アルバイトを含めた非正社員で人手不足がしんどい業界

アルバイトを含めて非正社員の人手不足に困っている業界は非常に多く見られます。特にしんどい状況に置かれている業界を以下の表にまとめました。
順位 | 業種 | 2024年10月 (%) |
---|---|---|
1 | 飲食店 | 64.3 |
2 | 旅館・ホテル | 60.9 |
3 | 人材派遣・紹介 | 55.2 |
4 | メンテナンス・警備・検査 | 54.1 |
5 | 娯楽サービス | 52.1 |
6 | 飲食料品小売 | 49.7 |
7 | 各種商品小売 | 49.7 |
8 | 金融 | 45.1 |
8 | 繊維・繊維製品・服飾品小売 | 45.1 |
10 | 教育サービス | 43.5 |
▶参照:人手不足に対する企業の動向調査(帝国データバンク 2024年10月)
▶関連記事:人手不足の職業は?人材市況をランキング形式でピックアップ
以前と比べると緩やかながら改善傾向にあるものの、やはり飲食業界の人手不足は深刻さがうかがえます。旅館・ホテル業界も60.9%の企業が人手不足を訴えている状況です。慢性的なこの問題は、離職率の高さもセットで考える必要があるでしょう。これは他の業界でもいえることです。
アルバイトの人手不足が及ぼす悪影響

アルバイトの人手不足は、さまざまな面で悪影響を及ぼします。ざっと挙げると次のとおりです。
- 業務負担が増す
- サービスの質が下がる
- 業績が悪化する
- 悪評が広がる
- 連鎖退職が起きる
- 閉店・廃業に追いやられる
以下、それぞれ解説します。
業務負担が増す
アルバイト不足によって現場の人間には大きな負担がのしかかります。一人あたりの業務量が増えれば、長時間労働が日常茶飯事にもなりかねません。当然、従業員の疲労は蓄積し、集中力の低下や多くのミスを招く可能性が高まります。
サービスの質が下がる
人手不足はサービスに向き合える時間を削ぐことにもつながります。接客も同様です。少ない人数で業務を回さなければならない状況では、雑になったり、細かい気配りが行き届かなくなったりするでしょう。また、新人に対しても十分に研修を行えなければ、必要なレベルまで育成できないまま業務に従事してもらうことになるため、顧客からのクレームが増えるといったケースも考えられます。
業績が悪化する
アルバイト不足は、経営に直接的なダメージを与えます。人が足りず迅速に商品を提供、納品できなければ、顧客が他店へと流れてしまうのも無理はないでしょう。ECサイトなどでも運用担当に余裕がない状況が続くと、発送が遅れクレーム対象になるはずです。これが積もり積もって、気付けば業績が大きく悪化していたなんてことは、決して珍しい話ではありません。
悪評が広がる
サービスの質低下や業績悪化などネガティブな情報ほど拡散されやすいのが世の常です。顧客の不満、悪評がSNSを筆頭に広がっていけば、自社ブランドの棄損につながります。よい人材はますます集まりにくくなるでしょう。
連鎖退職が起きる
人手不足による業務の負荷に嫌気がさした従業員は、遅かれ早かれ自身も退職を考えることになるはずです。そして実際に辞められると、一人あたりの業務量はさらに増えます。何も対策せずにいると、これが繰り返されるのはもはや必至です。また一人、また一人と離職者が生まれます。特に、リーダーなど優秀な人材が辞めてしまうと、職場の士気は大きく低下し、連鎖退職に拍車をかけることになるでしょう。悪循環は一層加速します。
閉店・廃業に追いやられる
業績悪化、連鎖退職が続けば、最終的には閉店や廃業に追い込まれます。とりわけ中小企業や個人経営の店舗では、如実に経営を揺るがすでしょう。人手不足は事業継続さえ脅かす問題なのです。これを防ぐにはやはり、常日頃から人員確保の精度アップや労働環境の改善に向き合うことが大事だと考えます。
アルバイトの人手不足が起きる原因

