2020.12.28

【税理士監修】アルバイトの掛け持ちでかかる税金と正しい申告方法とは?

アルバイトの掛け持ちでかかる税金と
正しい申告方法とは?
アルバイトの掛け持ちでかかる税金と正しい申告方法とは?

バイチュー 複数のアルバイトを掛け持ちしている場合、「税金はどうなるの?」「正しい申告方法は?」など、悩んでしまうことがあるかもしれません。
ここでは、アルバイトを掛け持ちしている場合の税金に関する知っておきたいポイントや申告方法について解説します。

アルバイトを掛け持ちしているときの税金について

年収が一定額を超えると、住民税や所得税の納税義務が発生します。アルバイトを掛け持ちしている場合は、すべての勤務先から支給された給与を合計したものが年収となります。
住民税や所得税がかかるようになる年収は、それぞれ下記のとおりです。

住民税は年収およそ100万円を超えると発生

住民税は、都道府県に納める「道府県民税」と、市区町村に納める「市町村民税」の総称で、前年の1月1日~12月31日までの所得によって決定し、翌年の6月に課税されます。
この住民税は、所得に応じて課税される「所得割」と、一定額が課税される「均等割」で構成されており、年収がおよそ100万円を超えると(住んでいる地域によって変動)課税されるのが一般的です。

住民税には、「非課税限度額」という基準があり、給与所得控除を除いた金額が、非課税限度額以下であれば課税されないというルールがあります。多くの自治体では45万円が非課税限度額となっているため、住民税が発生しない年収は、給与所得控除の55万円と非課税限度額45万円を足した100万円以下ということになります。

所得税の課税計算 イメージ

そのため、A社とB社のアルバイトを掛け持ちしている方の場合、A社からの給与が60万円、B社からの給与が40万円であれば、これらを合算した年収が100万円以下となるため、非課税の可能性が高いといえるでしょう。

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所得税は年収103万円を超えると発生

所得税は収入に応じて、国に納める必要がある税金です。
所得税の控除額は、給与所得控除額55万円+基礎控除額48万円で、住民税のように住んでいる地域によって控除額が変わることはありません。ただし、年収が162万5000円を超えると給与所得控除額が変わります。

■給与所得控除額の算出方法

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
1,625,000円まで 550,000円
1,625,001円から1,800,000円まで 収入金額×40%-100,000円
1,800,001円から3,600,000円まで 収入金額×30%+80,000円
3,600,001円から6,600,000円まで 収入金額×20%+440,000円
6,600,001円から8,500,000円まで 収入金額×10%+1,100,000円
8,500,001円以上 1,950,000円(上限)

基本的には、所得税は自身の年収から103万円を引いた「課税所得」に、税率(課税所得195万円未満の場合5%)を掛けて計算します。そのため、年収103万円以下は非課税となりますが、月の給与が8万8000円以上の場合は、「源泉徴収」という形で、基本的にその月の給与から所得税が天引きされます。

ただし、源泉徴収された税額と年収に対する正確な税額は異なるため、後から「年末調整」や「確定申告」によって、納税額を調整します。年収103万円以下は非課税ですが、天引きで所得税を先に納めてしまっている場合、確定申告などで後から税金の還付を受けることが大切です。

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掛け持ちアルバイトの正しい税金の納め方

通常、アルバイトやパートといった、会社から給料をもらっている従業員は、勤務先が1社の場合、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を会社に提出すれば、年末調整を行ってもらうことができます。
では、掛け持ちでアルバイトをしており、住民税や所得税が発生した場合は、どのように税金を納めればいいのでしょうか?その申告方法について解説します。

基本的には確定申告が必要

アルバイトを掛け持ちしている場合、基本的には確定申告が必要になると考えておきましょう。
所得税を納める方法には、前述のように源泉徴収があります。源泉徴収は、月々の収入に応じて計算したおおまかな所得税が、給与から天引きされる方法です。しかし、この方法では実際の年収に対する税額とギャップが生じる可能性があるため、通常は年末頃に、勤務先に年末調整をしてもらい、納税額の調整をします。

