2020.12.25

【税理士監修】アルバイトが所得税で損しない年収額は?103万を超えたらどうする?

アルバイトが所得税で損しない年収額は?
103万を超えたらどうする?
アルバイトが所得税で損しない年収額は?103万を超えたらどうする?

バイチュー せっかくアルバイトをしてお金を稼ぐなら、税金がかからない範囲で無理なく働きたいと考えている方も多いはずです。所得税などの税金が引かれて、手取りが少なくなってしまうような事態を避けるには、どのような働き方をしたらいいのでしょうか。
ここでは、アルバイトとして働く方が意識しておきたい、「103万の壁」について解説します。

年収103万円まで所得税がかからない理由

一人ひとりの収入にかかる税金に、所得税があります。日本では、収入が多いほど税率が高くなる「累進課税制度」を採用しており、その税率は5%から45%まで大きな振れ幅があるのです。このうち、所得税がかからない年収が、103万円となっています。

年収103万の壁とは?

所得税は、収入全体に対して課税されるわけではありません。所得税の課税対象は、年収から「給与所得控除」の55万円と、「基礎控除」の48万円を差し引いた金額になります。
そのため、この55万円+48万円=年収103万円までは非課税となるのです。所得税が発生しない働き方を求める人々のあいだでは、103万の壁という言葉が使われています。

所得税の課税計算 イメージ

学生は年収が103万円を超えてもOKなケースも

前述したように、所得税は年収が103万円を超えない限り発生しません。しかし、学生の場合は、年収が103万円を超えても非課税となるケースもあります。
これは、一部の学生には「勤労学生控除」が適用されるためです。勤労学生控除の申請が通れば、給与所得控除55万円、基礎控除48万円にプラスして、27万円分の控除を受けられます。合計130万円の控除が受けられるようになるため、年間の収入が130万円未満までであれば、所得税は発生しません。

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所得税がかかる年収103万の壁を超えないためには?

ここまで解説したように、所得税は基本的に年収103万円を超えると課税されます、では、103万の壁を超えないためには、具体的にどのようにしたらいいのでしょうか。

アルバイト先に年収の上限をあらかじめ伝える

年間の収入が103万円を超えないためには、あらかじめ勤務先の責任者にその意思を伝えておくことが大切です。企業によっては、このような収入の上限を考慮してシフトを組んでもらえるかもしれません。
ただし、要望はすべての勤務先で通るわけではないため注意が必要です。

1ヵ月あたりの収入額を目安にシフトを入れる

年収103万円から逆算し、1ヵ月あたりの勤務時間を計算してシフトを組む方法もおすすめです。103万円を超えないようにするためには、1ヵ月あたりの収入目安を8万5000円以下に収めましょう。
仮に、時給1000円のアルバイトで1日あたり4時間ずつ勤務に入った場合、勤務日数を20日以内に抑えれば、月収が8万円を超えずに済みます。自分の働き方に合わせてうまく調整してみてください。

バイト先の繁忙期にも注意

アルバイトによっては、ゴールデンウイークや夏休みといった長期休暇に忙しくなるところもあります。年収を103万円以下に収めたいからといって繁忙期の出勤を断ってしまえば、勤務先に多大な迷惑をかけることになります。
また、人手が不足しがちな業界の場合は、積極的にシフトに入る必要があるかもしれません。その結果、年収が103万円を超えてしまうと、所得税を納める必要が出てきます。繁忙期や人手不足の時期も加味して、計画的にシフトを組めるような勤務先を見つけておくといいでしょう。

アルバイトを掛け持ちしている場合はどうする?

アルバイトを掛け持ちしている場合は、1つの勤務先からの収入だけに注目していてはいけません。所得税はすべてのアルバイトで得た年収の合計から算出するためです。
たとえば、メインの勤務先からの給与が 70万円であっても、副業で33万円以上の年間収入があれば、合計103万円以上となり、所得税がかかります(勤労学生控除を受けていない場合)。アルバイトを掛け持ちしている方は確定申告が必要になるケースもあるため、年収の総額には常に気を配っておきましょう。

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年収103万円を超えなくても所得税を納めることになるケースも

月収が8万8000円を超えると、源泉徴収が行われます。そのため、年収が103万円を超えていない場合でも、所得税を納めている可能性があるのです。

源泉徴収とは、「年収が103万円を超える」と仮定し、あらかじめ大まかな所得税を月額給与から差し引き、企業が個人に代わって納める制度です。
そのため、月によって収入が変動しやすい方は、最終的な年収が103万円を超えていなくても、所得税を納めている可能性があるのです。

納めすぎた税金を取り戻す方法

納めすぎた所得税を取り戻すには、勤務先に「年末調整」を依頼するか、自身で「確定申告」を行い、正確な所得税を計算し直す必要があります。

・年末調整
年末調整では、勤務先が1年間に源泉徴収した所得税額を精算し、源泉所得税として国に納めています。従業員の年収が103万円以下であれば、この時点で余分に源泉徴収されていたお金が返ってきます。