アルバイトの人手不足が起きる原因について、把握はもちろん、それらを直視していかなければ状況を打開することは難しいでしょう。ざっと挙げると次のとおりです。
- 求人・採用の問題
- 労働環境の問題
- 勤務形態の問題
- 教育体制の問題
- 定着意識の問題
以下、それぞれ解説します。
求人・採用の問題
アルバイト不足の大きな要因の一つが、求人・採用の難しさです。これはエリアごとに課題感が異なります。たとえば都市部では求人の数が多く、競争が激化するため、他社との差別化を図ることが肝要です。一方、地方や郊外では求職者そのものが少ないため、母集団形成が難航しやすい傾向にあります。
また、ターゲット層があやふやなケースにも注意が必要です。実際、特に明確に設定されないまま作られる求人広告はしばしば見受けられます。これでは誰にも訴求できません。そもそも選定する媒体も果たしてそれでよかったのか、その点も含めて問題です。
労働環境の問題
労働環境が整っていない職場は、離職者が多く、たとえ人を採用してもミスマッチが相次ぎ人手不足を解消できない、むしろ深刻化しやすい状況に陥るところがほとんどです。労働時間が不規則であったり、長時間労働を強いられたりといったなかで心身に支障をきたす従業員は、そこかしこで見られます。
勤務形態の問題
勤務形態が柔軟でないことを理由に応募しない、もしくは辞めていくアルバイトの方も少なくないようです。特に学生や主婦・主夫の場合、私生活との両立を重視している方が多いため、働く時間の調整が難しい環境は避ける傾向にあります。シフトに融通が利くかどうかは、求職者にとって非常に大事なポイントなのです。だからこそ、(融通が利かなければ)人手不足にもつながります。
教育体制の問題
教育体制が不十分な職場は、新人のアルバイトを不安にさせます。ゆえに早期離職につながる大きな原因の一つです。また、求職者のなかにも、研修制度が充実しているかどうかを気にされる方は少なくありません。人手不足が深刻化すれば、なおさら整えるリソースを割くのが難しくなるはずです。手遅れになる前に確立できるよう、早い段階で取り組むことが求められます。
定着意識の問題
ここまで伝えてきた原因のほとんどが、人材定着の妨げにもつながっています。たとえば、従業員のキャリア形成を具体的に共有できていなければ、長く働くイメージは持てないでしょう。また、コミュニケーションが閉鎖的であった場合は、相談したくともそこに大きな壁を感じてしまうはずです。これらはまさに、定着意識が欠けている問題といえます。そのほか評価体系が曖昧なケースもそう。それを理由に辞める方が多いのも結局は、企業やお店側の定着に対する意識の低さが起因しているかもしれません。
アルバイトの人手不足を回避するための対策

アルバイトの人手不足を回避するためには、前述した原因を踏まえて、適切に対策を講じる必要があります。ざっと挙げると次のとおりです。
- 採用強化
- 待遇改善
- 働き方改革
- 広報に注力
以下、これらについて解説します。
採用強化
人手不足を解消するためにはやはり、採用活動が基本です。ここを強化し、より多くの応募者を確保していくことが王道であり欠かせないと考えます。まずは戦略・計画を引き直し、採用手法を見直しましょう。そのうえで訴求の工夫や媒体選定にも目を向けてみてください。
戦略・計画の引き直し
戦略・計画を引き直す際は、採用時期やターゲット層から再確認しましょう。これまで繁忙期、閑散期をどう位置付けていたのか、そこに改善の余地はあるのか。同様に、自社とマッチする人物像をもっと詳細にプロファイルできないものか。採用ペルソナの設定の今一度行ってみるとよいかもしれません。
▶関連記事:採用ペルソナの作り方をテンプレートに使える具体例も交えて解説
採用手法の見直し
採用手法も長らく同じであった場合は、見直す機会をどこかで設けるべきでしょう。特にアナログなやり方に終始していたなら、デジタルへの移行を検討するのも悪くないはずです。紙からWebへ。あるいは自社で運用する採用特化サイトの作成も選択肢に入れてもよいと考えます。そのほか、リファラル採用や社内公募制度といった自社のリソースを活用するのも一つの手。そうやって視野を広げることが大事です。
▶関連記事:リファラル採用とは?報酬の決め方や違法性、トラブル回避策など解説
▶関連記事:社内公募制度とは?流れや面接方法、メリット・デメリットなど解説
求人広告の訴求見直し
求人広告の内容をテコ入れした途端に応募が増えるケースは決して珍しくありません。自社の強みや職場環境の良さ、キャリアアップのチャンスなどをこれまで具体的に伝えられていなかったなら、ぜひ取り組んでみてください。また、従来のテキスト広告だけでなく、SNSや動画を活用することで、視覚的に魅力を伝えやすくなります。特に若年層には刺さりやすいでしょう。短尺であれば、なお成果が期待できそうです。
利用する求人媒体の見直し
求人媒体を思い切って変える、あるいは追加することも視野に入れてはいかがでしょう。そもそも狙っているエリアや募集する業種に特化したサービスを使っていなければ、それだけでも改善の余地は大いにあると思われます。仮に複数試す場合は、媒体ごとに効果検証し、最適解を見つけていくこともおすすめです。
待遇改善
応募がなかなか来ないと嘆く企業やお店は、報酬や待遇が競合他社と比較され選ばれていない可能性も考えられます。これは交通費支給や食事補助といった福利厚生においても同様です。したがって待遇改善の余地があれば、出し惜しみせず実施した方がよいでしょう。求職者への訴求はもとより、今いる従業員が定着するためにも有効です。
働き方改革
働き方改革が叫ばれる時代に、旧態依然のそれでは人は寄り付かず、離れていくのも無理はないかもしれません。たとえば、リモートワークやオンライン会議、フレックスタイム制度……等々、やむを得ない状況ではないにもかかわらず特に導入していなければ、一度試してみることをおすすめします。
広報に注力
もっと愚直に泥臭く広報していくのも一つの有効な対策です。企業や店舗の魅力を継続して発信したことで求職者の関心を引くケースは思いのほか多く見られます。職場の設備やスタッフの声などを映像に収めSNSで共有したり、地域コミュニティや学校と連携しチラシでも宣伝したり、イベントやキャリアセミナーへ積極的に参加したり……等々、フットワークが軽ければ色々と手は打てるはずです。
人手不足でしんどい状況を打破した事例

