ダイレクトソーシングを他の採用手法と比較して解説

ダイレクトソーシングを理解するには、定義や内容を知るだけでなく、混同しやすい他の手法との違いまで区別できることが望ましいと考えます。そうした観点からまずは、ダイレクトソーシングの基本概要を解説します。
ダイレクトソーシングとは?
ダイレクトソーシングとは、求職者に直接アプローチしていく採用手法です。応募者に人材要件を満たす方が少ない、あるいは手っ取り早く彼、彼女らと接点を作りたい場合、自社からスカウトすることによって、採用活動を効率的に進められます。まさにこれが、ダイレクトソーシングです。
ダイレクトソーシングと人材紹介の違いは?
ダイレクトソーシングは、自社主導の手法です。一方で、要件を満たす求職者にピンポイントでアプローチできる点は共通するものの、人材紹介のサービスを利用した場合は、第三者である人材紹介会社が選定におけるイニシアティブを握ります。また、広範なネットワークとデータベースを活用して候補者を収集、提供してくれることも、両者の異なるポイントです。
ダイレクトソーシングとダイレクトリクルーティングの違いは?
ダイレクトリクルーティングをダイレクトソーシングとほぼ同義と捉える向きも多く、実際、どちらも自社主導で直接候補者にアプローチする採用手法です。とはいえ厳密には、ダイレクトソーシングが候補者の母集団形成、つまり適切な人材を見つけ出し接触する段階までを指し、ダイレクトリクルーティングはその後の選考プロセス全体を含むといったニュアンスで扱われることも少なくありません。違いを明示するならそこがポイントでしょう。
ダイレクトソーシングは求人サイトでも行われる?
求人サイトの場合、ダイレクトソーシングとは対照的で、応募を待つのが一般的です。そのため混同することもないと思われがちですが、サービスによっては求人サイトに登録された人材にスカウトメールを送れる機能なども付いています。つまり、求人サイトのなかでダイレクトソーシングが行われることも、決して珍しくないのです。
ダイレクトソーシングで期待できるメリット

ダイレクトソーシングが浸透してきている背景には、当然そこに期待できるメリットがあります。ざっと挙げると次のとおりです。
- コスト削減
- 欲しい人材の獲得
- 自組織の認知度向上
以下、それぞれ補足します。
コスト削減
ダイレクトソーシングは、仲介業者やエージェントを介さずに自社で直接求職者にアプローチするため、基本、外に出す手数料を費やさずに済ませられます。たとえば、人材紹介会社を利用した場合、業種や条件によって異なるものの、採用された方の年収20〜30%程度は仲介料として掛かってくることが一般的です。
欲しい人材の獲得
ダイレクトソーシングは、単に応募を「待つ」のではなく、積極的に欲しい人材を「追う」ものです。あの手この手を求人のなかで打ちつつも、他社との差別化を図ることが難しい場合は、自分たちで接点を作る必要があります。その際、ダイレクトソーシングは、まさにうってつけの手法です。
自組織の認知度向上
求める人材に直接アプローチできれば、同時に自社の特徴や企業文化も伝えられます。ダイレクトソーシングは、そうやって組織の価値観やビジョンを具体的に届ける絶好の機会です。その輪を広げ認知度を上げていくなかで、ブランディングの確立も期待できるかもしれません。
ダイレクトソーシングで懸念されるデメリット

どの手法も一長一短あるなかでダイレクトソーシングも例外ではなく、やはり懸念されるデメリットは存在します。主に次の3つです。
- 採用担当者の負担増加
- 大量募集は難しい
- スカウトにも質が求められる
以下、それぞれ補足します。
採用担当者の負担増加
ダイレクトソーシングは、候補者のリサーチ、スカウトメールの作成、面談スケジュールの調整、その後のフォローアップ……といった具合に業務負担を伴います。そしてこの一連のプロセスは、(特に人員が限られている中小企業やスタートアップの場合)一人の担当者によって行われていることがほとんどです。当然、時間と労力をそれなりに要します。多くの候補者を扱えばなおさらです。
大量募集は難しい
ダイレクトソーシングは、ターゲットを絞り込んだピンポイントの採用に強みを持つ一方で、求人サイトのように多くの応募者を効率よく集めることは不向きかもしれません。特に、短期間での大量募集は物理的に難しいでしょう。前述したデメリットそのままに、採用担当者のリソースが限られるなかでは相当な負担になるはずです。
スカウトにも質が求められる
大量募集は一斉送信で対応可能だと考える向きもあるかもしれません。そうはいってもやはり、スカウトメールは慎重に作成する必要があります。実際その内容が、受け取った求職者の印象を決定づけるケースは多く、単にテンプレートを使った一斉送信では、自社の魅力を伝えるせっかくの機会を棒に振ることになりかねません。
ダイレクトソーシングのコツ

