サラリとボケる大水さんと、冷静、且つ丁寧にツッコむ飛永さん。独特な間合いで進むシュールなコントは、飛永さんのバイト経験から生まれたものだった!?
(写真左から)飛永翼/1983年生まれ。大水洋介/1982年生まれ。
スクールJCA(プロダクション人力舎のタレント養成スクール)10期生の二人で、2001年にコンビ結成。淡々と繰り広げられる独特なスタイルのコントが人気の実力派コンビ。
バイト先の厳しいルールが
コントのネタ元に!?
大水:窓拭きのアルバイトは5年も同じ会社で続けたので、まわりと自然に仲よくなりましたね。よく誰かの家に集まってゲームをしたり、会社の事務所で朝まで『桃鉄』をやったり。一番年下だったこともあって、割と可愛がってもらって。今でも社長は毎回僕らのライブに来てくれますし、よくしてもらいました。
飛永:僕の働いていたレンタルビデオ屋はシフトを選べる店で、役者志望や映画監督志望が多かったんです。みんなでよく夢の話をしていたら、35歳のアルバイトのオジサンが僕に感化され、突然「お笑い芸人になる!」と言い出しまして。そんなにおもしろい人ではなかったので「やめたほうがいいですよ」とは言ってましたけど、結局、5、6年経った今でも同じ店で働いてます(笑)。
僕らのコントはバイトネタも多いんですけど、それは、この頃の経験が生きていると思いますね。僕が接客業のネタを作って、大水さんがボケる。大水さんは接客業の経験がないので、経験がないなりのボケが出やすかったのかなぁと。例えばアルバイトの『五大接客用語』を大水さんが言ったらどうなるのか……みたいな作り方です。きっちりしていたほうが、逆に、大水さんのヘンなところが浮き立つんですよ。
大水:バランスですよね。僕がヘンな人を演じると、"本物"のヘンな人になっちゃうんで(笑)。
飛永:そう。それで、ウケない(笑)。だから"普通っぽいけど、なんかヘン"ぐらいにしておかないとダメで。特にレンタルビデオ屋はルールがきっちりしている店だったので、今のネタ作りに生きてますね。
今でもアルバイトには興味アリ!
理想は"奥様のヒマつぶしバイト"
飛永:この間、お世話になったアイドルグループのライブへ行ったとき、物販のお手伝いをしてすごく楽しかったんですよ。楽しくてお金になって、経験にもなるバイトだったら最高なので、そういう意味では今でも「バイトしたいなぁ」と思いますね。お金持ちの奥様が、ヒマだからやるバイト。それが一番の理想です。
大水:いいねぇ。ピザ屋とか、喫茶店とか。
飛永:大水さん、コーヒー好きだし、喫茶店のマスターとか似合いそうじゃない?
大水:それだとさ、バイトじゃなくて、転職になっちゃうから(笑)。
飛永:あ、そうか(笑)。
大水:まぁ、こうやって振り返ってみると、バイトをしていた頃は楽しかったですけどね。体を動かした後のお昼ごはんはおいしかったですし、いい汗もかきましたし。
飛永:そうだね。芸人の仕事は、汗かかないし、そもそも体を動かさないし。
大水:バイトって、学生だったりとか、何か別のことをしながらする人が多いと思うんですけど、せっかくなら好きなことを選んだほうがいい気がします。僕はもともと高いところが好きで、興味のあった窓拭きの仕事を選んだから、キツくてもがんばれたし。体力的にツライときも「高いところ、楽しい!」と思えましたから。
飛永:「どうせバイトだから」なんて思わずに、一生懸命働いたほうがいいですよね。今でもバイト時代にがんばって働いたことは、僕の中で何かの励みになっているので。何が理由なら一生懸命働けるのかは、好きなことだったり、お金だったり、人それぞれですけど。若いうちは、いろんなことにチャレンジしたほうがいいんじゃないかと思いますね。
