2023.01.24

調理師になるには資格が必要?調理師免許の取得メリットや取り方・難易度を紹介!

調理師になるには資格が必要?調理師免許の取得メリットや取り方・難易度を紹介!

料理に関する仕事は、和食や洋食などさまざまなジャンルがあります。また、職場も飲食店・ホテル・学校や病院など多岐にわたります。

料理を仕事にしたいと思ったとき、調理師免許の取得が必要なのか、どれくらいの実務経験が必要なのか気になるのではないでしょうか。

この記事では、調理師免許の取得や調理師の主な勤務先、調理師に向いている人などについて、詳しく紹介します。

料理人と調理師には違いがある

料理に関わる人を料理人や調理師と呼んだりしますが、この2つには明確な違いがあります。それは、調理師免許を保有しているか否かです。

「料理人」は特に必要な資格はなく、料理を作る仕事をしている人であれば、誰でも料理人を名乗ることができます。一方で「調理師」は、料理を仕事にしている料理人のなかでも、調理師免許を保有している人のことをいいます。

資格がないと「調理師」とは名乗れない

国家資格の4つの分類のうち、調理師は「名称独占資格」というカテゴライズがされている資格です。調理師とは調理師免許を所有している人だけが名乗って良い名称と決められています。

そのため、厳密に言うと調理師免許を持っていない人は調理師ではありません。資格所有者ではないのに調理師を名乗ると、法律で罰せられます。

しかし、資格がないと業務に携わっていけない「業務独占資格」ではないため、資格所有者ではなくてもその業務を行うことができ、罰せられることはありません。

【参考】 国家資格の分類
国家資格は、法律で設けられている規制の種類により、以下の4つに分類されています。

分類 資格の役割
A)業務独占資格 弁護士、公認会計士、司法書士のように、有資格者以外が携わることを禁じられている業務を独占的に行うことができる資格。
B)名称独占資格 栄養士、保育士など、有資格者以外はその名称を名乗ることを認められていない資格。
C)設置義務資格 特定の事業を行う際に法律で設置が義務づけられている資格。
D)技能検定 業務知識や技能などを評価するもの

(参考)文部科学省 「国家資格の概要について」

 

料理の仕事に調理師資格は必要?

調理に関する仕事において調理師免許は必須ではありません。飲食店を開業する場合でも、法律的には調理師免許は必要ありません。

では、調理師免許は所有する必要はないのかというと、そうとも言い切れません。仕事内容によっては、資格所有が必須条件というところもあり、必須でなくても資格を所有していることは大きなメリットとなります。

調理師免許を取得するメリットは?

調理師免許を所有するための条件は、「調理に関する仕事を2年以上経験したうえで調理師資格試験に合格する」または「厚生労働大臣によって認められた調理師養成施設を卒業する」の2つの方法があります。このため、資格を所有しているだけで確かなスキルと知識を持った者であることの証明になり、就職活動で有利になるのです。

上述した通り、飲食に関する店舗をオープンするにあたって、調理師免許の資格は必要ありません。必要なのは食品衛生責任者の資格です。しかし、調理師免許を所有していれば衛生面に関する知識だけでなく、調理や食材などの知識やスキルも持ち合わせている証明になります。ひいては店や味への信頼につながることから、応募条件として調理師免許の取得を挙げている職場も少なくありません。レベルの高い職場で働くことを希望している場合、信用の証となる調理師免許は強い味方となるでしょう。

また、調理師免許を持つことは職場での給与面にも影響を与えます。いくらスキルと知識があり経験豊富であっても、飲食業界はその職場での経験を積まなければ、すぐに給与アップすることは難しいでしょう。しかし、調理師免許を所有していれば、ある程度の腕前であることが保証されているため、最初から評価も高く昇格もしやすくなります。

調理師免許の取得難易度は?