ダイレクトソーシングは、独りよがりにならないことが肝要です。相手の興味を引けなければ、当然進展はありません。好印象をもたらすためにも、スカウトメールには工夫を凝らすことが大事です。以下、いくつかコツをお伝えします。
候補者の実績を具体的に引用し共感を示す
あまねく人は、自身の成果に対して価値を見出しくれることに喜びを感じるものです。まさにそれは、共感を示す行為といえます。ダイレクトソーシングにおいてもこの共感を効果的に示してあげることで、候補者から良い印象を持ってもらえるかもしれません。具体的には、スカウトメールに彼・彼女らのプロフィールにある過去の成果物や成功したエピソードを引用する方法です。各実績に対して自社のビジョンと合致する点を伝えられるとなおよいでしょう。自分が評価されていると感じた候補者は、少なくとも悪い気はしないはずです。
候補者の市場価値を強調する
前述した共感をさらに強めるなら、候補者が持つスキルや経験が業界内でどのように評価されているかも具体的に示すことが有効です。加えて、その市場価値をより生かせる(あるいは育つ)環境が自社に揃っていることまで伝えられると、なお望ましいでしょう。
他社にはない役割や成長機会を明確に伝える。
求めるスキルや市場価値の高さ、自社との親和性だけでなく、他社にはないユニークな部分も知ってもらいたいところです。それは研修プログラムであったり、表彰制度であったり、はたまた華々しいキャリアパスを遂げた先輩社員のロードマップであったりと、魅力的なものなら出し惜しみせず伝えた方がよいと考えます。これにより共感性に加え、応募意欲も高まっていくはずです。
現場の声を反映する
採用要件と現場が求める人物像にギャップが生まれれば、入社後の早期離職にもつながりかねません。このミスマッチを減らすべく、現場の声をきちんと反映することは非常に大事です。そのうえでチームの雰囲気も伝えられると、候補者は自身が働く姿をイメージしやすくなるでしょう。
効果検証をしっかり行う
ダイレクトソーシングが一発でうまくいくかないことは往々にしてあります。大切なのはその経験をどう生かすかです。上述したコツを駆使しても、思った成果が出なければ、それらに固執しないことも考えていかなければなりません。そうした判断もまた、効果検証が適切に行われているからこそできるものです。また、採用に至った人材に対しての評価も同様に見極めていきましょう。場合によっては、スカウト(選定)する要件や基準から見直す必要も出てくるかもしれません。
ダイレクトソーシングを活用した事例