年末調整を受けるためには、バイト先に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出する必要があります。また、条件によっては年末調整を受けられないケースもありますので注意しましょう。例えば、年度の途中でアルバイトを辞めてしまい、再就職しなかった場合には、年末調整を受けることはできません。自身が年末調整の対象になれるかどうかは、事前に確認しておきましょう。

なお、年度の途中でアルバイトを辞めたが、新しいバイト先でその年の12月31日まで働き続けることが決まっているのであれば、新しいアルバイト先で年末調整してもらえます。やめたアルバイト先から源泉徴収票をもらっておくようにしましょう。

・確定申告
「複数のバイト先から給与をもらっている」「年の中途でバイトを辞めてしまった」などの理由で年末調整を受けられない場合は、自分で確定申告を行う必要があります。

確定申告は、源泉徴収票をもとに、所得税の過不足がないかを申告します。もし、納めすぎていれば還付金として返ってきますが、不足している場合には追加で徴収されます。
なお、アルバイト先を掛け持ちしている場合には、すべてのバイト先から源泉徴収票をもらう必要があるため注意してください。

確定申告のやり方がわからず不安な場合は、所轄の税務署で相談しながら手続きを行うことも可能です。ただし、確定申告シーズンの税務署は非常に混雑しているため、場合によってはWebからの申告なども検討しておきましょう。

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アルバイトの年収が103万円を超えた場合のデメリット

デメリット イメージ

年収が103万円を超えた場合、所得税が課税される以外にもデメリットがあります。続いては、配偶者の税負担や親の扶養控除額について解説します。

配偶者の税負担に影響する

アルバイトやパートとして働く方の年収が103万円を超えた場合、配偶者の税負担が増える可能性があります。これには、「配偶者控除」が関係しています。

控除を考えるうえで知っておきたい合計所得金額とは、収入金額から必要経費を差し引いて計算したもののことです。収入が給料のみの会社員の場合は給与所得が該当します。

給与所得は、収入に応じて「給与所得控除額」が定められており、これを差し引いたものが所得金額になります。詳しくは、国税庁「合計所得金額」を参考にしてください。

配偶者控除では、配偶者の年収が103万円以下であれば、納税者本人が48万円の控除を受けられます(納税者本人の合計所得金額が1000万円以下の場合)。たとえば、妻の年収が100万円であれば、非課税であるだけでなく、夫の税負担が減るというわけです。

ただし、配偶者の年収が103万円を超えても、「配偶者特別控除」という制度があります。これは、配偶者の給与年収が103万円から201万6000円未満で、かつ納税者本人の給与年収が1195万円以下(配偶者の合計所得金額が38万円から123万円未満で納税者本人の合計所得が1000万円以下)の場合に受けられる控除です。

また、年収130万円を超えれば、社会保険に加入する必要が出てきます。配偶者特別控除は、あくまでパートナーの税負担を減らすものであることに留意しておきましょう。

親などの扶養控除額にも影響する

アルバイトで働いた年収が103万円を超えると、親の税金が増える可能性もあります。これは、子供が扶養から外れてしまうためです。

年収103万円以下の子供(被扶養者)がいる親は、「扶養控除」を受けられます。特に、19歳以上23歳未満の大学生に当たる年齢は「特定扶養親族」となり、63万円の控除があることが特徴です。なお、16歳以上18歳以下の方、もしくは23歳~69歳の方は「一般の控除対象扶養親族」となり、38万円の控除となります。

学生が103万円以上稼いでしまった場合、扶養者である親がこれらの控除を受けられなくなります。世帯年収とかかる税金を考慮しておかなければ、結果として親の税金負担が増えてしまうことにもなりかねないのです。

勤労学生控除を受けていれば、学生本人は年収130万円まで所得税が発生しませんが、それでも親の税負担には影響が出てしまいます。勤労学生控除を適用したい場合には、事前に家族と相談しておきましょう。

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年収103万円を超えない働き方を考えよう

年収103万円を超えると、所得税が発生する以外にも、家族が控除を受けられなくなる可能性があります。また、せっかく稼いでも、手取りが少なくなってしまうような事態は避けたいですね。所得税をはじめとする税金のことをしっかり把握し、103万円のラインを常に意識しながら働き方を考えるといいでしょう。

年収を103万円に抑えるには、バイト先ともよく相談することが大切です。稼ぎたい金額と課税分を計算しながら、計画的にお金を稼ぎましょう。

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記事監修
増田 浩美

増田 浩美

増田浩美税理士事務所所長

女性ならではのきめ細やかな視点を強みに、企業から個人まで幅広い税務のサポートを行う。
ホームページ:http://www.zeimukaikei.jp/

※2020年10月に記載した記事です。

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