厚生労働省が発表した令和3年度の調理師試験実施状況によれば、全国の調理師免許試験合格率は65.6%で、半数以上が合格という結果になっています。

調理師免許は国家資格の一種ですが、参考までにほかの国家試験の合格率を見てみましょう。

■管理栄養士
合格率:65.1%

(参考)厚生労働省令和4年度 第36回管理栄養士国家試験の合格発表

これらの国家試験の合格率と比較すると、調理師免許試験の難易度はそれほど高くないといえるでしょう。しかし、4割弱は不合格になることを忘れてはなりません。

調理師免許の取得方法

調理師免許を取得するには2つの方法があります。それぞれ見ていきましょう。

調理師養成施設を卒業し、免許を申請して取得

調理師免許は、厚生労働大臣が指定した調理師養成施設を卒業することで取得できます。

養成施設にはさまざまな種類があり、その種類は1年制または2年制の専門学校、短期大学、4年制大学、高等学校、職業能力開発短期大学校などです。このうちどれかの養成施設に通い卒業することによって、調理師免許を取得できます。

この場合、卒業すれば自動的に資格取得となるので、試験を受ける必要はありません。養成施設のなかには夜間クラスを設けているところもあるので、ほかの仕事をしながら養成施設に通うこともできます。

実務経験を積んで調理師試験を受験、免許を申請して取得

飲食店や給食施設などで、実際に調理にかかわる実務を2年以上経験してから調理師試験を受験して合格すれば、調理師免許を取得できます。

2年以上の実務経験があるという証明をするためには「実務経験証明書(調理業務従事証明書)」を用意しなければいけません。この書類を作成するには、実務経験をした職場の責任者から印鑑を押してもらう必要があります。

2年以上の経験があり、それを証明できれば正社員経験のないアルバイト・パートでも問題はありませんが、1日6時間以上かつ、週4日以上の勤務をしていることが条件です。学生時代など過去の実務経験が条件を満たしていれば、その証明となる実務経験証明書を用意することによって受験できます。

 

(参考)東京都福祉保健局 調理師の資格を取得するには

調理師の給与

厚生労働省が発表した「令和3年賃金構造基本統計調査」を見てみましょう。

  月額給与 所定内
給与額
年間賞与
その他特別給与額
所定内実労働
時間数
超過実労働時間数 年齢 勤続年数
全体 252,400円 235,600円 299,800円 168時間 9時間 44.1歳 9.0年
~19歳 185,300円 173,000円 25,700円 164時間 8時間 19.0歳 1.0年
20~24歳 208,000円 192,400円 159,000円 167時間 11時間 22.6歳 2.3年
25~29歳 233,900円 215,200円 259,100円 169時間 11時間 27.4歳 4.3年
30~34歳 250,600円 232,900円 304,300円 167時間 9時間 32.5歳 6.6年
35~39歳 270,000円 251,000円 349,400円 170時間 9時間 37.5歳 8.4年
40~44歳 282,300円 262,000円 359,000円 168時間 10時間 42.5歳 9.7年
45~49歳 285,300円 263,200円 384,300円 171時間 10時間 47.5歳 10.4年
50~54歳 269,800円 256,500円 369,800円 167時間 6時間 52.4歳 11.1年
55~59歳 261,000円 246,100円 383,600円 165時間 7時間 57.4歳 12.5年
60~64歳 232,200円 218,900円 230,300円 167時間 7時間 62.3歳 12.8年
65~69歳 212,300円 203,100円 168,700円 166時間 6時間 67.0歳 14.2年
70歳~ 189,400円 178,500円 67,500円 160時間 7時間 73.0歳 13.6年

※所定内給与とは
労働契約等であらかじめ定められている支給条件、算定方法により6月分として支給された現金給与額のうち、超過労働給与額(①時間外勤務手当、②深夜勤務手当、③休日出勤手当、④宿日直手当、⑤交替手当として支給される給与)を差し引いた額で、所得税等を控除する前の額。(令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況:主な用語の定義