メリット・デメリットやコツをおさえたうえで、よりダイレクトソーシングを成功させる確度を高めたいのなら、実際の活用事例を参照するとよいでしょう。本章ではdipのサービスと絡めてうまくいったケースを紹介します。ぜひ、ヒントとして役立ててください。
求めるターゲットに対してスカウトメールでアプローチ
関東でガソリンスタンドを運営するほか、カーライフサポート事業やホームライフ事業などを展開する「宇田川株式会社」様の事例です。
同社の採用は、時給やシフト自由などの好条件を打ち出し、間口を広くするのが一つの戦術でした。ただ、これでは「なんとなく」の志望動機が多く、なかなか長期的に働いてくれる人材を確保できなかったといいます。定着してくれる人材をどうやって見つけようか。取ったアクションは、求める人材へ自動でスカウトメールを送れる「iアプローチ」の導入です。dipが提供するサービス『バイトル』のなかでそれを実行します。結果は、すぐに変わったというよりは、ターゲットの選定も含めて少しずつ、しかし確実に改善が見られたようです(明確な意思を持った志望度の高い応募が増加)。担当者のサポートで根気よく試行錯誤を繰り返せた点も、大きかったのではないかと考えます。
▶参照事例:原稿の書き分けと、応募者対応の効率化で採用難を克服。
スカウトメールの開封率にびっくり!
大阪府で通信コンサルティング事業をメインに、通信設定サポート事業、スマートライフ事業、ERPパッケージ事業を展開する「NANICA株式会社」様の事例です。
同社は、応募者対応で優先度をはっきりさせるために、「iアプローチ」を導入。『バイトルNEXT』のなかで活用します。求職者の行動データを基に、配信対象を細かく設定。この地道な準備も功を奏し、求めている層にピンポイントで送ったスカウトメールの開封率はなんと50%を超える結果に。応募増加にもつながり、なおかつ面接日程の調整を自動で任せられる『面接コボット』も使ったことで、コスト削減さえも実現します。
▶参照事例:応募者の集客~面接設定までを自動化。工数を1/3まで削減。
求職者に直接オファーでひと月10名の社員採用を実現
大阪府で高齢者施設を運営する「社会福祉法人優光福祉会 大国さわやか苑」様の事例です。
求める人材からの応募がなく困っていたなか、『バイトルNEXT』の「AIスカウト」を利用すると状況が一変。管理画面上でターゲットを絞り、要件を満たす求職者一人ひとりに直接ダイレクトメールを送信できるこの機能を積極的に活用した結果、ひと月で30名の応募があり、10名の社員採用に成功します。まさに待ちから攻めのスタンスが見事にハマった事例です。
▶参照事例:待ちから攻めの採用へ。ダイレクトメール活用で10名採用。
スカウト機能がもっとも効果的!
名古屋市で、めっき業界のリーディングカンパニーとして、創業以来70年以上表面処理技術を軸に成長してきた「八熊鍍金工業株式会社」様の事例です。
ミスマッチが多く、採用しても短期で離職が相次ぐなか、試行錯誤を重ね求人を続けます。潮目が変わったのは、『バイトルNEXT』のスカウトメール機能「AIスカウト」を導入してから。ダイレクトにアプローチするだけでなく、そのなかで拾えた情報を求人原稿にも落とし込んだ結果、採用効率が改善します。2職種で獲得した7名の人材は、すっかり定着しているようです。
▶参照事例:ミスマッチから起こる短期離職を改善。2職種で7名採用。
採用手法はますます多角的に!すぐに人が欲しいなら

少子高齢化や一人ひとりの働き方も変わってくるなかで、企業もまた時代に応じた採用戦略・戦術が求められます。ダイレクトソーシングもまたその一つに挙げられますが、状況に応じて使い分ける柔軟さも大切です。たとえば、急な欠員補充など今すぐ人が欲しいときにスカウトを送って二つ返事で働いてくれるかといったら、そううまくはいかないでしょう。かといって従来のやり方でも苦戦を強いられるかもしれません。ではこの場合、どう対応するのが最適解なのか。もちろん一概にはいえませんが、最近何かと注目を集めるスキマバイトの募集に注力したサービスを使うのも一つの手です。これによって一時的であれシフトを埋めるのに役立ちます。なお、dipでは『スポットバイトル』が該当するサービスです。スキマ時間に働きたい人との即日マッチングを実現します。2024年にリリース。まさにいま高まるニーズに応えるサービスです。掲載は無料。そのほかの内容はサイトでも案内していますが、さらにくわしく知りたい場合は問い合わせ、あるいは資料もぜひ確認(無料でダウンロード)してみてください。
くわしくは、以下のご案内ページと資料もあわせてご確認ください。
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ダイレクトソーシングとは何か?ポイントまとめ

最後に、ここまで伝えてきた内容をまとめます。
ダイレクトソーシングとは、自社が求める人材を積極的に探し出し、直接アプローチする採用手法です。コスト削減や欲しい人材の獲得、自組織の認知度向上といったメリットが得られる一方で、採用担当者の負担増加や大量募集の難しさ、スカウトにも質が求められるといったデメリットも無視できません。また、コツを知っておくのとそうでない場合でも成果に差が生まれるでしょう。候補者にとって何がベネフィットか意識しながら、決して独りよがりにならないようスカウトメールは、慎重かつ気持ちを乗せて送ることが肝要です。他社事例からもヒントを探りつつ、万能ではないことも念頭におけるとなお望ましいと考えます(ケースバイケースでもっと良いサービスや手法もあるはずです)。
そのほか、拙稿で取り上げた内容をあらためて参照してみてください。冒頭でも述べたとおり、ぜひお役立ていただけますと幸いです。
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