要領よく働く福田に対して、バイトに全力投球の益子。むしろバイト中心の生活になり、大学へ通うことがシフトに!? 10年間も同じバイトをふたりで続けた、爆笑&ほのぼのエピソード!
(写真左から)福田薫/1978年生まれ。益子卓郎/1978年生まれ
1978年生まれ。栃木県出身。
栃木弁を軸にした、癒し系ほのぼの漫才が人気。2008年M-1グランプリ決勝進出。テレビ、ラジオ、ライブと活躍中。
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福田と益子で職場の改革に乗り出す!?
福田:作業は大変だったんですけど、そこで働いているときは凄く楽しかったですね。学校に友達に会いに行くような感じで……。僕がキャプテンになってソフトボールチームを立ち上げたことがあるんですよ。工場は東京の町田市にあったので市の大会に参加したりして。チームの中にはスリランカ人の体格のいい選手がいて、相手チームが結構ビビるんですよね。だけど全然野球なんてできないから、すげえエラーとかしまくって、そういうのがとても面白かったです。
バイトの最後のほうは僕らが担当主任みたいな感じになって、取引先とかに「あした何個納品したらいいんですか?」って聞いて、それにあわせてラインを引いて品物を流して完成させて出荷するっていう作業までやってました。
益子:5年目くらいのときに、お笑いの仕事がだんだん増えてきて、あまり工場に行けなくなってきたんですけど、それと入れ替わりで僕らが教えた外国人のスタッフが凄く頑張るようになってきて、後半とかは彼らに指示されてやったりとかして、感慨深いものがありましたね。
それと、工場でとる弁当にはこだわりました。どの弁当がウマイか、みたいな感じでアチコチに電話してお試しをもらったりして。
福田:そのとき工場で契約している弁当が、あんまり好評じゃなかったんですよ。でもみんな「まずいな」と思っているだけで何もしないから、「これは変えましょう!」と。弁当屋に片っ端から電話して、いろんな弁当を取り寄せて、みんなで試食会を開いて多数決で決めることにしたんです。「おんなじ金額なのにこんなに違うのか!」と、目からウロコだったみたいですね。
益子:「ウチの取ってくれるなら、金曜はカレーをサービスします!」なんてところもありましたね(笑)。そうやって、職場の福利厚生も充実させました(笑)。
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特徴から仕事を探すそれぞれのアルバイトの思い出
外国人との交流、衝撃の瞬間とは…?
益子:工場には若者から年配の方、外国人までいろいろなひとが働いていたけど、特に外国人労働者との交流が思い出深いです。僕が持っているエッチなビデオをよく貸してあげたんです。そしたら「カワイイカワイイ」ってスゲー喜んでました。うっかり貸すのを忘れていると、「そろそろある?」みたいに催促されたりして(笑)。
そんな風に交流していたから、風邪を引いたときにその彼がマッサージをしてくれたんです。こめかみのところに薬を塗られて10分くらいずっとグリグリやられて……。これで風邪治るのかな? と思っていたらグリグリが止んで、目を開けてみたら、お祈りしてました(笑)。
福田:僕、一時期ハイエースを運転して納品係もやってたんですよ。で、ちょっとウチの若手のオペレーターがまだ技術不足で、やたらと不良品を出しちゃうんですね。普通、不良品って多くて全体の3%くらいしか出しちゃいけないのに、彼がやると不良品が60%とかいっちゃって(笑)、俺、毎回ムチャクチャ先方に怒られるんですよ。「いい加減にしてください!」みたいな感じで。当たり前ですけど(笑)。……で、どうしても必要だっていう部品があって、「これはちゃんとやってくれよ!」って念を押されて、「大丈夫です。今回は任せて下さい!」って胸を張って答えたのに、持っていったら案の定不良品ばかりだったんですね。そしたらその取引先のひと、口から泡を噴いたんです。僕、リアルに口から泡を噴くひと初めて見ました。って、笑い事じゃないんですけど(笑)。
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特徴から仕事を探すアルバイトを通じて学んだこと、嬉しかったこと
福田:アルバイトをやってよかったことは、いろんな世界の裏側を知ることができたことですね。
益子:僕は仕事の大変さを学べたところがよかったです。普通に生活できるくらいには稼がせてもらえていたので、大学も途中からは仕送りとかもいらなくて、不景気の中、仕事がもらえてホントありがたかったです。
福田:あと、思い出といえばもうひとつ。「M1グランプリ」の準決勝に進んだときのこと。初めての準決勝だったんでガチガチに緊張してたんですが、無事終わって会場を出たら社長から電話がかかってきて「良かったじゃねえかよ!」って言うんです。「えっ?」って聞き返したら、僕らに内緒で会社のメンバーを連れて観に来てくれてたみたいで。「M1」のチケットは人気があるんで、インターネットで落としたとか言ってました。それからみんなで町田に帰って飲んだことは忘れられませんね。
益子:社長、今でも僕らのタイムカードを会社に置いてくれてるんですよ。
福田:僕らはいいバイト先を見つけられたけど、仕事先を探すときは、きちんと下調べをしたほうがいいと思います(笑)。インターネットは便利だけど、自分の目で職場の雰囲気を見たりとか……。
益子:いい職場と巡り会えるといいですねえ……。僕は10年間おなじ職場で働きましたけど、いろいろな仕事を経験することも大事だと思いますよ!
