アルバイト・パート向け 知っておきたい税金まとめ

バイチュー アルバイトやパートで働いていても、一定額以上の収入があれば税金を納める必要があります。
親や配偶者の扶養に入っていて、アルバイトやパートで働いて稼いだ金額が一定の水準を超えると扶養の対象外になってしまうこともあります。
アルバイトやパートで一生懸命働いて稼いだのに、一定額以上を稼ぐと税金でかえって損をしてしまうことも。
そのため、アルバイトやパートで働く場合、税金や控除についての知識を網羅的に身に着けておけば、税金面で損をせずに稼ぐことに繋がります。
働くうえで知っておきたい税金の知識を解説します!

アルバイト・パートが納める税金とは

税金にはさまざまな種類があります。モノを買うときにかかる消費税や、家族などから財産を相続するときに納める相続税、住宅や土地を所有することで発生する固定資産税など、私たちは暮らしのさまざまな場面で税金を納めています。

アルバイトやパート、そのほか正社員など、会社などの勤務先から給与を得ている場合も、働いて得た収入(=給与所得)が一定の額を超えると税金が発生します。

バイト・パート先で働いて得るお金・給与所得とは

まず「給与収入」は、バイト・パートや正社員が勤務先で働いて得る、源泉徴収前の給与・賞与を全て合計した額面の金額です。給与所得とは、その給与収入から必要経費とみなされているものを、給与との収入金額に応じて一定額を控除できる給与所得控除として差し引いたものを言います。

給与所得の金額が納めるべき税金の額を算出するベースとなるため、どこまでが給与所得とみなされるのかは働く人にとって重要なポイントです。

[給与収入の対象となるもの]
給料:基本給(俸給)、賃金、賞与(ボーナス)など
手当:残業手当、休日出勤手当、職務手当、扶養手当、住宅手当など
※一部例外として、通勤手当や出張などの旅費、宿直手当などは非課税となり、給与所得に含まれない場合があります

なお給与所得はあくまで、雇われて給与を受け取る人が対象となる納税の仕組みです。個人事業主は給与を受け取っているわけではないので、給与所得とは違う仕組みで税金を納めることになります。特に業務委託など、個人事業主・フリーランスとして収入を得る場面が増えています。その場合の税は給与収入とは異なるのでご注意ください。

また一般的に経営側とされる役員なども、給与収入に該当します。

給与所得の計算方法は?

給与収入とみなされる収入の範囲について説明してきました。

ここからは、給与所得の金額をもとに、どのように納めるべき税金額が計算されるのかを説明します。

[給与所得の計算式]
収入金額(源泉徴収前の金額)-給与所得控除額 = 給与所得の金額

まず注意したいのが、勤務先で源泉徴収をしてくれているために、手取りの金額と全体の収入額が違うケースがあることです。
源泉徴収については、「事前に知っておきたい!源泉徴収について」で詳しく解説しているのでぜひ参考ください。

【税金に関する記事はこちら!】
学生必見!アルバイトでいくら稼ぐと税金がかかる?
アルバイトの掛け持ちでかかる税金と正しい申告方法とは?
103万の壁とは?収入と税金、社会保険の関係について解説します

給与所得にかかる税金 所得税

「所得税」とは、個人の所得に対してかかる税金のことです。
所得税は収入全体に対して課税されるわけではなく、1年間の給与収入から扶養控除や配偶者控除等の各種控除を差し引いた給与所得から所得控除を差し引き、残りの課税所得に税率をかけて計算します。

[所得税の計算式]
(所得金額⁻所得控除額)×税率
※令和19年までは、復興特別所得税を所得税とあわせて納付します。

このように、「所得金額」からさらに「所得控除額」をひかれたものが「課税所得」となります。この課税所得が、所得税がかかる対象となるのです。

また、日本では収入(所得金額)が多いほど税率が高くなる「累進課税制度」を採用しており、その税率は5%から45%まで大きな振れ幅があります。

所得税の速算表

課税される所得金額 税率 控除額
1,000円から1,949,000円まで 5% 0円
1,950,000円から3,299,000円まで 10% 97,500円
3,3000,000円から6,949,000円まで 20% 427,500円
6,950,000円から8,999,000円まで 23% 636,000円
9,000,000円から17,999,000円まで 33% 1,536,000円
18,000,000円から39,999,000円まで 40% 2,796,000円
40,000,000円以上 45% 4,796,000円

所得税における103万の壁とは

所得税の課税対象は、給与収入から「給与所得控除」の最低額である55万円と、「基礎控除」の48万円を差し引いた金額になります。
そのため1年の給与収入103万円までは非課税となり、所得税が発生しない働き方を求める人々のあいだでは、103万の壁という言葉が使われています。

【所得税に関する記事はこちら!】
アルバイトが所得税で損しない年収額は?103万を超えたらどうする?

