六本木のキャバクラを舞台にしたドラマ『お水の花道』を見て、「あ、コレ向いているかも……？」と思ったのが、私の入店のきっかけでした。高校を卒業してから一般事務職で何年か働いてたけど、やっぱりコツコツとしたお仕事は向いてなかった（笑）。

というわけで、スイッチが入ると一気にテンションが上がるこのキャラを生かすべく、夜の世界に飛び込んでみたんです。キャバクラ嬢として働くためには、資格も、専門的な技術も必要ありません（年齢制限はあるけどね）。

やろうと思ったら、誰でもできちゃうこの仕事、一見ラクでオイシそうに見えるけど、実際はどうなのかしら？　今回は、そんな疑問にお答えすべく、お店の流れをナビしちゃうね。

「キャバクラ」といっても、大きさは様々。私がいた六本木、新宿、銀座あたりだと100人以上が入れる大バコも珍しくないけど、ちょっと郊外だと20人以下のキャパのお店も少なくないみたい。だけど、同じようにお酒とトークを提供する「スナック」との違いは、「指名」があるってコトなのね。

お客さんはセット料金（いわゆる基本料金）、延長料金、フード代などなどを払ってくれるんだけど、キャストを指名するとかかるのが「指名料」。この「指名」がキャバクラの最大の特徴なのよね～。

人気上位の売れっ子キャストになると、1日に20本ぐらいの指名をゲットすることもあるんですよ。当然、指名が重なることもあるわけで、指名がかけもちの場合は席から席に慌ただしく移動しながらの接客もしばしば……。当然、キャストの席移動を手配する黒服のウデが重要になるんだけど。「あのお客さんは待ってもらえそうだから、（上客になってくれそうな）あそこに回してくれる？」なんて、私の方からリードすることもあったの。

ちなみに、キャストが他のお客さんのところで接客している時、つなぎでお相手をするのが「ヘルプ」。新人だったり、週に1～2回ぐらいのペースで入るアルバイトだったりすることが多いかな。最初はみんなヘルプから始まるんだけど、「将来、キャストとしてどうなっていきたいか」というイメージを持っているかどうかは、ヘルプの頃からも大事なことだと思う。私？　もちろん、ナンバーワンを目指してギラギラしてたけどっ！（笑）

そして、お店の違いで注意しておきたいのが、繁華街でよく見かける、女のコがランジェリー姿でお客さんにまたがったり、おさわりアリだったりするのは性風俗店ってこと。キャバクラは、お酒とトークを提供して、お客さんを楽しませるお店なのね。

キレイだったり、若かったりすることは、当然指名を稼ぐ重要なポイントになるんだけど、それだけじゃないからキャバクラは面白い！　気づかい、会話がうまくできると、指名してくれるお客さんはだんだんと増えていくのよね。私が見てきた中では、場を盛り上げる一番のキャストは下品系。ちょっと下ネタっぽい話を女のコがバンバン振ると、そりゃたいていの男性はウケますって。だけど、それは一晩の瞬発力。長～い指名には、安定したトークが必要になるんです。

私は元事務職だったから、時には硬～い話にも、そこそこついていけたと思うのね。テンション上げて話せるけど、マジメもOK。この幅は受けます。「今は昼間の地味な仕事してるから、お酒ありの接客には向いてないかも」と思っている女のコが、始めてみたら、意外に伸びる――こんなことがあるから、キャバクラは面白いんです♪