さて、対策と併せて大いにヒントにしたいのが他社の成功事例です。本章では、dipのサービスを使って人手不足というしんどい状況を打破した事例を紹介します。ぜひ、自社の悩みとも照らし合わせてみてください。
長期掲載で応募数&定着率アップ!
「Ben’s Cookies Japan」様は、銀座エリア(GINZA SIX店)で応募不足と定着率の低さに直面していました。この問題を解決するためにしたことは、求人広告の掲載期間変更です。従来の2〜3週間から年単位の長期掲載へと切り替えます。すると応募者数は増加。入社意欲の高い人材と接点を多く持てたことで満足のいく採用ができたようです。
▶参考事例:短期掲載で焦って採用」から長期掲載で応募数&定着率アップ!
人手不足の工場を救ったのはなんと!?
「山崎製パン株式会社」様は、夕方の時間帯にシフトが空く悩みを持っていました。この問題を解決するためにしたことは、高校生採用の強化です。学校が終わる丁度よいタイミングということもあり、まさに両者のニーズが合致し、効率よく人材獲得に成功したといいます。なお、高校生たちの活躍は、現場の活性化や企業ブランドとしてのイメージアップにも一役買っているそうです。
▶参考事例:高校生は夕方シフトを埋めてくれる貴重な人材 現場の活性化や認知拡大にも効果あり
採用環境が激変!コンスタントに応募を獲得
外食の業態開発がメインの「株式会社ダイニングイノベーション」様は、直営店舗で人を募集してもなかなかうまくいかないことに悩んでいました。そこで、求人媒体(サービス)の変更に踏み切ります。そう、『バイトル』の導入です。その結果、応募数が増え、採用活動を円滑に進められるようになったといいます。営業担当者のアフターフォローも好印象だった模様。媒体を変えるだけで応募が増えた、まさに典型的なケースです。
▶参考事例:「バイトル」で求人の世界が変わった。応募数が跳ね上がり、週あたりの面接数も1件から7件に増加。
アルバイトの人手不足がしんどいならスキマバイトの募集も有効

アルバイトの人手不足が深刻なら、スキマバイトを確保していくことも有効です。空いた時間に働きたい人たちは、本業が社員の方も含めて非常に多くいらっしゃいます。そのニーズはたとえば急な欠員や繁忙期の対応に困る企業側にとってもマッチするものです。短時間でもしんどい状況を大なり小なり軽減してくれるのであれば使わない手はないでしょう。なお、dipが提供するスキマバイトの募集に特化したサービスは『スポットバイトル』です。「必要な日だけ採用したい……」「急な欠員が出てしまった……」「シフトが埋まらない……」といった悩みを抱える事業主と今すぐ働きたいワーカーを最短で即日マッチングします。掲載は無料。くわしくは、以下のご案内ページと資料もあわせてご確認ください。
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アルバイトの人手不足に苦しまない未来へ

加速する少子高齢化など、外的要因も含めて人員確保は今後ますます厳しくなるでしょう。暗雲立ち込めるなか、この状況を乗り越えるにはやはり、採用戦略の見直しや労働環境の改善が必要です。また、従来の手法やサービスを思い切って変えることも、検討する余地は大いにあると考えます。そして、あらためて拙稿をご参照いただけますと幸いです。人手不足に苦しまない未来のため、今できることに精一杯取り組みましょう。
▶関連記事:人、労働力が不足する原因と対策を業界の状況交えて解説
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