給与所得にかかる税金 住民税

住民税とは、その人が住んでいる市町村や都道府県などの自治体に対して納める税金です。こちらも所得税と同じく所得に応じて課税され、前年の所得を基に、6月から翌年5月までの毎月の給料から徴収されます。

住民税は、都道府県に納める「道府県民税」と、市区町村に納める「市町村民税」に分けられ、納税者の収入によって金額が変わる「所得割」と、年間約93万~100万円以上の収入がある方に均等に課税される「均等割」で構成されています。

均等割り
住民税の「均等割」は、収入にかかわらず定額で課税される税金です。
住まいの地域によって差はありますが、基本的には「道府県民税1500円+市町村民税3500円」の5000円前後であることがほとんどです。

所得割
納税者の収入に応じて課税される税金です。そのため、収入が多いほど所得割の金額も増えることになります。
また、所得割は給与から「給与所得控除+基礎控除43万円(所得金額が2400万円を超えると逓減、消滅します)」を差し引き、税率(例外地域以外一律10%)を掛けて計算されます。

住民税における100万の壁とは

住民税は、1月1日から12月31日までに発生した所得について、「給与所得控除55万円+基礎控除43万円」を給与収入から控除した額に対して課税されます。

住民税の非課税限度額
住民税には非課税限度額(非課税措置や課税基準など)というものがあります。
これは、額面の給与から給与所得控除を除いた金額(いわゆる所得)が、非課税限度額以下であれば課税されないというものです。

住んでいる自治体によって異なりますが、多くは45万円が非課税限度額となっており、給与所得控除の55万円と非課税限度額45万円を足した合計100万円以内であれば、課税対象となる所得は0円ですので、住民税はかからなくなります。
この金額は世帯数や自治体によって変動があるので、住民税の詳しい計算については各自治体のホームページをチェックしてみましょう。

【住民税に関する記事はこちら!】
住民税はいくらからかかる?パート、アルバイトの課税について解説

年末調整と確定申告とは?

11月頃になると勤務先でよく耳にする「年末調整」「確定申告」というワード。
対象となる条件は何か、どのような役割を果たすのか、といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは「年末調整」「確定申告」に加えて、この2つに関連する「源泉徴収」について解説します。

事前に知っておきたい!源泉徴収について

源泉徴収とは、毎月の収入金額に応じて、給与からおおよその所得税を天引きする制度のことです。所得税は1年間の給与収入から算出されますが、その年の給与収入は12月31日に確定します。
給与収入の確定後、一時に所得税を納付することになると個人の負担が大きいため、企業側が毎月個人の収入金額に応じたおおよその所得税を算出したうえ、給与から天引きし、代わりに国に納めているのです。

企業に勤めている場合、原則として、毎月の給料からあらかじめ会社が所得税にあたる金額を多めに差し引いて支給します。月の収入が8万8000万円を超える、または日給2900円以上となった場合、基本的に「源泉徴収」を行う対象となります。

しかし、源泉徴収はあくまで大まかな金額で納税しているため、後から正しい所得税の額を計算し、調整する必要があります。その方法が、年末調整や確定申告です。

【源泉徴収に関する記事はこちら!】
源泉徴収はアルバイトにも関係がある?源泉徴収票の見方を解説

年末調整とは?役割について

年末調整は、その企業の従業員が納めるべき年間の所得税と、毎月の給与から控除した所得税額を比べて、所得税額の過不足を調整する作業です。
12月の給与が支給されて1年間の給与収入が確定するタイミングで、その総合額から各種控除や天引きした社会保険料などを年末調整の担当者が算出して、年間の所得額を計算し直します。そのため通常は12月の給与に調整が入り、税金を多く払いすぎている場合は還付された分だけ手取り収入が増えます。

ダブルワークでパート先を掛け持ちしている場合、年末調整が行われるのは1社のみという決まりがあります。年末調整の対象になるには、勤務先に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出する必要がありますが、この申告書は1ヵ所にしか提出ができないからです。

例えば2ヵ所でパートを行っている場合は、収入の多いほうで年末調整を行うことになります。もう1ヵ所のパート先では年末調整をすることができないので、自分で確定申告を行なう必要があります。

確定申告とは?どのような時に申告が必要なのか

確定申告は、個人事業主などが年間の収入と納税する税額を、税務署に申告する手続きです。確定申告は、所得を得ている方すべてが対象です。
ただし、会社員の場合は年末調整が行われていれば基本的には不要です。勤務先で年末調整を受けられなかった方は、確定申告をすることで、納めすぎた税金があれば還付金として返金され、不足分があれば追加で徴収されます。

