2021.01.08

【税理士監修】退職後の住民税はどうなる?辞めた時期による納付方法の違いとは【税金Q&A】

退職後の住民税はどうなる?
辞めた時期による納付方法の違いとは
退職後の住民税はどうなる?辞めた時期による納付方法の違いとは

バイチュー 住民税は、会社員であれば給与から天引きされているため、普段はあまり意識していない方も多いのではないでしょうか。しかし、会社を退職した場合には、住民税を自分で納める可能性が出てきます。
ここでは、退職した時期によって変わる住民税の納付方法の違いや、住民税額に関する注意点などをご紹介します。

住民税とはどんな税金?

退職後の住民税について考える前に、住民税の基本的なポイントを押さえておきましょう。住民税は、都道府県に納める「道府県民税(東京都は都民税)」と、市区町村に納める「市町村民税(東京23区は特別区民税)」の総称です。
納めた住民税は、自治体によって医療や教育、道路整備、福祉などの費用として使われます。地域の住民が快適に暮らせる街づくりのためにも、その自治体に住む方は、住民税を納める必要があるわけです。

住民税の金額はどう決まる?

住民税の金額は、前年の1月1日~12月31日までの所得によって決まります。そして、翌年1月1日の時点で住所がある自治体に、その年の6月から納付するのです。

住民税は、まず基礎控除と給与所得控除を差し引いた、残りの所得にかかります。住民税額は、控除後の前年の所得に対して課税される「所得割額」と、前年の所得に関係なく均等に課税される「均等割額」の合計金額から算出されます。所得が多いほど、翌年に納める住民税の金額も多くなるというわけです。

納付方法は2パターン

住民税の納付方法は、「特別徴収」と「普通徴収」の2パターンがあります。特別徴収は、会社員などの給与からあらかじめ天引きされて徴収される方法で、一般的な給与所得者の多くがあてはまる納税方法です。

一方、普通徴収は自営業者などが確定申告をして、自分で住民税を納める方法を指します。普通徴収では6月末の一括払いか、年4回(通常は6月、8月、10月、1月)の分納を選択することが可能です。なお、普通徴収では、送付される納付書を使い、コンビニエンスストアや金融機関の窓口などで納めることになります。

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給与所得者が退職する場合の納付方法

それでは、給与所得者が退職した場合、住民税はどのように納付すればいいのでしょうか。また、退職前に再就職先が決まっていたらどうなるのかについても解説します。

1月1日~5月31日に退職した場合の納付方法

1月1日~5月31日までに退職した場合、基本的には退職月の給与や退職金から、5月分までの住民税を一括で徴収されます。
退職月の給与と退職金の合計よりも、徴収される住民税のほうが多い場合には、普通徴収に切り替わり、自分で納付することになります。

6月1日~12月31日に退職した場合の納付方法

6月1日~12月31日までに退職した場合、退職月の住民税は給与から天引きで会社に徴収してもらえます。一方、その翌月以降に納める予定だった住民税については、普通徴収に切り替わるため、自分で納付する必要があります。

このようなケースでは、自治体から普通徴収のための納税通知書が送付されます。ただし、会社に希望すれば、退職する月から翌年の5月分までの住民税を、退職月の給与や退職金から一括で徴収してもらうことも可能です。

退職前に再就職先が決まっていたら?

退職前に再就職先が決まっている場合、転職先の会社で特別徴収を継続する方法をとることができます。
退職後に住民税の手続きをする必要がなく、これまでどおり、給与から天引きされる形になります。ただし、退職した会社と、転職先の会社のあいだで事務手続きを行う必要があります。

退職から再就職までに間が空く場合や、退職する会社に転職先を知られたくない場合は、一度普通徴収で住民税を納め、転職先から特別徴収に切り替える手続きをしてもらいましょう。

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退職後の住民税納付で気を付けること

住民税の納付について、会社員だったときはあまり意識することはなかったかもしれません。しかし、退職した場合には下記の注意点があります。
退職後の住民税の納付について気を付けるべきポイントをご紹介します。

退職後は収入と税額のギャップに注意

退職や転職をすると、収入と住民税の金額に大きなギャップが生じる可能性があります。

住民税の金額が、前年の所得によって決まることは先にも解説したとおりですが、たとえば、前年に多くの収入を得た状態で退職し、翌年の収入が大幅に下がったとします。収入は減っていても、前年の所得によって住民税が算出されるため、翌年は多額の住民税を納めることになりかねないのです。

また、退職金が高額でその後の収入が減った場合も同様に、翌年の住民税が大きな負担になる可能性があります。

納付をうっかり忘れないように注意

退職した方は、住民税の滞納にも気を付ける必要があります。会社員として働いていた頃は、特別徴収によって自動的に住民税を納めることができるため、滞納の心配はありませんでした。

しかし、普通徴収で住民税を納める場合、郵送されてきた納付書を見落とすなどして、うっかり忘れてしまう可能性も少なくありません。住民税を滞納すると、郵送で督促状が届くだけでなく、延滞金も必要になってきます。

さらに滞納し続けると、財産の差し押さえなどにつながるおそれもあります。退職して普通徴収で税金を納めることになっても、絶対に滞納をしないように注意しましょう。

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退職したタイミングによって住民税の納め方は異なる

退職後の住民税の納め方について解説してきました。退職するタイミングによって、または退職後に給与所得者にならない場合は、普通徴収で住民税を納める必要があります。住民税の金額は前年の所得によって決まるため、退職後の収入によっては納税額が大きな負担となる可能性があるでしょう。

突然、住民税の納税通知書が来ても驚かないように、住民税の納付方法について、退職時に会社に相談しておくことをおすすめします。

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記事監修
増田 浩美

増田 浩美

増田浩美税理士事務所所長

女性ならではのきめ細やかな視点を強みに、企業から個人まで幅広い税務のサポートを行う。
ホームページ:http://www.zeimukaikei.jp/

※2020年10月に記載した記事です。

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