調理師の主な勤務先

食品関連企業

実際に調理をしない仕事もあります。それは食品メーカーなどで専門知識を生かす仕事です。食や調理に関する知識を発揮して、食品メーカーなどで働く調理師もいます。

飲食店

ひとくちに飲食店といっても、個人が経営している小規模な店舗から、全国的にチェーン展開している大規模な店舗までさまざまな種類があります。個人経営のレストランなどで働き始める場合、当初は見習い扱いとなることが多いです。

掃除や皿洗い、食材の下ごしらえや他の従業員のまかないなどの雑務全般をこなし、厨房の仕事だけでなく接客を任されることもあります。キャリアを積むと調理など厨房の中心を任されることになります。さらにキャリアを積めば、食材の仕入れや経営面まで任されるようになるでしょう。このような店での経験を生かして、独立開業やほか店へ転職する人もいます。

ホテルやレストランのチェーン店でも、仕事内容はほぼ同じです。個人店に比べると会社組織が大規模であるため、各種保険制度や給与、勤務条件が明確になっており安定して働きやすい環境であることが多いです。そのなかでも有名ホテルの厨房は大勢で業務を行っており、前菜・メインディッシュ・デザートなどと各メニューによって担当が分離されています。ホテルは上下関係が厳しい職場といわれていますが、このような環境で数年間働くことによって相当な実力をつけることができます。

給食調理場

学校や保育園、幼稚園、給食センターなどの給食調理場も調理師の仕事場です。学校などの給食調理の場合は、毎日の献立と食事を提供する時間があらかじめ決まっています。効率よく調理するために作業を分担して一斉に行うのが特徴です。

仕込みや調理、食事提供後の片づけなど、仕事内容はほかの調理師とほぼ同じですが、給食調理場では水道水や食材の品質検査も仕事内容に含まれています。調理した料理を提供する時間はお昼のみなので、ほかの職場とは異なり、勤務時間が短く、規則的なのがメリットといえるでしょう。

こんな人に向いている

研究熱心で向上心がある人

料理に関する仕事は多岐にわたり、ひとつの食材でもさまざまな調理方法が存在します。また、人の好みもあらゆる趣味・嗜好があるため、それぞれに合わせて調理をしなくてはいけません。

そのため、調理師は一方向のスキルや知識だけで飽き足らない、研究熱心な人に向いているといえます。現状に満足せず新たなスキルや知識を習得してそれを実務に生かしたいという考えがある人は、調理師としてキャリアアップできる人材となるでしょう。

創造力が豊かな人

調理師として優れたスキルを身につけるのは、決して簡単にできることではありません。そのため、日頃の基本作業を怠らないことが大事ですが、その反面、斬新かつ柔軟な発想も求められます。

想像力豊かな食材の使い方や調理法を編み出すことによって、新たなメニューが生まれ、それがきっかけでお客さまが増えることもあるのです。昔からある調理の基本も大事ですが、柔軟な発想を生み出す想像力も、調理師には大切なことです。

味覚が優れている人

調理は非常に繊細な作業です。ちょっとした火加減や味つけによって味に影響を与えるので、細かい判断力が必要となります。

調理前の食材が新鮮であるか、調理方法が間違っていないかを判断するためには、味覚の鋭さが重要となるので、味覚が確かな人は信頼される調理師となれるでしょう。

まとめ

料理人と調理師の大きな違いは調理師免許の取得有無です。調理師免許がないと調理師と名乗ることができません。

調理師免許がなくても料理に関する仕事ができたり、飲食店を開業したりすることができます。しかし、調理師免許があることでキャリアアップや就業条件の向上、料理人としての信頼につながるなどの多くのメリットがあります。

食は人間の活動において重要な要素であり、豊かな食生活は多くの人を笑顔にさせる力があります。食に関する知識が豊富な人、おいしい料理で人を喜ばせるのが好きな人は、調理師を目指してみてはいかがでしょうか。

 

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