確定申告は、1年間の給与の総額や源泉徴収された所得税の総額、税金の対象外になる控除の総額などを整理した申告書を作成し、所轄の税務署に提出します。確定申告を行う際には、期日までに自分で申告書や必要書類を用意する必要があります。
申告期間は、翌年2月16日から3月15日(申告期限が、土日祝日との場合はその翌日)までとなっています。なお、還付申告の場合は、申告期間の前でも受けつけてくれます。

【年末調整・確定申告に関する記事はこちら!】
年末調整と確定申告の違いとは?それぞれの仕組みと手続きの流れ

給与収入(年収)と控除の壁とは?

学生や配偶者がパート・アルバイトで働く際に、「扶養」や「控除」といった言葉をよく耳にするかと思います。この「扶養」から外れると、税金や社会保険に関わる扶養控除が受けられなくなり、税金や社会保険料の負担が増え、世帯全体の手取りが減ってしまう可能性があります。
控除とはどのようなものなのか、簡単に説明していきます。

扶養控除

扶養控除とは、家族を養っている人の納税負担を、養っている家族の数に応じて軽くするための制度です。アルバイトなどで所得を得ている人が親の扶養家族である場合も、扶養控除の対象となります。

扶養控除には、住民税と所得税の控除に関わる「税法上の扶養」と、健康保険や年金といった「社会保険上の扶養」の2種類があります。

税制上の扶養とは、扶養家族の年間の給与収入が103万以下の場合、親(扶養者)は所得控除を受けることが出来る制度のことです。そのため、103万円を超えると親側は扶養控除を受けられなくなり、税金の負担が増えることになるのです。

社会保険上の扶養とは、会社員(または公務員)である扶養者の健康保険や厚生年金保険といった社会保険の扶養に、被扶養者が入る場合を指します。なお、厚生年金に加入できるのは配偶者のみ。給与収入が130万円未満で、被保険者の給与収入(年収)を上回らないことが条件となります。

<勤労学生控除>
勤労学生控除とは、学費や生活費などのための労働で収入を得ている学生が、一定の条件を満たすことで受けられる所得控除のことです。

労働などで収入を得た場合、収入から経費や控除を差し引いた所得に対して、税金がかかります。これは、学生であっても同じです。ただし、下記の条件を満たす学生の場合は、年間収入から所得税は27万円、住民税は26万円が給与所得から控除されます。

  • ・給与などの勤労による所得がある
  • ・合計所得金額が75万円以下で、勤労による所得以外の所得が10万円以下(給与収入のみ の場合、130万円以下)
  • ・特定の学校の学生、生徒である

上記の条件を、申告する年の12月31日時点で全てあてはまっている必要があります。
ただし、勤労学生控除を受けても給与収入が103万円を超えた場合、親の扶養控除の対象外となります。親の扶養内である場合は、よく相談しておくことが大切です。

【勤労学生控除に関する記事はこちら!】
勤労学生控除で所得税や住民税の負担減!控除の仕組みや条件とは?

配偶者控除・配偶者特別控除

「扶養控除が家族を扶養している人が対象になるのなら配偶者も含まれるのでは?」とお思いかと思いますが、実は扶養控除の対象となる扶養親族に、配偶者は含まれないのです。
扶養控除の対象にならない代わりに、配偶者には「配偶者控除」「配偶者特別控除」というものがあります。

配偶者(扶養者)の合計所得金額が900万円以下で、被扶養者の給与収入が103万円以下(給与所得48万円+給与所得控除が55万円)であれば、夫は配偶者控除(38万円)を受けることができます。

2018年税制改正:配偶者控除・配偶者特別控除が改正
被扶養者の給与収入が103万円を超えても「配偶者特別控除」の対象となり、150万円以下で扶養者の合計所得金額が900万円以下であれば、配偶者控除と同じ満額(38万円)の控除を受けることができるようになりました。150万円を超えた場合は201万6000円未満を上限とし、38万円の控除額から段階的に減少していきます。

【控除に関する記事はこちら!】
扶養控除の金額とは?配偶者控除や扶養控除のメリットについて解説

まとめ

税金や社会保険、控除は手取り金額に大きく影響します。働く時間を増やしても、そのまま手取り金額が増えるというわけではありません。
また、控除の条件や金額を知らずに1年の給与収入がオーバーしてしまうと、扶養者である親や配偶者の税金負担が増えてしまうおそれがあるのです。

給与収入がいくらから所得税や住民税がかかるのか、いくらまでならどのような控除の対象となるのか、把握しておくといいかもしれません。
ぜひ、ご自身にあった働き方を見つけてみてください。

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