得ないケースもあります。どれほど有効なチャネルであっても、運用のための人員や時間が不足していれば成果には結び付きません。(サービスによるとはいえ)求人広告や人材紹介のように外部のサポートが手厚ければよいのですが、オウンドメディアやSNSだと多くは自分たちで都度更新を強いられます。運用面は悩ましいところでしょう。チャネル選定においてはこの点も見極めることが大事です。したがって、採用担当の人数やスキル、外部パートナーの支援範囲を踏まえ、自社が責任を持って運用できるかどうかを判断基準に据える必要があります。
採用成果を掴むにはチャネルの特性理解と柔軟な活用が肝!
採用チャネルはそれぞれ特性が異なります。万能なものは存在せず、自社の状況や目的に応じて選ぶ必要があります。その際、課題・予算・リソースといった前提条件を踏まえ、効果的に運用できるかを冷静に見極めなければ、後悔することにもなりかねません。また、採用活動は環境の変化を受けやすいため、一度決めたチャネルに固執するのではなく、時に見直しや切り替えも視野に入れる柔軟さも求められます。とにもかくにも、チャネルの特性はしっかりと理解しておくことが大事です。そのうえで、適切に使い分けられる、または併用できると望ましいでしょう。
繰り返しますが、環境型セクシャルハラスメントは、無自覚・無意識のうちに行われることも少なくありません。何気ない言動が知らず知らずのうちに誰かを苦しめることは往々にして起きます。だからこそ、セクハラが「故意」だけでなく「過失」でも生じることを理解したうえで、全社的な予防体制の構築が不可欠です。これは人材採用にも影響します。働きやすさをいかに訴求できるかが鍵を握るというのに、不祥事が明るみに出れば、採用活動は著しく不利になりかねません。優秀な人材ほど職場環境に敏感であり、安心してキャリアを築ける場所かどうかを重視します。つまり、環境型セクシャルハラスメントがない職場を作ることは、これからの人材確保や企業成長のための取り組みでもあるわけです。
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