しかし、原則として年末調整は1社の勤務先でしか行うことができません。そのため、アルバイトを掛け持ちしている場合は、複数の勤務先からもらっている給与について、確定申告の手続きを自分で行う必要があるのです。

年末調整をしてもらう会社の選び方

2ヵ所以上の会社から給与を受け取っている場合、年末調整はどこの会社で行えばいいのかと悩むこともあるでしょう。このような場合は、一般的に収入の多いほうの会社で行います。

源泉徴収として天引きする所得税は、源泉徴収税額表をもとに計算されます。この源泉徴収税額表には、甲欄と乙欄があり、乙欄の源泉徴収税額は、甲欄に比べて大きくなります。

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出者は甲欄に、提出していない場合は乙欄に分類されます。

そのため、収入の多いほうの会社から受け取る給与は、「主たる給与(本業)」となり、その会社の源泉徴収税額は「甲」欄が適用され、それ以外の会社で受け取る給与は「従たる給与(副業)」という扱いになり、源泉徴収額は「乙」欄が適用されます。

掛け持ちでアルバイトをしている方の税金の申告方法とは?

「掛け持ちでアルバイト」といっても、年収や働き方によってさまざまなケースがあります。続いては、掛け持ちでアルバイトをしている方の収入や状況別に、税金の申告方法について解説します。

・合計年収103万円を超えていて、アルバイト先から源泉徴収されている
複数の勤務先からの合計年収が103万円を超え、そのうちの1社で扶養控除等申告書を提出し、源泉徴収されている場合は、確定申告が必要です。なお、申告書を提出していない勤務先からは、多めに所得税が引かれている可能性もあるため、確定申告をすることで、納めすぎた税金が還付金として戻ってくる場合もあります。

・合計年収103万円を超えているが、どのアルバイト先からも源泉徴収されていない
合計年収が103万円を超えている場合は、所得税を納付する義務がありますが、万一、源泉徴収されていなければ、税金を納めていない状況です。確定申告を行って所得税を納めなければ、罰則として追徴課税されます。

・合計年収103万円以下で、源泉徴収されているアルバイト先がある
合計年収が103万円以下の場合は、所得税は非課税です。アルバイト先で源泉徴収されている場合は、確定申告をすれば、納めすぎた税金の還付を受けることができます。

・合計年収103万円以下で、どのアルバイト先でも源泉徴収されていない
確定申告をする必要はありません。

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確定申告はどうやって行う?

確定申告をする際には、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」が便利です。画面に従って年収や源泉徴収額といった必要事項を入力するだけで、簡単に確定申告書が作成できます。

申告書は所轄の税務署へ郵送での送付や、直接持っていくことのほか、e-Taxによる電子申告も可能です。e-Taxを利用する場合、マイナンバーカードを読み取れるスマートフォンやICカードリーダライタがあれば、スマートフォンやパソコンでそのまま手続きを終えることができます。マイナンバーカードを持っていない場合は、税務署でID・パスワードを発行してもらうことで、e-Taxの利用が可能です。

アルバイト先からもらえる源泉徴収票が必要

確定申告に必要となる源泉徴収票は、すべてのアルバイト先から手に入れておく必要があります。
本業で年末調整をしてもらったからといって、源泉徴収票が不要なわけではありません。本業・副業ともに、源泉徴収票は大切に保管しておきましょう。

アルバイトを掛け持ちしている場合は確定申告が必要なこともある

今回は、アルバイトを掛け持ちしている方に向けて税金を納める方法を解説してきました。
複数のアルバイト先から給与をもらっている場合、年末調整は1社しかできないため、確定申告が必要になることがあります。また、確定申告をすれば、納めすぎた税金が還付される可能性も少なくありません。税金で損をしないためにも、確定申告のやり方を覚えておきましょう。

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記事監修
増田 浩美

増田 浩美

増田浩美税理士事務所所長

女性ならではのきめ細やかな視点を強みに、企業から個人まで幅広い税務のサポートを行う。
ホームページ:http://www.zeimukaikei.jp/

※2020年10月に記載した記事です。

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